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ヘタレの異世界無双   作者: garaha
二章 入れ替わった男
198/709

13話 考えてもxxx

 どーも、お久しぶり。最近影の薄いユウタです。

 色々頑張っているのですが、肝心のユーウは売国奴認定中です。

 良かれと思って行動しているのですが、彼は工作が下手です。

 暴走は、止められるのですが……

 えっ。もっと、派手にやってしまえ?

 噂を流す貴族を特定して、皆殺しですか。

 うーん……

 証拠を残さずやってしまえる能力は、ありますが。

 ユーウには、やれないでしょう。出来たら、覇王にとっくになってますよ。

 煽れ?

 やると、人類滅亡とかあり得るのでちょっと……

 ハーレムファンタジーですので、人が居ない世界というのも。

 何故だかユーウの評判は、広まったりしません。

 味方が妨害しているので、殺す訳にもいかないのです。

 殺せ?

 味方の女の子を? どうなんでしょうか。

 女の子なので殺せないのは、ヘタレの特徴です。敵でむかついても美人なら許せちゃいますよ。

 ほら、下心的に下半身的にですね。女の敵を捕まえれたら、色々使い道が多いですし。

 男? 

 すぐ殺すに限ります。邪魔なだけですもん。

 味方ですら、邪魔です。僕がユーウなら、アドルと距離を取るんですけれど無理のようです。

 話の上手いイケメンだと話題に事欠かないみたいです。

 そんなヘタレなユーウは、雪かきに大忙しで暇がありませんね。

 冬でしかいないモンスターとの戦闘も増えている訳で。

 まあ、どうにかなるでしょう。きっと。 









「話なさいな」


 豪奢な金髪に紅いドレスが、合う少女。

 そのフィナルの前には、一人の男が片膝をついた状態で座っている。

 男の名は、モブレ・ケーニッヒといった。

 フィナルの家に仕える騎士でもある。ここに呼ばれたのは、モブレが監視役であったから。

 フィナルの眼下では、武闘大会が行われている。

 視線は、そちらの方へと向き、モブレは視界に入るかどうかといった所だ。


「はっ」


 報告を進める内に、扇子で顔を覆う彼女の気配が凍る。眼光も穏やかではない。

 モブレは、ここに来た事を後悔し始めた。元々、乗り気ではなかった任務だ。

 報告を終えて、武闘大会に参加するというつもりであった。

 しかし、主人の娘をないがしろにはできない。

 彼女は、絶大な権力を握る人物だ。女神教の内部でも大司教に任じられる程。

 光の巫女。癒しの聖女。腹黒な子豚。色々とあだ名は多い。

 ここで言う女神教とは、フレイヤを筆頭にアマテラス、アテナと雑多に女神たちを信奉する宗教である。聖女機関を擁し、ミッドガルド国内で一大勢力を誇っていた。そういった宗教勢力の上層にいて、領主の娘であったりするのだ。国内には、多様な勢力に目も耳もある。

 

 更にいえば、モルドレッセ家の領内でなら、指一つ声一つで人が生き死にするだろう。

 かつては、豚というのがぴったりであった幼子も今では風格さえある。

 幼女の声が冷たく耳朶を打った。今日の彼女は、カールさせた髪に元気がない。


「それで……貴方は、どう判断したのかしら」


 答えに詰まった。フィナルの意向に沿った返事でなければ、首と胴がお別れしてしまう。

 そう、彼女には裏の一面がある。鮮血の女帝。

 ユークリウッド・アルブレストに仇なす相手を秘密裏に始末するという。

 裏の仕事を担当する部隊も飼っている。

 モブレもその一員だから、逃れられない事は十分承知していた。

 

「やはり、手を出すべきではない。と、判断しました」

「……よろしくってよ。貴方の首、繋がって良かったわね」


 フィナルは、未来を見通す。と、言われている。

 それだけではない。過去も人の心でさえも見通す、と。

 彼女が、その力を使う事は滅多にないらしいが、今がその時なのだろう。

 読心術に、先読み。星読み。精神支配。記憶操作。予知夢見。

 

 数多のスキル持ちでもあった。

 本人は、これらを使う事を嫌う。が、ユーウが関わるとなると別だった。

 モブレは、べっとりとねばった汗を手に取る。何時もの彼女ではなかった。

 声に、悲しみが宿っている。光に満ちた存在であるべき。

 モブレの胸中には、黒い靄の方が溢れんばかりだ。


「感無量であります」


 からくも難を逃れたモブレは、一人きりだ。彼女を支えたいのに。







 事の起こりは、上司からの命令だった。

 筆頭神殿騎士でもあるガレス卿から命令を断る事など、モブレにはできない。

 する、しないではないのである。

「ユークリウッド・アルブレストの弱みを握り、報告せよ」というのが内容だった。

 以来、任務に時間を割いて、ユークリウッドの家を見張る事に。

 そこで、もうすっかり壺の中だった。

 

 ユークリウッドは、隙がない。見た目は、ぱっとしない魔術師に見える。

 フィナルを変えた人物として、モルドレッセ家では噂になっているが。

 そういった噂もあって、物理的にどうこうする事はできない。

 ので、弱点を探そうという話なのだろう。

 一日中、家に篭っているかといえばそうでもないらしい。見張りをする意味が薄すぎた。

 ずっと、張り付いていてわかった事は、彼が善人の部類だという事だけ。


 家を失った乞食に、職を探したり。一人で、どこから出したのか不明な野菜を売っていたり。雪を通りからかき分けたり。

 一人で、暴漢を捕まえていたり。悪い人間には、見えなかったのである。

 止めを刺されたのは、通りで薪売りに扮していた時の事だ。

 大量に積んだ薪を荷車からこぼしてしまい、モブレがあたふたした。

 そこに、運悪く雪の影響で地面に穴が空いたのか。荷車が倒れてきた。


「ううっ」


 モブレは、死ぬ。そう思った。そこに現れたのが、ユークリウッドだ。

 彼は、あっさりと荷車を持ち上げてどかした。

 常人では、到底持ち上げられない重量だ。

 辺りには、誰も通らなかったので一人だった。部下も近くにいない。

 一人寂しく死んでしまう所だ。味方は、都合よく現れはしない。

 ユークリウッドは、一人でそれを成し遂げた。


 そんな事もあって、モブレはユークリウッドに恩返しをしなければならない。

 という風に考えていた。

 そんなある日。


「奴の妹を攫え。これは、命令だ」


 別の上司から、言い渡された。仲間は、アイスマンと他の草役たち。

 納得し難い命令だった。だから、モブレは同僚であるアイスマンと口論になったのだ。

 判断に困る内容。フィナルが知っていれば、絶対にやらせない。

 そして、決行する時間にアイスマンとやり合う顛末になった。

 命令違反は、厳罰が待っている。それでも、納得できる話ではなかった。

 

 同僚たちを斬り倒し、逃げ隠れするモブレの元へとやってきたのはユークリウッド本人だった。

 それで、茶飲み話をした後にフィナルの元へと戻る事になる。

 




「下がりなさい」


 扇子をパンっと打つフィナルに冷たく宣言されて、ようやく下がる事ができた。

 モブレは、冷くなった汗で風邪をひきそうなくらいである。

 何かに怒った彼女からは、異様な圧迫感が押し寄せていた。

 罰として、監獄に収容される事も予想されていたのだ。

 

 虎口を逃れたモブレ。

 冷えた身体を温めるでもなく、向かったのは観客席。剣戟の音が、闘技場から響いてくる。凍る地面に、立つ男が二人。

 戦っているのは、サムソンという剣士と騎士ガーフだ。

 情報だけを聞けば、ガーフが勝つに違いないと断言できる。

 レベルが上だとかそういう面もあった。しかし、荒い息を立てているのはガーフその人だ。赤騎士団にその人あり。と言われる人物が何故か苦戦している。席に座り、観戦をし始めた。手には、フィナルから下賜された手弁当がある。中々に美味しい。と評判は上々だ。


「ははあ。成程、スキルか」

「おっと、ここいいか?」

「おう」


 座っているモブレに声をかける男。

 隣に座ったのは、貴族で同僚の騎士でもあるアイスマンだ。モレ・アイスマン。死んだ筈の男だ。

 黒髪を総髪にした頭で、どこか執事然としている。今日は、鎧を脱いでラフな格好であった。

 燕尾服を着れば、そのままそう呼ばれそうな男ぶり。空色の瞳が特徴である。

 モレと呼ばれる事には、嫌らしい。モブレに似ているからだろうか。

「アイスマンと呼べ」という風にモブレや周囲には強制する。モブレには、名前に拘りがない。が、彼にはコンプレックスのような物があるのだろう。


「不覚だった。次もそう上手くいくとは思うなよ?」

「へいへい。終わった事だろ。それより、試合に集中しようぜ。とっと、なんだよそりゃ」


 蒸し返そうとするのか。モブレは、興味ないふりをする。

 観衆からは、怒声が響く。驚くのも無理は、ない。只の剣士に騎士が負けてしまったのだ。

 大番狂わせだった。地面が凍っているとはいえ、予想外の展開にオッズの変動も激しい。

 賭けたチケットを宙に投げる人が多く見かけられた。

 以前の奴隷剣士としての彼ではない。明らかにいずこかで修練を積んだ剣士だった。

 

 負けるのも不思議ではないだろう。足運びから、それが伺える。

 剣閃まで紅い残光を伴っており、それがガーフの体力を削いだ。と、モブレは推測した。

 持つ剣が魔剣ならば、金属の鎧で身体を覆った騎士に傷を負わせられるのも大きい。

 粗野だった剣に、滑らかさが加わり、その上基礎体力が相当上がっている。

 受け続けたガーフが、剣を杖にするほどだ。

 圧倒された負けに彼も口惜しさを滲ませている。

 そこで、隣の男が口を開いた。


「いや、それで……どうだったんだ?」

「あー。まあ、詳しい話は聞けなかったな。ただ、上の方で入れ替えがあったみたいだ。それで、次の任務なんだがこれがまた厄介だ」


 アイスマンが額に手を当てる。眉間には、皺が出来ていた。


「どんな? つうか、俺もお咎めなしってどういう事なんだろうな」

「そのままだろう。内容が、宮廷での火消しと情報収集だと。眠くなりそうな任務だぜ」

「そういうな。それは、重大だぞ。多数派工作というのは、生半なものではない」


 フィナルの家に仕えている裏方だけでも、千人近くが王都に滞在中だ。

 それらでもって情報の工作をするのである。人手はいくらあっても足りない。

 手元にある資料をアイスマンに渡す。ぱらぱらとめくっていく。

 アイスマンが生き返った事を知っていたから、驚かずに済んでいる。


 フィナルは、女神教における蘇生術の天才だ。

 他の誰にもそれは真似できない。

 蘇生術には、多大な代償が必要であり、人一人を甦らせるのに大神官の寿命が十年は縮むという。百年に一人の天才だと謳われて。

 彼女は、万を蘇生し、その十倍の怪我を治してきた。

 他にも、傍にいるだけで活力が湧いてくる等という迷信さえ生まれている。隊にいる人間は、多かれ少なかれ彼女の世話になった。

 彼女の為なら、死すら厭わないというのが裏部隊全員の気持ちだ。


 だから、ユークリウッドに対してはモブレも複雑な気持ちを抱いている。

 彼女を変え、引き上げたのも彼の功績。それは間違いない。

 しかし、任せられるかといえば疑問符がつく。今日の彼女は、泣いていた。奥歯の方には、力が入る。 


「ふむ。ところで、よくも無事に帰る事ができたな?」

「ああ、死中に活路を見出したって訳さ。奴の妹が乗る馬車を護衛していたら、別の襲撃者が現れて戦闘になった。部下も少なくない人間が死んだけどな」

「たまらんぜ。昨日死んだかと思えば、今日には生き返っていたりしてな。俺は、ゾンビですかっての」

「心臓は、動いているんだろ。酒でも飲むか?」

「おう。それじゃあ、一献」


 アイスマンを蘇生させたのは、フィナルだ。

 それを希望したのは、モブレだったりする。

 古い付き合いだった。蘇れなかった部下たちも少なくない。陰鬱な影が、アイスマンの顔を横切った。

 

 アイスマンは、幸運な方だろう。死ねば、戦士の館に行くのがミッドガルド騎士の本懐でもある。

 が、モブレにはまだ死ねない。彼女と交わした約束がある。

 フィナルの手弁当にアイスマンが手を伸ばそうとするが、阻止だ。

 仕方ないとばかりに嚥下するアイスマン。


「うめえ。これは、ニホンシュか。いいものだな」

「まあ、麦酒ばっかりじゃあな。つまらんだろ」


 麦酒の品質が、いい。濁った酒から、上質な物が庶民にも手に入るようになった。

 そこで、フィナルの事を思い浮かべる。赤子の頃から、彼女は言葉を喋れた。

 それは、異様な、異質といってもいい。心まで読めたのだから。

 陰となく日向となく賞賛と悪意が交互に襲い、フィナルは消耗していった。

 守るのだ。彼女の事を。モブレは、誓ったのである。騎士の誓いという奴だ。

 アイスマンは、どんどん酒をあおる。止める間もない。


「セリア様は、でないのか。面白くないな」

「そう言うなよ。もう、オッズがつかねえ。倍率が一じゃあな。物好きでも賭けにしねえよ。勝てる相手はいねえのか」

「噂じゃ、そのユークリウッドに勝てないらしい。やっこさんが出れば面白くなるんだが、出ないしな」

「なんでだ? 名前を売るには持って来いだろうに。金も名声も思うがままだぜ?」

「知らん。興味がないのか、忙しいのか。もう少し飲んでいいか?」


 闘技場では、審判役がいる。その横では、ジャッジを下すセリアの姿があった。

 彼女は、絶大な人気と実力の持ち主だ。妖精さながらの容姿。幼女でありながら、上級騎士だろうが指一つで倒す。話を聞いた大人なら「嘘だ」というような武勇伝ばかりある。フィナルが主催するこのアーモンド杯での参加は禁止されていた。理由は、常勝にして不敗だからだ。あまりにも強いというのは、時として面白味に欠ける。それ故だった。たまに勘違いをした相手が現れるのもサプライズだったりする。

 噂を聞いた相手が、名乗りを上げるのわ。


 手袋を投げる恰好で始まり、そして一瞬で終わりを告げる。

 関節を極める技で、対象の相手は泡を吹いた。

 玩具にされた相手が、技の実験台にされて運ばれていく。

 子供に大の大人が翻弄されるのだ。冗談にしか聞こえない光景。

 それに絶句する人間は多い。中々に、それは信じがたいものである。

 

 モブレの中での戦闘とは、血肉が弾け飛ぶものだ。フルプレート同士だと、泥臭いもの。

 取っ組み合いで、短剣をねじこんだりするのも稀にある。

 互いに魔剣がなく、スキルもろくにないような状態では鈍器が最高の武器だったり。

 金属鎧同士では、剣よりも鈍器が有効だったりする。弩も有効だ。

 ただ、魔術が施された鎧を相手にしてはそれらも効果薄。結局取っ組み合いになる。


「酔いが回ってきたみたいだぜ」

「ああ。そうみたいだ」

「ところで、やっぱり。後悔しているか?」

「勿論。してないといえば、偽りをいう事になるな。命令に従うのは、軍人だ。しかし、騎士は主人に忠節を尽くすものだろう?」

「だな。俺も、どこかでそんな気持ちがあったからか。剣が鈍っちまった」

「……」


 路地裏で起きた死闘。アイスマン率いる隊とモブレの隊はぶつかり。

 アイスマンの部下は、半数が生き返れなかった。皆、戦士の館へと旅立ったのだろう。

 彼らの死は、不名誉な死ではない。任務に忠実であろうとした結果である。

 けれど、仲間同士で殺し合いになるのは避けるべき事だ。

 

「すまん。湿っぽくなっちまった」

「ああ」


 間が空いている。モブレの隊が勝ったのは、一重に装備と連携の差。

 弩を使う事も厭わない。そんなモブレ隊に対してアイスマン隊は、正々堂々たる騎士ぶりで。

 モブレも必勝を期しての攻撃。数で劣ったモブレの苦肉の策が功を奏した。

 互いの剣を交える頃には、数で優勢に立ち、押し切ったのだ。

 最後は、アイスマンを斬り倒して終えた。勝ったというのに、負けたような苦味。

 そして、友を殺すというのは魂にも響く。


「今日の優勝者は、サムソンか。大番狂わせが優勝とは、また」

「セリア様の姿が見えないな」

「帰ったんじゃないか? 忙しい方らしいぞ」


 彼女の攻撃は、豪快な攻撃だ。たまに見る事ができる。空を飛んでの空中殺法であったり、衝撃波による目くらましであったり。ロシナ・アインゲラーとの戦いでは、地面を叩いて土の波を作ったのには席から立ち上ったものだ。叩いた効果で、観客席までも地面が浮いたものである。対戦相手は、それに飲まれるだけで戦闘不能だった。ゆうに家屋ほどもある波を飛び越えられるような人間は、そういない。魔術師でも浮遊魔術の呪文を長々唱えている間に終わりだ。


 剣を使えば、黒い魔術の光が印象的だ。彼女の剣は、あまりにも鋭く、そして速い。ロシナがバラバラにされた事は、衝撃的であった。文字通り細かく、だ。魔術を使用する際に、何故光が放たれるのか。黒い光とは、一体? というような疑問は大勢の人間が思い浮かべる事だろう。人間では、光を産み出せない。そんな事は、常識なのだ。という事は、魔術を使える者は人間ではない。という事になる。


 モブレは、その考えを否定するしかない。何故なら、モブレも魔術が使えるのだ。大抵のミッドガルド人であれば、魔術を使う事ができる。しかし、他国ではそうもいかない。使える者は、国民の二割だったりする。あくまで隣国に限っての話だが。


 セリアは、何時の間にか観覧席にいるフィナルの隣にいた。彼女の攻撃は、拳による破壊がやけに派手だ。金属鎧を着たロシナの胴に穴を開ける事も珍しくない。


 最近、ロシナ・アインゲラーを見かけないのは戦場に出向いているせいであろう。彼のスキルは重装騎士の物が揃っている。大剣を装備するが、片手剣の方も使える。モブレでは、太刀打ちできないだろう。ガーフを秒殺するらしいのだから。その彼が、全く赤子のように捻られる。どの武器を使っても完敗だ。


 素手が一番厄介だというのが、一般的な見方である。

 得物を使っての戦いは、まだ常識の範疇に入る。

 セリアは、モブレたちが使う鈍器があまり好みではない様子だ。


「見たかったが、残念だ。下手な見世物よりも凄いのにな」

「全くだ」


 アイスマンとの戦い。武器は、ばらばらだった。

 モブレの隊は、騎士に魔術師といったオーソドックスな構成だ。

 補助が、付き回復役を守る。ぶつかり合いも一瞬で決着がつく事も多い。

 数で勝った方が、引く相手を追うという光景もある。

 一方的に相手を倒した際などは、凄惨な場面が出来上がる。


「にしてもーこれを作っているのは、誰なんだ? 聞いた話じゃ外国人が作っているらしいじゃないか」

「その話か」

「出所は、フィナル様経路なんだろうけどよお。アル王子の元で作っているって話もあるじゃないか。どっちなんだろうな」


 難しい話だった。それこそ、モブレがアイスマンと戦う羽目になった根幹でもある。

 根っこをしってしまえば、実に馬鹿馬鹿しい。

 現場の人間は、いつもとばっちりを受ける。


「さあな」

「そうか。俺は、またこれが絡んでいる話なのかと色々考えていた。部下を死なせて、生き残っている隊長ってのは無様なもんだな……」

「……」


 ちょっと運命の歯車が噛みあわせを間違えた。それだけの話だ。

 知る事を知っていれば、アイスマンとて違う反応を見せたかもしれない。

 そして、部下も死なずにすんだかもしれなかった。生き返られるだけ幸運だ、が。

 慰めの言葉も見つからない。モブレがいうのは憚られた。

 内密でも喋れない事案だ。ユークリウッドは、金の生る木である。


 さらに言えば、彼が関わっている元外国人たち。彼らに作らせているのが、その実だ。

 飛ぶように売れる麦酒は、だいたい彼らの生産品。

 金の話が遠くからきて、ユークリウッドの家族に危険を及ぼしていた。

 秘密という物は、誰かに喋れば漏れていく物。喋らないに越した事はない。


「つまみが欲しいな」

「こんなのは、どうだ?」

「烏賊か。悪くないんだよなこれ」


 取り出したのは、干した烏賊を細切れにしたようなものだ。寒いので、温めた酒とよく合う。

 ユークリウッドから貰った物でもある。フィナルに「寄越しなさい」と言われたが固辞した。

 モブレの物は、モブレの物だ。

 黄色く細長い。噛んでも容易には千切れない。塩をまぶして食べるといいらしい。


 そこにモブレは、醤油を使う。これも、いただき物だ。

 昔は、調味料も何もなかった。硬いパンで少年時代を過ごしてきた。

 今や、ふんわりとしたパンが百ゴルで手に入る時代だ。だから、今の子供たちは恵まれている。

 

 騎士の給料が、三十万ゴル。十分に家族を養っていける。少し前までは、千ゴルでも一万ゴルでも柔らかいパンは買えなかった。売っていなかったのだ。

 王都に限ってではあるが、石のように硬いパンは、外縁部で殆ど見かけなくなった。

 住むならば、外周に位置する場所がいい。と、人気になっている。

 治安は、落としていた物が返って来る程。貴族たちにも理解できない事態だ。


 そして、商売人にとってユークリウッドのような人間はうっとおしいだろう。

 それゆえか。ユークリウッドを売国奴に仕立て上げようという勢力は、多い。

 目立った動きで、尻尾を掴ませないのがいやらしい。

 叩けば埃のでそうな所から虱潰しに行かなければならなかった。

 

 接近してきた部下がいる。楚々をした足取りでだ。しっとりとした声で、終わりを告げる。


「隊長。そろそろ」

「おう。じゃあ、またな」

「……ありがとう」


 謝辞を言うアイスマンに対しモブレは、背中越しに手を振って振り返らなかった。

 ちょっと、涙が目尻から出ていたからだ。

 








「相手を纏めて、暗殺するって手もあるが危険すぎるな」

「やっぱりそうだよね。妹の事を考えると……」


 目には目を。というような諺もある。

 暗殺には、暗殺が返って来る可能性は捨てきれない。

 ユーウには、できないだろう。

 「見逃してくれ」と言われるとすんなり見逃す男だ。


「確かに、できない芸当じゃないだろうけどなあ。やったら、後戻りできなくなるぜ。その上、何度でもそれを使わなきゃいけなくなっちまう。自分に反対する勢力をどうにかするのも、器量の見せ所だろ。でも、それもこれもフィナルに頼りっきりだったのがいけねえな。わかってるよな?」

「わかってるよ」


 とある原因でロシナは、焼死した。それで、方々に手を回したのである。

 それをやったのは、目の前の少年だった。繰り返されるのはループで。

 元を避けなければ、乗り越えられない。

 千を超えた辺りで、数えるのを止めた死。段々、死ぬのが快感になる。


 死に戻りスキルは便利だ。超絶のチート。そう言われてみてもロシナには実感が湧かない。毎日一度は死んでも余裕だ。何のデメリットもないのなら特に。死の痛みにも、慣れっこである。全く問題がない。

 しかし、避けるしかないイベントばかり。どうにもならない事は、どうにもならないのだ。

 

 後ろには、何時ものメンバーが揃っていた。

 今日は、フィナルもエリアスも参加している。片方は、何があったのか少々やつれ気味だ。

 フィナルは、いつものドリルヘアーを装備しているが張りがない。

 エリアスというと、表情を隠すように仮面をつけている。

 なんとも不気味な様子で、ロシナは気が気でない。


「それと、だ。謝ったのか」

「何を?」


 ロシナは、彼女たちの様子を伺った。セリアとアル、それに最近参加しだしたクリス。

 見るからに、壁がある。アルは、とにかくセリアも出はお姫様だ。

 傲岸不遜を地でいく。


「何って、フィナルとエリアスにだよ」

「特に、ないよ?」


 ロシナは、溜息をついた。これで、良くなる筈もない。

 もっとも、狩りの進行は順調そのものだ。キューブに溜まる経験値の量は、ぎゅんぎゅん上がっている。レベルを上げれば、その分だけ闘気や魔甲の技術は使える幅が広くなる。それで、自身を強化していくのが正道であった。

 各階層には、ボススライムが存在するのが特徴だ。大きさで強さがまちまち。

 巨大であるほど、難易度は上がる。特に、触手のような攻撃を使うボスは強いと言えるだろう。

 エリアスとユーウの火力が無ければ、全滅は必至だった。

 

 狩りを一時間程続けて、


「謝り倒してこいよ。待っていると思うぜ?」

「必要ないと、思うけど。どうしてかな」

「どうしてって……」


 ロシナは、そこで振り返る。どういう訳か、彼女たちの声は元気がいい。

 あまり、突いてはやぶから蛇を出すような物だろう。

 ユーウが何かをしたに違いない。頭を下げるには、頑固な一面があったりする。

 父親に、「しっかりアル様を支えなさい」という叱責を受けたばかり。

 ユーウを翻意させるには、時間が必要だ。


「そうそう。エリアスとフィナルからパーティーのお誘いを受けたんだ。君もどうかな」

「えっ……」


 ロシナは、絶句した。それがわからないという。

 機嫌が良い筈だ。つまり、それは。と、説明をしてやる必要があるのか。

 ロシナは、にこにこ顔のユーウをたしなめるかどうか迷う。

 折角の機会だ。たまには、ユーウの顔を売るのもいいだろう。

 アルは、怒り心頭になるかもしれない。その事に、注意すると決める。


「一人でこいって、言われても心細いしさ」

「あーあー、ああうん。まあ、いいが」


 口が滑った。ロシナには、ユーウに返しきれない程の借りがある。

 二人の行き過ぎを止めるには、ロシナが付いていてやる方がいい。

 社交界。それは、人間の上下関係がもろに出る。

 アルが嫌うのは、そういったおべっかの雨が嫌いだからだ。

 馬鹿になる。という。


「隅っこで大人しくしていれば、いいだろうし」

「……」


 どう考えても、フィナルとエリアスの罠だ。どちらが先に仕掛けるのか。

 ロシナは、不安になった。どう転んでも、ろくな結果しか見えてこない。

 冥界神との契約もあって、二人の進展を見る訳にもいかなかった。

 さりとて、排除する事ができるのか。ロシナには、ノーという結論しかでない。


 狡猾な連中を相手するには、二人の家が持つ力というのは重要なファクターだ。

 もう、これなしにはユーウの秘密という物は保てない。

 ばれていけば、引っ張りだこになってしまうだろう。

 男爵であるユーウ。本来ならば、もっと昇爵していてもおかしくない。

 原因は、父親が生きている影響であった。父親が士爵である以上の爵位を賜るのはどうか。

 というような貴族たちの意見を無視できない為だ。硬い伝統を守る国のシステム。

 これを破壊するような真似をアルが取るには、早急過ぎる。


 分家するか。とか父親をどうにかするか。

 という内容をロシナが聞けば、「何てことをいうんだ、糞野郎」と地面をダイビングする羽目に。

 五十メートルほど滑った。


「ん、うーん。休憩にするか」

「そうしよう」


 三十二階のボスは、ロシナの手に余った。奇妙な女の皮をつけた真っ黒な像を外装としたスライム。

 腐った匂いは、鼻を殺す勢いだ。どろどろとしたマッシュルーム風の触手も嫌悪感をもよおす。

 ロシナが、前衛に立ち、左右にはアドルにクリス、コーネリアという恰好で戦闘。

 中衛は、アルにセリア。敵の攻撃法は単調で、ダメージを受けると酸の霧を放つ。

 触手で捕まえて、冒険者を食べるという戦法らしく、それさえなんとかしてしまえば楽だった。

 

 もっとも、相手を削ぐのも倒したのも魔術で。火の魔術を使える人間だけだ。

 ロシナとセリア以外が倒した、といってもいいだろう。

 DDは、小型の蜥蜴を連れて散歩している。呑気なものだった。

 子供なのか。そこは、不明である。モンスターの死体を食べている事が多い。

 牛神王の迷宮には、多数のスライムが生息しており、死体を食べている事で成長している。

 スライムの体液は、非常に危険だ。酸であったりするのだから、飲める物ではないのだ。

 DDは、全く平気のようだ。ロシナとは、会話をする気がないらしい。

 

「それでは、段取りをするから。ちゃんと来なさいよ」

「うん」


 エリアスとユーウは、仲直りしたのか。悪くなっていない様子ですらある。

 休憩。といっても、浮かぶ板で次の階まで移動中だ。

 

「ふん。私も当然出る。が、フィナル。わかっているんだろうな」

「わかっておりますとも。万事、お任せになってくださいまし」

「ぐう」


 アルーシュは、憮然としている。寝耳に水な話だからだろう。

 黄金の金属鎧に、赤いマントはいつも通り。それに加えて羽飾りのヘルムを付けている。

 腰に下げているのは、魔剣グラムだ。

 その反対には、神剣ティルフィングを下げている。

 アルーシュにとって、社交界というのは拷問に等しいらしい。

 苦虫をかみつぶしたような表情で、フィナルに当たっている。

 フィナルは、涼しい顔だった。


「三十五階まで行こうと思っていたんだけど。時間なさそうだねえ」

「そんなに時間ないの?」

「うーん。この後、ロシナを連れて学校に行ったりアルカディアの防衛戦に加わったりしないといけないからね。で、救援物資を運ばなくちゃいけなかったりするし。大変だよ」


 ユーウに、アドルが疑問を呈している。

 ロシナは、愕然とした。貴族なら、優雅に紅茶でもすする物だ。

 ユーウと付き合っていると、自然と日本人じみた時間の配分になる。

 倒れてもおかしくない。魔甲に気を使ったロシナの底上げは狂気じみている。


「手伝うのか」

「しないと、しばかれるというか。ユーウにあさって向かれたら、俺の未来に関わるしなあ」

「そうかい」


 コーネリアは、ばばあ言葉が治りつつある。たまに出るのは愛嬌だろう。

 ユーウに頼んでおいた馬車の改良は、つつがなく進んでいる。

 寒いので、チェーンをつけたり。タイヤを履かせたり。サスペンションやクッション装置を作ったり。

 色々と、山田や美上といった学生たちに助けられている。

 もちろん、鳳凰院といった支配者側の人間たちを教育する事も忘れてはいない。

 国の保護を離れればどうなるのか。そんな事を一から教え込まなくてはならないのだ。

 

 そもそも、水も空気も土地もタダではない。

 水に至っては、ミッドガルドで奪い合い戦争になっていたりするのもごく普通の出来事。

 ユーウが水瓶の神具を動かす事が出来るまでは、隣国とのいさかいの種はもっぱらこれだ。

 川が大陸を横断する恰好で流れている為だ。水源を無防備に晒している日本とは、訳が違う。水でさえ、戦争が起きる。

 彼らも相当なお人好しで、平和ぼけしている節がある。

 戦闘に際しては、稀にみる強さであるが。




「こんな物か」


 ロシナたちは、一旦帰還した。

 向かったのは、王都の冒険者ギルドだ。モンスターからとれるアイテムを引き取らせるのだ。

 スライムの階は、大抵その酸が目当てだったりする。色々な酸が取れるのだ。それ以外は、ろくな素材がなかった。

 酸というのは、扱いが難しい。かぶれば、皮膚が爛れてただでは済まない。といって、階層をスキップしていくにはロシナの実力が不足していた。

 

 ユーウは、エリアスとフィナルに挟まれる恰好で座っている。

 クリスに気があるような口ぶりだが、その行動は控えめ過ぎた。

 アドルとすっかり仲良しになっているので、躊躇われるのだろう。

 ロシナも、わからないではない。

  

「のう、主。あれは、なんじゃ?」

「ん。あれか。あれは、掃除機という。魔術を使わないのに、埃や塵を吸い込んでくれる優れ物だ」

「世界が変わるのう」


 地が出ている。コーネリアには、小さな機械で吸い込む機構がわからないのだ。

 大抵の国民にも、不思議な魔道具として人気だったりする。

 コーネリアが、吸い込み口に手を翳したりして遊ぶ。すると、清掃員のおばちゃんに叱られた。

 しゅん、となって帰って来る。


「叱られてしまったぞ」

「そりゃ、そうだ。いいものだろう?」

「面白いな。あれは、一体どのような魔術が作用しておるのか」


 人の話を聞かない子だった。コーネリアの魔術万能節だ。

 確かに、魔術で大抵の事が片付く。ユーウの田植え等はその最たる物だろう。

 あれを見て、「すげええ」とならない人間はそういない筈。

 投げて、それを空中でコントロールするのだ。微細な制御を良くする物で、エリアスに基地外扱いされる。それくらいに、ユーウはとんでもない魔術師だ。一つの田んぼの田植を三十秒で終わらせるのだから。もう、農民はユーウだけでいいんじゃね。と言えるくらいだ。これをユーウに言うと殴られるので言わないのだけれど。

 

 ロシナが、肥溜めに頭から突っ込んだ記憶は新しい。後は、空中で前傾姿勢を作り手で田植えをするという物がある。相当疲れるらしいが、修行といいはる。畑も同じ手法だ。


「まあ、いいんじゃないのか。おっと、またランクが上がっちまったぜ」

「それは、めでたいのう。ついでに、主。食事をおくれ」

「おう」


 ロシナは、ユーウ謹製の血液パックを取り出した。紙でできているらしい。

 冷蔵庫で、冷やした物を収納鞄に入れていた。中に入れておけば、冷えたままだ。

 紙の量産は、進んでいる。今では、障子も行けるらしいのだ。


 紙パックは、それらを含めた集合体のような物だった。これらを造り出す元日本人たち。どこの誰にも渡す事は出来ない。ユーウには、アルの手前で仕方ない話をした。ロシナにとっては、少々事情が異なる。というのは、ロシナにはユーウが修行で積んだような技能がない。サボっている訳ではない。しかし、魔術が得意ではないのだ。肉体強化系はそれなり。治癒もそれなり。騎乗は得意だったりするし、料理をするのも得意だし、数字の計算等も得意。


 が、それらはロシナでなくとも替えが効く。

 椅子に腰かけて、セリアやアルーシュの方を見る。


「俺に出来る事か」

「なんぞ、不安でもあるのかえ」

「人並にな」


 不安にならない方がおかしいのだ。ユーウが居なくては、ロシナはまたぞろ貧乏貴族に立ち戻りする。

 それを邪魔する連中をまとめて始末する算段だ。

 暗殺も辞さないし、毒殺、事故死、なんでもござれとくる。

 ただ、風向き次第と。  

 ユーウの弱点は、コミュニケーション能力だ。

 味方を作る事が、かなりの下手。適当に受け流しているだけでは、侮られるばかり。

 アルーシュに言わせると、そうとう「日和った」と。


 妹の襲撃もフィナルから情報を提供されたロシナが、それを送り込んだ相手を消している。

 ユーウでは、関係の無い者まで手にかける恐れがあった。

 何しろ、坊主憎ければ袈裟まで憎い奴なのだ。

 経文まで、焼き払う具合に。

 

「考え事かいな」

「そりゃあ、俺だって考えるさ。色々あるんだよ」


 美しい世界。ぴかぴかに磨き上げられた通路。床には、塵一つ落ちていない。

 広いフロアは、学生のアルバイトが二、三人でやっていた。

 ミッドガルド人では、こうはいかない。同じ事をやろうとしても倍の人数がかかる。

 アルにも、相談をしている話で日本人を増やそうというのが進行中だ。

 やり方は、色々ある。

 真面目で、一所懸命。そんな民族で、数が中々増えない。

 ロシナは、アルバイトが持ってきたメロンソーダのシャーベット盛りを口にした。


「うめええ」

「ちょっとわけとくれよ」

「む。まあ、いいか」


 あまり気にしない性質らしい。ロシナは、そのまま口に運んでやる。 

 冬だというのにアイスで寒い物だが、ロシナは頼んだ。次いで、ホットコーヒー。

 甘い。ひたすらに甘かった。ひょろひょろした体躯の男子学生たち。

 彼らの学校にいる女子からは、反発が予想されるが策はある。

 避妊なし風俗。遺伝子鑑定付きだ。これならばんばん増えるかもしれない。という。

 考えたのは学生である。誰なのか、すぐにわかった。


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