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ヘタレの異世界無双   作者: garaha
一章 行き倒れた男
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0.1章 異世界からの侵略者たち15

 キム・マンソクは正義の執行者であり解放者。

 だから、日本人(チョッパリ)を駆除しなければならない。銃を構えて日本人(チョッパリ)に弾丸を打ち込む。

 憎き日本人を殺す事こそ正義である。生まれた時から、日本人はレイシスト民族であるからだ。


「助けてええっ!」「やめろ、話せばわかるだろ」「おい、君、やめたまえへぶっ」「酒を飲んで仲良くなろう」


 わめき声が聞こえる。女だ。部下が、連行していた。尋問をしようというのか。笑みを浮かべている。


「連れて行け」「了解しました」「マンコ臭そうだな」「乳だけは、でかくね」「でかいだけだろ、垂れてるって」


 子供を連れている。引き剥がして、銃床を叩きつけた。


「止めてっ。あなた達、何をするの」「黙れ、この売春婦がっ」「私は、売春婦なんかじゃないっ。ぎゃ」


 女は、何か言っている。しかし、省みられる事はない。キムたちが、正義なのだ。

 故に、女が部屋に連れ込まれるやいなや。正義の制裁を叩きつける。何度も、何度も。頭を蹴ってやると、弱々しくなり。やがて、動かなくなった。


 正義の解放攻撃は、絶え間なく続き川を境にして制圧が進んでいる。

 無抵抗を装う日本人たちに弾丸を浴びせて、クリーニングを図っていた。

 キムは、モニターを見る部下の後ろに立ち尋ねる。

 

「状況は、どうだ」


「はっ。同志の蜂起により、各警察署の制圧に成功! 首都圏は、我々の手に落ちたと考えてもよいかと」


「ふむ。油断するな。やつらは狡賢い。降伏させて、殺すのだ。あくまでも、我々は自衛隊を装えよ」


 部下の油断。気にかかるところではあるが、自衛隊が壊滅しているのだ。


 勝てる。重火器と文明を失った猿では、戦いにもならないだろう。


 どう転んでも、差別できる。韓国軍による攻撃とは、日本人たちは夢にも思うまい。


 日本の歴史は、結束だ。そして、忠誠心。故に、戦で勝ってきた。


 無防備にも、宇宙人だかなんだか知れない連中が攻めてきただとか言う連中は猿でしかない。


 世界最高にして優秀たる韓民族こそが、日本の支配者であり、倭猿は住んでいるだけの存在。


 強制連行をした極悪犯罪者なのだ。キム・マンソクは、正義執行者であるから正しい。


 男たちが、逃げ惑っているところを銃撃する。部下もならって銃弾を浴びせれば、人形のように倒れていく。折り重なる死体。戦車を奪えれば、もっと事が進むのだけれど簡単ではない。自衛隊に潜入しているスパイもやられていた。


 内情を知りたいところだが、いくところ虫を踏み潰すが如しだ。差別主義者共に、死をプレゼントせねば。


「はっ。レイシスト共に目にもの見せてやりましょう」


「作戦の成功を祈るっ」


 入れ替わり立ち替わりで、弾薬を持っていく。必要以上に、揃えられた。


 上は、知っていたのだろうか。今日という日をしていして準備をしていたという。

 確保されていた端末の画面には、関東一円に展開する部隊の場所が映る。

 

 キムの部隊は神田川の北へ展開している。狙いは、皇居だ。全国各地に散る韓国同胞による攻撃は、一定の成果を見せていた。勢いずくのも無理はないだろう。


 しかし、脆い。そして、自衛隊が壊滅しているという幸運。


 まさに、千に1つの機会だろう。水道橋前にある高校を占拠して、掃討作戦をおこなっていた。前々から準備しておいた弾薬と火炎放射器が、効を奏している。校庭に積み上げられたのは、老若男女を問わない死体の山だ。


 女は、別に使いみちがあるのでたまに捕らえている。倭猿の叫び声が、心地良い。


 キムは、端末に目を落とす。電磁波攻撃を避けて、残された文明の遺物。


 部隊は、川を封鎖するようにして東西に展開している。攻撃目標は、未だ制圧できていない警察署であり自衛隊の施設だ。首都高を破壊し、鉄道の線路を破壊して地下鉄もまた同じ。


 拳銃を所持した警官が強敵だろう。銃声が、引っ切り無しになっている。


「さて、ここまでは順調だ。でるぞ」


「よろしいのですか」


 男は、迷彩色の帽子の下でつり目を細めた。日本人にとけ込めていない新人か。


「馬鹿者。猿狩りを楽しまんでどうする」


 配下の男は、にやっと笑った。ついてくる気だ。校舎の中では、多くの同志がお楽しみ中であり、かつ校庭には日本人で遊んでいる兵も少なくない。


 積年の恨みだ。故に、正しい。


 弾丸を所持している部隊が、出て行っては補給に戻ってくる。


 中型トラックに乗り込むと、旧式のエンジンがかかる。最新の物では電子機器が壊れて動かないのだ。


「大佐。お供します」


「うむ」


 後ろに乗り込む兵たちも意気揚々としている。反撃の心配がないので、存分に狩りを楽しむつもりだ。

 東京ドームが見える。忌々しい建造物を破壊する為には、爆薬が足りない。日本人たちが、数多くあつまっているだろう事は想像できる。


 愚かな日本人どもが、まごついている間に世界で最も優秀なる韓民族が徹底した支配をするのだ。

 適当に、銃を浴びせていけば逃げ惑う日本人たちが倒れていく。無敵だ。

 

「雑魚どもが、我ら韓民族に逆らうからこうなるのだ」


「全くであります」


 追従は、心地よさを与えてくれる。市ヶ谷を攻撃しているであろう同志パク・ヨンヘと江東区を制圧に走っているペ・ハンジュがいる。そして、日本の各地で攻撃を開始している同志の力があれば転覆も容易い。

 1人の女が、目に入った。いい女だ。日本人には、勿体無い。


「おい。止めろ」


 男を連れているようだが、問題ないだろう。奪えばいいのだ。


「はっ」


 命令をすぐに実行する。できなければ、制裁だ。女は、どこかで見たような顔をしているが思い出せない。


「あの女を生け捕りにしろ」


「イエッサー!」


 四散する蜘蛛の子たちに、銃撃を加える。さしたる抵抗もなく、倒れていく。「なんで、あんたら銃を撃つ」という輩もいたが、お返しは頭への弾丸だ。火炎放射を見舞う部下が、頼もしい。火だるまになった日本人が、猿踊りをしている。


 倭猿だけに、滑稽な事だ。


 実にレイシスト民族にふさわしい末路。


 巨大地震によって、崩壊する事が望まれる国だけの事。


 世界からも神からも見放された、愚かで哀れなる歴史修正主義者は滅びるしかない。


 そこへ、原子力発電所の破壊成功を知らせるメールが入る。


「勝ったな。これは、チョッパリどもの全面降伏が楽しみだ」


 征服してやろうではないか。日王を早く捕らえねばならない。ひざまずかせ、猿踊りをさせ、許しをこわせねばならない。


「キム様の指揮が素晴らしいからですね」


「くくっ。当たり前だ。何を言っている」


 成功して、当然なのだ。貧弱にして、知能も知性も低い日本人たちに敗れる道理などない。


 慰安婦に対する謝罪すらしない愚か者たちとは、天と地ほども品性が違う。


 歴史をすり替え、慰安婦をなかったことにする戦犯の子孫たち。何をしても許される。


 女をかばおうとした男が、殴り倒されて蹴りを浴びせられる。弾丸すら、勿体無いか。


 女も抵抗して見せるが、大韓男子の一喝で大人しくなる。


「君たち、自衛隊だろ。どうして、こんな、あびゃ」


 男とは別のメガネをかけたデブが、コート姿で妨害しようとした。即座に、銃殺だ。


「愚かもんが、相手をよく見てからものを言え」


 倒れたデブから、血が流れて排水口へと流れていく。どこかで、見たような。忌々しいヘイトモンスターであった。追撃の蹴りを見舞う。思わず、刑に処してしまった。本来なら、念入りに制裁を加えて処罰するべき相手だ。


「どうかなされましたか」


 部下のノ・ムヒョが走ってくる。後ろには、顔を下にした女だ。


「なんでもない」


 叫び声を上げて抵抗する女のズボンを下げる。部下が髪の毛を引っ張り両手を押さえた。男の拳を顔面に叩きつける。暫くして、大人しくなった。女など、大して変わらない。 精神を調整してやったのだ。感謝をするべき。部下が、女へのしかかっていく傍らで。


「あんたら、なんで、こんな事を」


 なんで、なんで、なんで。猿には、理解力がないようだ。


 猿が、人語を話す。不愉快極まりない。女の連れは、まだ生きていた。返事の代わりに、銃口を向けて引き金を引く。

 正義執行だ。


「ああああああああぁあああああああああーーーー!」


 女が、激しく暴れる。これまた、不愉快な声だ。側で、タバコに火をつけていた男が押さえていた両手をそのままに頭突きをかます。鼻血が出ると、大人しくなった。


 辺りには、人の姿がなくなっている。くぐもった声と水音がハーモニーを奏でる。


 見れば、女の歯がなくなっている。部下が、殴ったようだ。しかし、女は殴らなければ3日で狐になるもの。祖国の伝統あることわざだ。


「そろそろ、移動だ」「了解しました」「おい、乗せて楽しめばいいだろう」「ちっ、こいつ、動きが悪くなってきやがった」「なに、首でも締めろ。しまりがよくなるぞ」「おら、こっちだ」「うー、うー」


 小突かれて、女は歩く。立ち止まって、振り向こうとしたが髪をひっぱられて持って行かれた。


 部下を集めると、女を気に入ったのか。まだ連れてトラックで、玩具にしている。

 顔面は、まだらに膨れ上がり赤黒くなっている。とても見れた顔ではないが、使っていた。


 弾薬も燃料も満載だ。敵がろくに抵抗しないまま、快進撃を続けていくと。逃げ遅れたのか。

 足を引きずる少年と支える少女が目に入った。


「ほう」


 手で、止める合図を出す。近寄っていけば、慌てて逃げる様子もない。勘違いしているのか。

 少年に蹴りを加えて、少女の手を握った。細く柔らかい手だ。ぜひともに、制裁を加えねばならない。


 少年の形相が変わって。


「何すんだよ」


「おにいちゃんっ。大丈夫!?」


 生意気な。歯を剥いて、きーきーと喚く。


「放せよっ」


 少年の腹に蹴りを放つ。誰も助けには、入らないようだ。逃げる猿たちに、弾丸を見舞う兵士たちは忙しい。


 少女のスカートをはぎ取る。


「やめろー!」


 頭に、蹴りを入れる。倒れた少年は、手を伸ばす。その手をブーツで踏みつけてやる。なんという快感。全能の支配者になったかのようだ。神が与えた権能によって、キム・マンソクは階段を登っている。レイシスト民族に対するカウンターであり、これもまた正しい。


 少年に、近寄ろうとする少女の腕を釣り上げながら歩き出す。


「おにいちゃん、おにいちゃーん」


「うおおおおおぉーーー!」


 叫び声を上げて、むせびなく少年。去り際に、銃弾を頭に叩き込む。最高の悦楽だ。

 トラックの後部では、動かなくなった女がいた。それを引きずりおろして、捨てると。

 銃弾を頭と股間にお見舞いする。最後に、女は痙攣を起こす。手が男の方へと向いて伸ばされている。

 手榴弾のピンを外して、投げると爆発して見えなくなった。


「ひっ」「おい」「ごめんなさい」「ごめんで済むか、ぼけっ」「こいつ、舐めているんじゃないですか」


 少女は、小便を漏らす。汚い。全くもって、動物だ。


「汚えなあ。てめえも、そいつと同じ目に合わせてやろうか?」


 すくんで大人しくなる。服を剥ぎ取り、頭を股間に押し付ける。部下の男は、にやにやとした。  


「お楽しみですね」「ふん」「また、日本人の巣窟を破壊したようです」「当然だ。最弱劣等なる民族が、抵抗など許されん」「はっはっは。確かに」


 戻る為に、乗り込んだ兵もまたすっきりした顔だ。そして、ぎらぎらと輝く目。獲物が、いくらあっても足りないのだろう。スマートフォンは、巣鴨警察署を襲っている部隊が成功している表示だ。そこまで、北上する必要はない。


 同士討ちを避けるために、エリアを指定している。上は、優秀だ。


 少女を、


「おら、立てー座れー」「痛い、痛いよー」「ああ? なんだぁ? さっきのみたいになりてえのか」「痛い、やだよー」

 運動させる。虫のようになっていく。迷彩服を着ていない人間は、全て銃撃で始末していく。


 倭猿に乗っ取られた大韓帝国を取り戻す日は、もう間もなくだ。


 夕暮れにさしかかり、部隊が橋に集結していく。戻らねばならないだろう。


 動きが緩慢になってしまった玩具を部下が、可愛がっている。


「なんだ、あれは」

 

 橋の方向が赤く染まっている。と、スマートフォンが鳴る。どうして、鳴るのか。簡単な基地局を秘密裏に作っていたからだ。

 これも、作戦を成功に導いている。不穏な気配がする。


「大佐。大変です。敵襲っ」


「何? 自衛隊か」


「そうでは…」


 ぷつりと、音がして途絶える。勝手に、電話をきるなど銃殺ものだろう。そんな事を考えながら、


「急げ。どうも、基地が反撃に遭っているようだ」


「本当ですか。そいつは、楽しみです」 


 急いで、車を走らせれば、死体を踏み越えることになった。路上は、日本人の死体で埋まっているほどだ。あえて、放置している。右手に東京ドームを見ながら、夕日が沈む。1日でどれだけの戦果を上げただろうか。


 100。もっとか。1000は堅い。同胞の数は、1000万。全員が、戦闘員だ。

 日本人は、知能が低いので声を上げればなんでも言う事を聞く。

 忌々しいことに税を納めて、住んでいるのだから年金をもらえるのも当然だ。


 日帝が奪い去った文化物も奪還せねばならない。


 襲撃で、廃墟とかしたファミレスを左手に見て、違和感を感じた。死体ばかりで、動いている者といえば同胞だけのはず。だというのに、血まみれになった日本人が腹を割かれたまま動いている。そして、進んだところの高校に設営された基地の門に少女が立っている。


 銀髪の少女だ。なぜ、平然としているのか。車が、横に転がっていて地面には銃弾が落ちている。


 まずは、楽しんでからだ。


「油断するな」「はい」「何が起きるかわからんぞ」


 実際、わからない。日本人の学生たちが学んでいた校舎が、燃えている。


 燃料に引火したのか。


「おい、貴様。ここで、なにをしている」


 トラックから降りながら、銃をつきつけた。裁きの時間だ。


「こいつを見たことはないか」


 少年の写真だ。知らない。だが、知っているふりをしよう。


「なら、話を」「いや、嘘だな。貴様、嘘の匂いがする」


 急に、姿勢が崩れた。倒れている。キムは、おかしいと思った。


 なぜ、女ではなくキムが倒れているのかわからない。足の感触がない。


 おかしい。しかし、現実だ。足がなくなっている。


 女に顔を踏まれて、銃を取り上げられた。


「日本人め、差別っ」


 衝撃で、目の前が真っ暗になった。  

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