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ヘタレの異世界無双   作者: garaha
一章 行き倒れた男
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11話 町にゴブリン! (ユウタ、セリア、モニカ、ゴブリン)

 某日某時刻 アーバイン街道


 ペダ村とアーバインの町を分断するように広がる森から溢れ出すモンスター達。森からはアーバインの町に伸びる街道があった。既に、その街道沿いは緑色をした小さな鬼達に制圧されている。森から町に向けて進撃を開始するゴブリン達は会合を行っていた。


「それで状況はどうなってるゴブか?」


「先頭は既に町の門まで取り付いたゴブゴブ」


「町をおとせば大量の人間の女が手に入るゴブ」


「たまらんゴブ」


 ドッと嗤い声がゴブリン達の間であがる。そんな中一人のゴブリンが怒りの声を挙げた。


「人間達臆病にも住処に立て籠っているゴブ。人間達はゴブ達が脳なしと馬鹿にしてるゴブ!」


「こらえるゴブ。罠をはっとくゴブ一網だじんゴブ」


「そうそう、門にとりつけたのはラッキー! ゴブ」


「ホブゴブメイジ戦隊に周囲の塀を破壊させるゴブ」


「手筈通りオーガ達をサモンで人間達の住処に送りこむゴブ」


「住処の中に入れるようになれば、強化ホブゴブファイター達を突入させるゴブ」


「警戒用にホブゴブアーチャーとホブゴブメイジ達の用意もできてるゴブ」


「人間達驚くゴブよ。容赦なくやってやるゴブ」


「オスは皆殺しゴブ! メスは好きにするゴブ!」


「このまま夜になってしまえばますますいいゴブ」


「夜になれば戦闘力は1・5倍ゴブ!」


 ウエッハハッハゴブーと大きな笑いがゴブリン達の間で起こる。笑いが起きてしばらくすると、駆け込んでくる伝令役のゴブリンが叫んだ。、


「大変だゴブ! 人間達が背後にテレポートしてきたゴブ!」


「落ち着けゴブ。そんなものは折込済みゴブよ、人間達馬鹿ゴブ」


「さっそく、メイジとアーチャーゴブで殲滅するゴブ」


「テレポートゴブか? 背後にでてきた奴らからハリネズミにしてやるゴブー!」


「これで勝ったも同然やつら全滅ゴブゴブ!」


 ウエッハーハーッハハーゴブー!たまらんゴブー! ゴブリン達は自分達の勝ちを疑っていない。









 ゲートをだして邸宅に帰ると二人とも掃除をしていたようだ。


 アーバインの町が襲われているらしい。緊急クエストの件を伝えると2人には戦闘に備えて着替えてもらう。


 庭を見ると辺り一面に雑草が・・めちゃはえている。


 庭に魚・・養蜂・・まだまだあるな。


 がんがんアイテムを設置していく。


 まあ時間もないし、野菜炒めと唐揚げにしとく硬いパンか。


 こりゃやばいな。硬いパンとかどんだけ。


 柔らかいパンホカホカの・・うーむ


 竈の設置か生地もつくらんといかんが小麦粉仕入れないとな。


 俺がいないと水がないからなあ・・風呂が・・貯水槽の設置が急務だ。


 いかん俺にできないこといないときやってもらわねば!


 どうやら2人の用意はおわったようだ。


「セリア、モニカ、飯できたよ」


「一緒に食事してもいいのか? ご主人様」


「PT員なのだし、嫌だとはいわせない。ずっと一緒に食べてくれ」


「ふむ。」


 付加魔術がいるなこりゃライフプロテクト、マジックプロテクトか、リジェネか


 初期魔術でつかえるのはこんなとこだな。防御魔術がねええ・・・


「あのご主人様ゴブリン達と戦争って大丈夫なのでしょうか。」


「そうだねえやばいのかな? 解らないな。」


 よかった二人とも席について食ってくれるようだ。


 たしかに。どうなるのか・・作戦とかまったくわからないわけで。


 このまま見過ごすか? だけど参加しないままアーバインの町が落ちたりしたら。


 ルナ様も守れない。・・・イケメン達も死ぬだろう。


 この町もルナ様も守りたい。できることなら。


 多分500分の1なんだろう。たいした力もない。


 最悪二人を逃がして殿になるしかない。


「敵ゴブリンの兵力やアーバインの防衛側の作戦とかはわかっているのかご主人様」


「ゴブリン達はおよそ800くらいだとしか聞いていない町側の作戦は不明だよ」


 戦争の戦略なんて末端に伝わってこないよ。


「使い捨てのコマに使われるなら、離脱も考えるべきだぞご主人様」


 むう、踏ん張ってだめなら全滅。


 じゃダメか。犬死といいたいのかセリア。


 ネットゲーじゃ最後まで踏ん張って全滅してたな。


 何回でも全滅できた。ここじゃどうだろ。



 仲間達を見捨てて逃げますか?

     ▽

 はい いいえ


 究極の命題だよな。俺に構わず逃げろ派か。いっしょに逃げる派。置いて逃げる派か。


 一緒に逃げるか一緒に戦うかだな。


 セリアとモニカだけだろうな。全部を助けられるだけの力があればな。


 歯がゆい。主にルナ様を守りたいだけだったりするんだが。


「やばくなったらギリギリまでふんばってみんなで逃げるしかないな。」


「逃げるにしてもやばいとおもったときには時すでに遅しだ。それは、敵勢に飲み込まれているときだぞご主人様」


「そうだね。すまない、情報収集が少なくて。」


「いや、全滅の覚悟もあるならいい、ご主人様。町を守るため全力を尽くそう。」


「あのーご主人様。私も頑張ります!」


 二人ともやる気だな。


 イベントリにはMP回復役HP回復役傷薬上級傷薬ほか完備している。


 なにかが・・足りないような? ・・・うーん。


 ああ蘇生薬か・・・しかしそんな物あるのか? そんなものが。ゲームじゃあるまいし。いや、聞いておくべきだな。


「蘇生薬とかあるのか? ほら死んだ奴を生き返らせるそんなものが。」


「蘇生薬はない。といわれている。気付け薬は気絶を治すがあくまで気絶だ。錬金術のエリクサーはHPMPSPを全快にするものだ。神官ならばスキルがある。蘇生魔術があるがそれを使えるものは大抵神殿勤めだ。生命の神の神殿で蘇生するのが基本だ。大金が動くからな、なので神官は神殿で養成が基本になる。大昔はPTにいたらしいが、神殿に入る者が多く逆に今ではPTに入ることが難しい位だ。」


 なるほど成長すると神殿に入るからか。


 途中でPTからぬけられると大変だよな穴埋め。


 そういや最高の装備とプレイヤースキルを持つメンバーに抜けられると。


 ま、PTがガタガタだったな。自然崩壊しちまうんだよな。また嫌な記憶を思い出した。


 煙幕弾でもつくっとくか。うーんいろいろ準備不足だ。


 いろいろ話をしたいが。


 ゲートをひらいてアーバインの町に移動する。


 冒険者ギルドにつくともうすでに門では戦闘がはじまっているのだとか。


 ゴブリンたちに町は夕方には攻められていたらしい。


 集結は済んでいつでもテレポートできるように皆移動しているとのこと。


 門前に移動していくと。騎士隊と騎兵が集結している。


 壁越えでテレポートして敵の背後をとるのが冒険者達の役目らしい。


 ゴブリン達を門から引きはがしての挟撃らしい。


 たしかにそれならば混乱する相手を犠牲少なく叩ける。


 夕闇が迫る中 町の外壁が破壊される。


 入口が複数になった格好だ。


 テレポートせよとの命令だ。


 町は大丈夫なのか。


 これはかなりピンチだ。


 もっと戦力を集めるかあるいわ、朝まで粘りたかったに違いない。


 壁を超えると、皆走って移動だった。


 一応後背をとれるはずだが、夕闇がせまっている。


 暗闇となればゴブリン達は有利だろう。大抵、夜はモンスター達が活性化する。


 隊長役のPTに率いられて移動する。


 味方が揃うと突撃だが・・・どうやら500も来ていない。


 2人と自分に、ライフとマジックプロテクトのバフを張る。ゲームっぽいな。


「あのご主人様お味方の数が少ないような気がします」


 外壁を破壊されて逃げ出したのか。はぐれたと思いたい。


 町が破壊されれば多くのひとが命を落とすだろう。


 冒険者は軍人じゃないけれども。冒険者はモンスターと戦うもんだろう!


 後背をとった冒険者達が突撃する。接近する冒険者たちにゴブリンはあれを使ってきた。


 まさかの弓矢だ・・・ウィンドウォールをとっさにはって防ぐ。


 かなりの数をはなってきたのか。


 味方がばたばた倒れいていく。


 え・・・セリア? へ、変身してる?


「セリアさん! 矢が!」


 ウォールの発生が遅かったのか。今手当する!。


 セリアの口がどんどんさけて体が膨らんでいく?


 その体はミノタウロス以下オーガ以上で、狼男ならぬ狼女だ。


 一際大きな咆哮は聞くものに絶望を与えるだろう。


 それが走り出すと見えなくなった。


 しばらく惚けて我にかえった俺は、味方の手当をしていく。


 矢がとんでこない。なんとなくそう思った。が、一応モニカに矢をガードしてもらう。


 矢を抜いて【キュア】をかけてコンディション回復させ、傷薬をぬりこんで


 【リジェネ】をかけていっちょあがりだ。


 薬は手当するやつから頂いてはなくなると戻す。持たないからな。沢山ないし。


 MP回復のみながらひたすら手当をしていく。


 エンドレス作業だ。


 傷がふかければ、【ヒール】併用だ。無傷だった連中も一緒に手当してくれる。


 根気よく【ヒール】しつずける。かなりの冒険者がもちなおしたと思いたい。


 無傷の味方が前進しはじめた。


 俺は手当につかれて端に移動するとすわりこんだ。


 もちろん彼女を待っている。

 きっと帰ってくる。


「作戦通り!ゴブ」


「たまらんゴブ」


 次の瞬間ミンチに2人ともなっていた。何かが走り抜けると襲ってくる衝撃。


「何ゴブ! 作戦通りのはずゴブ」


 なにかにはねとばされるゴブリン。皮の鎧で武装していたはずなのに5体はバラバラだった。


「そんな馬鹿なゴブうう!」


 エンドレスでゴブリン達の悲鳴が聞こえる。


 それはとまらない。走り回るだけで衝撃で全滅だ。


 爪はオマケで体当たりこそがメイン武器。


 地上を走り回る音速を超えた戦車もさながらだ。

 武器をもっていようがいまいが関係なく粉砕される。


「作戦は失敗ゴブ・・・」


「なにがおきたゴブ!?」


「化け物がきたゴブ・・・」


「ホブゴブメイジ、アーチャー全滅ゴブ・・・」


 ボグゥ・・・ブチブチィベシャいやな音とともに4匹はちぎれ飛ぶ。

 おそらく、こんな声だろう。


(ああ・・これゴブね・・無理ゴブ)


(お前はこっち側だろゴブ)


(全滅ゴブね・・これ)


(強すぎるゴブ)









 それは闇を駆け抜けた。暗闇に乗じて主のもとに戻る。


 弱々しい主だ。見るべきところもない只のスケベ。


 そう思っていたが、どうやら少し見どころがある。

 そして楽しませてくれるかもしれない。


 どうやら待っていたようだ。


「おかえり。これ使うか?」


 黒装束をとりだしてくる。


 もとにもどると装備がすべてなくなっているのを思い出した。


 受け取る。


「私が怖くないのか? ご主人様」


「怖いことは怖いさ。初めてあったときからずっと怖い。

でも仲間のため・・・みんなを守るため変身してくれたんだろう。ありがとう。


 ゴブリン達も全滅ぽいしな。

んで、今は帰って寝ようぜ。疲れたろう。俺もへとへとだ」


「帰りましょうセリアさん。お疲れ様です!」


「・・・ああ・・ただいま」


 ああ・・何かを手に入れた・・偽物かもしれない。


 すぐ壊れてしまうものかもしれない。


 いつも欲しかった。いつも求めていた。


 手に入らないものをねだってさまよっていた。


 きっとこれは最初の一歩だ。




 帰ろう。





キューブステータス サナダ・ユウタ 16才 冒険者 

装備 鉄の剣 チェインアーマー 銅のメット 硬い皮のブーツ 木のバックラー 銅の篭手

邸宅有り  セリア 人狼 モニカ 鍛冶士

スキル テレポート PT編成

特殊能力 なし


冒険者LV20市民32村人29戦士27剣士27弓士25勇者27狩人29魔術士22

商人19薬剤士19騎兵17弓騎兵17格闘士17英雄17治癒士17料理人16魔獣使い17

付与術士6錬金術士6



所持金 48万弱ゴル

閲覧ありがとうございます。


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