断章之弐
どうも仮面3です。とてもとてもと~~~てもお久しぶりでございます。リアルが忙しかったり、スマホで文章を打つのが億劫でこんなに日にちが経ってしまいました。申し訳ありません。こんな私ですが、作品ともどもお付き合いしていただけると幸いです。
田神碧は人混みが嫌いだった。どちらかというととろくさい部類に属する彼女は、都会に住む人間の半分以上ができる他人を避けて歩くスキルを持ち合わせていない。数回足を動かせば人にぶつかってほとんど進めないのが嫌だったし、ガラの悪い人にぶつってしまい怖い顔で舌打ちされるのはもっと嫌だった。
だったが、今は違う。何故ならまた歩けるようになったからだ。また眼が見えるようになったからだ。自分の躰に眠っていた回復力で治った等ではなく、ある存在に手伝ってもらっているだけだが約半年ぶりに自分の足で歩き、自分の眼で見た人混みは昔とは違って見えた。どこのなにが違うんだと聞かれても答えられないが、一種の感動に近いものを感じているのは確かだった。不満を挙げるとすれば、約半年歩いていなかったため体力がなく、長時間歩けないことだ。
今も公園のベンチで休んでいる。自動販売機で買ったアイスココアを手に一息をついていた。ココアはアイスもホットも好きで、あれば高い確率で買っている。メーカーで当たり外れがあるので、いつも同じメーカーのを買い、無ければ買わない。
時間帯が学校の時間なのであまり人はいない。碧が学校に戻るのはまだ始まっていない夏休み明けだ。区切りのいい夏休み明けにして、体力を少しでもつけたいと碧から志願した。
買ったココアに口をつける。飲み慣れた甘い味が舌に伝わり液体が喉を通った。
「はぁー、幸せ」
自然と声が出た。まるで年寄りみたいな言葉に苦笑してしまう。
『それは良かった』
こうやって頭の中に響く声に、最初は驚いたものだ。今ではなれて、頭の中で会話もできてしまう。はたからみたら痛い人だが、碧は独り言を喋っているのではなくちゃんと会話している。
碧を救ってくれた大恩人、謎の存在の黒猫丸。出会った頃は難しい喋り方だったが今では直してくれてだいぶ話しやすくなった。どうやって碧の足を動かし眼を見えるようにしてくれているかはいまだによくわからないが、見えて歩けるのが事実。感謝してもしきれない存在だ。
彼が碧と一緒になって約二週間。実はまだ黒猫丸の事をよく知らない。どんな見た目で、なんで数珠になったり等の不思議な力があるのか、詳しく知らない。あまり自分のことを話してくれないのだ。聞こうと思ってもどう聞けばいいのか、きりだし方が分かるほど碧は大人ではなかった。
険悪、というわけではないがギクシャクしていた母親との関係も徐々に良くなってきた。碧が唐突に眼が見え、歩けるようになった時はどの感情を出せばいいのか分からなくなり、頭の中でパニックを起こした母親が気絶してしまったのには驚いた。
母親が目を覚ますと言葉になっていない悲鳴を上げていた。身振り手振りのリアクションから、とりあえず喜んでいるんだと分かったからよしとする。
その後病院に行こうとしたが黒猫丸に止められた。なんでも『見せて』、『歩かせている』だけだから医療機械や知識と資格を持った医師に診られると治っていない事がバレるから止めろと。
そういわれるとなんだか自分が操り人形のように思えたが、妥協するしかないだろう。現状には満足しているし、黒猫丸に文句は言えない。
「こうやってクロに動かしてもらっていたら自然と治んないかな」
『俺に医療知識はないからあまり言えたわけではないが、可能性は低い。体力を上げ、体をなまらせないにはいいかもしれないがな。現代の発達した医療技術でも難しいなら自然治癒はあまり期待しない方がいいだろう』
「そっか……」
分かっていたが、こうガツンと正直に言われるとくるものがある。希望の元になっている人物に言われると尚更だ。
『人間がお前治すまで、俺は近くに居る。それがお前の望んだことだ』
碧は黒猫丸のことを愛称でクロと呼んでいる。姿が分からず、名前が黒猫丸だから猫っぽくした。碧が黒猫丸の姿を見ることは恐らくないだろう。黒い数珠となって取り憑いているので碧は目が見えるのだから、黒猫丸が元の姿になり離れればまた目が見えなくなる。しかし黒猫丸からしてみたらその方が都合がいいだろう。彼は自分の容姿を嫌っている。碧との関係は良好だが、自分の本来の姿を知ればそれはなくなるだろうと思っている。黒猫丸は物事を比較的にネガティブに捉える。性格のせいではなく、過去のトラウマが関係していた。これもまた碧に話す気はない。自分の過去をべらべら話す趣味はない。知るということは近づくということ。この娘の力になりたいが、遠い程度の距離感がちょうどいい。黒猫丸はそう考えていた。
しかし世の中はそんなに優しくはない。碧には必要以上にかかわらせないつもりだったが、どうやら無理のようだ。使者が来た。
ココアを飲んでいた碧の目が不意に、本当に一瞬で見えなくなった。足もそうだ。前のように力が入らなくなった。理由は分かる。右手首に黒猫丸の存在を感じなくなったからだ。それと同時に手からココアの缶が滑り落ちたが、黒い手がキャッチした。
頭がついてこない状況にになりながらも碧の頭にはある映像が残っていた。瞬きのときに見える瞼の血流の斑点。それに似た影が最後に見えて頭でフラッシュバックしていた。
状況がのみ込めず固まる碧の眼前では、見えなくてもいい光景は広がっていた。碧の目が見えなくなるほんの一瞬前に、突然黄金色に輝く肉体を持つ者が現れ手刀の突きを繰り出した。その速さは人間の碧には分からないが、黒猫丸のおかげで影だけが見えた。黒猫丸は黄金色の者の攻撃に反応して実体化し、手刀を出してきた腕を掴み受け止めた。そして少し間を空けてから空いているほうの手の指をパチンと鳴らす。これの意味を理解している黄金色の者は口角を吊り上げた。
「我の超速移動に、当然のように反応対応し、さらには移動したときに発生する衝撃波を指を鳴らすだけで相殺するとは……流石。ついでに缶もしっかりと取っている」
「麒麟か」
黄金色の者は麒麟だった。狐貍狗の中でも特別な存在。日本生まれかは定かではない彼、もとい彼らは何故か中国の神話動物の名前を持つ。
眩しい程の黄金の身体。鹿のような雄雄しい角を二本生やし、顔はとげとげしい龍に似ている。屈強な身体には所々には鱗が有り神話の麒麟と似ている部分が多い。そう、整っているのだ。何かに似ているものは表現しやすい。表現しやすいものは整っているということだ。彼らの中では比較的に整っている玄武すら歪んでいる風に見える程麒麟は整い過ぎていた。玄武たちを特撮物の怪人と例えるなら、麒麟はそれを倒すヒーローのようだった。黄金の鎧を身に纏ったヒーロー、中身は皮肉にも邪悪の塊だが。
麒麟が手を下ろす。黒猫丸は受け止めだけで力を入れてなかったのか簡単に解けた。
「貴方から受け継いだとも言えるこの綺麗な整った身体を、誇りにしていましたぞ。父殿」
その後小声で、白虎も整っているが、と小声で付け足していた。
ツッコミどころはそんな部分ではなく、麒麟のある単語だ。黒猫丸を敬うように頭を下げる麒麟は彼を父と呼んだ。それが本当ならば黒猫丸は十二支と契約者が殺戮している麒麟とその兄弟、狐貍狗の生みの親になる。殺戮、他には滅殺と表現したがこれは果たして正しいのか。死ぬや殺すは普通は生物に使う言葉。ある時寅果は狐貍狗は創られた存在といった。世界に望まれずに生まれた創られた存在は、生まれただけで、生物ではない。生物は基本種の繁栄を本能にすり込まれその方法と行動を知っている。しかし狐貍狗にはその方法はない。朱雀が言っていたように生物としての新は生み出せないのだ。そんな彼らを生物とカテゴライズするのは難しい。
「何のようだ」
「理由もなく親に会いにきてはだめなのですかな」
いつものおかしな喋り方ではない。それ相応の言葉使いを使っている。
ふと麒麟は視線を落とす。見るのは固まっている碧だ。碧の両耳には黒猫丸の手で塞がれていた。ココアはベンチに置かれている。
「ふむ……似ている。どことなく、あえてどこと問われれば眼が、彼の者に似ている。そのわらしに取り憑いているのはなるほどそういうわけか」
独白のように呟き低くせせら笑う様を黒猫丸は無表情で見つめている。素顔が面に隠れている彼に無表情とはおかしい話なのだが。
「……何も言わずに無言ですか。この場合『もしこの娘に何する気なら四肢をもいでその口に詰め込んでお前の糞の一部にしてやる』ぐらい言われるとおもったのですが。相変わらず感情が読みにくいですな」
「何もする気がないなら俺は何もしない。お前が言ったことを望んでも、俺はなにもしたくはない」
「丸くなられたものですなぁ? 昔は我等と同様、いやぁそれ以上にヤンチャをしていたではないですか」
敬語等の敬う態度は見せているが、どことなく皮肉をきかせている。ちょっとした知恵をつけた子供の悪態に動じることはない父親に、麒麟はつまらなそうに肩を竦めた。
「まあそれよりも、今日は再会の挨拶と報告をしにきたのですよ」
「どうせろくでもないものだろう。俺は介入したくない」
「まだその時ではないのですよ、父殿の出番は。報告というのは今日か明日に、玄武が一働きするということです」
麒麟の言葉に、普段余り使わない黒猫丸の表情筋がピクリと反応を見せた。それに伴って面が少し動いたのを見逃さなかった麒麟は満足そうに頷いた。
狐貍狗の生みの親は黒猫丸。これは否定しない。認めたくない現実というやつだ。生みの親故に、確かな人格を持った子供達の性格は理解している。麒麟の小物くさい醜悪な性格も、玄武の性格も。狐貍狗の働くといえば、殺人や破壊活動等を指す。基本的におとなしく、いろいろと抜けている玄武はあまり狐貍狗の本能からくる行動は好まない。そんな玄武が人働きとは。麒麟が何かしたとしか考えられない。
「意外でしょう。あの玄武が。そして不思議でしょう、あの玄武が」
「意味のないことを……」
「意味がないとは玄武のことですかな、それとも、父殿が我々に与えた本能による行動のことですかな。本能による行動が、意味がないとおしゃったのなら流石に二三言わなければならない事になりますぞ。例えば、口汚くて申し訳ありませんが、お前が言うな、と言ってしまうかもしれませぬぞ」
ここにきて初めて麒麟の言葉に怒気が混じる。麒麟にとって本能による行動は生きている証明のようなもの。それを与えた本人に否定されてはたまったものではない。しかし彼はすぐに冷静さを取り戻し、どこかの誰かにも似た半笑いの表情を浮かべた。
「あの玄武をやる気にさせたのは我であり、父殿でもあるのですぞ」
「俺は何も関わってはいない」
「いいや、父殿が生きている限り、我々がこの世にいる限り常に関わっているのです。あまり働かない玄武が動いたのも父殿の昔話をしたから」
「!」
「くくっ、驚きましたか。だが当然です。父殿の昔話は、兄弟ならば胸糞が悪くなるのは当然なのです。昔話は我らが誕生の序章。父殿の裏切られた事実には玄武は勿論、白虎ですら怒りを覚える」
確かに麒麟は正しい。あの事を思い出せば落ち着いた今でさムカムカしてくる。ただ、それだけだ。その怒りを思春期男子がイライラしたら壁を殴るが如く発散したいとは考えない。玄武も同じ……と思いたい。玄武の性格を含めて予想しても殺人行動をするというのもどうかと。麒麟が昔話を大なり小なり脚色した可能性がある。麒麟は頭が切れる、回転も早い。少し考えれば玄武を怒り狂わせる話に変えることも可能だろう。
「現代は事件が世間に出回る速さは異常だ。殺人ならば、報道をする人間にとっては飯を食うための恰好もネタだ、もしかしたら明日にはニュースや新聞に載るかも知れませんぞ。さて今日はこれで。我も忙しい身なので。今度はゆるりと話をしましょうぞ」
楽しみに、と言い麒麟は消えた。消えたといってもお得意の超速移動とやらだ。
呼吸が三回できそうな間、黒猫丸は麒麟が消えた方向を見つめていた。そして深くため息を吐いた。悩んでいるのだ。本当に玄武が取り返しのつかない事をしたら、自分の手で決着をつけなくてはいけないのかと。今だってできるのなら麒麟を殺せば良かったのだ。麒麟は場をかき乱す。働く気のない駒を無理矢理動かす策士、さらにはやる気のある者の士気を強制的に高める。分かっている、分かっているのだができなかった。理由は二つ。一つ目は近くに碧がいる事。青臭い理由だが子供の前で汚い体液を撒き散らすことはしたくない。もう一つは過去のしがらみだ。狐貍狗の存在は罪の象徴。一時の感情でばら撒いたウイルス。だがそれでも自らが生み出した存在なのだ。いつかけりをつけなくてはいけない。早ければ早いほうがいいに決まっている。なのにできない、これが情か。
煮えきらず、過去と決別できない自分が嫌になり己の腿を殴りつけた。腿の痛みとともに空しさが彼の胸を通り抜けた。
またため息を吐くと、静かに数珠に戻り碧に取り憑いた。この時気づいたが碧は途中で気絶していたらしい。どうやら麒麟の話を聞いていたら耳を押さえていた手に力が入ってしまったのか。だとしたら頭を潰さなくて良かった。
『碧、碧……どうしたものか』
黒猫丸は呟いた。この呟きには、いったいくつの意味が込められているのか。
*
最近は登山が人気のため、山にはたくさんの登山者が訪れている。故に事故も多い。
病気や怪我、行方不明。山の洗礼は事故のオンパレード。だから事件というのは起こりにくい、というより目立たないのだ。麓ならまだ分かるが、山中での事件はあまりない。だったのだが、麒麟と黒猫丸が出会った翌日あるニュースが流れた。
『○○山で三十四名の登山者の死体が発見される』。麒麟が予言した通りだった。犯人は玄武。玄武は昔話のあと麒麟にこう言われていた。
憎い人間を殺しに殺せば、さらに憎い憎い十二支も釣れる、と。
もちろんこのニュースが放送されて直ぐに十二支達は行動した。基本的に十二支は不自然な数の人間が消えたり死んだりすればその事件について詳しく調べるようにしている。事件現場が陽組の管轄だったので子乃と寅果は連絡を取り合い、美空に犯人の捜索を指示した。しかし美空は指示よりも早くに仕事をこなしていた。事件現場の周辺を千里眼で観たところ、あまり遠くに移動していなかったという。むしろ人気のない場所に隠れてどっしりと座っているそうだ。動く気配はまるでなく、数日は放置しても被害は増えるだけでどこかに消える心配はないかもしれないと。その報告を聞いた者と、した者は確信した。これは宣戦布告だと。見せしめで大量殺人をして現場から遠くに移動しないとなれば、敵側に偵察、もしくは監視に適した能力者が居ることを知っておりあえて現場から離れないとすれば、自分をわざと見つけさせ滞在している場所に来させようとしていると考えて間違いないだろう。所謂、誘っているのだ。俺はここにいる、かかってこいと。
こんな誘い方、いや挑発の仕方をするのは自分に過信して調子に乗っている馬鹿か、確かな実力を持っているがお頭が足りない輩だ。だがなかなか熱くさせてくれる。単純な挑発程、単純且つ純粋に熱くなれる。陽組の契約者の頭のいかれた二人もテンションが上がった。陽組では現在ヴァンが戦闘が難しい。彼女の十二支である空午もダメージが与えれないと判断して今回は除外する。戌コンビは論外だ。となれば辰、寅、子のコンビが闘うことになる。狐貍狗の中でも別格の五芒魔星とこの少数で闘えるのかと不安になる寅果を尻目に、電話を通した子乃の声はいたって普通であった。
「……」
「やっとこさ、あたしの出番か?」
寅果との通話を終えた子乃に誰かが話しかけた。声からして女。年齢はヴァンに近い。
「いや、君はまだだよ。本来の役目はね。少しばかりは頑張ってもらおうかな」
「うっし。さすがに稽古ばかりでやになってたんんだよ。実践やんなきゃモチベあがんねー」
「最近、というかずっと稽古してないくせに」
「聞こえませーん」
子乃のお小言をスルーしながら子乃の契約者たる少女、外之道赤音は手に握った自分の得物をクルクルと器用に回した。得物の見た目は、ほぼ普通の日本刀であった。赤音の身長から考えたら少し長い。鞘は黒塗りで柄も同色だ。ただ柄には札にも見える細長い布が付けられている。それ以外いたって普通の日本刀で、すこし地味に見える。
「いい加減にしないとお父さんに怒られるよ。むしろ怒られなさい、一回」
「親父って……どっちのだよ」
「どっちもだよ」
赤音の返しに子乃は少し笑ってしまった。この冗談が通じるのも最早本人達になってしまったな、そう反射的に考えてしまった。赤音も同じことを考えたのかどことなく寂しそうな表情をしていた。自分もおんなじ表情をしているのかなと思いながら、目を瞑って永い永い記憶を思い返した。今思い出したい記憶だけを観たのに、再び瞼を開けるのに数分かかった。その姿を、赤音は黙って見つめていた。赤音もまた思い出していた。自分が赤音になるまでの記憶を。
「今回で確実に終わらせる。使命を」
「…………作られた使命を、か?」
「例えそうでも、それがけじめだ」
「けじめとか相変わらず気張ってんな。ま、お前がどんなんなっても、結末が糞な展開でもどこまででもくっついていくけどな」
生涯のパートナーである赤音が頼もしい発言をしたが、子乃はゲンナリとしていた。
「この娘はいつからこんなに口がわるくなったのか……」
「うるへぇたたむぞ」
悪態をつきながら子乃の頭を掴み左右に振った。こうやってみると二人は兄弟のように見る。だが二人関係はもっと深いものだ。おそらく他の十二支と契約者よりとてもとても深い関係であり、歴史を持っているだろう。今回の殺し合いでその歴史が終わりを迎えることを願っていた。片方は相棒の開放を、片方は相棒の心の救済を。そして決着を。永い間してきた殺し合い果の願いはだいぶ昔から心に決めていた。この決着がついた時、二人はどうなるのか、役目を終えた十二支はどうなるか。後者だけなら子乃達は知っているが、前者がもっとも大切だ。決着こそ彼の生きる目標だった。
この夏は目標への通過点でしかない。子乃と赤音にとっても、麒麟にとっても。
なんだか文章が少々おかしかったような。というよりガッツリおかしかったような(汗)文字数も少ないし……。
次回はもっと頑張ります。