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こけさんご/そっとしておいて

「さぁ~仕事おわったわよ~みんな、飲みに行くわよ~!」


「もちろん、明菜のおごりよね~?」


「何言ってんの~!!自分の分は自分で払いなさい!!」



会社中に響き渡るベルとともにそんな声が聞こえる。

しかし、そんな声が聞こえないのか帰り支度をいそいそとする女性が1人いた。そう、光流だ。よほど、帰れるのが嬉しいのか鼻唄まで聞こえる。




うふふ、今日は菫ちゃんと一緒に夕飯食べるんだ~♪早く会社を出て菫ちゃんの大好きなケン○ッキーを買いにいかなきゃ~もちもち食べる菫ちゃんは格別よね~あぁ~早く菫ちゃんに会いたいなぁ~♪



そんな、光流の思考をさえぎるかのように肩がたたかれた。



「光流も当然行くわよね?」







『ざわざわ』ざわめきがする。光流が逃げ切れずつれてこられたのは居酒屋だ、光流も頑張って抵抗したのだが最終的には、負けてしまった・・・。しかも、すぐに帰るつもりだったのに帰れる状況ではない。

なぜなら・・・・




「へ~森田さんって、家庭的なんだね~」


「そんなことないですぅ~」


「いやいや、家庭的だって!なっ!江藤!!」


「うん、家庭的だね。」


「桜さん、これおいしいよ~」


「あら、ありがとう。田口くん」


光流は、そんな光景を見ながらため息をついた。そう、ただの打ち上げならなにがなんでも早々に抜けるのによりによって合コンだったのだ。



「源さん、飲んでる?」



光流は、話しかけてきた男を睨みつけた。彼女の周りは今、ブリザードが吹き荒れている・・・。すると、光流の隣に座っていた森田 明菜があわてて取り繕った。



「さ、坂下君。今、光流めちゃくちゃ気分がわ、悪いみたいなの!」


「え、大丈夫?源さん」


「・・・ぶじゃない・・・、だって、だって、本当だったら今頃は~!むぐ~!!」



光流は、親友の桜 ゆりあによって口を塞がれた。



「むぅむぅむむむ~むむむ!(なにすんのよ~ゆりあ!)」



ゆりあは、光流の口を塞ぎながら小声で呟いた。



「あんた、’’菫ちゃん’’のことを言おうとしたでしょ。」ボソ


「むむむ!むむむ、むむむむむ!(そうよ!なにか、いけないの!)」


「あんた、バカ?普通に考えたらあんたはずばりショタコンなのよ!」ボソ


「っぷは~!!そ、そんなことないもん!」


「なにが、そんなことないの??」



光流とゆりあが声がしたほうに振り返る。そこに立っていたのは居酒屋が全然、似合わない人だった・・・



「す、すみれちゃん!!」


「う??なぁ~に~光流ちゃん??」にっこり



ぐは!!可愛すぎる、可愛すぎるよ~菫ちゃん!!はっ!!こんな危険(?)なところになんで菫ちゃんが!!け、怪我とかしてないかしら!?ん??え、襟のところにち、血が~!!



「す、菫ちゃん、え、襟のところにち、血が~!!」



菫は、襟のところをちらっと見てニッコリ笑った。



「うんとね~ケチャップだよ~お昼ご飯が、オムライスだったの~」



が、それはケチャップというには、あまりにもどす黒かった・・・。


『いや、血だろ!!』BY居酒屋に居た人々。



「そっか~、ケチャップか~菫ちゃんが怪我したのかと思ってびっくりしたよ~」



『・・・納得しちゃうのかい!!』BY居酒屋に居た人々パ~ト2。



「そういえば、なんで菫ちゃんここにいるの??」


「光流ちゃんを迎えに来たの~、一緒にお家帰ろ~」



菫はそういって上目遣いに光流を見つめる。

あっという間に勝敗は決まった・・・。







「あ。」


「どうしたの?菫ちゃん??」


「さっきの居酒屋さんに忘れ物しちゃったから、ちょっと取りに行ってくる~少し待ってて~」


「え、え、え、す、菫ちゃん危ないから私が・・・」



光流が言いおわらないうちに菫は駆け出していた。







後日談



「あんた、よくあんなのと付き合っているわね。」


「??言っている意味がわんないよ、ゆりあ」


「悪魔降臨よ。いいえ、間違えた、あれは魔王降臨ね。」


「?」


「明菜、江藤、坂下、田口に精神的ダメージをあたえるだけあたえて去っていてわ。どこでどうやって調べるのか是非ききたいわ。」



いったいなにがあったのかな??








腹黒降臨!!詳細は次話にて^^

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