なでしこ/いつも愛して
俺が光流に出会ったのは生まれて数週間たった時だった。
隣に住む、母さんの友達の源のおばさんが言っていたが、そこで俺は生まれて始めてのプロポーズをされたらしい。(全然覚えていないが・・・)
母さんはその時のことを嬉しそうに、教えてくれた。
初めての妊娠で緊張ぎみだった母さんは、光琉を産んでいて子育ての先輩である源のおばさんになにからなにまで面倒をみてもらったそうだ。
そして、俺を産みあらためてあいさつに行った、その時に婚約を申し込まれた。
母さんを大喜びでOKしたらしい・・・、本人の同意は勿論ない。俺がもし、光琉を嫌いだったら、どうするつもりだったんだろう?今でも、謎だ。まぁ、思惑は成功だけど。
どうやら俺は光流の理想らしい。
っといっても、この性格の俺ではなく光流ようのほうだ。まぁどっちも俺に変わりないが母さん達が言うには、まったく違うみたいだ。勿論わかっていてやっているが・・・。
ピピピ・・・ピピピ・・・。
『バシ!』
乱暴に止められた目覚まし、一人の愛らしい少年が不機嫌そうに起き上がった。
「・・・光流を起こしに行かなきゃ・・・」
そう呟くと少年は、身支度を整え始めた。
「ひ~かるちゃん!」
目の前の茶色のドアを乱暴に開ける。
そこに居るのは布団にくるまった少女。いや、彼女の年齢で正確に言えば女性だか。
菫が締め切られた窓をあけると彼の暗い栗色の髪の毛が風に遊ばれる。
光流は布団の中で『むぅ~・・・』と唸ると『あとちょっと・・・』と言いながら眠りに付こうとする。
そんな普段のしっかり者の光琉ちゃんとは360度も違う彼女を横目でみると菫は小さく笑い布団の塊に近づいた。そして優しく揺する。
「光流ちゃん、もう起きて~」
「むぅ~・・・」
「もう7時過ぎてるよ?」
その台詞は効果テキメンだった。
ガバリと光琉は身体を起こす。そして、キョロキョロとあたりを見回し自分のすぐ近くに居る男の子を見る。
「7時・・・すぎ?」
「うん。」
まだ、覚醒しきっていない気だるげな様子。
菫はそのまま抱きしめたいと思ったが何とかこらえて(本当に何とか)光流の邪魔にならないようにすみに移動する。
光流は、もう起きてそろそろ会社に行かなきゃ行けない時間なのだ。
ひぃ~と叫びながら準備する光流を見ながら菫はボーっとする。光流は昨日決めといたのか、クローゼットから迷いなく一つのスーツを取り出す。そして、ベットに放ると自分のパジャマの裾に手をかけた。
そこでなにかに気づいたのか菫の方を見る。
隣で小首を傾げた青年(少年?)がぽけっと突っ立っている。
「あの・・・菫」
「ん?」
少し顔の赤い光流が菫の方をむく。
普段しっかりしっている光流のこんな顔を見れるのは俺だけ。
いや本当に美人だな~。このまま、キスをして~。
その後はその後は・・・
そこではっと気づく。
あ、危なかった・・・危うく光流のイメージを壊すとことだった。
ほっと胸を撫で下ろす。大好きな光流には嫌われたくない。
「着替えるから、ちょっと外にでててもらっていい?」
「あ・・・ご、ごめんね!!」
ぱっと菫のほっぺがバラ色に染まる。(意図的・・・。)
そしてわたわた慌てて出て行き部屋のドアが慌しくパタンとしまった。
光流はほっとしたように息を吐き出すと小さく笑って着替えを始める。
ドアの向うでは菫が『おしかった』というように舌打ちをしていた。
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こっそり直します。こそっり。。。