表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/13

ルピナス/いつも幸せ

今日は、待ちに待った菫ちゃんとのお出かけの日。

口ではお出かけって言っているけど心の中ではデートって言ってる。

口にしたら絶対に照れちゃうし、下手したら鼻血がたれる・・・

菫ちゃんから誘ってくれた。

ここ最近、忙しくて全然菫ちゃんと一緒に過ごせなかったから凄く嬉しくて思わず、泣きそうになちゃった。

寝起きだったし、なんだかいい夢を見ていたみたいで感情が高まったんだと思う。

もちろん、お誘いは即OK。でも、なんだかお誘いのときの菫ちゃんは膨れっ面だった。



「菫ちゃん、なんでそんなにほっぺが膨れているの?」


「・・・別に何でもないよ。」


「何でもなくないよ!風船みたいになってるよ。」


「なんでもないの!!」



こういったやりとりを何分かやったけど、返答はいつも同じ。

どうしたのって聞いてもなんでもないって返されちゃう。

最終的にはあのかわいい顔で



「光流ちゃんはずるい」



だって!!

もう、よ、よだれが・・・じゅるり・・・

でも、結局なにがずるいんだか説明もしてくれなかった、菫ちゃんは口が堅いね。




この日のためにいろいろ二人で計画をたてた。

二人っきりで出かけるのは本当に久しぶりだから楽しみ!

遠足前の子どもみたいに興奮して眠れない。

いつもより早めにベットに入ったのに、何度も何度も明日の服装を確認して何度も何度も持ち物の確認して、ついでに目覚ましもちゃんとかかっているか確認していたらいつもと同じ時間に寝る羽目になちゃった。




あっという間に朝になり、昨日、興奮して眠れなかったのが嘘のようにすっきりした目覚め。

いつもより早いのに、やっぱり楽しいことなら早起きができるね!!

天気も良好!!

スズメが気持ちよさそうに『チュンチュン』鳴いているし、今日はいい日になりそう!!



「光流、お弁当作るんでしょ?」


「うん」



そう、私はお弁当を作るため、普段しない早起きをした。

すべては・・・



「おいしいよ~光流ちゃん(ハート)」



の言葉を聞くため!!



「・・・る、ひかる、光流?」


「あ!ごめんなさい!」



すっかり自分の世界に入っていたわ!

菫ちゃんの笑顔、素敵すぎる!!



「あらあら、菫ちゃんの笑顔も良いけど料理中は火から目をはなさないでね~」


「はーい」



うちの母にはすべてお見通しみたいだ。



「よしっと」



うん、なかなか良い出来!

菫ちゃんの苦手な食べ物も上手く隠れている。

なんで、わざわざ苦手なものをいれるのかって?

(誰も聞いてないかもしれないけど勝手にしゃべっちゃいます)

お弁当の材料を買いに行ったときに、たまたま菫ちゃんのお母さんに出会って好き嫌いの克服に協力してほしいって頼まれたんです!

菫ちゃんは意外と苦手なものが多い。例えば、にんじん、トマト、ピーマン・・・etc。

なんだか味が苦手らしい。

食べられるけど進んでは食べない。

出来ることなら避けたいって感じみたい。

まぁ菫ちゃんの好物も沢山いれたし、おばさんから頼まれた苦手な食べ物は少しだけだから大丈夫なはず・・・



「って、いつの間にこんな時間!!」



お弁当に夢中になりすぎて気がついたら自分が準備をしなきゃいけない時間になっている。

ど、どうしよう!!



「ふ、服着替えなくっちゃ!!顔も髪もどうにかしてそれから・・・それから・・・わー!!早く早く!!」


「光流、落ち着きなさい。まだ、慌てなくても平気でしょ」


「そうだけどー!」



準備する時間はいくらあってもたりない。

せっかくの菫ちゃんとデートなんだから少しでも可愛くなりたいし、可愛いって思ってもらいたい。



「あんまり慌てると碌なことないわよ~」


「そんなこと言ったって!!」



つい数分まで占領していたキッチンから母の間延びした忠告が聞こえる。

その声を背中で聞きながら私は自分の部屋に向かった。




「な、なんとかなった~」


「あらあら、なんとかなるものね~はい」


「あっ、ありがとう」



私は母が入れくれた紅茶を飲みながら菫ちゃんのお迎えを待つ。

菫ちゃんを待つ時間はいつも流れがゆっくりだ。

一緒にいるときはあっという間なのに・・・早く会いたいな・・・



『ピンポーン』



玄関のチャイムが鳴る。

きっと菫ちゃんだ!



「きっと菫ちゃんね~気をつけて行ってきてね~」


「うん!!行ってきます!!」



今日もいい一日になりそう!!

そして、私はいつものように走って菫ちゃんのもとに行く。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ