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「クロクロには秘密があるんです、それは夏になるとー?」
「いいから起きなさいよ、クロクロもそうだけどダラダラしすぎよ」
「こうして床にべたあとなることが多くなるんです、それにはうっかり私も羨ましくなって二匹目のクロクロ――いえ、キヨキヨができあがるのです」
しかし仲間とは見てくれていないのかなにかしたくなったときにいちいち私を踏んでから歩いていくものだからおうふとなる。
体が大きかったり毛が長いのもあって見た目的にも実際の重量的にもやばい、お腹の上を歩かれたらわかりやすくダメージを受ける。
「馬鹿なんじゃないの?」
「クロクロを馬鹿にすることは許しませんよ」
「あんたを、馬鹿に、してんのよ」
さて、そろそろふざけるのもやめて案内でもしようか。
あ、この前紹介しきれなかったクロクロのお友達についてはここに来たタイミングで現れて紹介することができたから満足している。
あの子は雑種でわかりやすく毛が伸びたり減ったりしないから変わらなくて安心したなあ。
「流石に今回はあの子も来ない――」
「呼ばれたみたいなので来たよー」
おお、この子も変わらないなあ。
「清乃、あんたもしかして呼んでいたの?」
「ううん、新井さんには呼ばれていないよー」
「まあいいわ、こっちに私がいることの方が不自然なんだからね」
いまとなっては私も同じだ。
母からも「また来たの?」なんて言われているぐらいだから本当にね。
「新井さんが連れてきてくれるからありがたいよー」
「あんたまで伸ばすな、伸ばすのは清乃だけで十分よ」
「ラブラブだね」
「まあもう関係が変わっているからね」
「えー!?」
こうしてわかりやすく反応をしてくれたら彼女だって楽しくなって話し続ける。
で、この子だって目当ての彼女と長く話せるわけだから得というわけだ。
陽キャラさんのこういうところが本当にすごいところだと思う。
「あんた本当に清乃に似ているわね。清乃、ここに二人目のキヨキヨがいるけどどう思う?」
「この子は当たり前のように人といられるから私とは違うよ」
「や、あんただってそうじゃない」
「私の場合は奈央ちゃんが優しいだけだから」
無理をしているならあれだけどこれが標準なら無理をしなくて済むからずっといてくれるのではないかと期待をしてしまうのだ。
「あのーお邪魔のようだからそろそろ帰ろうかな?」
「別にいいわよ、いまいちゃいちゃしなくたって家でできるんだからね」
「「うわーお」」
「本当のことじゃない、だからあんたは清乃と満足できるまで一緒に過ごしなさい」
なんかもう顔まで格好よく見えてきた。
だけどこれが場合によっては可愛くもなるのだから私からしたら最強だった。
とりあえずこれで空気を読もうとすることもやめてくれたみたいだからせっかくならと三人でこの土地で楽しんだのだった。




