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地底世界より

暗く濁った空気が淀み、岩肌に赤黒い燐光が瞬く。

ここは地底世界――かつて地上を支配した魔族が、天使と人間の軍勢に敗れ追いやられた地である。


挿絵(By みてみん)


だが、魔族の頂点に座する大魔王の手腕により、地下資源の開拓は進み、交流を通した事で魔族と天使、人間との関係は一応の安定を保っていた。

永き停戦の時代。

――しかし、それも今まさに揺らごうとしていた。


魔王城の広間に、燃え盛るような声が響く。



「まことにございますか、魔王様……!」



挿絵(By みてみん)


炎を纏う巨躯の男――魔王軍三将のひとり、炎獄将軍ヴァルザーク。

その紅蓮の眼差しが、玉座に座す主へと突き刺さる。



「何度も言わせるな、ヴァルザーク」



低く響く声が、広間の闇を震わせた。


魔王――グラディウス。

銀糸のごとき髪を背に流し、血のような紅の双眸に一本の黒き角を宿すその姿は、まさに魔の王族の象徴であった。


挿絵(By みてみん)



「我が妹、レイナレアの消息が途絶えた」


「なっ……しかし、あの方は人間の国に質子として留め置かれておられるはず」


「確かに定期的に文は届いている。だが――」



グラディウスは瞼を閉じ、低く吐き出す。



「筆跡は巧妙に真似られていた。……偽物だ」



炎の将軍は、握りしめた拳を軋ませた。



「相手は超大国レグネッセス……!軽々に動けば、大魔王様の逆鱗に触れましょう」



玉座に沈黙が落ちる。やがて魔王は、ゆるりと組んだ腕を解いた。



「だが、黙してはおれぬ。今の彼の国は良き君主の治世と聞く。実際に会って、話をつけよう」


「お待ちを、魔王様!それでは……!」


「分かっている。大魔王が、容易く許すまいということもな」



――ならば。

グラディウスの瞳に、血のような光が宿る。



「最終手段を取るしかあるまい」


「ま、魔王様……一体何を……!」



その決断が後に、神・天使・人・魔族、四種族すべてを巻き込む 終末戦争 の幕開けとなることを、まだ世界は知らなかった――。


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