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比較的最近更新した短編のまとめ場所

俺の知らない間に妹が断罪されていたので、妹の婚約者を脅しに行く事にした

作者: リィズ・ブランディシュカ



 俺は国の中で一番の実力を持った騎士。

 騎士の中では有名で、国民の間でも名前が知れ渡っている。


 そのような立場にいたから、唯一の家族である妹を不自由なく生活させる事ができた。


 騎士の給料は高い。


 使用人を雇えるほどの財産はあるし、広い屋敷だってある。

 数年前に他界した両親から「いいお兄ちゃんでいるのよ」「妹をしっかり面倒見るんだぞ」と言われた通りにしてきたと思っている。


 そのおかげで、妹は良い嫁ぎ先を見つけたようだ。

 結婚式の計画が進んでいた。






 しかし、俺が任務で長期間国外に出ていた時。

 妹は悲惨な目にあっていたようだ。


「真実の愛」とやらに目がくらんだ妹の婚約者は、妹と別れるために様々な悪事に手をそめた。

 普通に別れると、「なんでそんな良い相手と別れたんだ」など人々から言われるのが面倒だったのだろう。


 浮気をしていたらしいから、その事が明るみになって、自分の立場が弱くなるのを恐れていたのかもしれない。

 だから、婚約を解消しても不自然でない状況を作り上げたかったのだ。


 妹の婚約者は、俺の妹を「国を危険にさらした大罪人」に仕立て上げた。


 違法な賭博場所に、危険な魔物をつれてきたとかなんとか。

 法をおかした賭博を行っていた、という罪も重ねてきた。


 可哀そうな妹は断罪され、牢屋に入れられる事になったが、そこに俺が帰ってきた。


 予定よりも早く任務が終わったためだ。






 それで、妹の話を聞いて、事の次第を知って激怒した。

 妹が嘘をついている?

 そんな事は微塵も思わなかった。


 妹はこれまで、俺に嘘をついた事は一度もないからな。


 だから俺は妹の婚約者ーーいや、婚約者だった男の元に乗り込んで、剣をつきつけた。


 護衛の人間はたくさんいたが、話にならなかったな。


 追い詰められた元婚約者の男は、こっそり隠しておいた魔物をけしかけてきたけど、それも撃退させてもらった。


 俺は死なない程度に奴をいためつけ、真実を述べなければ殺すと脅したてた。


 幸いにも、俺が派手にやりすぎたせいなのか、周辺に住んでいた者達が何が起こっているのかとやじ馬しにきていて、


「暴れまわる魔物」に指示を出す、元婚約者の男を目撃していた。


 だから、然るべき所に事の詳細を説明するのは楽だった。





 これで、俺達は平穏を取り戻し、妹の濡れ衣は晴れたがーー。


「お兄ちゃん、私もう誰かと結婚するのやめるね」


 妹の心に深い傷を残してしまったようだ。


 両親亡きあと、一生懸命育てて、見守って来た妹だ。


 へたな所に嫁がせて心の傷を負わせるるよもり、家族二人でこのまま一緒にいた方が良いかもしれないと思った。


「それがいいかもしれないな。確実に信用できる人間なんて、この世にいない。家族と一緒に暮らすのが一番だ」



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