第一話 目覚め
目が覚めた。
上体を起こし、目を擦り、身体をひねると机の上に置いている電子時計は13:30と書いていた。
かなり寝たはずなのに全く疲労が取れていない気がした。
俺は五畳半の小さなボロアパートで1人寂しく暮らしている。こんなボロ家の中で、日々このような生活を送っている訳だが、案の定俺はいつものように家賃の支払いに切迫詰まっていた。
「腹減ったな、、」
先刻まで長い眠りについていたからか、それとも金がない上にロクな料理も作ってないからなのか、そうボヤくと俺は、家の冷蔵庫や棚を見たが、これと言った食べ物がなく、仕方がないのでコンビニに買いに行くことにした。
「あっつ。」
外は外気25℃の初夏で外気熱が家との気温差にムワッと口腔を通り、むさ苦しい気持ちになる。外はすっかり初夏の気温になり、なにかの虫のセセリ声が団地の中をよく響いている。
彼は家の扉から出て、3階建ての安いボロアパートの階段を降りた。
「最近マジで寒暖差ヤバすぎだろ、普通に腹下すし」
あまりの暑さに不平不満を言わずにいられないのがこの男の性というものなのだ。
だが、さすがにこの暑さは誰でも文句を言う気もする。それに夜は寒いし、、
結局、男は最寄り5分のコンビニに暑さに耐えながら昼食を買いに向かうことにした。
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ブワーン
外気25℃からコンビニへ入ると、中の涼しさに思わず、ホォ、っと気持ちの悪い声が出る。
やはり、夏にエアコンを浴びると気持ちのいいものだ。
彼は涼しさに流れるように、コンビニの弁当コーナーを見た。
しばらくの黙考の末、彼は中華ラーメンと書いたコンビニ弁当をもち、レジへと向かった。
「アメスピと、あと肉まんください。」
そういうとレジの店員は戸惑っていたので、俺は急いで
「あ、すみません。108番です。」
そういうと店員はありがとうございますと言い、タバコと肉まんを取り出し、レジ袋の有無を聞いてこなかったので、レジ袋もお願いしますと頼んだので、レジ袋にそれらを詰め込んだ。
ちなみに彼はいつもコンビニへ行くとアメスピを頼むという、それなりの喫煙者な訳なのだが、彼は会計を済まし外に出るなり、外気のむさ苦しさの中、すぐにレジ袋の中からアメスピを取り出し、愛用しているライターを片手にいつものようにタバコに火をつけた。
「今月やべーな。家賃払えっかな。」
彼は月給ギリギリでやりくりしてるせいか、食費ひとつもかなり切迫詰まっていた。
しかし、そんなことを気にしても仕方がないと思い、開き直るというだらけ様。(いやだめだろ、、)
そんなことを考えていると、目の前にバイクに乗ったいかにもなヤンキーが駐車場をブンブン噴かしながら、入ってきた。
20前後だろうか、いかにも学生上がりで肉体仕事をしていそうな雰囲気。そしてガッチリとした筋肉。それに全員タンクトップ。3人組で髪色は3色共々まるで虹を見ているような気分になる。
しかし仲間たちと楽しくするのはいいが、ここらへんでバイクを噴かすとはうるさいものだ。
それゆえか、俺はそいつらを自然と嫌悪の目で見てしまっていた。
俺は内心で、なんだこいつらこんな平日の真っ昼間から暇かよと思っていたのだが、どうやらあまり良くなかったらしい。。
「ちょ、あいつなんか睨んでね、」
ヤンキーの1人が俺の存在に気づき、もう1人のヤンキーに語りかける。
するともう1人のヤンキーがすぐに俺に声をかけてきた。
「おい、おっさん、何睨んでんだよ。」
先刻まで他人だった相手から絡まれ、俺はまさか絡まれるとは思っていなかったからか、一瞬、自分に声をかけられていることに気づかなかった。
しかし、俺の周りにはそれとした人がおらず、数刻もせず、俺は自分に喧嘩を売られていることに気づいた。
謝っとけばよかったのだが、しかし、俺は昔から頑固で変にプライドが高い人間で人に謝ると言うことができなかった。
その結果俺はヤンキーたちの挑発を澄ました顔でシカトした。
するとそれに腹を立てたのかヤンキーは気を揉まれ、こっちに近づいてきた。
「ちょ、おっさん、何シカトしてんだよ。お前に話しかけてんだよ。」
「は、別に睨んでねーよ。」
俺は強くもないのに、堂々とそんなことを言ってしまった、。やはりヤンキーはオツムの方が詰まっていないらしい。
しかし、ヤンキーたちはそれに余計ムカついたのか、
「とりま、おっさん裏こいよ。」
そう言った。
最悪だ。。だけど、こんな奴らに絡まれて引くのもダサいし、それに俺は特に何か悪いことをした訳でもない。
こんなところで引き下がる訳にもいかない。そう思い、俺はそいつらの挑発に乗ってついていく事になった。
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