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夜更かし


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

           パン

 「ー悲鳴ー」     ザ   ザバァ!

      「誰かたす ザ       「ー悲

   ギィ!      ザいやだぁ!」   ギギ   ザ   そして黒ザ

 ギギギザギ      ザ   波打つ音がひど

「いやだザにたくない!」!   ああ

    ザ               「ごめ

              ドォン!!

ザザザザザザ

       ー僕だ。」   ……

ギィ

    ぎ  あ あ        先程までそ

    ぎ

甲板にはぎ        グチャ

    ぎ               血だま

……

     ザザザザザ     あああああああ

助け

                     そし


ああああああ!ああああああああああああ!!


ギギギギギギギギギギギ

                 ガガガ


         ーーーーー

ーーーーーーーーーードォンーーーーーーーーーー

         ーーーーー



ーーーーはッ!?


   …はぁ……はぁ……


悪い夢を見て目覚めてしまった。



 (最近頻度が多くなってきてる……馴れない環境のストレスかな……)



体を起こし、時計を見ると深夜の2時、外はまだ雨が降っている。


 ド  ド   ド


窓に重い雨が打たれる。


……


冷や汗で濡れた首を袖でぬぐう。 



 (……喉が乾いた……)



両足をベッドから下ろし立ち上がった。



部屋を出て、静かで暗い廊下を渡り、玄関の扉を開ける。



 ザーザーザー


外に出ると雨音が強くなるのを感じた。



水溜まりを避けて寮の裏にある井戸に向かって歩いた。



すると井戸の近くに人影が見えた。



 ビュン ビュン ビュン



棒を持った誰かが頭の上から振り下ろす動作を何度も続けている。


 

 (こんな時間に……素振りか……誰だろう)



少し萎縮する。

喉の乾きと好奇心を満たすために井戸に近づいた。



素振りの音が大きくなる。



 (あの人……)



そこには黒い肌の女がいた。



 「ん?」


 (あ)


目が合った。

彼女がウィルに気がつき、素振りが止まる。



 「や、やぁ…」



授業で彼女の強さは知っている。

確実に自分より立派なのに、自分の方が成績が上であることに罪悪感を感じる。



 「君は、確か同じ寮の人だったよね」



突然話しかけられるとは思わなかった。



 「う、うん、ウィルだよ」



 「私はマリーだ、よろしく」



朝よりも印象がいい気がした。



 「こんな時間にどうした、消灯時間はもう過ぎてるだろ」



 「ちょっと目が覚めちゃって……君は…こんなに遅くまでやっていたの?」



 「ぁ……あぁ、私も少し眠れなくてな」



 「そうなんだ」



ウィルは水を飲むために井戸に近づく。



 サ


ウィルには見えなかったが、マリーが井戸の後ろで何かを足で押し隠した。



ウィルが井戸の水を汲み上げ飲んでいる。



彼女の視線を感じる


 

 (見られてる?……いや、気のせいか……いややっぱ見られてる!?)


 

 マリーは何故かウィルの方をじっと見ている。



マリー(………やばい、まじやばい…ばれる……漏らしたことがばれる!)



マリーが井戸の後ろに隠したのは桶であり、その中には衣服と石鹸がある。



ーーーーーーーーー約10時間前ーーーーーーーーー

 

天候 晴、 三時間目の授業 





トレイス「おい!そこの黒いの来い!」



 (うそでしょ!?)



外の授業で試合を行うことになった。

マリーは5人ほどの友達と固まっている。



マリー「(小声)ねぇやばいってどうしよう!」

 

友達「(小声)いくしかないよ」


 「(小声)マリーだったらいけるでしょ」


 

 「(小声)ちょっとバーバラ!死ぬって私」



友達「まぁまぁノリでいけるよ」


 「あーもう!」



友達「ほら、マリー覚悟決めて行ってこい」



 「あーはいはい、行ってくる」



トレイスは既に白線の中に入っている。



そしてマリーも白線をまたいだ。



 (こえぇぇぇぇ)



トレイスがギロッとこっちを睨む



 (こっち見たぁぁぁ)



「始め!」教師の声が響く。



 



トレイスがサッとしゃがみこんだ。



 



 ギュン!


 !?



彼の足下に魔方陣が出てくると物凄い速さで接近してきた。



トレイス「(トラップ) 爆発(ブロウ)


彼は木刀に魔方陣を出し、振りかざした。



 (やば!)


 ボォン!


方陣が爆発した。


その周りは黒い煙で囲まれている。



 (あっぶなーこえぇ)


ギリギリで木刀を防いでいた。


 (早く決めよう)



 サッ

マリーがトレイスの後ろに回り込んだ



 (気づかれてない!よし、いける!)



 トレイス「!?」


 ガッ


 (うそ!?)


攻撃は振りかざした剣の音に反応したトレイスに防がれた。



 ズザー



トレイスが押される



そして辺りが砂ぼこりで見えなくなる



 (こうなったらやけくそだ!)


  ダッ


トレイスに向かって走った。



やがて砂ぼこりの中から彼のシルエットが見えてくる。



 (早く!終われ!)



マリーはトレイスの陰に攻撃する。


 サッ


トレイスがとっさに避ける。



剣はからぶってしまった。


 (避けられた!まずい、そろそろ漏れるとこまできた)


トレイスは距離を取った。



マリー(!!?)



トレイス「かかったな!」



トレイスがもといた場所には魔方陣が展開されていた。



 キュイイン


方陣が光を放った。



トレイス「跳躍(レープ)



 (ええい!)



 ボォン!



辺りに煙が舞う。




 (あ)



………



トレイス「決まったろ」



 (………)



 ザッ


今までと比にならない速度で接近した



トレイスがそれを防げることはなく



ドガッ


     うっ!



彼は外に出てしまった。



辺りに舞った煙が消える。



飛ばされたトレイスは白髪の少年の上に倒れていた




マリー「魔法使いもこんなものか」




そう言い放つと彼女は友人達の方へ戻った。



友達「やるじゃんマリー」


   「見直したよ」


(………)

 「うん!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 (あの時ビビって漏らしちゃった……それでみんなにバレないようにこんな夜中まで待って洗おうって思ったのに……こいつぅ、寝ろよ!)




マリーはじっとウィルを見つめる。



(そもそもさっきまで洗っていたのにこいつの気配がしたから急いで井戸の側にあったほうきの先端を外して素振りしてるかのように見せてるんだ)




ウィル(視線を感じる…気まずい……何か言って場を繋ごう)



ウィルはバケツを戻した。



 「あの、マリーさん」


 (ひぇっ)「なんだ」 



 「匂いとかよく分かるタイプですか」



マリー(臭い!?こいつ、まさか……殺すか?)



マリーは持っている長い木の棒を強く握りしめた。



ウィル「あ、すみません。鼻って良い方ですか」


  (は?)



ウィル「いや、昼の授業でトレイスと戦ったとき、砂ぼこりや爆発の煙で僕たちからは見えなかったんですよ、そんな状況であんな的確にトレイス君を場外に飛ばせたのかなって……」



 (な~んだそんなことか)


拳の力を抜いた。



マリー「鼻がいいわけじゃない、彼の体に纏っている魔力が見えたからそこを叩いただけだ」




 「魔力……ですか」


マリー「あぁ君達が見えるものよりはっきり見えるんだ」



 (君達か……あれからレイズ君に教えてもらった魔力循環をやってるんだけど一向に魔力と言うものが見えない……そもそも正しくできてるか分からないし……そうだ、この人にも聞いてみよう)


 「どういった練習をしたんですか?」



 「練習とかじゃない、そういった体質なんだ」



 「体質……」(そういえばヒュート君がそんなこと言ってた気が……)



 「遺伝の問題でね、先祖代々魔法が使えない代わりに、体が強くなっている。そういうものなんだ」

 



 「そうなんですね」(魔力を見る方法は分からなかったな……)




 「だが体質だと言っても鍛練は必要だ、才能に頼ってばかりいたらいけないからな」



 「そうですよねぇ」(その鍛練について知りたいな)

「例えばどんなことしてるんですか」

 



 「例えば……筋トレと走り込みとか」



 (…この人…肉体派だ……戦士だからかな……)




 「少し気になったのだが」



        「はい?」




 「魔法使いの鍛練はどんなことをしているんだ」




 (それを知らないから困ってるんですッ!)

 「魔法を素早く出す練習とかですかねぇ」




 ポツポツ


 ……


先程まで激しく降っていた雨が止んだ。



 「雨、止みましたね」



          「あぁ」



 「僕はそろそろ戻ります」




      「そうだな、少ししたら私も戻ろう」




 「それじゃ」


       ウィルが寮に戻っていった。



 ……



 ………




 ………「っぶね~はぁ、まじでびびらせるなよ!」




 「………洗お…」 



    マリーは桶から衣服と石鹸を取り出した。





外はまだ暗い、しかし月明かりが通っている。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「なるほどね、要はこれを()ってくればいいんだろ」


暗闇のなか男が二人いる。



 「あぁ、そうだ、」



          「他は?」



 「どうでも良い、好きにしろ」



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