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女戦士








 教師「試合をする」


ウィル(え)



3時間目の授業でいきなり試合を行うことになった


場所は以前彼らが試験試合を行った地面が砂と土の広場だ。

同じように中央辺りに長方形の白線があるが、以前とちがって数が増えている。


ウィル(また、みんなとやることになるのか……また恥かきそう…)


ウィルはチラチラと周りを見る



 トレイス(トカゲ人間)「かかってこいやざこ!」


 ラミル(獣人)「調子乗んな!」


他の方を見ると



 ヒュート「最近暑くなってきましたよねー」


 多分戦士の知らない人「ですねー」



 (みんなのテンションの差が激しい…)


彼女らのことも気になって見た。


 マリー(黒人戦士)「………」


 取り巻き「………」

 


 (寡黙だなぁ…)



教師「ルールは以前試験で行ったものと一緒だ、手の空いたやつから枠内で行え!武器は杖、木刀のみを認める」


ウィル(少し様子を見るか……)



すると、


 

 トレイス「よっしゃ!覚悟できたやつから入ってこいや!」


枠内に木刀を振り回しながら入った。


 トレイス「おい!ラミル!来い!」


 ラミル「熱覚めたー他のやつとやって」


 トレイス「んだよそれ!」


周りを見て相手を探す


「あーおい!そこの黒いの!お前来い!」


 トレイスはマリーを指差す。



ヒュート「げ、あいつ」


 (?)



 取り巻きの一人「マリー」


 マリー「いってくる」


マリーは枠内に入っていった



ヒュート「あーあ」



トレイスは両手に杖と木刀、マリーは木刀一本を地面に突き立てて持っている


ウィル(あの人確か、魔法を持たないって言う戦士だ)



そして他の枠内も二人ずつの生徒で埋まる。


……


教師「五分だ!始め!」


バッ


素早く構えた。



トレイスの構えた姿を見ると


ウィル「え?」


トレイスから半透明な煙のようなものが出てくるのが見える


 (まただ、このモヤモヤ) 目を擦る



 トレイス「(トラップ)跳躍(レープ)!」


素早く杖を足元に向け、魔法を放った。


すると、彼の足元に魔方陣が現れた。


 ビュオン!


トレイスは魔方陣から光だすと同時に、ものすごい勢いでマリーに接近する。


 傍観者「わー」

        「すごー」  「何あれー」


ウィル(何あれ、魔方陣に足がついた瞬間、すごい速さで跳んだぞ)


気づいた時には既にマリーの目の前に立っていた。



トレイスは木刀を低い姿勢で構える


トレイス「(トラップ)!」



刀身部分に魔方陣が現れた


 「爆発(ブロウ)!」



方陣がついた木刀がマリーに襲いかかった


次の瞬間、方陣が光を放った


 バン!


爆発した


   ……シュー


当たったと思われるところには黒色の煙が充満してる


ヒュート「終わったわ、あいつ」


ウィル(?)



 トレイス「どうだぁ!」


ウィル(!?)


 スッ


トレイス「!?」


トレイスは音に反応して振り向いた


そこにはさっきまで目の前にいたはずのマリーが木刀を振りかぶる姿が。


一瞬の困惑の末、彼はすぐに防御するが、既に遅かった。


トレイス「ぶぉ!!」


 ズサー


白線ギリギリまで押された。


ウィル(魔法無しでこんな動きができるの?!)


 (うそだろ、あいつ戦士だろ?どんな循環効率だよ!?、どうs


 ッ!!


一瞬の空きにマリーが接近し突きで攻撃する


 ブォ! 


とっさに体を横に反らし、マリーの横に素早く移動した。


 (魔法使いでもないやつがこんなにやれるやつなんてな、だがいくら魔力循環で上手いこと体を強化してもこの俺の頭脳には勝てねぇ!)


 「(トラップ)!」


「むやみに突っ込むからだよ!」


マリーの足下に魔方陣が開かれる。


 「跳躍(レープ)!」


方陣が光ると


 ブォン!!


 ウィル(すご!いつの間に足下に魔法を!?)


魔方陣が衝撃を放つ。


 モワモワ


枠内に砂ぼこりが立ちこみマリーとトレイスの姿が遮られた。


ウィル「ゴホッゴホッ……ヒュート君、さっき終わったって言ってたけど、どういうこと?」


ヒュート「分かるだろ 


 ガコッ  うっ!?


砂ぼこりの中から打撃の音が聞こえた。


 だってこれ完全に


 ドッ ぐっ!


 噛ませ犬になるやつじゃん」


 ドガッ!



トレイスが砂ぼこりの中から勢いよく外に飛ばされた。


 がぁ!  うわ!


   ド


ウィルが飛んできたトレイスの下敷きになった。


立ち込めていた砂ぼこりが消えていく


マリーの姿があらわになった。



マリー「魔法使いもこんなものか」



そして彼女は元いたグループに戻っていった。


トレイス「あ、あが」


ウィル「ちょっとッ…どいて」


ずるりと乗っかったトレイスをどける



ヒュート「ほら、やっぱ負けた」


ウィル「……彼女、とても魔法使いじゃないとは思えない」


ヒュート「僕も詳しいことは知らないけど、遺伝か、呪いか、どうやら彼女の家系からは魔法使いが生まれないらしい。たけど、その変わりかなんか魔力循環での身体強化が卓越してすごいらしい」


ウィル「へー……え、魔法使い以外も魔力持ってるの!?」


ヒュート「は?例外はあるけど、どの生物も持ってるだろ」


 「そうなの!?物知りー」 


ヒュート「君が知らなさすぎるんだ。まぁ彼女については僕もあまり詳しくない」



(すごいな、肌が黒い人はそんな特徴があるんだ)


ウィルは座りこんだ姿勢のまま、マリーを見る


 ………


  ………


ウィル「僕、彼女を初めて見るはずなのに……、なぜか見覚えがあるんだ。どこかでみたことあったかな」


ヒュート「あれじゃない、たまに広場の台で喋ってる同じ肌黒の女の人」


ウィル「そうなのかなぁ」


 「あぁ!いったー!なんで効いてなかったんだ?」


トレイスが起き上がった。


ヒュート「見てたけど、足がついてから発動までのタイムラグの間に離れてた」


 「うそだろぉ?ほとんど同時なはずじゃん!」


ヒュート「0.1秒でもあったら彼女みたいな戦士は普通に反応できるんだよ」


トレイス「くっそー、まさか戦士に負けるなんてー、おいウィル!」


 「なに?」


トレイス「やるぞ」


 「え?」


トレイス「俺が強くなるために手伝え」


 「それだったらヒュート君とかに…


 ポツリ


 肩が濡れた

 

 「あ」


 ポツ……ポツ、ポツ




 ザーーーーーーーーーー


ウィル「雨降ってきた!」



周りの人「雨だー!」  「濡れるー!」

      

         「屋根屋根!」


教師「授業は中止だ!全員戻れ!」


トレイス「は~!?ふざけんなよ雨ごときで」



 (助かった~)



続々と屋内に戻る



トレイス「濡れた~」



ウィル「思ったより降ってきたね」


ヒュート「明日も止まなさそう」



空は暗い雲で覆われており、窓の外は声がかき消されるほどの大きな雨音が止まず続いている。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


西ローダ ゲンテル山


ザーーーーーーザーーーーーザーーーーーーーーー

 ザーーーザーーーーーーーーーーザーーーーー


 (雨か?)


激しく雨が降り注いでいる


 ギギギバキッ 

          ドン!


山の中の木が倒れた。


 (うわ!?なんだ?)



 バキバキ

        ギイイ


周辺の木も倒れてしまった。


 (上で何が起こってるんだ?)


  ゴゴゴ      (ん?)

    

      ゴ!

 (おおお!?)


        ド

         ドド!

         (あああ!?うわぁ!)

             ドド!!!

               ドドゴゴ!!!



そして土砂崩れが起こった。



 「何だ!?」



土砂が積もった場所で一つの頭蓋骨があらわになった。



 「あ、外だ」


頭蓋骨は打ち付ける雨の中空を眺めている。


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