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怪奇出現!?森に潜むモンスター

 

 ダダダッ


ウィルは走ってくる森の精霊から逃げている


 (「森の精霊、人気の無い森に出現する木製魔法動物、主に体の尖った木で攻撃行動を行う。」そして倒し方は「体の中にある本体の木の棒を折るか、全身を再起不能まで体を粉々にする」試験のために身につけた知識が役に立ってる!)


彼は立ち止まり、やってくる精霊の方に体を向けるように背に木をつけた。


やがて精霊は彼に追い付き、尖った手を横に振る


(精霊の特徴は「枯れ木できている体は、大した強度が無いこと」!)


 ブォン


 (来た!)


 サッ


しゃがんで攻撃をかわす


空かした攻撃は後ろの木に当たろうとしていた。


 (よし!これで精霊の腕は木に当たって砕け


 バゴォン!


予想外の結果。精霊の手は壊れず、逆に攻撃が当たった木が粉々に抉れた。


パラパラと木片が落ちる。


レイズ「言い忘れてたけど、封魔の森付近の魔物は普通より強いよ!」


 え?

……

(は?え、は?いや、ヤバいじゃん!あれ当たったら!)


精霊は体勢を整えて避けたウィルに追撃しようとする。


 やばい!


 ブォン!


ウィルは上から真っ直ぐに振り下ろされた木の腕を横に飛んで避けた。


レイズ「思いきってやるんだ!胸を狙え!」


安全な木の上でレイズが言う。


一旦精霊から距離を取った。


(杖は無いし、対処法も通じない……、こうなったらもうやってやろう)


精霊がこっちに接近してきた。


 ザッザッザッ!


(大丈夫だ……危なくなったら助けてくれるって言ってたし……姿勢をとって…)


走ってくる精霊に対して迎え撃つ体勢をとる。


 利き足は後ろに……、


  体をひねって……、


   右手を構えて……、


 (廻る感覚、魔法を操る要領で)


精霊の助走のついた攻撃が飛んでくる。


 ッ!!

 (ここだ!)


 フッ


 バゴキ!キッ!


 ………


森の精霊は動かなくなった。


レイズ「おお!」


ウィルの手は精霊の胸部を正面から砕いていた。


 ザッ


レイズが木の上から軽々と飛び降りた。


レイズ「やるじゃん!ウィル君」


ウィルは拳を打った体勢から動かない。


レイズ「どうした?」


ウィルは微妙に震えながら下唇を噛んで何かに耐えている。


レイズ「おーい」


 「……手が……多分……砕けました……」


彼の手がだんだん赤く腫れてきた。


レイズ「まじか、いけるか?」


 「大丈夫……、落ち着いたら……」


ウィルが小さな声で「フー」と痛みに耐えている。


レイズ「あっ、はい、杖」


 「ありが…とう」


ウィルは杖を受け取り痛みに耐えるように膝をつき倒れこんだ。


「ッフー……」痛みに耐える


レイズ「それにしてもすごいね、もう出来るようになった。もう少し時間がかかりそうだと思ってたけど」


 ……


レイズ「大丈夫?」


 「はぁー!」


ウィルが立ち上がった。


レイズ「どうした?そんなにひどい?」


 「治した」


レイズ「……あー!言ってたね骨折治したことあるって。でもそんなすぐに治るんだ。便利だなぁ」


 「まだヒリヒリするけど」


手を擦っているとある違和感を覚えた。


 …ん?


 あれ、なんか目に違和感がある


ウィルの視界には何か透明のモヤモヤが写った。


 「ゴミでも入ったのかなぁ」


目を擦る


レイズ「じゃっ今日はもう帰ろう!魔力循環も覚えたことだし」


 「魔力循環?」


レイズ「魔力を廻すって言ってたやつ、そもそも魔力を廻すってのは分かりやすく言うための造語だから」


 「魔力循環かぁ」


レイズ「ちなみに大体君以外の人はこれ完璧に出来てるよ」


 「うそ、みんなやってたんだ、大分遅れてる……」


 「まっ大丈夫だよ!君もすぐ慣れるから」


「そうかなぁ」(……実際やってみると本当にイメージっていうか感覚っていうか…そもそも杖なしで魔力を操るってのが慣れない、そもそも魔力でこんなことが出来るなんて)


ウィル「今日はありがとうね」


レイズ「じゃ砕けた手も治ったことだしー


 ザバ!


もう一体の森の精霊がレイズの背後に現れた。

音もなく近づいたそれは気づいていない彼に不意打ちをくらわす。


 「レイズ君後ろ!!?」


手が届く距離まで近づいた精霊は腕を大きく振り上げ、


 ブォッ


「2式 飛雷」


 バボォン!!


       バチ バチ……


やってきた精霊に対してノールックで撃った電気は精霊の体を粉々にし、地面が浅く抉れた。


 「え」


レイズ「帰ろうか」


 (……今技名言った?カッコいい…)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 次の日の朝、今日から授業が始まる。

 行う授業の内容はよく知らないけど、ヒュート君

 に聞いたら貴族がやりそうなやつって言ってた。

 やっぱ騎士も貴族階級だからかな。


彼は先日とあまり変わらない朝を過ごし、授業が行われる教室に移動している。

教室へと繋ぐ廊下は石レンガ造りの広々としたところだ。


 (学校で授業とか初めてだ。わくわくするな)


 ポンと肩を叩かれた


 「やぁウィル君」


 「あ、ヒュート君じゃん、それと……」


ヒュートの他にオークの大男がいた。


オーク「俺はケイグリック ズファロ。他の奴からケーズって呼ばれてる、まぁ好きに呼んでくれ」


 (あ、この人昨日部屋の前でぶつかった人だ)


ウィル「僕はウィル、よろしく」


ケイグリック「お前がウィルか、皆から聞いてる」


 (僕が目も当てられないぐらい弱いことか、っわー恥ずかしい)


ウィル「あっヒュート君、次の授業のことで聞きたいんだけど」


ヒュート「なに?」


ウィル「あの教ー


 ガヤガヤ


廊下の奥が少し騒がしくなった。


ウィル「なんだろう」


ウィルたちは奥の方に振り返ってじっと見ている。


廊下の奥の方から5人程度の気品がある女子が歩いていた。


先頭に肌の黒い髪を後ろでくくっている女がいる。

その後ろにはよくこの学校で見かける貴族の出の女たちが集まっている。


ウィル(……肌が黒い、そういえば時々広場で喋ってる女の人も肌が黒かったな……あれ?…


ヒュート「パッシュベル家か」


ケイグリック「黒騎士一族ってやつか」


ウィル「黒騎士?」


ヒュート「僕が説明しよう!彼女の名は"マリー・パッシュベル"僕らと同じBクラスの人間だ」


ケイグリック「何か始まった」


ヒュート「そんで彼女はものすごーく強い戦士を出しまくってる名家パッシュベル家、通称黒騎士一族の出の者なんだ」


ウィル「へ~」


ヒュート「彼女は魔法が使えない戦士だから君の一つ下の成績、でも実際の実力はAの上位だって言われてる」


ウィル「僕の一つ下?それは戦士って言うやつの一番上ってことじゃん」


気づくと彼女たちは彼らを通りすぎて見えなくなってしまった。


 (…………何か……まぁいいか)


ヒュート「んで何?」


ウィル「………あれ、何て言おうとしたんだっけ?」


ヒュート「あるあるだね」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 その後僕たちは普通に授業を受けた。魔物のこととか剣術?とかいろんなことを学んだ。


 あ、そういば、三日後に実技演習?ってものがあるらしい。どうやら山で実際に魔物を討伐するんだって。ちなみに山と言ってもこの前行ったところじゃないよ。


何があるわけでもないけど、なんだか楽しみだ。


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