ローダ騎士養成学校
枠内に新たな二人が入った。
ウィル(どんな感じに戦うんだろう?見てみよう。)
試験官のやる気の無い「始め」の合図が聞こえた。
すると二人は杖を取り出した。
ウィル(え、?!…魔法使い?!…レイズ君に続いてまた魔法使いか?…)
すると二人は先程のウィルたちよりすごい動きで戦い始めた
ウィル(本当に魔法使いだ…さすが3年に一度の試験…こわ…)
一人は光る何か訳の分からない物体を出し、
もう一人は瞬間移動している。
ウィル(…レベルが違う…何が起こってるか分からない…)
ドォン!
一人が枠外に出たようだ。
ウィル(でも、どんな戦いかたをすればいいか分かった。そうだよ!たくさん勉強したじゃないか
さっきだって電気の魔物の対処法を覚えてたから
あそこまで戦えたんだ…。)
やる気の無い男「次…グレイス・ホーン…と…ウィル・ハーケン」
ウィル(きた!次こそ勝ってみせる!)
ウィルはある程度覚悟し、緊張を抑えながら枠内に入った。
どうやら相手は先程の試合で勝った人だ。
ウィル(この人か…この人何か光る壁?的なものを出していたな…。普通のものじゃない…きっと昨日の魔物のように何かあるんだろう…。距離をとって様子を見よう。)
「よろしくお願いします。」
目の前の今から戦う相手は身なりの整った白人で
ウィルと同い年くらいの若い男子だ。
グレイス「よろしく。」
ウィル(はじめの動きに気を付けよう…。さっきはこれが原因で負けたようなものだから。)
グレイス「君…さっきのレイズと戦った人?」
ウィル「はい…そうですけど?」
グレイス「ははっそりゃ災難だね。彼は数ある名家の中でも特段名のあるテスター家の次期当主だからね。」
ウィル「そうなんだ。」(名家のテスター家?聞いたことがない。魔法使い同士のコミュニティー的なものがあるのかな?)
グレイス「でも…」
ウィル(?)
グレイス「さすがにあのレイズといえども杖なし相手なら勝てるだろう?」
ウィル(?……!?っ!)
やる気の無い男「はいスタート」
ドォン!!
…
ウィルは地面から顔を出した光る物体に弾き飛ばされ、枠外に飛ばされた。
ウィルは倒れている。
ウィル(気づいた…僕…本気でめっちゃ弱い…)
グレイスは枠を出るときウィルを見下した。
その後次々に戦ったが、同じような結果になり、ウィルが勝つことはなかった。
そしてウィルが見た中ではここで戦っていた人は全員魔法を使っていた。
ウィル(全員魔法使いって聞いてないよ…。)
やる気の無い男「はぁ…やっと終わった。」
ウィル(まずい…こうなったら筆記で点を取るしかない。)
やる気の無い男「はい、じゃぁ次の行くんでついてきて。」
やる気の無い男はその場をあとにして先程の広場に向かった。
そこには騎士の女性と、番号を呼ばれ女性についていった大勢の人達がいた。
女性「全員集まったな!これから合格したものの番号を呼ぶ!呼ばれたものはここに残って番号札をなくさないように!」
ウィル(…?……は?…え?…合格?…筆記は?)
ウィルは近くにいた同い年ぐらいのペストマスクのようなものをつけている人に
ウィル「あの、筆記試験ってやりますよね?」
近くにいた人「え?これで終わりだよ。」
ウィル「え?」
近くにいた人「あ、君こっちでめっちゃ負けてた人だよね」
ウィル「そうですよ…筆記無かったんだ…勉強した意味がなくなってしまった…不合格だ…三年後か…」
近くにいた人「不合格?何言ってんの?」
ウィル「え?」
近くにいた人「魔法使いは基本合格だよ。」
ウィル「へ?」
次々とと呼ばれるなか
567番!とウィルの番号が呼ばれた
近くにいた人「知らないで来たの?」
ウィル「いやっでも魔法使いなら受かりやすいだけで不合格もあるって聞いたことが」
近くにいた人「それもう10年ぐらい前の昔のことじゃん、なんか軍の方針が変わって魔法使いを積極的に集めるようになったんだよ」
ウィル「は?え?勉強…意味…?」
近くにいた人「最初大勢と少数で分かれたじゃん」
ウィル「うん…」
近くにいた人「大勢の方が魔法使いじゃない人たちで、少数の僕たちの方が魔法使いって分けられてたんだ。ちなみに魔法がない人たちは筆記あるらしいよ。」
ウィル「だから魔法使いがたくさんいたのか…でも合格って決まってたら、あんな必死に戦わなくてもよかったじゃん…」
近くにいた人「そんなこと無いよ、そこでの成績がよかったら将来階級が上がりやすくなる上のクラスにいれてもらえるんだ。ちなみに僕は君の次に負けまくった人。ヒュート・ベンマーク、同じクラスだと思うからよろしく」
ウィル「ウィル・ハーケンです、よろしく。」
ヒュート「あと、受付の時、紙渡すときどっちに渡した?右か左か」
ウィル「左です」
ヒュート「なんかじろじろ見られただろ?」
ウィル「確かに…思い出すとそうだった」
ヒュート「あの時魔法使いか確認してたんだよ。」
ウィル「魔力ってやつか…」
ヒュート「まぁそこで魔法使いとそうじゃないやつに分けてたんだろ」
合格発表が終わって大多数がいなくなった
100人以上残ってるが先ほどよりは少ない。
女性「成績順にクラス分けをした!合格者は自分の番号が書かれた組を確認し、案内が来るまで待機するように!」
多くの番号が書かれた板が前に出された。
A
204 173 467…
B
215 376 072…
C
042 003 316…
D
501 061 079…
とこのように書かれている。
ヒュート「上から魔法使いが成績順に並べられて、そのつぎに魔法がない通称戦士が並べられる。」
ウィル「じゃぁ僕はあれだけ負けたのに上の方に行けるってこと?」
ヒュート「そーなるね、ほら…」
二人は板を見る。
ウィル「…B…の下の方に僕の番号がある…」
ヒュート「うわっおっしー!あともうちょっとでAクラスいけたのに!」
ウィル「…」
ウィル「でも下に人がいる…これってまだ、」
ヒュート「あぁそれ成績上位の戦士の人だね」
ウィル「実質最下位か、…」
どこかから声が聞こえた。
「レイズ一番上じゃん!」「すごっ!」
「勝てねぇー」
ウィル(レイズ君はやっぱすごいんだ。)
しばらくすると
「合格者の皆さーん!ただいまからクラス別の寮に案内するので、案内にしたがってくださーい!」
「Aの方たちはこちらに!」
ウィル(合格者は寮に住むことができる。僕は家が遠いから住むつもりだ。後でおじさんに合格できちゃったことと寮に住むことをを言っておこう。)
「Bの方々はこちらです!」
ウィル(クラスB、こんな弱い僕が魔法が使えるからって理由でいれてもらえた。他の頑張った人達に悪いなぁ。)
ぞろぞろと人々は案内人の誘導にしたがって移動した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
寮は建物の奥の方にの土地にあった。寮は生徒を押し込むかたちのもの、というより、落ち着いた大きな屋敷のようだった。それが4棟あった。
どうやらクラスで分けられてるらしい。
ウィル(これが!…寮!…明らかに僕の村の村長の家より3倍ぐらいの大きさがある!!ここに住めるのか)
さらに案内についていくと寮の中に入った。
ウィル(すごい…玄関の装飾から違う…どれもこれもおしゃれで高そうだ…これが身分の違いってやつか…)
案内人「皆さん、合格おめでとうございます。
部屋はすでに決まっておりますので、扉の横の名前を確認して下さい。それと、明日朝9時から広場で入学式を行いますので忘れずに来てください。」
ウィル「ねぇヒュート君、思ったんだけどこの人達とても仕事速くない?」
ヒュート「確かに、3年ごとの行事だから気合い入っってんだろ」
ウィル(部屋を確認しておじさんに会いに行こう。)
どうやら建物の一階は共有のリビングらしくなっていて二階から部屋が分けられているようだ。
階段を上っていくと部屋がたくさん分けられていた。
しばらく探すと。ウィル・ハーケンの名前が書かれたところがあった。
ウィル(ついにここまで来た。騎士になるために入らないといけない養成学校、でも父さんみたいな騎士になるにはもっと強くならなきゃいけない。
いまの僕は力不足だ、魔法がなかったらまず合格できなかっただろう。魔法があってよかったって思ってるよ。もっと頑張らないと。)
ガチャ(扉を開ける音)
中は六畳程の広さで、整えられたベッド、チェスト、机、学生の部屋といえばの内装だった。
ウィル(家具も備え付けなのか)
ウィルはベッドの横に荷物を置き、部屋にあった時計を見た。
ウィル(とりあえずおじさんに会いに行こう。)
とりあえず寮から出て、試験会場を抜け、建物を出た。
ウィル(相変わらず大きな門だなぁ)
自分が通った道を戻り、街に入った門を目指した。
ウィル(おじさんいるだろうか、用があるといっても同じところに居続けることはないだろうし…)
気づいたときには城門についていた。
馬車の荷台に沢山の荷物を乗せる作業をしている叔父がいた。
ウィル(用って買い物のことだったんだ。)
ウィル「おじさん!」
ウィルに気づく叔父
叔父「おぉ!ウィル!でっどうだった?」
ウィル「合格したよ!でも魔法使いは絶対合格できる試験だった。」
叔父「それってヨユーってことか?」
ウィル「そうじゃなくて合格できるって決まり。」
叔父「人生イージーだな。」
ウィル「あ、あと僕これから寮で暮らすからしばらく帰れないって母さんに言っといてくれない?」
叔父「くぅー自立だなぁ、大きくなりやがって」
ウィル「はは」
叔父「分かった姉さんに言っとくよ」
ウィル「じゃぁ僕は行くから」
叔父「頑張れよ!」
ウィルは寮に戻った。
寮の玄関に入るときA寮にレイズとウィルを励ましたレイズの友達が入っていくのが見えた。
ウィル(レイズ君が僕以外と戦っているとき何が起こってるのか分からなかった。でも彼がとてつもなく強いことは分かった。
ここからの目標は彼が強い理由が分かること。
なぜ彼が強いのかぎ分かれば僕もきっと強くなれる。)
ウィルはその場を後にして寮に入った。
階段を上って自室に戻ろうかとしたがどうやらリビングで賑わってるようだ。
ウィル(同じ寮の人達とは挨拶ぐらいした方がいいよな。)
ウィルは覗くようにリビングに入った。
ウィル「こんにちはー」
そこには毛むくじゃらの獣人、全身が鱗で埋め尽くされたリザード族、などの様々な人がいた。
ウィル(うわ!人じゃない種族。本とかでしか聞いたことがないから、こうやって見るのは初めてだな。
でも試験にいたかなぁ。)
リザード族の人「あっ!お前ウィルだろ!」
ウィル「あ、うん」(何で名前を知ってるんだ?)
リザード族の人「おっ前杖なしに負けたって噂になってんぜ!」
ウィル「え!?うそ!?」
リザード族の人「そうそう!さすがに杖なしに負けるってないよな!」
ウィル「いや、負けたよ。事実」
リザード族の人「マジで?…何か…悪かったな。」
ウィル「いいよいいよ。弱いって自負してる。」
獣人「自負するもんじゃないよそんなの」
ヒュート「ウィルじゃん!」
獣人「知り合い?」
ヒュート「さっき知り合った。」
ウィル「僕はウィル・ハーケン、よろしく」
リザード族の人「俺はトレイス=ガルバード…何かごめんな…」
トレイスがウィルの肩に手を添える
獣人「ボクはジータ ラミル、ラミルが名でジータが姓。てゆうか気になったんだけど、ヒュート、君のつけてるマスクってペストマスク?」
ヒュート「これは傷を隠してるだけ。引く程の大ケガだから隠してる。」
ラミル「へー」
ヒュート「なんだよそれ」
ウィル「ねぇ君たち試験にいた?」
トレイス「あぁ、手続きだけしてそのあと飯食いに行ってた。俺には魔法があるからな、試験自体は受けなくていいんだよ。」
ラミル「ボクもトレイスと食べに行ってた。あと一人一緒だったんだけどいまここにいない。」
ウィル(この人達も魔法あるんだ。)
ヒュート「そういや、ウィル君何しに行ってたんだ?」
ウィル「親戚に会いに行ってた。」
ヒュート「そうか、あ、ウィル君も紅茶飲むかい?」
ヒュートはテーブルに置いてあったティーポットを指差した。
ヒュート「ここに備え付けられてた紅茶なんだけど、結構美味しいんだよ。」
ウィル「勝手に飲んでいいやつなの?」
ヒュート「当たり前だろ。僕たちはもう寮生だよ。」
ウィル「まぁ、後で自分で飲むよ。」
ヒュート「オッケー」
ウィル「じゃぁ明日もあるし僕は今日早く寝るよ」
ヒュート「そっか」
ウィルは部屋に向かった。
ウィルがその場を離れた後
大きなゴブリンのような人外の男が入ってきた。
トレイス「おおケーズ、戻ったのか、さっきウィルってやつが来てたぜ。」
ケーズ「あぁあの弱いって噂になったやつか?」
ラミル「そんだけ弱いんだったらサボらずに見た方がよかったなー」
トレイス「お前が行きたい言うから行ったんだろ。よくあんだけ食えたもんだよ。」
ケーズ「まさか5店舗も行くなんて思っていなかったからな。」
ヒュート「どれだけ店まわったんだよ」
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ウィルの部屋ではウィルがベットに横たわっている。
ウィル(無事?に合格できたけど僕が弱いことが噂になるなんて。こういうのって普通強い人が噂になるものじゃないの。このままじゃ恥ずかしい。せめて人並みにならなきゃ。)
ウィルが目を閉じる
ウィル(まずは魔力ってのがどういうものなのか誰かに聞かないと…。いっそのこと誰かに教えてって頼むか?それにしても僕は魔法のことについて知らなすぎる。頑張らなきゃな)