ep.39 達人と達人
モーリスは武器を取り出し構える。装備は洞窟の時と変わらず錆び付いた剣と盾であった。
ラス「そちらの剣と盾、錆び付いていますが?」
モーリス「長年愛用してたみたいで、どうも手放せないんですよ。」
ラス「そうでしたか。では始めますか。」
互いに走り出し、今、剣と拳が交じる。
モーリス「風吹く花の剣斬!」
モーリスの斬撃がラスへと直撃する。
ラス「ぐはっ⁈」
ラスは想像以上のダメージに少し動揺する。
ラス「これは、驚いた。その斬撃、風と木属性を纏っているようだ次からは気をつけなくてはな。今度はこちらから行くぞ!」
モーリス(やはり、先のナデシコさんとの戦いで考察はしていましたが、今の彼の弱点は、風と木属性。土属性は弱点が単体で多くあるが、その分全体的な能力は高いみたいですね。)「来るか⁈」
ラス「聖なる羽衣、聖なる輝き。」
聖なる羽衣はアンデット系などから受けるダメージを軽減する教会魔法の一つであり、そして聖なる輝きはアンデット系、根底属性:闇を持つ者に対して特攻が乗る光弾を雨のように降らせる。
雨のように降り注ぐ光弾がモーリスとナデシコを襲う。
ナデシコ(私たちには特攻はならないけどなんで聖なる輝きを使ってきたんだ?)
モーリス(これは不味いですね。)
それもそのはず、モーリスは骸骨剣士言わばアンデットである。ラスは先の剣技を見てモーリスは明らかな腕前を持つ達人であると判断したのである。
そして今、モーリスは全力で剣を払い、盾で払いその光弾を耐え続けていた。
モーリス(ナデシコさんにとってはダメージはほとんど見受けられませんが、私にとっては結構なダメージになるかもしれませんね。だってセイントですよ、アンデットの私がくらったらそらもうひとたまりないでしょうに!ここは一度距離を取らなくては。)「花の光炎!」
聖なる輝きが振り終わったと同時にモーリスは花の光炎を地面へと放ち砂埃を発生させる。
ラス「なるほど火花の衝撃による砂塵の目眩しか。」
周囲を確認するが、ラスにはナデシコとモーリスの姿が見えなかった。
ラス「逃したか……」
ラスがそう言ったその時。
ナデシコ「逃してねぇよ!」
上空からナデシコが結型-放出をとって襲いかかる。
ナデシコ「私の全力!くらえ対厄災式魔力砲ッ!」
対厄災式魔力砲がラスの上から円柱状に振り下ろされ、ラスは光に包まれる。
モーリス「やりましたかね?」
ナデシコ「バカッ!それ言っちゃっ……!」
光の中ラスは詠唱を終える。
ラス「我が主神の命に従い、魂を浄化する。今こそ裁きの時、聖なる断罪。」
ラスの体を中心に光によるドームができるほどの強大なエネルギーが展開される。聖なる断罪ロー・セイヴァー。それは究極とも言える教会魔法最高峰の魔法である、元々罪に罰を与えるべく作られたこの魔法は、時代を重ねるにつれその本質を変えてゆき、やがて信仰心の強さに比例して威力が急増し、アンデットに救済を与える魔法へと変わっていった。
モーリス「避けきれない!」
そしてその魔法がモーリスへと直撃する。




