[短編版]年齢=彼女いない歴を馬鹿にしてくる幼馴染に「実は最近告られてんだよね」ってドッキリしたら何故か幼馴染と付き合うことになった。
ご観覧頂きありがとうございます!
長編化して欲しいと要望があったので創作させて貰いました。
私自身まだ小説を書き始めて二、三週間しか経っておらずまだまだ浅いです。
ここの表現おかしいだろって思う箇所があるかもしれませんが、暖かい目で見守って貰えると幸いです。
連載版→https://ncode.syosetu.com/n2609hf/
「年齢=彼女いない歴ってダサいよねー」
「そんな事ない、だってさ、好きでもない人と付き合いたくないし、好かれたくない」
「いや、ただモテてないだけでしょ」
「うっ......」
「図星かよ」
そんなやり取りを交わしてるのは、俺の幼馴染━━『水戸 蒼依』
何故か蒼依と二人っきりになると、年齢=彼女いない歴をアホみたいに煽ってくる。
別に俺はそんな気にしてない。
ただ、モテないだけだ。
◆◆◆
次の日の学校。
蒼依のことを俺の親友、『柊木 駿』に相談してみる事にした。
駿は俺の相談にしっかり応じてくれる。とても頼りになるやつだ。
「ふむ。年齢=彼女いない歴を煽られるのか」
「そうなんだよ」
「事実だからしょうがないな」
「殺生な」
「お前はどうしたいんだ?」
「.......やり返したい」
「その言葉が聞きたかった」
「いい方法があるのか?」
「そうだなぁ.......ドッキリを仕掛けるとか?」
ドッキリか、考えたことも無かったな。
「詳しく」
「うーん、例えば彼女が存在してたとか?」
「絶対バレるな」
蒼依に絶対「どこの世界線?」とか言われそう。
「なら、最近告られたドッキリは?」
考える限りこれが現実的かもしれない。蒼依が言うであろう「どこの世界線?」は無理やり貫き通せば行ける。
「いいな、それ」
「よし、その方向で行こう。決行は明日、作戦練るぞ」
俺たちは放課後二時間程度作戦を練った。
蒼依の言いそうな言葉に、どう対応するか一つ一つ考えて対策した。
◆◆◆
作戦決行日。
実は今日家に蒼依がゲームしにやってくる。
その時に俺は『告られたドッキリ』をする事になっている。
俺は登校中、駿と練った作戦を一つ一つ思い出しながら学校へ向かった。
学校に着くと正門に蒼依が居た。
「おーい、こっちこっち」
正直、ドッキリの緊張が顔に出る気がしたから会いたくなかったが、会ってしまったなら仕方ない。
せめて顔に出さないように気をつけるだけだ。
「蒼依か、どうしたんだ?」
「ほら、今日一緒にゲームするから何時集合にするかなって」
「そうだなぁ、六時俺ん家集合で」
「おっけー、楽しみにしてるから」
「おう」
多分顔には出ていないはず。
第一の関門を乗り越えることができたこと喜んでいた時、蒼依が何かを思い出すように言い始める。
「あ、そうだ、今日こそ年齢=彼女いない歴卒業できるといいね」
満面の笑みを浮かべながら煽ってくるその顔は少しやんちゃで不覚にも可愛いと思ってしまった。
「う、うるさいわ」
「じゃ、バイバイー」
その時俺は静かに宣言した。
絶対にドッキリを成功させると。
その日の放課後。
駿とドッキリの確認を念の為にして俺の家へ向かった。
「あ!いたいた」
蒼依は既に家まで来ていたようだ。
「遅くなってすまん、どれぐらい待った?」
「ううん、さっき来たばかり」
「よかった」
これカップルがよく待ち合わせの時にするやつだよな.......という既視感を持ちながら玄関を開ける。
「久しぶりだなー」
「いや、三日前にきただろ」
「あ、バレちゃった」
何故か分からないが蒼依の自然な笑顔か可愛く見えてしまう。
多分、最近蒼依のことばかり考えていたかもしれない。
蒼依を好きなんてあるわけない。
一度深呼吸をして落ち着かせる。
「はいはい、じゃあゲームするぞー」
「あ、これやらない?」
蒼依が持ってきたのは格闘ゲーム。俺の得意分野だ。
「本当にいいのか?」
「ふっ、私には作戦があるのでねぇ」
蒼依の要望で始まった格闘ゲーム。
蒼依も練習したのか立ち回りが上手くなってる。
でも得意分野では負けられない。
「は!?それズルいじゃん」
「ズルくないから、対策してないのが悪い」
そんなやり取りを交わしながら一時間程度やりこんだ。
「あー、疲れた」
「ちょっと休むか」
「そうだな」
格闘ゲームをしながらドッキリをするタイミングを伺ってきたが集中力が切れた今のタイミングしかない。
作戦を決行する前に深呼吸。
「大事な話があるんだけど、いいか?」
「なになに、まさか、年齢=彼女いない歴じゃなくなった?」
蒼依は「そんな訳ないか」と言いながらゲラゲラ笑っている。
そんな蒼依にニヤって顔をしながら言う。
「そうだよ」
数秒間の沈黙が流れる。
「う、嘘だよね?」
蒼依は戸惑いを隠しきれていなかった。
「本当だぞ」
俺はドヤ顔を浮かべながら言ってやった。
「な、なんで.......」
蒼依からは聞いたこともないような声だった。
俺はこのまま顔を覗きながら煽ってやろうとして、顔を覗いて見ると、蒼依は涙を流していた。
やばい。やり過ぎたか。と思いドッキリと言うことを伝えようとすると蒼依から想像していなかったことを言われてしまう。
「私だって.......好きだったのに」
小声だったけど確かにそう聞こえた。
え、今告られたよね?
蒼依からの告白で頭が上手く回らない。
でも、ドッキリって伝えなければならない。
「その、怒らないで欲しいんだけど実は、ドッキリなんだ」
その言葉に蒼依は固まってしまう。
「ど、ドッキリだったの?」
「その、いつも蒼依が年齢=彼女いない歴を煽ってくるから仕返ししようと思って.......」
「じゃ、じゃあ私が言った告白聞こえてた?」
「多分.......」
蒼依は固まったまま動かない。
けど、蒼依は頬を赤らめている。
そんな蒼依は数秒後、意を決したように俺の目を見つめる。
「改めて言うから、私と付き合ってください」
蒼依の手は震えていて、緊張している事が伝わってくる。
蒼依に告白されるなんて想像した事が無かった。
でも、答えは決まってる。
「こちらこそ、よろしく頼む」
蒼依がいたおかげで毎日が楽しくて、少しずつ好きになって言ったんだと思う。
蒼依に告白されて気づいたけど俺は蒼依のことが好きだ。
だから蒼依に告白されてめちゃくちゃ嬉しい。
「ほ、本当に?」
「うん、嘘じゃないし、ドッキリでもない」
蒼依は心底嬉しそうな笑顔を浮かべながら喜んでいる。
俺にも彼女が出来たんだな.......と喜んでいた時、蒼依が嬉しそうな笑顔で言う。
「ねぇ、こっち来て」
断る理由がないため素直に「分かった」とだけいい蒼依に近づく。
それに対して蒼依も寄ってくる。
少し顔を近づければキスできる所まで近づいた。
「ん」
蒼依はたったそれだけ言い残し顔を閉じる。
俺もそこまでヘタレでは無い。
俺は少しずつ蒼依の唇に近づけていき、
俺は蒼依にキスをした。
「ふふふっ、キスしちゃった」
蒼依は心底嬉しそうな笑顔を浮かべて抱きついてきた。
欠かさず俺も抱きしめる。
「その、蒼依の気持ちに気付けなくてすまん」
「そうだよ、この鈍感めー」
蒼依は俺をつんつんしてくる。
「でも、今幸せだからいいの」
「俺も今、幸せだから」
「お互い様だねっ」
年齢=彼女いない歴を馬鹿にしてくる幼馴染に「実は最近告られてんだよね」ってドッキリしたら何故か幼馴染と付き合うことになった。
けどこれは始まりで、幼馴染を絶対に幸せにしなければならない。
どんな事も全て蒼依の為に頑張ろう。俺は静かに決意した。
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