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危ないものには近づくな
梅雨の真っ只中、毎日しとしととした雨が続いていていたけど、傘が無くて困ってないかなという想いもあったけど、傘を返しに行きたくなかった。
一週間後、私は心を決めて傘を持って家を出た。
友人と軽く食事した後、外に出たら洪水のようなどしゃ降りの雨に変わっていた。
お店へ入るとお客はいなかかった。「こんな雨の中ありがとね」
ずっと二人だけで飲んで絡みたい。傘を返してしまうの寂しいと心がざわざわした。
だけど、話を聞いてくれるのも、笑わせてくれるのも仕事だからと、頭で分かっている。
危ないものに近づくなと、信号が送られてくる。
傘を返して、もう行くのは辞めた方が自分のため。
そんなことを考えてる最中も、ばかなことばかり言って笑わせる。
ひどい雨でその日はもう他のお客は来なくて、
ラストまで2人だけだった。
だけど「これからどっか行く?」て言われた時には、もう心は決まっていた。