完結しない作品を叩くのではなく、完結した作品を支持してやってほしい
これは一人のクソザコメンタル作者の悲鳴です。
以下、いきなり本題に入ります。
物語は完結させて当たり前というのは、読者さん視点では分かるのですけど、ただ作者視点で言うと、長編作品を完結させるのって、ほんっっっとうに大変なんですよ。
例えば、小説10万文字規模(書籍1冊分)を書き上げるのって、僕の感覚では「めちゃくちゃ頑張った」「やり遂げた」というレベルです。
でも読者さんの感覚だと、100万~200万文字規模(書籍10冊分以上)の仕込みがされた物語が10万文字で止まっていたら、そこである程度の起承転結がついていても、物語全体としてはエタっているってなるわけじゃないですか。
そういう100万文字オーバーの規模の長編を「完結」まで書き上げるって、全然「普通」「当たり前」じゃないんですよ、書き手側としては。
いや書き手側って言ってサンプル数は僕1人ですけど、この僕の意見に「そうそうその通り!」って思う作者さんは、ほかにもたくさんいると思います。
そんなサンプル数1の作者がエタるまでの流れ。
だいたい新作を書き始めた当初、初日から数日間ぐらいは「書いていて楽しい」時期なんですよ。
執筆モチベーションたっぷりの状態ですね。
ところがこれが、書き始めて2~5日ぐらいで執筆モチベーションが失速してきて、1~2週間目ぐらいから「書き続けるのがしんどい」状態に入ってくる。
それでもなんとか(ものすごく頑張れば)勢いと気力で書き続けられるのが、だいたい1ヶ月か2ヶ月ぐらいまで。
この1~2ヶ月でどうにかギリギリ書き上げられるのが、僕の場合は10万~15万文字程度(書籍1冊分)です。
(ちなみにこれ、小説を書く以外の仕事をほとんどやっていない、半ば専業状態が前提です。フルタイムで働きながら執筆したら、書籍1冊分を書き上げるのに半年~1年はかかると思います)
そして繰り返しますが、これめちゃくちゃ頑張ったパターンで、多くの場合はそこまでたどり着けずに倒れます。
ましてや、それが仕事として成立していない状態=「趣味」で「しんどい」を義務感だけで何ヶ月も何年も続けられるというのは、尋常じゃありません。
稀にそれができる作者さんがいるみたいですが(僕も知人で何人か心当たりがあります)、あいつらは神です(崇めましょう)
あれを「普通」だと思ったら、全体としては絶対にうまくいきません(とサンプル数1の作者は思います)
で、普通の書き手はどうなるかっていうと、「新作書きたい」になるわけです。
楽しいこと、やりたいことをやりたい、なんで仕事でもないのにつらいことしんどいことを毎日毎日続けなきゃいけないんだって、そうなります。
それが1日や2日ならともかく、何ヶ月も何年も続けないと完結できないとなれば、普通は心が折れます。
これが神ならぬ常人の、当たり前の思考であり、頑張りの限界です(サンプル数1の感想です)
小説家になろうの連載作品の7割がエタるというデータもあります。
僕は当たり前だと思います。
連載作品を完結まで書き上げるのは、すっごくすっごく大変なことですから。
繰り返しますが、長編作品を完結させるのって、本当に大変なんですよ。
というわけで、タイトルに戻ります。
読者の皆様には、完結しない作品を叩くのではなく、完結した作品を支持してやってほしい。
長編小説を完結させるって、本当に凄いことなんですよ!!!!!
だから作品が完結しないのがどうしても嫌だっていう読者さんは、「完結済作品」の中から読む作品を選んでほしいなーと思うのです。
もちろん連載中の作品を読んでも構わないんですが、その場合、そのうち7割の作品はエタるのだという前提で読んでほしい。
作品がエタることを叩かないでほしい。
作者だってだいたい、頑張って頑張れるところまでは頑張っているのです。
そうする代わりに、完結した(完結済の)作品をもっと支持してやってほしいのであります。
目立たないですが、完結済作品のランキングなんていうのもあります。
例えば日間完結済ランキングであれば、「ランキング」→「総合」→「日間ランキングをもっと詳しく見る」→「完結済」で見ることができます。
ちなみにですが、こんなクソザコメンタルの僕でも、いろんなものに支えられた結果、およそ50万文字(書籍4巻分)にも及ぶ長々編(読者さん的には中編?)を完結まで書き上げることができました。
なろうの「完結済」の作品には、そういった奇跡の産物も存在いたしますので、是非是非みなさん積極的に読みにいってやってください。
終わり。