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戦場の少女
初投稿です!
ひと吹きの風が少女の髪をなびかせる。
少女は立ち尽くしていた。
無数の屍で地が埋め尽くされる中でただ一人。
少女は血にまみれていた。
身に付けた服も、艶やかな長い黒髪も、その白い頬も、両の手に握られた刃にも。
血まみれの刃に映る自分を見て少女は溜め息を吐くと果てしなく青い空を見上げた。
血も拭わず立ち尽くす少女の瞳に、手の届くはずのない青い空は一体どう映っているのだろうか。
それは、少女にしか分からないことだ。
二度、ひと吹きの風が吹いた。