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復活

 「遂にこの日が来てしまった」


 総理官邸 総理大臣執務室


 イワノフ首相とリリーのCIS所属各国歴訪。各国家の経済立て直しのための、土地改良、資源開発。

情報も米国から来ていたが、寧ろ大々的に、ロシアのインタファックス通信などが連日その情報を伝えていた。

 約一か月の各国歴訪。

当然イワノフ首相が、慈善事業でそんな事をするなんて誰も思っていなかった。目的も容易に想像がついていた。

 だがこれもまた。手際が良すぎた。

クリミアの時とは全く違う。各国議会が憲法、法改正を可決し。

法的な必要ある無しに関わらず、国民投票の実施。

全てが民主的に行われた。

 イワノフ氏は以前、私以上に民主主義的な人間はいないと言ったことが有った。

殆どブラックジョークのような話ではあるが、今回はそうなった。

餌を与え、人心を掌握し、欲しい結果を得る。

まさに、民主主義である。

結局、CIS所属の全ての国がこの法案を可決した。国民投票も圧倒的多数で賛成だった。

 誰にも文句が言う事が出来ない。今回は軍事的な力などちらつかせることすらなかった


 さらにまずい事に、バルト三国も一枚岩ではない。ロシア系住民も四分の一以上いる。

可決はされない可能性が高いが、国民投票実施の大合唱が起こる可能性がある。

これだけで、EUはまた大混乱に陥る可能性がある。

「ああ、円が強すぎる」

 先日の勇者達の大魔法で復興国債を発行。格付け会社は日本の国債の格付けを下げたが、そんなのはお構いなしに円高は進んでいる。

このままでは、輸出企業はまた暗黒時代に戻ってしまう。だが、今は耐えるしかなかった。 


 CISの本部が置かれるベラルーシのミンスクで、調印式が始まっていた。

イワノフ氏の演説が流れている。

 今回は共産党による一党独裁、社会主義体制ではないらしい。

「流石にその時代までは戻らないか。まあ、人権や所有権など簡単に捻じ曲げてしまうんだろうが」

 各国代表が署名を行っている。いよいよその時は近づいた。

「ああ、イワノフのあんな顔、かつて見たことが無い」

 彼も笑う事ももちろんある。しかし、公式の場で破顔と言って良い笑顔を見せたのは初めてかもしれない。

 彼の悲願は達成されたのだ。

 「ここに、ソビエト共和国連邦の建国を宣言する」

 会場の熱気が、こちらまで伝わってくる。

今までのロシア、かつてのソ連とも違う。

豊かさ、強さへの希望が満ち溢れた一歩を踏み出す。新しい大国が誕生した瞬間だった。

 もはや、ロシアへの経済制裁の解除カードなど紙くず同然の価値に成り下がってしまった。

貰えるものならもらっておくよ。イワノフのそんな声が聞こえてきそうだった。

 

 そして、彼らが現れる。

勇者達。今回は五人全員揃っている。今回はもう留守番の必要などないのだ。

黄第一書記を先頭に、勇者達、そして、安藤。


 新生ソ連の大統領に就任したイワノフと、握手を交わす黄と勇者達。

そして調印式が始まる。

 『朝ソ安全保障条約』

もはや、北朝鮮への手出しはイコールで、第三次世界大戦に成る事が確定した瞬間だった。


 その後、軍事、勇者達のパレードが行われた。

 ベラルーシの美女に囲まれて、緩くなった勇者の姿と、それを見て暴れ出すミリスが映ったが、直ぐに映像は切り替わってしまった。

 その後、ベラルーシの主要産業である林業と、勇者達のデモンストレーションの為。

キリアとディルが新たな住居、商業用開発予定地の森林の伐採を行った。

およそ五キロメートル四方を、二人で一薙ぎずつ。それで終了だった。

 キリアは久々に力の行使ができたせいか、非常に満足そうな笑みを浮かべていた。


 改めて、世界が勇者達の戦力に閉口した。


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