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ディルとミリス

「ゆ、勇者。私はそうでもないんだけど、勇者が行きたいんだったら、食事にでもついていってあげるわ」

 ロシアに行った、安藤達の代わりに北朝鮮で留守番をしているミリスと勇者。

「そ、それに勇者が行きたいなら、か、買い物も付き合ってあげなくもないわよ」

 勇者達に貸与されている、前第一書記長の邸宅。そのリビングで勇者はソファーに座っていた。

「そうね、勇者がそんなに行きたいのなら、仕方なくついていってあげるわよ。」

 この間約30秒、勇者は何一つ喋ってはいないのだが、どうも出かけないといけない流れになっている。

深くため息を吐く勇者。やはりミリスの相手は面倒なようだった。

 派手な動きは避けて欲しいという安藤の依頼で、修行が出来ず身体が鈍ってきている。

「なによ! 溜息なんか吐いて! そんなに、私とのお出かけが嫌なの!」

 何やらぷくぷく怒りの表情を表すミリス。

とある元自衛官すると、このテンプレぶりがたまらないとの事であった。


 そんなミリスに呆れながら、ソファーから立ち上がる。ソファーの前で喚いていたミリスからしたら、急に至近距離から見下ろされる感じになる。

「なによ! 謝ったって許したりしないんだから! 」

 そう言いながら急にもじもじし出すミリス。ディルとの距離がすごく近い。

「なあミリス、一緒に身体動かさないか?」

「え!?」

「俺もう我慢できそうにないんだ」

 真っ赤になるミリス。

「急にそんな……」

 さっきまで捲し立てるように喋っていたミリスが、急に大人しくなる。

「どうしたんだよミリス。ミリスが言ったんだろ。それで良いなら、付き合おうって思ったんだけど」

「つ、つ、つ、付き合う。私達付き合っちゃうの」

「何だよミリス。付き合って欲しいんじゃなかったのかよ」

「そ、それはそうなんだけど……」

 ミリスのもじもじは止まらない。

「ミリスが嫌なら別にいいよ」

「い、嫌じゃないけど心の準備が」

 さっきまで、外に出ると捲し立てていたのにまた面倒だなと思い、表情に出てしまう。

「ほ、本当に嫌じゃないのよ。私だって嬉しいし」

 赤くなった顔を俯かせ、もじもじするミリス。きっと檜山がいたら、この段階で病院送りになっていたであろう。

「じゃあ、良いじゃないかミリス。早くしろよ」

「わ、分かったわ。勇者って結構強引だったのね」

 意を決して、顔を上げ目を瞑るミリス。

 遂に私、勇者と結ばれるのね。お留守番最高じゃない。心の中で他の三人に勝ち誇っていた。

そんなミリスの手を取り、歩き出すディル。目を瞑っていたミリスは急に引っ張られた形になり驚きを隠せない。

「そ、そんなディル。いきなり、いきなりは」

 そう言いながらも素直についていくミリス。


「いやー。気持ちいいよなミリス」

「……」

「どうしたんだよ。お前だって溜まってたんだろ。ストレス」

「……」

 室内スカッシュコート。

「こっちの世界の人族は、ほんと沢山娯楽を知ってるよな。こんな室内でも、身体を動かせる遊びなんて中々ないよな」

まあ、お約束である。

「……」

「どうしたんだよミリス。お前も身体動かしたいって言ってたじゃないか」

「……顕現せよ」

 突如、魔法陣がスカッシュコートの下に現れる。

ミリスは黙っていたのではなかった。大魔法の詠唱を呟いていたのだった。

「わ、わ、わ。み、ミリスお前」

「勇者なんて大っ嫌い! もう知らない! 」

もはや古典芸能である。

ディルとミリスは光に飲まれ、最小出力で発動させた範囲攻撃魔法、はスカッシュコートを瓦礫の海に沈めた。

その後涙目の黄から、今後室内で攻撃魔法を使わない様に懇願されたのであった。







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