表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/51

分析

官邸危機管理センター

「クライドル氏は楽しく食事をしているようだな。」

当然、食事の会話も北見の盗聴器から全て伝わっている。

「しかし、中々、この場所で流すには好ましくない。と、言うよりも場違いな音声だな。北見君も大変だな。」

岸は苦笑した。職員たちの中にもクスクス笑っている者や、顔を赤くしている者もいる。

クライドルは二度目の社会的死を逃れたと思っていたが、彼は既に死んでいたのだ。


クライドルが捕らえた6人については、警察庁外事情報部に送られていた。

捕らえた段階で、中国がらみだろう事はおよそ想像はついていた。


警察庁警備局警備企画課 情報第二担当理事官 神谷 正信


危機管理センターのモニターではに50代の、釣り目の男が今回の6人について報告する姿が、映っている。

「本日逮捕されました6人は MSS(中国国家安全部)の職員と見られます。

福岡の事件の夜中から、監視から逃れておりました。

また、現在のところクライドル氏に対する拉致の目的は不明。

尋問は続けますが、知らされていない可能性が高いと見た方が良いでしょう。」

「彼らは、他に武器等は所持していなかったのか?それに、クライドル氏が何者か知っている様子だったのか?」

「クライドル氏が何者か知っているかについては、まだ本人達は答えていません。

ただ、これも同様に、知らされていなかった可能性が高いと思われます。

また、拉致に用いられる予定の武器ですが、映像に映っている警棒型のスタンガンと、拳銃を全員が一組ずつ所持しておりましたが、それ以外は確認されておりません。」

「そうか、神谷君報告ご苦労。引き続き何かわかり次第頼む。」

岸がそういうとモニターが切れる。


しかし今回の件。不明な事が多い。

当然、一つは、何故日本国内で中国が拉致を行おうとするほど、彼らの優先順位が上がってしまっていたのかという事。

クライドルとシェイラは探知魔法が使える。今回、6人を探知して捕まえた以上、それ以前から彼らを常に監視していたという事は考え難い。

監視もせずに、拉致するほど欲しくなったという事。

恐らく内通者による情報提供と考えた方がよさそうだ。

今後は外事課は、拿捕した6人の尋問よりも、他の中国諜報員の所在の徹底的なマーク。官邸内職員及び、関係部署の職員の調査がメインになるだろう。

日本で許される尋問で中国の諜報員の口が割れるとは到底思えない。ならば身内を探る事と、相手の動きを可能な限り封じる方が早い。

しかし、欲しいというのも分からない。拉致してコントロール下に入れられると思ったのか。

いや、あの国はそんなに馬鹿ではない。

ただ、あの国に伝わった情報が正確ではない可能性もある。

それも推測の域を出ない。


二つ目は武器が中途半端すぎる事だ。情報を受けている以上、あんな装備で拉致が可能などとは普通考えない。

諜報員を6人も生け捕りにされるなど。通常考えられないほどの大失態だ。

あの国なら、今頃上司の首が物理的に飛んでいたとしてもおかしくない事態だ。

拉致計画があまりに中途半端だ。

これも情報が正確に伝わっていない可能性?

しかしそれでは、拉致するほど欲しいと思った理由も分からなくなる。


岸は両指でぐっと目じりを押さえた後、ぐるりと頭を廻す。


今のところ、勇者達の方には襲撃の兆候はない。

今のホテルはかなり周囲からの見晴らしもよく、遠距離からの監視も容易な為、近づけばすぐに監視網に引っかかるだろう。


取り敢えず。警護の人数を増やすことをクライドルに許してもらわんとな。

そう言って、岸は電話をかけさせようとしたが、寿司屋での音声がまだ騒がしい。

「うんうん。まあ、人員を廻すのにも時間がかかる。明日早朝で構わんか。シェイラさんも楽しそうだしな。」







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ