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ハゲタカ狩り2

 福岡の事件の翌日から日銀による無期限の円売り介入が始まった。


 会議後に先進7か国財務大臣・中央銀行総裁には個別に協調介入を打診したが断られている。

しかし、これは計算済みでも合った。同時に日本として円を守為、然るべき対応をすることも伝えた。

これに関しても、当初、各国共に難色を示していたが、安保条約の適応を見送った米国への交渉により、各国へ米国から働きかけを行わせたうえで、個別介入については、非公式ではあるが了解にこぎつけた。

 ただ、米国もまさか米国債が売られるとはこの段階では思っていなかったようではあるが。


 会議の後の会見で、小川財務相、黒峰総裁がそれぞれ、断固とした措置を速やかに行うと介入を行う鮮明な姿勢を見せたのとも併せて、効果は出始めていた。


 為替の無期限介入は一定時間に円売りを無制限に行う事になっていた。

非常に大雑把ではあるが、ヘッジファンドと日銀の札束での殴り合いともいえる。

 このままであればあと5日ほどで、本当に米国債に手を付けなければならなくなる。もちろん手を付けなくて済むのならばその方が良い。


 株価の下落についても、年金積立金管理運用独立行政法人の投資割合について、国内株式の比率を上げるタイミングを計っていたところだった。予定とは少し違うが、比率については、国内債券ではなく、外国債の割合を下げる方向に舵と着る事になるだろう。

数日でとはいかないが、これで更に株式市場に10兆円規模の資金が流入する。

円高、株安の流れはここで食い止めなければならない。


 過去米国債に手を付けようとして失脚した総理もいたが、自分はもう任期も短い。

政治家として、きれいな最後を迎えたかったが、こうなっては泥水を喰らってでも日本を守り抜く。

岸は全てを覚悟していた。


「岸総理、今回は何匹のハゲタカを刈り取れるかな」

「黒峰さん、そんな事は私と二人以外の時は話さないで下さいよ。まあ、今回は3000匹位じゃないですか」

「日銀の記録更新ですな総理。しばらくハゲタカは静かになってくれるでしょう。まあ、もう飛べなくなるでしょうが」

「まあ、ハゲタカが静かになっても米国がうるさくなるだろうけどね……」


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