願わくば
雨の日にふと思い出すのは
『雨に歌えば』というミュージカル映画
あんなに楽しそうに雨の中を
歌い踊る姿が忘れられない
子供のころは雨が降っても
雪が降っても
楽しくてしかたがなくて
泥水を蹴飛ばしたり
手がかじかむほど雪まみれになったり
いつからだろう
そういうことを忘れて
ただうんざりするようになったのは
服がぬれて嫌だなとか
洗濯物が乾かないだとか
近頃では雨や雪は災害への
不安材料になっている
悲しいイメージばかりが
雨や雪を覆ってしまう
あの映画のように
雨の中でも歌って踊って
無邪気にはしゃいだころに戻りたい
憂いの雨ばかりでなく
豊穣の雨であり
めぐみの雨であってほしいと願う