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異世界で、一兆円とクエストと。家族計画、神の道  作者: レガ先
第六章 数で乗り切る世界攻略
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第六十六話「ハニワ」

 現在の攻略方針は、中級の魔物の巣の上位が既に火力不足により攻略に支障をきたしているので、中級下位、中位をまず四大陸回って戦闘スキルアップを待つというものだ。


 西大陸の中級下位がベヒんもスなど大型獣を含めた一般的な動物が大量でボスは見かけ倒しのカッコイイ中ボス二体と巨大なキリン。中位は数種類の獣人とそのボス格だった。

 それに対して南大陸の中級下位は虫系と植物系のモンスターばかりで、ボスは禍々しく巨大な樹であったらしい。それはもしかしてネオ的な第二形態が出てくるような樹なのではなかろうかと思ったのだが、第二形態は出て来なかったとのこと。


 新嘗祭の後マリー達は南大陸の中級中位の魔物の巣を攻略開始した。結局最終的に七十日間をかけて攻略が完了する。南大陸の中級中位は、何故かメカっぽい敵だらけだった。古代機械文明的な世界。でもどこか見覚えがあるような、無いような。それらの操縦者は二足歩行のネズミ型の獣人だったが、マシンが破損するやいなやどこぞにドロンと消失してしまった。

 ボスの方はその場から動かずに聖なる光を射出してくる機械神と、鉄の塊で出来た鉄巨人達だったかな。敵のドロップ品は金属ばかりで。この世界で取得可能な一通りの金属は落としてくれたものの、レアな何かが手に入るということは無かった。


 ゲームならば、強い敵を倒せば強い素材をドロップしてそれによりもっと強い武器が手に入るのが筋であろうに。どうにもこの世界はそのあたりの融通が利かないらしい。元からこの世界に存在した金属素材で作った武器が上限と考えて良いのかもしれない。

 まぁそうだな。東大陸の黒鉄、北大陸のミスリル、西大陸のアダマン、南大陸のオリハルコンと一通り良い金属が揃っているのだから、これだけで我慢しておけということなのだろう。強い敵を倒したからもっと強い武器を!とならなくても仕方ないのか。


 マリー達が南大陸の中級中位をクリアした時点で既に二月に突入していて。その後東大陸に帰ってきたけれども、グランドクエストの発行前から地元を旅立って西大陸で準備していたものだから、既に出発してから約一年が経過していた。


 それで俺は、一年ぶりに帰ってきたマリーと一ヶ月ほどイチャイチャすることにした。理由も一応ある。俺が予想していた以上にこの世界の魔物達が俺が前世で知っているゲームと酷似していたので、それらのイメージを受け渡す次第。以前武器のイメージを直接受け渡してそのことによりそれらの武器を実体化させることが可能になったわけだが、今回は魔物達の姿をイメージとして受け渡すのみ。それでも受け渡す数が膨大だったし、何よりこの世界に来てからもう六十年も経過しているので思い出すのにとても時間がかかってしまった。


 ベッドの上で横になりながらイメージを受け渡しつつ、それらの魔物についてマリーと色々話す。


「おとーさんの世界のゲームには、いろーんな魔物がいたんだねぇ」

「うん、本当に多彩だったな。大したものだ」

「この世界にはおとーさんの世界にあったようなテレビもゲームも無いものねー」

「うん」


 この世界、魔力で動く家電製品が大量にあるわりに、テレビやゲームの類が存在しないのが困りものだった。電話も固定電話ぐらいで一部にしか設置されていない。だからたぶんこの世界にはほとんど電波は飛んでいないんじゃないかな。この世界は色々とおかしいのでテレビやインターネットが禁止されている可能性もある。


 南大陸中級中位の魔物の巣にはメカっぽい敵だらけだったのだが、銃器を用いる敵や爆弾、ミサイルのようなものを使う敵は皆無だったのである。電気っぽい青い光は放っていたし、光線による攻撃をしてくる相手などはたくさんいたんだけどね。この世界は以前実験した際に、確かに火薬の材料を集めて発火させたはずなのに全く爆発しないという異常現象が起こった。同様に粉塵爆発の実験も試みたのだがこれもダメ。つまり爆弾や爆発の類は無し、銃器も禁止。よってひたすら物理で殴りあうしかないわけだ。まともな遠隔攻撃手段は弓矢オンリーってわけだな。矢代がかかるから結構大変なのだが。


 このあたりの事情、俺の元いた世界とこの世界の物理法則の違いについてもマリーにイメージで伝えた。その感想はこんなものだった。


「おとーさんの世界って、ちょっと怖いね」

「そうか?」

「うん、そうだよ。色々怖いよ。火薬、爆弾、銃器。それだけであまりにも簡単に人が死にすぎだと思うの」

「うーん、まぁ確かに」

「この世界はきっと、剣と魔法の世界っていう制限がかかっているんだね。おとーさんの世界では、銃の登場で剣や鎧の出番が無くなっちゃったんだよね?」

「うん」


 そう、俺の元いた世界ではそうである。銃があれば、後は銃の性能が高く数が多い方が勝つ。有名なランチェスターの法則という奴だな。同じ性能の武器を互いにフル発揮出来る状態でぶっ放せば、損耗率は互いの戦力の二乗の比になるのである。そしてこの基本法則を崩す為に、様々な別性能の兵器がどんどん用意されて戦争は加速するわけだ。


 剣と魔法の世界を維持したいのならば、武器の性能を絞ってしまう以外に無いだろう。だからこの世界は銃を作れないようになっていると。それに加えて人間が使える攻撃魔法が存在しない。高火力の攻撃魔法がどんどん発展させられるのならば、人類における兵器並の威力の攻撃魔法もいずれは出現するかもしれない。しかしこの世界には攻撃魔法が存在しないのでその線も無しなわけだ。よって近接武器による戦闘が陳腐化しない、と。


 なるほど、案外良く考えられているかもしれない。というか、そういう縛りが無ければ現代の科学知識をそっくりそのままこちらの世界に持ち込んで現代兵器無双でOKって話にもなってしまうよな?現代の知識を持ったまま異世界転生というのは、火薬の存在や銃の存在、概念を知ってさえいれば現代兵器で簡単に無双出来てしまうのだ。魔法がどれだけ優秀だとしても現代兵器の性能には最終的に劣るか、力があったとしても使いどころに困る可能性が高いだろう。


 そんな感想の一方でこんなこともマリーは言う。


「おとーさんの世界の兵器は怖いけれど、おとーさんの世界のゲームや文化は面白いね」

「うん」

「私もおとーさんと一緒に遊びたいなー」

「えーと、その場合父さんのキャラはどうしたら良いんだ」

「あはは、そこは皆で相談だねぇ」

「むぅ」


 ゲームではいつも女キャラ使ってたからな。その方が可愛いから使っていたというだけで、ネカマというわけでもない。マリーの名前は実はそのキャラから来ている。だから彼女が一緒に遊ぶという場合、俺はその名前を娘に譲らないといけないかもしれない。


 まぁいいかそこらへんは。今から考えても仕方がない。いつかそんな日が来たらいいな、程度に考えておこう。俺は再びマリーに魔物達のイメージを伝える作業に戻った。


 彼女の滞在中エロいこともそれなりにした。けれど本番はせずに我慢した。そこはまぁなんというか、本当に辛くてどうしようも無くなった時にとっておこうと今回も考えた次第。



 ---



 星暦九百六十一年の四月に入って。マリー達は再び魔物の巣の攻略を開始した。


 東大陸の中級下位は不思議な組み合わせで。鷲のような鳥、緑色のペンギン、コウモリ、ドードーに。そういった鳥っぽい奴が多い一方で、デカイミミズとか、巨大な跳ね回る吸血ヒルだとか、デカイナメクジだとか可愛くないスライムだとかそういうゲテモノな魔物達がいっぱいだった。

 ミミズやナメクジやスライムの攻撃はどうやらHPへのダメージがない特殊攻撃が含まれていたようで、HPへのダメージが無い代わりにHPによるバリアを貫通して、娘達が服を溶かされて困っていた。いやらしい、本当にいやらしい。


 そうやっていやらしい状況になると、ハチドリのようにホバリングする嘴の長いピンク色の鳥が飛んできて「イヤラシイ!イヤラシイ!」と喚き立てていた。どこからどう見てもいやらしいピンク色のアレにしか見えない。見た目は可愛いのだけど本当にいやらしい。コリッとしていた。


 最初はアンジェラちゃんが飛んでいるソイツに弱体魔法をかけようとしたのだけれど、通用しない上に逆に弱体魔法を反射されて大惨事になった。なので弱体魔法はやめさせてルナが弓矢で仕留めた。「遠隔攻撃とかイヤラ……シイ……」と言いながらピンク色のいやらしい鳥は撃墜された。


 そんないやらしい東大陸中級下位の魔物の巣のボスは巨大なロック鳥二体だった。デカイ鷲頭に大きく広がる巨大な翼。足の鉤爪がなんとも見事で、どちらかというと飛ばずに二足歩行していた。羽根の色は白黒でやや地味目。朱雀のような赤羽根のイメージもあるはずだが、そうじゃないということは朱雀は別に存在していそうだ。


 ロック鳥二体が唄うようにさえずると、それに応じるかのように土中から多数のミミズがボコォッと音を立てながら出現して、娘達の手足を拘束してきていた。手足を拘束する一方でエロいことはされていなかったけどな。そこらへんは空気を読んでいるというか逆に読んでいないというべきか。無事に倒したし何事も無く済んで良かった。


 東大陸中級下位はそんな感じで、一方で中級中位はアンデッドだらけだった。スケルトン相手だと槍や弓矢があまり通用しないようだったがキャラットちゃんの格闘に対しては極端に脆いらしく、あっという間に骨が砕けて動けなくなっていた。


 東大陸中級中位のボスはコースだった。ローブを着ているとても巨大なスケルトンで、いかにも攻撃魔法を使いそうな風貌をしているにも関わらず攻撃魔法は一切使わなかった。ただし弱体魔法は連発していた。一方でコースが呼び寄せるスケルトンの数は膨大であったし、倒しても倒しても何度でも起き上がってきた。ただし一度骨を砕かれるとその骨は再利用出来ないらしく、無限復活のスケルトンのサイズはどんどん小さくなった。数で押し切るタイプのボスに対してこちらも数で押し切る形になり、なんだかんだで楽勝だった。


 東大陸の中級下位にかかった日数は三十日、中級中位にかかった日数は六十五日。国道の伸びもそれぞれ十キロメートルと二十キロメートルとなっている。このあたり、どの大陸も同じ仕組みのようで。中級上位と上級で残り百二十キロも伸びるのだろうか。


 東大陸で中級の魔物の巣二つを攻略したマリー達は、しばらくの休息期間の後次は北大陸へと移動した。しかし中級下位のダンジョンの攻略は、北大陸の人々に遠慮するように言われてしまう。なんでも北大陸の中級下位の巣は比較的小型の魔物が多いらしく、攻略しやすいのだとか。小型魔物がテーマにでもなっているのかもしれない。比較的攻略が容易で素材も良いものが出る為残しておいて欲しいと言われてしまった。そういえばアンデッドだらけの東大陸中級中位の巣は、敵を倒しても何も素材無しであり金銭面ではマズ過ぎた。


 この世界において魔物の巣とは、人々の職場でもある。この世界では人口が爆発しすぎであることに加え、人々の雇用を教会が管理しているものの常に雇用枠が不足しており、労働者人口の半数は無職という状態の世界だった。そういった人々は魔物狩りをするしかないのである。一般人は魔物の巣外の魔物を中心に狩り、各国の王とその軍隊は魔物の巣内の魔物を狩る。

 北大陸の中級下位の巣は狩りやすく素材がおいしい敵が多い為北大陸の国家軍が差し押さえしていたのである。なので中級中位を攻略することになった。


 北大陸中級中位の巣は、様々な種類の悪魔が渦巻く悪魔の城のような世界だった。黒く硬質な肌を持つデーモン達はそれぞれ武器を持ち組織立った行動をしてきた。一つ眼で飛翔するアーリマン達は弱体魔法によりデーモンを援護していた。他には小さな角笛を持ったインプが飛び交っており、敵陣営でも味方陣営でもそれぞれ強化魔法や弱体魔法に類する音色を響かせてきた。小型なので弓矢や槍、薙刀で墜落させてやったけれども。


 そんな悪魔の巣のボスは、二足歩行の牛のような外見の悪魔三体だった。前足と尻尾を攻撃に使用してきて、特に中央の一体は前足が大鎌のような凶悪な形に発達していた。中央の一体は牛のような角も金色になっておりなかなか豪華だった。


 もしもこれがゲームであるならば、アーリマンや牛悪魔が死の宣告を使ってきてもおかしくないとビクビクしていたのだが、実際には一度も使ってこなくて安心した。なんだろう、大分手加減されている気がする。牛悪魔は周囲をなぎ払うような攻撃をしていたのだが、この攻撃もやはり被弾人数は一人だけだった。範囲攻撃を一人しか被弾しなかったり、敵が範囲の攻撃魔法を使用しなかったり強制即死攻撃も使用しなかったりと、色々と難易度が優しい気がする。

 その分、この世界の一般人のHPからしたら一撃がとんでもない威力の攻撃ばかりになっているが。今回の牛悪魔の攻撃は一撃のダメージが五百から八百以上出ていて、それを両手でそれぞれ繰り出してきた。この世界の一般人相手なら二人即死させられるだろうな。まぁこのあたりはなんというか、一般人と比較すること自体がもう虚しいのかもしれない。最初からこの世界の一般人にクリアさせる気がないバランスで設計されているのだろうから。


 神のデザイン世界、か。この世界のあれこれは全て俺をこの世界に呼んだ神が設定したのかと思われる。随分と厄介な縛り付きの成長システム、巣の外では人間を襲わず野生動物を狩って生活する魔物達、人間同士が争えないようにPK制限がかかっている通常世界などなど、不自然な点を挙げればキリが無い。それらは全て俺をこの世界に呼び寄せた神様がお遊びとして設定したであろうことは明らかだ。あるいは遊びのように見えてそれが仕事なのかもしれないが……まぁ良い。


 ただこの世界の攻略、ある意味プレイを進めてる側の感想としては「この世界はクリアさせる為に作られている」と感じている。基礎的なゲームバランス部分があまりにも高火力の即死ゲー過ぎて今までの挑戦者は気付けなかったことだろうが、ステータス条件さえ十全に満たしていれば、理不尽な範囲攻撃の被弾や理不尽な即死技が存在しない分、この世界の難易度はイージーなのである。ただし、軍隊規模の人数で攻略を挑めばの話だが。


 マリーは現在コピー体の娘達を各百人、合計七百人率いている。そして魔物の巣内にはその人数がある程度展開出来るスペースがあり、そして魔物達は大型魔物でも一度に五体以上、小型魔物なら数十体から最大二、三百体程度まで一斉に襲い掛かってくるからな。六人パーティーで挑めるような相手では無い。それと、そんな数の敵がもしも範囲攻撃など使おうものなら悪夢でしかない。もしも範囲攻撃が存在した場合、敵も味方も範囲攻撃でなぎ払い合うような末期状態に陥ってしまうだろう。となれば、この世界を設計した神はそのような状態を敬遠したと考えられる。


 そのあたりはなんというか、俺も神様の思想に共感を覚えてしまいそうだ。。剣と魔法の世界で範囲攻撃といえば基本は範囲の攻撃魔法になってしまうか、魔物がその特性を生かした範囲攻撃をするかどうかになってしまうだろう。それはつまり、味方側の戦力は魔法使いの一強状態に陥り、魔物側は魔物の範囲攻撃が強烈過ぎて逆無双状態に陥ってしまうのではなかろうか。魔物の理不尽な範囲攻撃、例えばドラゴンのブレスになぎ払われて一瞬で焼き殺されるのを楽しいと考える貧弱一般人の被害者などいるだろうか。まずいないだろう。あまりの理不尽さに憤慨するのではなかろうか。


 中世ファンタジー世界を範囲攻撃無しのガチンコ勝負で攻略させるだとかそういう意図があるのかもしれないな。



 ---



 北大陸の中級中位の魔物の巣を攻略した時点で六ヶ月弱が経過していて。次にどうするか迷ったものの、北大陸の中級上位の巣を攻めることになる。


 西大陸の中級上位のような嫌がらせモンスターだったらイヤだなぁと思いつつ攻略開始したところ、ハニワだらけだった。茶色、緑色、赤に黒、様々な色のハニワが暴れていた。もしやと思って弱体魔法を試したものの全レジスト。こいつらには魔法が一切効かないらしい。


 とはいえ、いやらしい攻撃技は少なかったので相手はしやすかった。口から発射するリングビームが後衛を襲うけれど、それでもダメージオンリーなのでまだマシ。空を浮遊するわけでも無し、前衛をガッチリと固めてやれば後衛の場所までなだれ込むことも無い。キャラットちゃんの格闘攻撃も有効でパリンパリンと小気味良く割れた。


 しかしそれでも、腐っても中級上位と言うべきか。ハニワ達の攻撃力、防御力、HPなどはどれを取っても中級上位にふさわしいステータスになっていた。純粋な殴り合いの勝負で順調に攻略出来ているとはいえもう少し楽になるなら楽にしたい。そう考えた俺は、伊達眼鏡を作って娘達に配給してみた。


 その結果どうなったかというと、戦場だというのにハニワ達は娘達のメガネについて語りだした。全体的には不評だったみたいだが。


 メガネをかけたコピールナ達についてのハニワ達の感想。

「黒髪でちっちゃい子なことは評価出来る」「黒猫+メガネ、可愛いことは可愛いんだけど……」「メガネコという略称は既に別のものに使われてしまっているのでダメ」など。猫娘属性は邪魔らしい。


 メガネをかけた愛姫達についてのハニワ達の感想。

「お淑やかそうなところは良い、個人的にはこの子がベスト」「メガネだけで良い。巫女属性はいらない」「和服なら着物の方が良かった」など。こちらは巫女属性が邪魔らしい。和風美人なのは高評価だったみたいだが。


 メガネをかけたジゼル達についてのハニワ達の感想。

「メガネツンデレキャラは好みが分かれすぎる」「銀髪縦ロールのツンデレだけで完成しているのにメガネを足す必要があったのか」「なぜこの娘は貧乳じゃないのか」(二十歳ジゼルは元貧乳キャラが巨乳になってしまっているからな)など。ジゼルは別に見た目が勝ち気そうでツンデレに見えるだけでいつも普通にデレデレなのだが。


 メガネをかけたリース達についてのハニワ達の感想。

「金髪メガネキャラはもっとお姉さんっぽくないとダメ」「メガネエルフは業が深い」「金髪属性とエルフ属性の結びつきが強すぎてメガネ属性が浮く」など。まぁ確かに。


 メガネをかけたティターニア達についてのハニワ達の感想。

「回復役のおっとり系姫ちゃんならメガネもわりとアリかも」「メガネと巨乳の相性は悪くないと思うがどの娘も胸がでかいしこの娘はでかすぎるのではないか」「もっと薄幸そうな雰囲気を出して欲しい」など。うちの娘達は別に幸薄いというわけではないと思う。戦場に出ているのは既にいっぱい子供生んだ娘ばかりだし。


 メガネをかけたアンジェラちゃん達についてのハニワ達の感想。

「ダークエルフにメガネはわりとアリだよね」「メガネのお姉さん風味も良く出ている」「でもダークエルフ属性が強すぎてやはりメガネ属性が負ける」など。アンジェラちゃんは私生活でもわりと研究肌だからそこそこ似合うのだろうけど、やはりメガネ以外の属性が強すぎるようだ。


 メガネをかけたキャラットちゃん達についてのハニワ達の感想。

「メガネとウサ耳の相性は悪すぎる」「ないわー(笑)」「ピンク髪だからギリギリ許される」「そもそも元気娘キャラはメガネとの相性が悪い」など。完全に色物扱いされてしまった。ピンク髪のウサミミキャラならギリギリ許されるらしい。ピンク髪で良かったな、キャラットちゃん。


 そんなわけで大体不評だった。彼らの好みは、メガネ以外のメイン萌え属性が比較的希薄で、黒髪で地味めな幸薄そうなメガネっ娘ということだった。つまりメガネがメイン属性じゃないとダメなんだな、他の属性はその下に従属するような弱めの属性である必要があるわけだ。なるほど、きっとそこらへんに美学があるのだろう。


 そこらへんのことを聞いた奴からどんどん始末していった。魔物の巣の中は割れたハニワでいっぱいになった。ハニワはそれはもう凄い数が生息していたので、駆除には長い期間がかかった。ボスとかもハニワの王様だったようだが、普通に倒してしまった。かかった期間は八十五日で、国道が伸びた距離は約三十キロだった。推奨日数の三分の一程度の距離が伸びるということで間違いなさそうだが、そうすると上級の巣の攻略必要日数は相当長そうだな。



 ---



 その後マリー達は西大陸へと渡り、順に中級上位の魔物の巣を攻略していった。


 西大陸の浮遊するカブトガニや巻き貝など四種類の生き物が生息する中級上位の巣もなんだかんだで攻略出来た。各地を転戦しているうちに娘達の戦闘スキルは十分に上昇していて、その分火力が上昇し適切な時間で敵を撃破可能になっていた。巣の中には基本たった四種類の魔物しか生息しておらず中ボス的存在がいない巣の中を進むのはどうにもメリハリにかけていた。


 そんな巣のボスは浮遊する硬質な機械人形のような敵が十六体。微妙に異なる形状を見る限りでは、下級の歩兵が八体、三種類の中級兵が二体ずつ、そして一体ずつのみの上級兵という組み合わせだった。チェスの駒の種類のようだが、それにしても合計十六体のボスというのは多すぎだった。


 歩兵はこちらの強化魔法を消去しつつダメージとノックバックを与える技を使ってきて盾役のジゼルがダメージこそ受け止められているものの数メートル飛ばされては他の娘に交代して貰っていた。他の中級兵達は被ダメージが二倍になる状態異常をかけてきたり攻撃力ダウンの状態異常をかけてきたり。また、こちらの弱体魔法を一つと幾分かのHPを回復する自己回復技なども使っていた。


 長時間の激戦の末に全ての機械人形を破壊出来たものの、マリーの身体の中から観戦していた俺としては色々複雑だった。何故かというと。


『うーむ……』

『どうしたの?おとーさん』

『なんというかな、こいつらがボスなことや、技が弱すぎることが気になってな』

『ええっ?今普通に戦っただけでもすっごく強かったよ。おとーさんの知ってるゲームの敵よりもそれでも弱いの?』

『うん、そうなんだ』


 俺が知っているゲーム知識とこの世界の実際の有り様にはかなりの差がある。最大の違いは範囲攻撃が存在しないことなのだが、それだけではなく敵の技の嫌がらせ度、性能が大幅に下がっているのだ。


『本当はな、今の敵だともっと攻撃が凶悪なんだよ。瀕死にしたりキツイ毒状態にしたり、そもそも攻撃がほとんど範囲攻撃だから周囲の相手を全部巻き込むものばかりなんだよな』

『おとーさん、それ、いくらなんでもヤバ過ぎだよ。今の奴ら、一撃が重いうえに状態異常もきつかったんだから、それがもしも周囲を全部巻き込んだりしたらティターニアちゃんの回復が追いついてなかったよ』

『うん、そうだよな。まぁゲームの方でも不用意に近づくと皆巻き込みで一網打尽になるから不用意に近づけなかったな』


 しかしそれよりも問題は、もう一つの方だった。


『こいつらがボスなわけがないんだがな』

『えっ?ボスだよね?』

『いや、ボスはボスなんだが。おとーさんがしていたゲームだとこいつらみたいなヤツが、中ボスポジションだったからさ』

『そうなんだ』

『うん、そうなんです』

『すんごいボスが出てこなくて良かったね、おとーさん』

『良かった、のかなぁ?』


 いや、さすがにアイツが出てこないのはおかしいと思うんだけどな。結構カッコイイボスだしさ。これまでの他のボス達を見る限りでも、どうにもわざと一部のボスが温存されているような気がしてならない。


 何にせよ西大陸中級上位の巣の攻略は達成された為、マリー達は予定通り南大陸と東大陸の中級上位の巣を順に回ることになった。その後の攻略の結果として、西大陸は九十日、南大陸は九十日、東大陸は九十五日かけて攻略が達成された。南大陸は六種類の異形の魔物とそれらを生み出す謎の光球が魔物の巣を埋め尽くしている一方で、ボス部屋の主は複数の色とりどりの上級の真龍ウィルム達だった。東大陸の方は八種類の異形達がひしめいており、巣のボスもそれらの異形達の強化バージョンだった。


 それらの事実により、やはりこの世界は故意にボスキャラを出し惜しみしているであろうことが明らかになった。これはどうにもおかしい。いくらなんでもここまで俺の知っているゲームそっくりの敵ばかりを大量に出しているのに、ボスだけを出さない理由なんて無いはずではないか。どう考えても、意図的に隔離しているとしか思えない。

 マリーにも改めてこのことを伝えたのだが、『今から考えても仕方ないよ。それよりもまず、上級の魔物の巣を攻略しなくちゃ』などと言われてしまった。


 確かにその通りではある。何か少しひっかかるものの、娘達は今度は上級の巣の攻略にとりかかりはじめた。東大陸からの攻略でも良かったのだが東大陸は地元である為、一旦北大陸から始めることにする。


 上級の魔物の巣は、北大陸に一つ、西大陸に二つ、南大陸に二つ、東大陸に一つ存在している。上級の魔物の巣の内部は、果たしてどうなっているのだろうか……

中継ぎ回はどうにも微妙な感じになってしまい、非常に書き辛いです。どこをどうやっても十分には面白くなりそうになく。それに、細かく書いて面白くしようとすると話がムダに冗長になってしまいます。


この回で残りの魔物の巣は大体六つ。北大陸の中級下位が残っていますけどね。早くクリアして中央大陸に乗り込みませんと。

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