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異世界で、一兆円とクエストと。家族計画、神の道  作者: レガ先
第六章 数で乗り切る世界攻略
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第六十三話「戦場の娘達、自宅で暇な父」

 この世界に来てからこれまでに調べて判明したこの世界の戦闘ルールについて。


 1:この世界におけるHPとは身体を保護する不思議なバリア=シールドの耐久力を指す。

 一般人でも最低限の一般生活用HPは所持しているものの、魔物に対抗可能な量のHPではない。


 2:HPを増やす手段は、基本的には避妊を行わない男女の性行為時にのみ上昇する体力スキルの獲得のみである。

 これが非常に厄介で、この問題の解決の為に各国の王、王子はハーレムを形成して体力スキルを確保している。大軍を指揮する各国の将軍格も複数の嫁を取っている。十分なHP量を確保しなければ魔物に対抗することは出来ない。そんな理由から、この世界ではとても人口爆発が起こりやすい。


 3:HP0=死ではないが、人間の肉体は極めて脆く大変危険な状態である。

 この世界の魔物の攻撃は極めて強烈で、そして人間の肉体はそれに対抗出来るだけの十分な耐久力を備えてはいない。HPによる保護が無ければあっという間に肉体を破壊されてしまう。例え達人であっても、触れられる前に確実に仕留めるというのはあまり現実的では無い。愛姫も俺に出会う迄は、一瞬の油断が命取りという状態で戦い続けた結果腕や足しか残らない結果になっていた。HPが切れて肉体にまでダメージが及んだ時点で即座に後退し回復したら、再びある程度戦うことは可能になる。


 4:この世界には防御力が基本的に存在しない。魔物の身体には肉質がある。人間の身体には肉質は無い。

 HPがどれだけ減るか、その数値を直接左右する防御力的なものはこの世界には存在しない。HPを削る際の判定となる部位差も人間の身体には存在しない。指先を掠ろうが首筋を狙われようがHPへのダメージは変わらない。一方で魔物の肉体には肉質に相当するものがあり、有効な部位に有効な攻撃を当てる必要がある。硬い肉質の部分を無理に殴りつければ武器が破損することもある。


 5:この世界における防具は有効に作用した際、HPへのダメージを割合でカットしてくれる。特に盾が優秀。

 防御力こそ存在しないが防具には意味がある。ダメージを固定値で減らすのではなく割合で減らしてくれる。魔物からの攻撃を受けた部位がしっかりと保護されていれば防具の影響により結構な効果が望める。しかし防具の重量に対しての効果を考えた場合、盾が圧倒的であり他の物の防御効果はオマケ程度に考えた方が良い。HPが切れた際には物理的な防御効果はほとんど期待出来ず、盾は砕かれ鎧は鎧ごと破壊される。HPが切れる前に離脱するべきだ。


 6:盾以外の防具は防御力以外の効果が期待されていることが多い。

 純粋な防御面では盾が圧倒的に優秀だが、身体防具には戦闘に有用なステータスを高めるものが多い。つまりダメージカット性能よりもステータスアップ重視で防具を選ぶこともアリだ。見た目重視も案外悪くない。


 7:魔物にはHPが多いが肉体は脆い魔物と、HPは少ないが肉体が頑丈な魔物がいる。種類による。

 HPは身体を保護するバリア耐久力であり、肉体そのものとは一切関係が無い。人間の身体は皆同様に脆いが魔物はその種類による。コウモリや鳥などのような魔物は一度HPを無くしてしまえば肉体そのものは極めて脆く瞬殺が可能だ。


 8:盾は優秀だが、両手武器も好んで用いられる。

 HPの高い盾役が盾を用いて前衛を務めてくれたら良いのだが、攻撃役は盾は用いず両手武器を選択することが多い。この世界の主な両手武器は、薙刀、槍、弓、格闘武器、両手剣、両手刀などである。人族は刃物好きなので両手剣や両手刀の人気が高いが、実用性はイマイチだったりする。


 9:この世界には通常エリアと戦闘エリアの二種類があり、通常エリアでのみ戦闘訓練としての決闘が可能。

 通常エリアでプレイヤー同士が攻撃すると互いにHPを減らしながら決闘を行うことが出来る。相手のHPを削りトドメとなる一撃を加えればその相手が吹き飛ぶが、この世界のPK禁止措置により一切痛みは無い。一方で戦闘エリア内ではこのような決闘行為も完全に不可能となり、人間同士でいくら攻撃しあっても完全にノーダメージとなる。通常エリア内では、攻撃されない状態で一定時間経過したり、決闘により相手にトドメを刺された場合、HPが全回復する。


 10:現在判明している戦闘エリアは魔物の巣内部のみである。

 戦闘エリア内では一定時間経過によるHP全回復ボーナスが無いので、地道に安全に攻略することが求められる。時間経過によるHP、MPの自動回復は非常に遅いのであまり期待出来ない。HPを回復したいのならば回復魔法を用い、MPを回復したいのなら親しい者と触れ合い心を癒すと良い。特に相思相愛の恋人同士であればMPは急速に回復する。一方でMPを回復する薬品類は一切存在しない。



 ---



 なかなか長い説明になってしまった。


 つまり結局のところ、ダメージを防ぐ目的で優秀なのは盾だけだ。

 そして盾を装備しても、それは実際に敵の攻撃を真正面から受け止める盾役にしか意味がない。

 リーチの問題もあるし、他の人は大人しくリーチが長くて取り回しのしやすい槍や薙刀をメインにしなさいって話だ。


 マリーが率いる俺達一族の軍は、俺の娘のマリーと息子のブロント、そして俺の八人の妻のコピー体の娘達によって構成されている。

 コピー体の娘達はそれぞれ全員同じ装備だ。

 盾を装備しているのはマリーとブロントとジゼルだけになっている。


 盾役のジゼルは、ジゼルに長年研究して貰ったことにより完成した盾替わりの巨大な籠手と、昔作った時よりは性能が強化された刺突剣ミュルグレスを使用している。

 ミュルグレスはかなり変わった形をしていて、敵の剣をフルークとかいう爪の部分で受け止めてから折るなり斬るなりしてやれるようになっているのだ。

 鉄剣同士じゃ難しいだろうがミュルグレスの刀身はオリハルコン製だからな。鉄相手ならなんとかなるだろう。


 この世界の魔物は色々といる。その中には武器を使うものも含まれているのでたまには役に立つ。とはいっても剣による防御はあくまでオマケだ。メインの防御は盾頼りになる。


 ジゼルに作って貰った盾というか籠手というか曖昧なものは左腕に装着する。かなりの重量になるはずだが、アンジェラちゃんが必死に重量軽減のエンチャントを施しているのでなんとか取り回しが可能になっている。サイズはとにかくデカイ。というよりも武器を内蔵しているからなコレ。


 籠手に何を内蔵しているかというと、パイルバンカーだ。

 太くて短い杭を相手に打ち込む例のアレである。

 パイルバンカーを包むように盾としての籠手部分がある構造だ。

 普段は守りを固めて突剣でチクチクやりつつ、重装甲で突剣が効きにくい相手には左腕の籠手でパイルバンカーを打ち込んでやるという、そういうスタイル。

 動力はエンチャントによる魔力で、使用後は三分ほどで再使用可能な状態に戻る。


 ちなみにその機構を利用して何かしら射撃武器が作れないかと試してみたものの何故かダメだった。

 そもそも射撃武器が欲しいなら弓で矢を射れば良いということで頓挫した。


 どうにもこの世界、そこらへんの制約がとんでもなく厳しいようだ。

 火薬っぽいものを調合して試してみたのだが……爆発しなかった。正直かなり驚いた。

 材料はたぶん合っているはずなのにダメ。ダイナマイトも不可能。

 この世界において銃や爆弾の類は禁止らしい。矢は良いのに銃はダメってどういうことなの。

 攻撃魔法が存在しないことなども含め、色々と制約が激しい。


 気を取り直して他の子の紹介にうつる。


 愛姫には、相変わらずともえという名前の薙刀を使って貰っている。

 刀身もそこそこ長いが柄の方も長め。柄に関しては長さを伸ばせる機構付き。刀身に関してはアダマンと黒鉄の合金製。

 薙刀は本来そこまで極端にリーチを生かした使い方はあまりしないものらしいが、愛姫は遠近両用でぶん回すことが出来る。

 飛行系の魔物は当然上からもやってくるので、その迎撃が主な役目だろうか。


 一方でリースは槍だ。使用武器は通称バルキリーフォーク。実際には竜の髭。

 材質はなんだったかな。今はミスリルとオリハルコンが混ざってるかもしれない。

 盾役のジゼルの後ろから敵を突くのが基本の役目だけれど、大型の敵相手にはルーンダイバー(ジャンプ)による奇襲を用いる。身体能力の強化魔法で高く跳躍して、身体保護を自身にかけつつも槍の刃先に装甲破壊の弱体魔法をかけておき、空中から一気に襲いかかる大技だ。

 どう見ても例のアレなのだが秘密だ。長年の魔法研究の集大成である。人間が何も無しで五メートル以上の高さをジャンプ出来るわけがなく、強化魔法による補助は必要不可欠だった。かなり大量にMP消費するらしく、MPが昔よりも遙かに伸びた現在でも乱発は出来ないようだ。


 近接武器の残りとしては、キャラットちゃんの格闘だろうか。素手格闘ではなく、しっかりと武器を装備している。以前はミスリルクローを使用していたが、現在は黒鉄とオリハルコンを用いて作ったスファライという武器を用いている。造詣は十一ではなく十四の方で、本来は噛みつくトラの形をしているはずなのだが。


 キャラットちゃんのスファライは、ウサギさんの形になっている。ただし牙の形はトラのままだ。この見た目に関しては、キャラットちゃんからもツッコミが入った。


「ヒロお兄ちゃん、この武器はなーに?見た目はウサギさんなのに歯がトラさんみたいだよ?」

「うん。本来トラなんだけどウサギにしたからそうなった」

「そうなの?なんだかでたらめだね。でもちょっと嬉しいかも。ありがとう、ヒロお兄ちゃん」


 この世界、猫族はいるけど猫はいない。猫はいないのにトラはいる。

 一体どういうことなんだ。よくわからん。

 ついでに、ウサギ族はいるけどウサギはいない。

 キャラットちゃんが武器の形をウサギだと認識出来たのは、俺の世界にいたウサギを俺が絵で描いて示してみせたからだ。


 キャラットちゃんの役目はジゼルの手が回らない範囲をカバーしたり、極端に刃物が効かない敵だらけになった場合に交代することだ。一発だけならパイルバンカーでも対抗出来るのだが再使用に時間がかかるからな。

 なんというか、多少地味な役回りかもしれない。


 次に、ルナの武器がアルテミスの弓。

 ルナ本人は胸がでかすぎて射れないが、コピールナならば扱える。

 弓の材質は正直よくわからん。俺のイメージをマリーが再現してくれたものを武器防具工場の職人さんが作ってくれたものの、パーツが多すぎてコメントしづらい。

 矢の方はミスリル製と黒鉄製の二種類。アダマンやオリハルコンは素材が稀少なので矢にするのはダメだった。

 結構金がかかるのであまり撃ちたくはない。弓としてだけでなくハープとしても何故か使用出来るので、ザコ相手なら弓を撃たずに後ろでハープ鳴らしてた方がマシだな。


 ルナもある程度魔力を扱えるので、ミスリルの矢を撃つ際には魔力を篭めて射るようにして、黒鉄の矢を撃つ時は黒鉄の重量を生かす為の曲射を用いる。

 三連曲射の技がかなりの威力を持つことが既に確認されているのだが、魔物の巣の天井はそこまで高いことはあまり無いので曲射の出番が無い。だから現在使うのは主にミスリルの矢だ。


 最後に、魔法担当の二人について。


 ティターニアは杖を二種類持っている。一つは片手杖で名称はヤグルシュ。金の杖に色とりどりの綺麗な大粒の宝石を嵌め込んだもので、強化魔法の行使に適している。

 もう片方は両手で持つ大型の杖で名前はタイラス。回復魔法への適正が高い大型の杖で、翼のように広がる白い大理石に金の意匠を被せたような謎杖だ。

 杖の中心には大きな青宝石が嵌め込まれており詠唱の際には光る。この宝石がなんなのかはよくわからない。ただ、サイズもデカイしティターニアの人数分の杖を用意しなければならないので、そこまで高いものではないと思うのだが。


 一方アンジェラちゃんだが。以前はエレクトラムセプターを利用していたのだけれど、最近はそれに加えてグリモアとか名付けた本、もといバインダーを利用している。

 グリモアの中身は特殊な紙に封じた魔法シートで消耗品だ。量産した紙に魔力を注入して事前に戦闘準備して、それをバインダーに閉じておき、現地で皆に配って利用している形だ。ちゃんと保存しないと紙に篭めた魔力が抜けやすいので、専用のバインダーに閉じておく必要があるのだそうだ。

 強化魔法はそのようにして、弱体魔法はこれまで通りエレクトラムセプターで実行するという、そういうスタイル。


 ティターニアの使う強化魔法は主に防御系で効果時間の長い物が多い。アンジェラちゃんの使う強化魔法は主に攻撃系で効果時間が短いようだ。

 リースが使う強化魔法は幅広いものの他人にはかけることが難しいみたいだ。だからいわゆるジャンプ的なものの為に利用しているわけだな。


 現在の戦力はそのようになっていた。偏っているような偏っていないような。わりと堅実な方では無いだろうか。



 ---



 マリー達は現在、西大陸中央部の魔物の巣を攻略中だ。

 なんだかんだで下準備に時間がかかっていたが、既に攻略開始している。


 この世界、便利なインベントリのおかげでかなり楽な方ではあるらしい。

 食事は共有インベントリから取り出していつでもおいしく温かい状態でいただけるし、魔物の死体もある程度素材を残してキレイに消えてくれるので倒した後の処理も楽だ。

 それでもやはり、大勢が展開する場合には下準備の期間がかかってしまう。

 主に寝所の準備みたいだが。他にはお風呂やシャワーの準備。


 うちの娘達はなんだかんだで皆姫ちゃんなので、寝床がガッカリだとやる気が出ないらしい。なんということだ。更には毎日お風呂にも入りたいらしい。キレイ好きだからね、仕方ないね。


 魔物の巣の攻略は、数日かけて行われる。

 石畳の迷宮とかではなく、土と岩と植物の生臭い空間である。そして薄暗い。

 そんな空間に大量の魔物達がわんさかひしめいているわけだ。生々しくてグロいわけだな。


 この世界の魔物はリポップしないので、そんな魔物の巣の中を徐々に魔物を掃除しては、確保した領域を完全に制圧して明かりを確保し、更にメインルートを洗浄しておくのだそうだ。

 魔物を倒すというだけではなく魔物の卵まで含めて隅々まで掃除する必要がある為、どうしても進行に時間がかかるとのこと。

 で、日中頑張って戦った後は夜間はキャンプに戻ってしっかりと休む。肉体面よりも精神面のケアの方が重要みたいだ。


 だだっ広い空間が広がっているようなことは基本的には無く、部屋と通路の繰り返しになっているらしい。部屋をしっかりと制圧してしまえば、通路からはそれほど他の魔物達がやってこないので比較的安全に戦線を維持可能みたいだ。

 とはいってもゼロではないから、夜間警備担当も多少は必要というそんな感じ。夜間警備担当になった娘はそれはもう涙目らしい。


 いくつもの部屋を制圧して奥に到達すればその魔物の巣のボスがいる。

 ボスを倒したからといって他の魔物達は消えない。それに、残っている魔物達はボス部屋に大集結してしまうので結構厄介だ。

 だからボス部屋以外をとことん制圧してから最後にボスを倒すというそういう流れになる。


 何がボスなのかといったことは魔物の巣によって違うのだが、強さに関しては魔物の巣のランクによって変わるということが既に判明済だ。


 魔物の巣には大雑把に上級、中級、下級で分かれており、更に級ごとに強さが三段階分かれている。

 つまりは全部で九段階。級ごとに敵の強さが全然違うようだ。


 なんというか、ゲームが違うという印象がする。


 下級の魔物の巣のバランスは、某国民的RPGの世界だ。ゲームクリア時のHPが三百から五百程度のアレ。

 そんな世界なので、敵から受けるダメージも四十程度から多くて二百、三百などといったところか。どんなに痛くても五百ダメージ程度の世界。


 それに対してうちの娘達一人一人のHPは現在五万程度ある。それを率いるマリーのHPは五百万以上だ。下級の魔物の巣程度ならいくらでもかかってこいという状態であり、実際攻略が楽だった。


 この世界の一般人はここまで体力は伸びない。

 性交経験のない一般人のHPは五程度であり、人間の肉体の耐久力は十程度でしかない。一般人は子供を一人作るごとに十から二十前後のHPを得る。子供を十人から二十人以上作れば下級の魔物の巣でも十分通用するというぐらいか。

 HPは初期は伸びやすく、段々と伸び悩んでくる。このあたりのバランスは説明が難しい。

 ただこの世界の通常の人間のレベルでは、下級の魔物の巣の攻略が精一杯であることは明らかだ。


 下級の魔物の巣のバランスが国民的RPGのバランスな一方で、中級の魔物の巣のバランスはHP千から千五百程度のMMOなバランスになっていた。


 敵の通常攻撃一発のダメージが百から三百程度はあり、特に強力な一撃だと千ダメージも珍しくない世界だった。この世界に下級の魔物の巣が精一杯な人々が挑戦した場合、一撃でHPを全部持っていかれて肉体が砕け散ってしまうことだろう。


 正直神が何を考えてこんなバカげたゲームバランスにしたのかはサッパリわからない。

 この世界の一般人にゲームクリアさせる気がないことは明らかではなかろうか。


 幸いというべきか否か、各大陸の魔物の巣の数は下級が多めにはなっていた。

 上級が一つか二つ。中級は難易度違いが計三つ前後。下級はピンからキリまで十前後。

 この世界で魔物の巣といえば基本的に下級のことで、中級以上の巣に手を出す人はほとんど存在しないようだ。とはいえ死体を持ち帰れば復活可能ではあるし、中級でも簡単な巣ならば地道に攻略を進めれば制圧も不可能ではないらしいが。

 北のエルフの大陸では中級の巣も攻略したケースが確かあったような無かったような。もう忘れた。


 一般人や各国家の軍が中級に及ぶか及ばないかという状態な一方で、うちの娘達ならば中級の魔物の巣だって楽々クリア可能であることだけは間違いない。

 とはいってもHPが十分にあるからといって攻撃力がまだ不足気味な為、下級の魔物の巣から肩慣らしに攻略しているわけだ。


 本来下級の魔物の巣を全部潰してしまうとその大陸の人々の貴重な仕事場が無くなってしまうのだが。

 西大陸のドワーフ族は弱すぎてまともに魔物の巣を攻略出来ていない為、最弱の魔物の巣を一つ残して他を全部討伐して良いことになっている。

 その代わり、魔物の素材を半分程度は現地に卸して欲しいのだそうだ。無料でよこせという要求ではないのでその程度は仕方ないか。


 そんなわけで、マリーや娘達は現地で一生懸命戦っている。



 ---



 そして父親の俺は暇していた。


 マリーの身体の中へと意識を飛ばして現地の様子を視察しても良いのだが。敵が弱すぎるし緊張感が無い。

 現在マリーは常時絆神力により顕現させた宝剣ブルトガングと、同じく実体化させた神楯イージスを使っている。ブルトガングによる斬撃は破壊力バツギュンであり、下級の魔物の巣程度ならどんな敵だろうが一撃だ。

 中ボスっぽいのも軽く一撃で切り伏せるし、下手するとボスモンスターですら一発である。


 そこらへんのヌルゲーっぷりも要因ではあるのだが。それより何より、マリーの傍では常にブロントも一緒に戦ってるからな。

 確かにそれで正しいし、マリーと共に戦いマリーの身を守るのがヤツの仕事ではあるのだが。

 だからといって仲が良さそうに戦っている様子を見ると、色々と妬けるじゃないか。

 だからあまり見に行きたくないのである。


 マリーが戦っている期間中は、妻達も現地の娘の身体の中へ意識を飛ばして指揮する。朝食の後妻達は皆寝てしまい、次に起きるのは現地がお昼休憩になる昼食の時間帯だ。昼食後はまた本体は寝て現地へと意識を飛ばしてしまう。


 そんなわけで俺の取れる行動は。

 俺も大人しく現地で頑張るマリーの中に入って様子を見るなり何かしら手伝うか。

 それとも自宅で何かしら暇潰しするか。二つに一つだろうか。


 もちろん現地に様子を見に行くのが悔しいので別のことをする。

 主に愛玩用に確保したちっちゃい娘を愛でたり、または子供を生める年齢の娘を引き続き抱いたりしている。

 娘達とデートに行くこともある。


 960/6/1 11:31


 今日はリース2AAAちゃん十三歳と一緒に屋敷内の中庭で軽く武術の稽古をつけた後、一緒にお風呂に入ってから昼食までの時間をベッドでゴロゴロ過ごしている次第。


 もはや何人孕ませたかわからないこのベッドであるが、毎日シーツを取り替えてくれているし何やら消臭系の魔法装置か何かでいつも空気は清浄である。


 父親の俺に抱きしめられているこのリースちゃんはわりと発情気味なのだが、対する俺の方は例の十四歳以上にしか反応しない制限のせいで相手をすることが出来ない。相変わらずシステムが徹底している。

 なので午後の時間は十四歳以上の子を抱く予定を既に入れておいた。だから今はガマン。


 元々顔を赤くしていたリースちゃんが、更に顔を赤らめながら俺に質問してきた。

 ベッドの上で寝転がりながら対面。目線はばっちり合わせてある。


「お父様、お聞きしたいことがあるのですが」

「ん?なにかな?」

「えっと、私のお母様も、他のお姉様達も、どの方もこのベッドでお父様に抱かれてきたのですよね?」

「うん、そうだよ」


 確かに、こちらの屋敷に引っ越してきてからはずっとそんな感じだな。

 それまではティターニアの家を拠点にしていたのでそこでリース二号や愛姫二号を抱いていたはずだ。


 今のこのベッドはとても大きいし、バネもよく効いていて良い感じだ。

 とはいってもどの家のベッドもバネは良い感じだったが。サイズが違うぐらいなものだ。

 中のバネがヘタれてもおかしくないと思っていたのだが、そこはそれ、不思議な魔法道具なので自動で補修してくれるらしい。だからいつでもバネの調子は絶好調である。


 顔を赤らめたリースちゃんが続ける。


「えっと……私も、次の誕生日にはこのベッドで抱かれるんですよね」

「うん、楽しみだ」

「そ、そうじゃなくてですね。お父様がいつもこのベッドでしか私達を抱かないのは何故だろうってことをお姉様達が話されていたので、あれ?どうしてかな?って」

「なるほど」


 そんなことを娘達が話していたのか。


 気持ちはまぁわからないでもない。処女の子をベッドに何人も並べて順番に抱いたりしてるしな。皆が皆同じ場所で初体験、いつも抱かれる場所が同じというのが不満な子がいるのは当然かもしれない。


 しかしだなぁ。


「何故そんなことを考えたんだ?」

「えっと……」

「うん」


 えっと、が口癖にでもなってしまっているのだろうか、この子は。


「ほ、本やマンガで読んだんです」

「ふむ?」

「そしたら、ベッド以外の場所でのえっちもいっぱいあって、あれ?なんでかな?って思って」

「うん、それで?」

「なのにお父様はベッドでしか女の方を抱かないのは何故なんだろう、ってことがお姉様達の間で話題になっていたんです」

「そういうことか」


 なるほどもっともな疑問だと思う。

 エロゲーだと色んなシチュエーションがあったしな、主に野外の。

 男性向けの創作物はもちろんのこととして、女性向けの話でも多少はあるだろうな。


 ちなみにこの世界、何故か電話がまともに存在しない一方で、本やマンガの類は安く広く流通しているんだよな。一方テレビとかはないのでアニメは見られない。残念だ。


 それで、俺のプレイがベッドオンリーでとてもノーマルな件だが。


「それはだな、父さんも最初の頃は色々試したんだよ」

「そうなんですか?」

「そうなんだ。それで結局、お風呂に入ってサッパリした後にベッドでエッチするのがベストだという結論に達したんだ」


 うん。実はそんな理由だった。


 この世界に来た当初、当時はクロちゃんと名乗っていたルナを長期間休み無く抱き続けた際に、一応色々試そうとはしたんだ。その結果、ふかふかのソファーはまだマシな方だとしてそれ以外はルナに不評だったんだ。ベッドの上の方が良いですって一蹴された。実際その通りだった。

 一緒にお風呂に入るのも気持ち良いがお風呂プレイそのものはイマイチだった。たまになら良いのだが。


 妻や娘の裸を他の人に見せる趣味も無いし、一人だけを相手にするわけではないから外に出かけて一対一でというわけにもいかないし。結局結論は、常にベッドでだけ抱くということになったわけだ。


「このベッド、ふかふかで良い感じだと思わないか?」

「はい、すごく良い感じです」

「うん。このベッドはすごく良いベッドなんだ。ホテルのロイヤルスイートよりも良いベッドだし。だからわざわざ出かけて高いホテルに泊まる必要も無い、と」

「うーん?お父様、本当に?」

「うん、本当に。それにね。自宅で好きなだけ誰にもはばかることなく抱き合えるなら、わざわざ野外でする必要性が無いんだよ。シチュエーションによるやる気とかは、父さんは比較的大丈夫だし。それに人に見られてどうこうっていう話なら、野外じゃなくても近くに他の娘達がいるからね」


 大体そんな感じだ。

 ゲームならまだしも実際にやるとなるとベッドが一番だった。


 そういう結論を伝えてから再びリース2AAAちゃんを抱きしめていたところ、お昼休憩に入ったマリーから心の声で通信が入った。


『おとーさん、おとーさん』

『ん?なんだい、マリー』

『今の話お父さんからは初耳だよ!色々試したって誰と?ルナママと?』

『うん、その通り』

『そうだったんだ。あのね、ルナママがいつか言ってたよ。おとーさんは私が育てた!って。何のことかわからなかったけれど、そういう意味だったんだねー』


 ルナは娘のマリーにそんなことを言っていたのか。なんということだ。

 確かに、俺とルナは初めて同士だったしルナ相手に一生懸命練習したのは事実だ。だから俺のプレイは基本的にルナ好み、ルナ仕込みのイチャラブプレイである。

 他の妻達にも好評で、とても優しくてキュンキュン来るらしい。満足して貰えているようで何よりだが、どこにキュンキュン来るのかは俺にはよくわからなかった。


『うん、確かにそういう意味だな。皆満足しているみたいで嬉しい」

『おとーさん、いつもすっごく優しいよね。愛情たっぷりで他の子が羨ましいよ。私もいつかして欲しいな』

『うん。そのうちな、そのうち』

『ずっと待ってるからね、おとーさん』


 そう言ってマリーからの通信は切れた。


 その後は他の妻達も起きて昼食となり、午後は二十歳な娘達を中心に抱き、夕食後にはルナ一人だけを抱いた。


 昔のことを話しながら丁寧に抱いたところルナはとても満足そうにしていた。その一方で、ルナだけ贔屓しすぎだと次の日他の妻達から顰蹙を買った。


 そんな感じで日々は過ぎていく。

 六月初め時点で西大陸の小規模の巣は一つ残して全攻略が達成されており、既に中規模の巣の攻略が開始されていた。

説明回、繋ぎ回の盛り上がらなさは異常。

危うくエタりかけました。

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