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異世界で、一兆円とクエストと。家族計画、神の道  作者: レガ先
第六章 数で乗り切る世界攻略
63/79

第六十二話「グランドクエスト」

 朝自室で目を覚ました俺は、UI右上の時計を確認する。

 960/4/1 8:22

 まぁなんというか、昨夜は楽しみ過ぎたかもしれないな。


 俺の左にはリースが、右にはルナがくっついたまま今も眠っているようだ。リースの向こう側で寝ていたティターニアは俺と同時に起きるようになっているので丁度起きたらしい。向こうからじーっとこっちを見つめてきている。

 しかし他の妻達が皆寝たままなので、一人だけ動くわけにはいかないようだ。


 改めてUIを確認する。パーティーメンバーリストには俺の名前と妻達八人の名前がずらっと並んでいる。もちろん並び順は愛情値順だ。上からリース、ルナ、ティターニアの順。下位については触れないのが優しさだろう。このベッドはとにかくサイズがデカイので、九人横に並んで寝ても大丈夫だ。


 それにしても、UI上の残機表示が凄まじいことになっている。リースの残機は六千弱もあるし、最初ずっと女の子ばかり生んでいたアンジェラちゃんなどは残機が七千五百を超えている。このあたり随分と差が出たんだよな。


 今後は娘達全員を相手にするのではなく、人数が足りていないところを重点的に個人的な好みで増やすつもりだ。なんだかんだで贔屓はしたい。

 それと、玄孫世代以降は基本的に抱かない予定だ。そこまで抱くのは気が向かない。歯止めがかからなくなってしまう。愛玩用に少人数確保するぐらいだな。主に長女筋の娘を。


 そんなことを考えていたら、娘のマリーから心の声で通信が入った。

 俺の最初の娘である彼女は、今でも俺のことが一番好きであると同時に寝取られたままでもある。

 魂は常時リンク中で、彼女の状態は俺にはわからないが俺の状態はマリーにだだ漏れのままだ。

 つまりは昨夜のプレイ内容も把握されている。


『おとーさん、おはよー』

『うん、おはようマリー』

『娘の私が出張中なのに、ルナママ達と昨夜は随分長くお楽しみだったねぇ、おとーさん』

『うん。マリーも皆が仲良しな方が良いだろう?』

『うーん、それはそうなんだけどねー』


 現在マリーは、この世界の西大陸の中央部にて、魔物の巣攻略の為の準備中だ。

 子供を全員生み終わった娘達は皆戦場に投入されている。

 例えばリースが生んだ子供達のうち、四十人中二十二人は二十一人の子供を生み終わっているし、孫娘世代でも八十九人が十六人の子供を生み終えている。

 総勢約七百人程度の軍隊を現在マリーは従えているのだ。ブロントも一応同行している。


 現在妻のコピー体及びマリーやブロントのHPは、凄まじい量に達している。

 某国民的RPGを想像して欲しい。ラスボスを倒す際のHPはせいぜい四百から五百程度だろうか。それに対して現在コピー体の娘達のHPは五万前後あると思って欲しい。

 そして一族全体から1%ずつHPとMPを得ることが出来るマリーのHP量は、多くの娘達が未成長なことによる減算の影響を大きく受けながらも、軽く五百万以上ある状態だ。


 昔ジゼルを一撃で吹き飛ばしたトロールの一撃程度ならば、現在のマリーはノーガードで十万発殴られようが死なない。極めて異常な堅さだということがよくわかる。


 西大陸のドワーフ達の領域では、現在も尚ほとんど魔物の巣の攻略が行われていない。それどころか昔よりも更に魔物の巣が増加するばかりで、大小様々な規模の巣がうじゃうじゃある。それを今、本腰を入れて攻略しているのだ。


 北大陸と南大陸に関しては、俺が計画していた軍事用の男子校の卒業生達を大量に派遣して雇用させたので、小規模、中規模程度までの魔物の巣が順調に攻略されていた。

 スムーズに攻略されている為、最近は魔物関連の素材が市場に安定して流通する状態になっている。

 だからといって原価というか人件費は安くはならないので、値段はさほど下がらないのだが。


 東大陸の魔物の巣は、兵士達の訓練場として利用しているのでわざと攻略せずに放置している。何しろ近いからな。最後に一気に攻略しておしまいにする予定だ。


 そんなことを考えていたら、マリーから更に通信が入る。


『あのねあのね、おとーさん』

『ん?なんだい、マリー』

『システムメッセージのスメスさんがね、何か大事な話があるみたい。お父さんに先に教えるらしいよ。だからしっかりしておいてね。お母さん達といちゃつき過ぎてたらダメだよ』

『ふむ、そうなのか』

『うん、そう言ってた。お昼に来るみたいだよ』

『わかった、皆に伝えておく』

『うんー。それじゃあまたね、おとーさん』


 そして再びマリーからの通信が切れた。


 なるほど、よくわからないがそういうことらしい。

 というか、マリーに伝えさせずに直接伝えたら良いものを。


 俺は妻達を起こしてお風呂に入ることにした。



 ---



 960/4/1 12:50


 八人の妻達と一緒に昼食を食べ終わり、そのまま食卓の椅子に座りながらスメスさんからの連絡を待つことにした。今日の料理はなんというかベトナム料理っぽかった気がする。犬族の国の料理らしい。


 ルナが例のロイヤルミルクティーを淹れてくれて、それを飲みながら待つことにする。ほぼ牛乳なのでルナの様子がやや怪しい。酔っている感もある。そんなルナが喋る。


「まりーがわざわざ連絡してきたのですから、うそではないんじゃないでしょうか」

「うん、俺もそう思う」

「うふふふ、みるくてぃーおいしいです」


 完全に話が繋がっていない。ルナの牛乳好きは相変わらずだ。ロイヤルミルクティーを飲み干したルナのカップに、隣に座っているジゼルがポットから追加で注いでいる。放っておくと勝手に自分で追加してたまに盛大にだばーってこぼすから、その対応で間違ってはいないのだが。


 ちなみに牛乳の出所は、最近は近所で営業している例の牧場で生産された物が回ってきている。北のエルフの本国で採れた牛乳とほとんど味は変わらない。ただしルナにはその細かい違いもわかるらしいが。

 ルナの指導により、この屋敷よりも南の方の牧場で採れる牛乳はルナ好みの濃厚な味に設定されているらしい。


 自分で淹れたロイヤルミルクティーに大満足なルナは放置して、リースが語り出す。


「そうね。元々ヒロが六十年を目安に設定していたのだから、向こうがそれに合わせてくれたのかもしれないわね。それにしてもわざわざ事前に待機させておくだなんて、よっぽどのことなのかしら?」

「んー、どうだろうな」

「まぁ覚悟はしておいた方が良いわね。十三時に来るかもしれないから、口に飲み物を含んでいたらダメよ?」

「ん?うん」


 なるほどそうきたか。しかしそんな飲み物を吹き出すような事態って有り得るのか?


 飲み物を口に含まない状態で、UIの時計をじっと見つめながらその時を待つ。……五十七分、五十八分、五十九分。


 そして十三時になった瞬間、突然脳内に直接ファンファーレの音が鳴り響いた。かなりうるさい大ボリュームで。俺の対面に座ってミルクティーをそのまま飲んでいたルナがむせた。対面の俺に向けて吹き出さなかっただけマシだと思っておく。


 UI左下のログウィンドウに、システムメッセージの黄文字が流れる。


 Smes:グランドクエスト「中央大陸の封印解放」が発生しました。クエストリストよりご確認ください。


 グランドクエスト、か。そういえば以前言っていた気がしなくもない。いつ言っていたのかはサッパリ思い出せないが。確か、この領域まで達したプレイヤーが俺ぐらいしかいないせいで、後半のグランドクエストしか残っていないとか云々。


 ルナが吹いたことから多少予想はしているが、俺だけじゃなく全員に今のファンファーレが流れたんじゃないかな?皆ビクッとしてたしな。


 ルナは胸がでかすぎるので、吹いた飲み物を自分の胸の上にほとんどこぼしていた。隣に座っていたジゼルが一生懸命拭いてあげている。とはいってもほとんどは既に服に染みこんでしまっているが。ルナは胸がでかいものの、谷間が見えるような服は普段着ていないからな。


 何やら申し訳なさそうにルナが言う。酔いはすっかり醒めたようだ。


「あの、アナタ。すみません」

「うん、気にせずに着替えておいで」

「はい、行ってきますね。失礼します」


 ルナが部屋を出るとすぐにメイドさんの一人がサポートに入ってた。うん、ルナは稀に良くこけるからな。仕方ない。

 ルナが去った後の食卓で、リースが語ってくれる。


「皆に今のファンファーレが流れたってことでいいのかしらね?」

「うん、そういうことじゃないか?」

「キャラットちゃんは、他の娘達にも流れたかどうか確認してきて貰えるかしら。私達はとりあえずクエスト内容を読んでから対策を立ててみましょう」


 あまり使いっぱしりは良くないと思うのだが、実はキャラットちゃんはわりと足が速いので適任だったりする。


「はーい、それじゃあ行ってきまーす」

「うん、行ってらっしゃい」


 本人が気軽に了承しているのだからつっこむのはやめておこう。

 俺もUIからクエスト情報を確認することにする。


 と、そのタイミングでまたUIに黄文字が躍った。


 Smes:新たなクエストが発行されました。クエストリストよりご確認ください。


 一体なんなんだ。クエストリストの方を見てみると、そこには確かに二つのクエストが並んでいる。一つは「グランドクエスト:中央大陸の封印解放」であり、もうひとつは「クエスト:UIの機能拡張について」と書いてあった。


 新規発行分はとりあえず無視して、グランドクエストを確認する。



 グランドクエスト:中央大陸の封印解放

 目標:神の道を天の橋にまで繋げること


 詳細を確認、っと。


 グランドクエスト:中央大陸の封印解放

 この世界の中心部、中央大陸。

 封印されしその地に立ち入る為には、魔物の巣を攻略し天の橋まで神の道を繋げる必要があります。

 下位の魔物の巣だけでなく上位の巣の攻略も避けては通れないでしょう。

 神の使徒の一族全員の総力を結集し目標を成し遂げてください。健闘を祈ります。



 なるほど、そのこと自体は前から予想済なのだが。

 それにしてもイマイチ不親切な説明だな。一カ所繋げるのか全部繋げるのか説明文に書いてないじゃないか。大事なのはそこだというのに。


 一応苦情を申し立ててみる。


 >>Smes:おい、ちょっと、スメスさん。

 Smes:はい、なんでございましょうか。

 >>Smes:これさ、一カ所繋ぐのか全部繋ぐのかどっちなのさ。わざと書いてないよね?コレ。

 Smes:さぁ、どちらでございましょうか。一カ所繋ぐまでは守秘義務がございますのでお答えしかねます。

 >>Smes:なるほど。


 既にそれが答えのようなものじゃないか。絶対全部繋げろって話だよコレ。一カ所繋ぐまで云々って、それで終わらないからそういう台詞になるってことだよ。またもや遠回しに答えをバラしたようなものだ。


 と、そのタイミングで隣のリースが話し掛けてくる。


「ねぇヒロ。既に説明文は読み終わったかしら?これって、一カ所なのか四カ所なのかどちらなのかしら?」

「四カ所全部みたいだよ、リース」

「あ、やっぱり?というか調べてくれたのね、ありがとう、ヒロ」

「どういたしまして」


 リースにそう説明すると、マリーまで心の声で通信してきた。今の俺が放ったセリフも聞いていたはずだが。


『ねぇねぇおとーさん。四カ所全部なの?本当に?』

『うん、まず間違いないな。わりと自信があるぞ』

『そっかぁ。あのね、他の子にも一斉に流れたみたいだよ。ブロントにも流れてたみたい。それとね、キャンプの設営に関わっていたラビくんの孫にあたるドワーフさん達にも流れてたみたい。本当に全員に流れたんだねー、コレ』

『ふむ、そうなのか。ありがとう、マリー』


 なるほどね。西大陸の中央部のキャンプ地にはラビくんの孫もいるのか。ちなみにラビくんはキャラットちゃんの生んだ長男さんだ。ウサギ族の男性の好みはドワーフ族だからなぁ。確か今だと三種類のドワーフ族を三十人ずつお嫁さんにしていたはずだぞ。


 さて、もう一つのクエストの方も確認しておくか。



 クエスト:UIの機能拡張について

 目標:コンフィグを適切に操作してください


 詳細をぽち。


 クエスト:UIの機能拡張について

 UIに表示される情報はコンフィグによって変更可能です。

 その中でも特に今回は、マップ表示の機能を拡張してみてください。

 UIのカスタマイズも楽しいものですよ。



 なるほど、コンフィグね。そういうことはもっと早くいって欲しいのだが。

 他の妻達はどうなっているのだろうか。リースに聞いてみよう。


「ねぇ、リース」

「ん?なーに?」

「えっとね、UIの機能拡張を試すってあるんだけど、何か知ってる?」

「うーん、大昔に試したことがあるような無いような。色々よ、何をいじりたいの?」

「何やらマップ表示の機能を拡張しろとかそういうクエストが出てたんだ」

「そっかそっか、ちょっと待っててね」


 そう答えてリースが、UI操作中特有の少し呆けた表情になる。

 意識上のマウスを動かして、コンフィグのボタンをクリックするんだよな。

 慣れないとわりとミスクリックしたり大変なんだ、コレが。


 少しして確認が終わったらしく、詳しいことを教えてくれた。


「UIのマップ表示が知りたいのよね。コンフィグのユーザーインターフェースっていう項目をクリックして、全体マップ表示と周辺マップ表示があるから好きな方を選んでね。それで好きな方をいじれるから」

「えーっと、よくわからない。今回はどっちのことなんだろう」

「うーん、たぶん全体マップ表示の方じゃないかしら。私が見ると不自然な空きがところどころあるのよ。ヒロが見たらもしかしたら違うのかしら」

「なるほど」


 どうやらそれが答えらしいな。


 リースの教えてくれた通りに、UIのコンフィグをいじってみる。ユーザーインターフェース設定の、全体マップ表示というタブをクリック。

 そうすると色々と項目が現れる。

 マップの白黒表示と色付き表示の切り替え。国道の表示の切り替え。運行中の船や馬車の表示の切り替えなどなど。なんだこれ、実は知っていたらかなり便利なんじゃないのか。いじってなかった俺がバカだったのか。


 そんな項目の中に、何やら条件付きの項目が並んでいた。


 一族全員の位置表示:解放条件一万人以上。

 神の道の達成状況表示、全ルート表示:解放条件十万人以上。


 なるほど。人数が条件で、俺だけが設定可能な項目なのか?コレ。

 さっそくその二つにチェックを入れ、適用のボタンをクリックして実行する。


 そうしてコンフィグが閉じられると、UI右上に左右並ぶマップのうち、左側の全体地図の方が変化していた。


 なんというか、世界中が光点だらけになっていた。これは確か一族全員の位置表示のはずだよな。

 小さな水色の光点がたくさん。大きなオレンジ色の星型やオレンジ色の大丸が全て東大陸のこの屋敷の位置に集中している。

 そして西大陸の中央部の方には黄色の星型マークが光っていた。これはおそらくマリーを示しているのだろう。


 それにしてもこれはなんというか。この世界全体に俺達の一族が広がりきっていることを明確に示していた。都市部だけではなく、外海付近の漁村にまで光点は伸びている。本当に世界中に、光点が広がっていた。


 ……この一族達が、もしも時間切れになったら絶滅するというのか?全員がか?

 今はまだ星歴九百六十年でありまだ早い段階だ。星歴千年になったらどうなっているんだ?


 俺のその疑問に答えるかのように、システムメッセージの、スメスさんの黄文字が流れる。


 Smes:一割でございます。

 >>Smes:なんだって?

 Smes:この世界の人口は現代日本に比べればまだまだ少ないものです。星歴千年頃の世界の人口は一千万人程度でしょう。そのうち神の使徒の血が混ざる関係者の人数は、星歴百年時点で百万人程度にまで達するという予測になっております。その一割にあたる人口が、星歴千年の四月一日になった瞬間全滅致します。

 >>Smes:そうか。責任重大だな。

 Smes:はい。言葉では表現しきれないほどの重い責任でございます。全て貴方様が蒔いた種ではありますが、お一人の責任ではございません。一族全ての者達の連帯責任です。この度のグランドクエストはヒロ様の血を引く方全員に発行されております。これまでよりも各地で協力者を得ることは容易になるでしょう。


 なるほどな。世界を巻き込むことで強引に世界中をひとまとめにしてしまうわけか。皆が協力しなければ貴方の隣人やその子供達が将来急死しますってか?本当に笑えない冗談だな……


 >>Smes:そうか、わかった。こちらとしてもベストを尽くすよ。

 Smes:はい。我々一同も皆応援しております。それでは本日はこれにて失礼致します。


 そういってスメスさんとの今回の通信が終わった。


 そしてそのタイミングで、キャラットちゃんが戻ってきた。


「ヒロお兄ちゃーん、皆に聞いてきたよー。どの子も皆ファンファーレが突然鳴ってグランドクエストが発生したみたい。大食堂がこぼした牛乳で酷いことになってたよ」

「うん、そうか」


 まぁ突然脳内に直接大音量で鳴り響いたからな。大勢のコピールナ達が一斉にこぼしたのかもしれん。


「えへへ、ちゃんと聞いてきたよ-。偉い?」

「うん、偉い。けれどその情報は既出だ。ごめんなキャラットちゃん」

「え?えええー?そんなー」


 せっかく聞いてきてくれたのにその情報は俺にとっては既出だった。

 新規の情報は大勢の娘達が食事をしている大食堂で牛乳が盛大にこぼれたという、それだけだった。


 キャラットちゃんはがっくりとうなだれたものの、すぐに気を取り直すと掃除の手伝いの為に大食堂に向かっていった。


 俺はマリーから聞いた話やスメスさんから聞き出した情報、UIのマップ機能を拡張した件を他の妻達に伝えた。そうやって話をまとめた後に自室へと戻った。ちなみに、俺がマリーと遠距離でも心の声で通信出来ることは、マリーが本格的に戦場に出るようになった頃に妻達全員に伝えていた。

 何時頃からそれが可能になったのかということはリース以外にはぼかしてある。まさか生まれた時からだったなどと言えるはずもない。マリーの身体に入れる件もリース以外には秘密のままだ。TS体験を楽しんでいたことがばれたら、せっかく長年築き上げてきた夫婦の信頼関係に致命的な致命傷を与えるかもしれないからな。


 リースはそのあたり、別に他の妻達にばれても問題無いって言っているけどね。女性の気持ちがわかる方が云々とかで。でもそこはなんというか、俺の男としてのプライドがだな。

 というか、マリーの身体に入ってる際にはリースがすぐにそれを嗅ぎつけてマリーの身体の方にセクハラしてくるんですよ。もしも妻達全員にばれようものなら、マリーの身体を利用して百合プレイとか提案されそうで困る。

 マリー自身は至ってノーマルだから、百合プレイに勝手に身体を使われるのは困るだろうしな。

 リースが黙ってくれているのは、俺がマリーの身体に入ってる最中にリースのコピー体の娘が抱きついてくるのを拒否らないからだ。とはいえ、リース以外の娘達も入っている間は本能で気付くみたいだけど。


 それはさておき、部屋に戻ると何故かルナが俺の部屋の方のお風呂を利用していたらしく、丁度お風呂からあがってきたところだった。せっかくなのでそのままルナをベッドに運んで夕食までの時間をたっぷりとにゃんにゃんして過ごした。

 俺もルナも大満足。オリジナルのルナはなんだかんだで妻達の中で一番エロい身体をしているからな。抱き心地は相変わらず素晴らしかった。


 三時のティータイムをすっぽかしてしまったが、既に昼食後にたっぷりとミルクティーを飲んでいたし、ティターニアが事前に連絡してくれたので許された。

 長時間のプレイ後に猫撫で声で甘えてくるルナと抱き合ってまったりとした時間を過ごしていたら、ティターニアから夕食後に夜どうするのかと尋ねられた。ついでに、それだけ精力が有り余ってるのにオリジナルのルナだけ抱くのは贔屓だからやめて欲しいと抗議された。


 そんなわけで夕食後は、多すぎない程度の人数のコピー体の娘達を抱くことにした。

 フリマさんのコピー体は人数が少ないものの、末娘の十四号二十三歳がまだ妊娠していなかったので仕事を休んで俺の部屋まで来てくれた。

 この娘は一応生まれてから二十三年余りなんだけども、やはり年齢が二十歳で止まっており母親よりも若々しいままだっていうね。お母さんが若さに嫉妬していた。


 そんなわけで昨日は妻達八人相手に、今日はコピー体の娘達一通り八人相手にお楽しみした。途中何度か確認してみたところ、母親達全員が娘の中に一度は入っていた。むしろ仕事で忙しいフリマさん以外は全員常時中身に入っていた。昨日のアレで皆久しぶりに情欲の炎が燃え盛ったのかもしれない。


 特にリースがやたら積極的だった件について翌日ティターニアに問い詰めたら、午後にずっとルナを抱いていたことをティターニアがリースにだけばらしていたことが原因だった。

 贔屓するなということか。リースはどちらかというと常日頃から相当贔屓されている方だと思うんだけどな。



 ---



 そんなわけで翌日。

 960/4/2 9:11


 朝のティータイムの席には、現在愛玩用に確保中のリース2AAAちゃん十三歳が来ていた。現在は俺の左のオリジナルリースの席に座っている。

 この子はひ孫より下の玄孫世代で、おそらくは子供を生める最大数は六人になってるかと思われる。コピー体の娘の血量を考える意味は無いとは思うが、一応計算上は約九十四パーセントだ。俺の血が濃すぎてほとんど父親と変わらない状態だとも言える。

 まだゲーム史上の限界は突破していない。というかアレは幼女相手に酷い事し過ぎだと思う。俺は十四歳以上にしか手を出していないからきっとセーフだ。


 俺が愛玩用に娘を確保するようになったのはリース二号や三号がきっかけだろうか。幼稚園の入園式にたまたま出向いた際、リース三号がちゃっかり父親の膝の上に乗ってくることに気付いて、なんだかんだで可愛いので愛でた。


 その後判明したこととして、父親にそうやって特別に愛でられたことを娘達がしっかりと覚えていることが判明した。昔はまだしも、今は娘達の人数が多すぎて全員を愛でることなどどうやったって不可能なわけだが。

 父親に特別に何かして貰ったことを娘達がバッチリと覚えていて、特別扱いされた子はどんどんお父さんにべったりのダメな子になることが判明し、不特定多数の娘を愛でるのはどうにもマズイということが家族会議で決定されたのだ。


 その結果正式に愛玩用と指定されている子だけが、呼ばれた時に俺の元までやってくるようになった。このリース2AAAちゃんも、三歳の幼稚園児の頃から特別に愛でているというそういう次第。


 本当はこの子も中学校に行くべきなのだが。でも愛玩用に確保されている娘はサボリが公認されている。小学校と中学校の範囲については家庭教師さんから好きなタイミングで学んで、高校以降の範囲はスキル共有頼りというそんな感じ。


 長年特別に愛でて育てたおかげで、この子は父親にべったりだ。ある程度までは大丈夫なのだが、キスしたり抱きしめたりすると一気に発情する。まだ十三歳だから抱けないけどな。例のストッパーは強力過ぎて未だに突破出来そうにない。突破する気も無いが。


 今日の朝のティータイム参加者は五名。俺と、俺の左のルナ2AAAちゃんと、俺の右に座るティターニア。俺の対面に座るルナ、ルナの隣、コピー体の対面のいつもはジゼルの座る席にいるオリジナルのリースといった感じ。

 そのリースが紅茶を飲みつつ話す。今日はレモンティーだ。


「ヒロは、本当にちっちゃい私が好きよね」

「うん、可愛い」

「けれど、私が中に入ると怒るんでしょう?」

「うん。リースは演技が下手だから不自然になり過ぎて萎えちゃう」

「うーん、複雑ね。確かに私ではあるんだけれど、娘に夫を取られているみたいでちょっと嫉妬しちゃうわ。実際は娘どころかひ孫より下なんだけど」

「うん。祖母の祖母にあたるからなリースは。それでも呼び方はお姉ちゃんだしな」

「当然よ。私は今だって若いんだから」

「うん、俺もね」


 不老長寿の加護は、肉体だけでなく魂の老いまで止めるという優れ物だ。肉体は二十歳。精神も二十歳。実年齢は俺は八十歳というか前世まで含めると九十歳以上だし、リースは七十八歳だ。

 それでも自覚症状としては二十歳のままで、相変わらず親としての自覚がなかなか身につかない。

 老いが止まるのは良いことなのだが、心の成長もしないという弊害があるのでなかなか難しいところだな。


 リースの方は昔は一生懸命育児に励んでいたし大勢の子供達に直接乳を与えて育てていたわけだが、それでも完全には母親になりきれなかったらしい。母親らしい行動を精一杯十六年ほど続けてもダメだったというのだから、相当とんでもない話である。むしろそれなのに良く長期間頑張ったと何度も褒めてやった。


 リースの隣に座るルナも話し掛けてくる。今更な話だがルナは普段机の上に胸を乗っけている。その方が楽だとのこと。


「今日からは日中も大分暇になるかと思いますが、どうされますか?アナタ」

「んー……そうだなぁ。これまで出来なかったことを少しずつやりたいけれども」

「そうですか。それでしたら私がお弁当を作りますから、昼間は娘達と一緒に出かけるようにしてみてはどうですか?」

「ふむ?」


 娘達と一緒に、か。まぁそれはそれでありかもしれないが。


 しかしティターニアはどうしよう。外出中は必ずくっついてくるはずだ。


「えーと。ティターニアもくっついてくるよね、それは」

「それでしたら大丈夫です。既に薬を盛りましたから」

「え?」


 ルナが突然不穏なことを言い出したので右に座るティターニアを見る。

 すると、レモンティーを飲み終えたティターニアが机に突っ伏して寝ていた。ゆさゆさ揺らしても一向に起きる気配が無い。どうやらルナに睡眠薬を盛られたらしい。


「一応、本人に事前に許可は取ってありますからね?本人の意志とは関係無く常にアナタにくっついていってしまうので、何かしら用事がある日には朝のティータイムで睡眠薬を盛る許可をティターニアさん自身に取っておきました」

「そうなのか。本人が了承したのか」

「ええ、そうですよ。今頃は娘の身体でどこかに遊びに出かけているのではないでしょうか。いつもアナタにくっついていましたから、気分転換も必要かと思いまして」

「なるほど」


 よくわからないがそういうことらしい。確かにティターニアは約六十年もの間ずっと俺と一緒で寝起きのタイミングまで俺と完全に一致していた。そういえば俺がマリーの身体の中に入る為に寝てる時はティターニアも一緒に寝ていたが……


 とそんなことを考えていたら、ルナから爆弾発言が飛び出した。


「アナタがマリーの身体に入って楽しんでいる間に、娘の身体を動かしているティターニアさんに会いましたからね」

「……は?」

「私にバレていないとでも思っていましたか?マリーの身体にアナタが入っている最中、マリーからも吸魂の瞳で魂が吸えるようになるのです。マリーの幼稚園の入園式の日、隣に座るあの子から魂を吸えてしまった時は本当にびっくりしました。あの子は私にはずっと秘密にしていますが、私の方は最初から気付いていたのですよ」


 入園式て、五十年以上前じゃないかそれ。その時点でバレてるとか。ありえん(笑)。


 つまりどういうことだ。例えば運動会で俺が代理で頑張っていたこともバレバレだったのか。なんてこった。


「そんなわけですから。ティターニアさんは娘さんの身体を動かしている最中は、アナタに常時くっつく必要は無いみたいです。今頃は普段出来ないことをしているのではないでしょうか。けれどきっと何かしらアナタの為に行動していますよ」

「んー、そうなのか」

「そうです。ですから今日からは昼間は自由に出かけてみてはいかがですか?一人は寂しいでしょうから娘と一緒に行くことをオススメします」

「うん、そうするよ」


 そんな感じで話がまとまった。

 とんでもない話を隣で聞いていたリース2AAAちゃんには、新しい服を買い与えることで口止めすることになった。


 その日からは昼間娘達と一緒に出かけることにしたわけだが、リース2AAAちゃんと同い年のコピールナもついてくるようになった。もちろん中身は常にオリジナルのルナだった。

 全然自重も隠す気も無いみたいだがルナは演技が上手いので、パーティーリスト上の表示はバレバレなのに上手に娘役を演じてみせていた。演技が上手すぎて本当に娘なのではないかと疑うぐらいに。

 一方リースはたまにしか娘の身体に入ってこないのに、入った瞬間ほぼ即バレしていた。


 マリー達は遠く離れた地で頑張っているというのに、俺の周辺は相変わらず平和なままだった。

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