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異世界で、一兆円とクエストと。家族計画、神の道  作者: レガ先
第五章 家族計画。無計画。
61/79

第六十話「家族計画」

 今更な話なのだが、生まれてくる子供の性別を操作する禁呪「愛の奇跡」は、元々は獣族の王族のみが用いるものである。

 発動の前提条件としてはまず正しい知識を持ち合わせていることが必要不可欠であり、そして夫婦間でどちらの性別の子供が欲しいかという合意が必要だ。


 ウサギ族や猫族の男子は出生率が非常に低い。ウサギ族は十パーセントで猫族は十五パーセント。ウサギ族や猫族の男女比に関する資料を見た際に、百対いくつではなく双方を合計して百になるように記述されていたことには、実は理由があった。


 愛の奇跡は子供の性別ごとの出生確率に固定値を加算するのではなく、倍率をかけるというスキルだったのだ。


 俺が最初に愛の奇跡を習得し用い始めた時点で、倍率は二倍程度になっていたらしい。倍率がいくつになるかは、パラメータの愛の数値により変動するようだ。行為の際に通常の五倍疲れるのは固定で変わらないみたい。


 人族の男性の出生確率は五十二パーセントだったので、人族相手なら二倍してやれば男の子の出生率が二倍で百パーセント以上になるわけだな。


 だからこそ、フリマさんには男の子だけ。アンジェラちゃんには女の子だけを生ませることが出来た。他の妻達にも、計画的にどちらかの性別か選んで生ませることが出来ていたわけだ。

 なかなかうまくいかず、狙っても男の子が生めなかったのはキャラットちゃんとルナだけである。


 現在は倍率は六倍にまで伸びている。なのでキャラットちゃん相手に男の子を六十パーセント。ルナ相手なら九十パーセントの確率で生ませることが出来る。

 もちろん女の子狙いならば軽く百パーセントになる。ルナ相手なら女の子確率が五百十パーセントだな。この世界では双子は基本的に生まれないらしい。だから計算上五百パーセントオーバーでもあまり意味はない。


 愛の奇跡を用いれば、ウサギ族と猫族以外なら比較的簡単に、完全に男女を生み分け出来てしまうわけだ。

 実はこれこそが、獣族の王族にのみ愛の奇跡が秘匿されている理由だった。


 他種族に用いると効果が有り過ぎてダメだってことだ。あくまで男の子が極端に生まれにくい獣族用であるとそういうわけ。確率に倍率をかけるという仕様上、どうしようもなかったわけだな。

 確かにそれは秘匿しないとマズイことになると、俺だって思う。


 出生率が低い猫族やウサギ族の男子は性欲がとても強いらしい。実際にどの程度ヤバイのか、俺は見たことないけどな。キャラットちゃんの子供とか全部男の娘だしな。

 たまにみかけるけども、二十歳のはずなのに十六歳以下にしか見えなかった。

 確かキャラットちゃんの最初の息子のラビくんは、前回報告受けた際には大学三年生から四年生への変わり目で、既に子供が二百三十四人いるはずだったのだが。でも見た目は美少年というか男の娘のままだった。やはり変態だ。関わらない方が良いだろう。


 ウサギ族の男性陣の好みの相手は、実はドワーフ族の女性であるらしい。見た目が男の娘だから、あまり怖くない小柄な幼女の方が相手にしやすいということなのだろうか。

 見た目男の娘で中身がエロな男の娘と、見た目が幼女だけど人族並にエロなドワーフお姉さんか。確かに相性は良いのかもな。


 ちなみにキャラットちゃんいわく、自慢の男の娘達のアソコは、父親の俺並のビッグマグナムらしい。別に俺の前世がでかかったわけじゃなく、この世界に来て神に与えられたこの肉体がビッグマグナムだったというだけなのだが……複雑だ。前世では日本人の平均程度だった。


 うん、薄々わかってたけどね。男の娘って何故か大きい設定とかあるよね。わかってたさそのぐらい。


 そんなわけで、キャラットちゃんの息子達は俺の代わりにドワーフ族の女性を抱いているということのようだ。俺には無理だからな。良い感じに役割分担が出来たのだと素直に喜んでおこう。


 決して前世のサイズにコンプレックスがあったわけじゃないからな。ちゃんと平均あったから!あったから!


 うん……


 虚しい。やめとこう。



 ---



 話を戻すというか変えるというか、家族計画について少し。


 リースとは最初に相談したが、生める最大数である五十人の子供のうち、リースが生むのは男の子を十人、女の子を四十人という予定になっている。

 この世界に来てから二十四年間のうちに、リース本人は男の子を七人、女の子を二十人生んでいる状態だな。


 女の子の数は、それがそのまま戦闘員の人数になる。妻一人ごとに百人以上が、将来部隊として編成される予定だ。多すぎたら多すぎたで、戦場に展開出来なくて困るんだけどね。

 戦場で前線に展開出来ない子は後方に控えて、交代要員になって貰う予定。

 皆HPは多いのだから、大体即死はせずにHPが徐々に削られていくはずだ。だからHPが半分程度削られた時点でささっと他の子に交代して、後ろに下がってHP回復するのである。

 戦闘中にHP回復するのは、あまりオススメは出来ない。下がって回復出来るのならばその方が効率は良いだろう。それにHPが減らずとも長時間戦っていれば疲労が貯まる。その為にも交代は必要だ。


 リースは男の子を十人と女の子を四十人になっているが、では他の妻達はどうなっているか?


 愛姫、ジゼル、ティターニア、アンジェラちゃんの四人に関しては、男の子を十人、女の子を四十人の予定になっている。

 ジゼルが盾役、リースと愛姫が槍と薙刀、ティターニアが強化魔法と回復魔法、アンジェラちゃんが強化魔法と妨害魔法だな。

 戦場のメインとなるので、層を厚くしている。


 アンジェラちゃんは以前ずっと女の子を生み続けていたのだが、女の子を二十人生んだ時点でようやく男の子を生む気になったらしい。何人続けて生むのかと思いきや、十人一気にとお願いされてしまった。なんとも大雑把な話だ。他の妻達は少しずつ分けて生んでいるというのに。


 他の妻達は、キャラットちゃんが男二十五人に女二十五人。ルナが男二十人に女三十人という予定になっている。

 フリマさんは特に勘定に入っていなかった。男の子だけで良さそうだったし。


 キャラットちゃんは格闘武器なわけだが、やはりリーチが短いので活躍の場面がやや少ない。メインの盾役はジゼルだし。

 なので、ジゼルのカバー出来ない範囲をカバーしたり、斬撃や刺突の効きにくい相手への対策としての格闘武器担当になっている。

 そんな役割だからそれほど多くの人数は必要無いだろうという判断で、女の子の人数を減らしたのだ。男の娘達に俺の代わりに頑張って貰う為に男の数を増やしたわけだな。


 一方ルナはどうかというと。


 ルナに男の子を二十人生んで貰うことにしたのは、これはルナ本人の希望だった。元々猫族は男性が生まれにくいので、男の子を多めに生みたかったらしい。生まれにくい男の子を十分な数生むことは、猫族の女性には共通の夢なのだそうだ。そういえばキャラットちゃんも、レアだから男の娘が良いと主張していた気がする。


 あとは一応その他の理由として、ルナの武器の予定は元々弓だった。弓は当然矢が必要である。そして矢は当然タダではない。撃てば撃つほど消耗するし、撃った矢を回収するというのはあまり現実的ではない。

 なので、ルナが弓役で人数が多すぎると、矢代がシャレにならないという予測がついていた。だから多少人数を減らしたのである。


 ある程度事情があるにせよルナを贔屓してしまったかもしれないな。特にリースや愛姫は、本当は男女半々ぐらいで欲しかったみたいだし。ルナだけ生まれにくい男の子を多めに生ませているのだから不公平になってしまっている。


 でもなぁ、リースと愛姫の娘は早期から抱き心地が良いからな。そういう娘の人数が多い方が俺が楽しめるんだよね。

 ジゼルやティターニアの娘は身体の成長が遅くて、育ちきれば母親並のぼいんちゃんになるんだけど、成長するまでは結構抱くことに抵抗がある。


 身体の良さという点では、アンジェラちゃんも良いんだけどね。さすがダークエルフといったところだ。元ネタの容姿を欠片も残さない完全なダークエルフの姫ちゃんだから、いい感じにエロエロだ。十四歳の時点で十分に育っていて、その後も順調に育っていくからな。


 キャラットちゃんは……まぁなんというか、最初はジゼルやティターニア達の十四歳よりもやや育っているんだけどその後が全然伸びないんだよね。あとウサギ族の娘はややヒステリー気味というかなんというか。ちょっと疲れる。母キャラットちゃんの性格がかなりマシな方だというのは事実だった。


 ルナの娘は母親のようなワガママボディには育たないんだけど、キャラットちゃんよりは良い感じの胸とおしりになる。背も低いし他の妻達のプロポーションが良すぎて負けるものの、身長なりには十分に育ったナイスバディに育つ。

 それより何より、母親譲りでエロくて甘えたがりなところが良い。ルナやマリーと違って内向的で照れやさんだったりもするのだが、ルナやマリーも本質はこうなのかなー、などと考えてしまう。


 と、ここらへんの惚気話はそろそろ横に置いておいてだな。


 そう、フリマさんの娘がいない。男の子しか生んでいないから。


 元々男の子だけを生むという話だったし、戦力としても勘定に入れていない。一通り必要な武器は揃っているからね。足りないものは両手斧とメイス系なんだけど、打撃面はジゼルの盾とキャラットちゃんの格闘で代用するし、両手斧を斬撃として期待するのならば愛姫の薙刀で十分だと思う。


 よって、必要ないと考えていたのだが……



 ---



 926/6/10 23:03


 その晩、愛姫六号十九歳やリース七号十八歳の相手を終えた俺のところに、永遠の二十四歳のフリマさんがやってきた。最初に結婚した時点で二十四歳だったものだから、二十歳で年齢が止まるうちの一族の中では頭ひとつ抜けている。

 ちなみに次点はアンジェラちゃん二十一歳である。


 フリマさんは半月ほど前に三十人目の男の子を生んで、産後の経過を良くする薬の効果もあり今日からまた次の子を仕込むことになっていた。

 まぁそれが俺の仕事だしな。既に数え切れない数の子供を八種類の妻達に孕ませてきているが、不思議なことに飽きることがない。さすがは三大欲求の一つだと改めて感じる次第。


 フリマさんはいつも通りのトルッコ風王族衣装だった。完全に仕事着であり色気はさほど無い。いつも忙しそうに働いているからな。それでも見る人が見れば、十分に美人さんだし欲情出来ると思う。


 俺もあらかじめ身だしなみを整えておいた。ティターニアが世話してくれた。いつも通りというかなんというか、今日も一部始終を今も近くのベッドから観察している。


「夜分遅くすみません、ヒロ様。最近はどうしても忙しくて」

「いえいえ。こちらこそそちらにばかり仕事を押しつけているようですみません。いつも助かっていますよ」


 うん、実はそんな感じ。

 最近は一気に街を開発したりと事業が拡大しすぎているせいで、前から側近をたくさん育成していたのに仕事が追いついていないのだそうだ。

 フリマさんも毎日夜遅くまで頑張っているみたい。だから今日訪ねてくるのも遅かった。


 見る限りでは、やはり疲れているように見える。そりゃそうだよな。ちょっと目元に隈が出来てるようにも見えるな。うーん、ズタボロ?


「大丈夫ですか?フリマさん。癒しておきましょうか」

「ええ、お願いします。それと、いつものをお願い出来ますでしょうか」

「はいはい」


 俺はそう答えて部屋の隅の方にある冷蔵庫の方に向かおうとしたのだが。いつの間にか先に動いていたティターニアが、いつもの、を渡してくれた。


 何かというと、アンジェラちゃんが愛用しているダークエルフの国特製の栄養ドリンクである。昔はアンジェラちゃんの父親のマークがラベルに印刷されていたが、今はアンジェラちゃんのお兄さんが後を継いだので現王である兄のマークになっている。


 それを受け取ってフリマさんがちゅーちゅーとストローで飲む。何故か俺にも渡されたので飲んでおく。一応常備してあるんだけども、ティターニアはあまり好きでは無いそうだ。ティターニアは大人になってからは、果実酒とかそのあたりを好んでいる。二十歳までは律儀に飲酒せずに守っていた。この世界では十五歳から一応飲酒OKらしいんだけど、一部では二十歳からが良いという意見もあるらしい。


 ドリンクを飲んだ後に、フリマさんと二人でお風呂に入ることにした。


 ゆったりとした湯船に二人で入る。後ろから抱きかかえる形で。湯船に入る前の時点で、フリマさんは化粧を落としていた。元々薄化粧だからそれほどでもないんだけどね。


 うちの妻達の生活チートとして、肌荒れはあまり起きなくなっているらしい。手入れを怠ってもしっかり良い感じをキープ。化粧によるダメージも発生しないようになっているのだそうだ。

 女性からしたらかなり羨ましい話なのではなかろうか。それでも一応習慣として、化粧はするし入浴時には落とすみたいだが。


 湯船の中で後ろから抱きかかえながら、フリマさんの身体のあちこちに手を回して少しずつ魔法をかける。普段から使っている、恋人限定で色々癒す魔法「愛の治癒」をかけていく。

 この魔法はどうにも相当便利なようで、体力を癒したり愛情を流して心まで癒すだけでなく、疲労や肩こりにまで効くらしい。

 愛さえあればなんでも癒せるというのか。どんだけだ。インチキ過ぎるだろう。

 しかもMPをどれだけ消費しても、恋人同士でくっついていればどんどん回復するしな。


 後ろから目隠しをするように両手をフリマさんの目元に当てて愛の治癒を使う。もちろん目の隈の治療用。そうやって、愛の力かMPか区別しづらいがとにかく流して彼女の全身を癒す。癒していくに従って、フリマさんは上機嫌になった。


「この魔法、本当に便利ですね。私の方からかけ直せなくてすみません。ありがとうございました、ヒロ様」

「いえいえ、どういたしまして」


 うん、実はそうである。この世界においてMPを持っている人はかなり少ない。魔法スキルを伸ばす機会がほぼ無いからだ。元々用途も限られているしな。

 魔法スキルを主に伸ばすのはエルフ族で、基本的には禁欲生活を送る必要があるらしい。

 アンジェラちゃんはそのあたり無視して、エルフの姫ちゃんとエッチすることで魔法スキルを上昇させる薬を開発していたけどな。

 あの薬は今でも愛用している。ルナ相手にも使っていたところ、ルナも少しは魔法スキルが上昇した。ルナは魔法スキルが欲しいんじゃなくてギンギンなブルトガングで激しく責めて欲しいという本人の要望で使っていただけなんだけども。


 魔法が使えるのは、俺とリースとティターニアとアンジェラちゃんと、ついでにルナだけだ。ルナは月の姫君という中秋の名月に生まれた娘なわけだけども、どうやら不思議な満月パワーである程度魔法の素養があるそうです。

 もっともその普段の用途は体型の維持なんだけどね。魔力で必死に大きすぎる胸を支えているというそんな話。


 ルナは自分のMPを使うのがイヤみたいで、食後などにちょくちょく甘えてくる。まぁなんというか、胸が大きすぎて肩がこるのだそうだ。だから肩こりをほぐすために愛の治癒をかけてあげる。その後に搾乳タイムだな。


 ……まぁそこらへんは横に置いておこう。今はフリマさんの相手だ。


 湯船の中で魔法をかけて癒した後に、湯船から出て互いに身体を洗った。昔から続けているので上手に洗える。ちなみに浴室の椅子はスケベイスだったりするのだが、単純に使いやすいから便利だと思います。


 浴室から出て身体を拭いてベッドインの流れになるのだが、行為の前にフリマさんが言う。


「あの、ヒロ様。お願いがあるのですが」

「おや?なんでしょう」

「今回からは男の子ではなく、女の子をお願いしてもよろしいでしょうか?」

「え?」


 正直かなり驚いた。でも表情は真剣そのものだ。なので行為の前に抱き合いながらゆっくりと話を聞くことにした。


 なんでも話によると、仕事が本当に忙しすぎてどうにもならないらしい。収束する、あるいは終息する見込みがあるのならまだしも、どうにもこの流れは今後も続きそうなので、長期的な対策を現在考えているのだそうだ。


 もちろんこの流れに対して、必死に部下や側近を育てはしたし、息子達にも手伝って貰おうとかなりビシバシと教育したらしい。

 しかしまぁなんというか、フリマさんの息子達、皆中東風イケメンさんで本当にかっこいいんだけどね。女性の扱いや曲刀二刀流による華麗な剣術が冴える一方で、政治だとかそういった業務は人並なんだってさ。

 決して悪くは無いのだけれど良いというわけでも無いのだとか。

 それに彼らは、自分のハーレムの奥さんの相手や、たくさんの子供達の相手で忙しい。


 それに、一生懸命役に立つ側近を鍛え上げても、彼らも歳を取るのでいつかは引退せざるを得ないのだそうだ。

 十年乗りきれる側近を育てるのに五年や十年もかけるのはなかなか厳しいとの話。


 結局フリマさんが出した結論が、娘を生んでそのコピー体の娘達にみっちりと仕事を教え込み、この世界の各国に派遣するということだった。手元に置く子を一人、各国に派遣する子をこの世界にある国の数の十二人。合計で十三人女の子が欲しいそうです。


「そういうわけですから、その子達には仕事に集中して貰いたいのです」

「ふむ」

「ですから、なるべく禁欲的に過ごして頂こうかと」

「うん、わかった」


 つまり、十四歳に育っても抱くなということですね。いやまぁいいんですけど。


 これまでに何人も娘を抱いてきた結果としてわかったことなのだが。どうにも一回抱いてめちゃくちゃにしてやった時点で、完全に性の虜になってしまうらしい。

 一度抱いた次の日から、父親の俺を見る瞳がメラメラと燃えるんです。だからまぁなんというか、一度手を出したら他の国に派遣するのは難しくなるだろうなぁ……


 俺が微妙な表情をしていることに気付いたのか、フリマさんはこう続ける。


「十三人目の娘は手元に残しますから、十三人目だけは手を出していただいて構いません」

「おぉ」

「ではよろしくお願いしますね、ヒロ様」


 そう言ってフリマさんが少し顔を赤らめた。つまりもう開始して良いよってことみたいだ。それでも一応最終確認だけはしておく。これを怠るとたまにスキルの発動に失敗するんだよね。


「愛の奇跡の発動の為に、改めて最終確認。女の子を作りましょう、フリマさん」

「はい、女の子を授けてください、ヒロ様」


 そんなわけで、その晩からフリマさんに女の子を仕込む為に頑張った。


 もちろん成功率は百パーセントなので、半月ほど経つ頃には妊娠を示すハートマークと性別を示す♀マークが点灯した。



 ---



 禁呪「愛の奇跡」は、別に父親の俺だけの専売特許というわけでも無い。

 正しい知識を持ち合わせたうえで実行したら誰でも使える。ただし通常の五倍疲れることには変わりない。


 俺と一世代目の直接の息子達とでは、スキル共有が行われている。なので絶倫具合に関してはバッチリ共有されているようだ。その一方で、ステータスは共有されていないらしい。愛がアップ!はどうやらステータスの分類らしく、共有されないみたいだ。


 息子のブロントのハーレムはマリーを除くと三十六人いて、この世界の四大陸十二種族を三人ずつ網羅している。つまり、見た目幼女にしか見えないドワーフ族のお嫁さんも九人混ざってるってことなんだけどな。身長差が犯罪だと思う。ブロントの背が百八十五センチだろ。ドワーフ族の成人女性の身長はせいぜい一メートル前後なんだよね。身長差が二倍じゃん二倍。


 見た目幼女を抱けないという謎ストッパーは人族固有みたいだしな。エルフ族のブロントはドワーフ族相手でも普通に抱けてしまうらしい。俺には理解出来ないが、ブロントは幼稚園の頃からずっと彼女達の成長を見ていたおかげで、同学年で同い年だとしっかりと認識出来ているのだそうだ。

 なるほどなー。付き合いの長さによる勝利なのか。見た目は完全に犯罪だが。


 いやむしろそれよりも、犬族の獣度高すぎる女性も三名ほど混ざっているのだが。よく抱けるよな。それもまた付き合いの長さで乗り越えられるものなのか?尊敬に値するかもしれん……


 まぁそこらへんはさておき、息子達にも愛の奇跡の技術を伝えてはいるものの、乱用は禁止している。ウサギ族と猫族を抱く場合と、あとはお嫁さんの生む子供の性別が極端に偏った場合に是正する際にだけ用いるように制限した。

 大体男女半々になるように、とお願いしてある。


 大学を卒業した息子達は、新規に建造された街を区画単位で占拠して居住している。そうしないと人口密度がおかしくなるのだ。一区画が十二戸で、それぞれに同種族のお嫁さんが三人ずつ住んでいる。一年につき子供が一人増えるとして今何人だったかな。お嫁さん一人につき十人以上いるのではなかったかな。もうすぐ打ち止めかもな。


 打ち止めか。この件については説明したことがあっただろうか。

 息子のハーレムで囲い込んだ妻達はその年齢が止まらない。老いることは止まらず、息子達の身体が二十歳のままでもその妻や俺にとっての孫、孫娘達の年齢は一切止まらない。

 だから、子供を十五人も生む頃には、お嫁さんは三十歳に達してしまうのだ。


 人族は三十五歳以上での出産は先天異常リスクが跳ね上がるので、子供を生むのは三十歳までで止めておいた方が良い。他種族ならまだまだ安全に子供を成せるのだが、既に十分な数の子供は生んでいるだろうし不公平感が強くなるのであまり推奨はしていない。


 そんな事情から、各お嫁さん達は三十歳までは子供を生み、その後五十歳までを育児をして過ごした後に、独り立ちする子供達と一緒に実家に帰ることになっている。

 そもそも母親が五十歳になる時点で、最初の頃生んだ子供は三十四歳程度になってるけどな。なのでわりと時間に余裕はあると思う。



 ---



 935/8/12 13:42


 その日、ブロントの家族の住んでいる一角を訪ねた。末の子供が三歳ぐらいで長男長女が十七歳ぐらいかな?人口密度は酷いことになっている。一区画占拠しているにせよ、五百七十六人住んでいるからな。

 一戸あたり三家族四十八人住んでいるし。


 今日俺と一緒についてきたのは、リース2Aちゃん十八歳とティターニアの二人。リース2Aちゃんはなんというか、母親のリース二号と同様にお父さん大好きな娘だった。既に俺の子供も四人生んでいる。やってしまった。次世代の子供は血量八十七点五パーセントだな。

 生まれた子供の名前は、リース2AAからリース2ADになっていた。


 訪ねてきた俺をマリーが出迎えてくれる。他の小さい子のお世話を手伝っていた様子だった。


「おとーさん、いらっしゃい。小さい子もいっぱいだから、寛げないかもしれないけれど、ごめんね」

「いやいや、大丈夫。元から覚悟してたから」

「うん。えーとどこがいいかな?広場か屋内か」

「屋内にしとくかなぁ」


 ブロントの家族が住む区画は、広場を囲むように曲線を描く建物が四棟、一棟三戸で東西南北を囲んでいる。建物に囲まれるように円形の広場があって、そこで近縁の家族が交流出来るようになっているわけだな。

 とはいっても、兄弟姉妹が異母分まで含めて五百四十人いる状態は相当壮絶だと思うが。


 マリーは猫族の家族が住んでいる南棟の左、東の方の家に案内してくれた。このあたりは、この世界の大陸の配置に合わせているらしい。つまりお隣さんは犬族がいっぱいなんだな。獣率が高そうだ。


 家に入ると、ブロントのマリー以外の猫族のお嫁さん三人が軽く挨拶してくれた。皆カラフルな髪の色をしている。黒髪の子はいない様子。

 元々黒髪はレアらしいからな。それに黒髪だったらそれはそれで、吸魔の瞳でMPをちゅうちゅう吸われてしまうからな。


 リビングの椅子に座ると、マリーが飲み物を淹れてくれる。他の奥さんもそれぞれ動いている。一人がお茶の手伝いで二人が子供達を誘導している。子供達はどうやら訪問者三人に興味津々らしい。というかおじいちゃんだからね俺。見た目二十歳だけどおじいちゃんだし。仮に歳を取っていたら、今頃五十六歳になっていると思う。


 マリーはなんだかんだで普通のミルクティーを用意してくれた。普段はホットミルクか、ルナも作っていたアレを飲むらしいんだけどね。俺は紅茶味の牛乳だと思っていたのだが、どうにもロイヤルミルクティーと呼ばれる代物だったらしい。

 なんだろう。謎の敗北感がする。


 紅茶を飲みながらマリーと話をする。


「ここを訪れるのも随分と久しぶりだな。三度目ぐらいだったか?一度目は転居後すぐぐらいで、二度目は五年ほど前だったか」


 ブロントの家族がこのあたりに住み始めたのは、高校卒業後からである。高校までは学生寮に住んでいた。大学に入ってからは出来たての新居だったこちらに移り住んでそこから通い始めたわけだ。今から十五年ほど前の話になるだろうか。


 十一年前に大学を卒業した後は、どのお嫁さんも育児に専念していた感じかな。何しろ子供の数が多すぎるし、こちらにまでメイドさんを回す余裕なんてないのよ。メイドさんがいないのだから育児で手一杯なわけだ。


 息子達より下の子供達は、ハーレム学園とは別の幼稚園、小学校、中学校、高校に通っている。大学もあるにはあるが、全員は通わないだろうな。

 学生寮無しの学校ばかりなので、皆家から通いだった。


 それらの学校には、俺の子孫とは無関係な人々の子供達も通っている。俺の子孫達の住む区画とは別の、南の方の一般人用に作った街の住人さんだな。

 そちらの子供達とまざって教育を行っているわけだ。わりとマンモス校気味。

 そちらの運営にも教会から多額の援助金が出ていて、学費は格安になっているみたいだ。


 マリーは俺の対面に座っていた。やや不満そうである。本当は俺の左右どちらかに座りたいだろうに、リース2Aちゃんとティターニアに場所を取られているからな。


「おとーさん、五年前に来た時にはまだリース2Aちゃんに手を出していなかったのにねー。あの頃は仲の良い親娘って感じだったのに、あっという間に恋人同士みたいになっちゃってるじゃない」

「まぁそれはなんというか」

「えへへへ、おとーさまっ」


 隣に座っていたリース2Aちゃんが俺に抱きついてくる。小さな頃から愛玩用に手元に置いていたら、わりと普段からベタベタくっついてくる娘に育ってしまった。

 これはこれで可愛い。しかしたまに、この子にとって祖母にあたるオリジナルのリースと母親のリース二号が凄い顔で睨んでくることがある。

 うん、なんというか二人ともごめん。


 ブロントの他の猫族の奥さんが用意してくれたお茶菓子も頂くことにする。俺の右に座るティターニアはいつもと変わらずのんびりと無言で控えながらお茶とクッキーを楽しんでいる。

 俺が喋らない時にはティターニアが代わりに喋ったり行動するんだけどね。何かしらそういうオンオフが分かれているらしい。普段は空気に徹しているのだ。


 少し遠くを見ると、たくさんの小さな子供達が猫の奥さんに「お客さんが来てるから静かにしてね」だとか「クッキーなら余っているのを分けてあげるから」だとか言われている様子が見える。とはいえ何人かは防壁を突破してこっちに流れ込んできているが。五歳から十歳ぐらいの猫娘達が何人か、マリーの横に座ってくる。奥さんの一人がその子達にもミルクティーを用意していた。


 そんな猫娘達の一人が俺にも挨拶してくる。


「おじいちゃん、いらっしゃい」

「うん、お邪魔しているよ」

「うんー。ねぇねぇ、おじいちゃん。いつも良い子にしてるからー、お小遣いちょーだい?」

「あー、うん。お母さん達次第ね。あまり強引だと悪い子扱いされちゃうよ?」

「はーい」


 どの子も可愛いんだけど、コピー体の娘達とは違ってお父さん大好きオーラみたいなものは感じないな。まぁあまり祖父に懐かれても困るが。懐かれる相手は既に足りているからな。


 それにしても、お小遣いか。ブロント達にはそこそこの生活費の援助は出ているらしい。教会からの生活費援助と、うちからの生活費援助とそれぞれ出ているみたいだ。


 ちなみに父親のブロントは今どうしているのかというと、パパリの首都まで毎日日帰りで指導に行く期間と、単身赴任して魔物の巣の入り口近辺で魔物狩りしている期間とに分かれているみたいだ。今は魔物狩り期間中。


 まぁ単身赴任とはいってもそう遠くないんだけどな。一日ずっと馬車に乗れば帰れなくもないし。半月に三日程度は帰ってくるみたいだ。もちろん今は留守である。十四日に帰ってくるらしいけどな。


 ともかくあまりお金の余裕が無いので、多すぎる子供達に十分なお小遣いを与える余裕はブロントとその奥さん達には無いのである。だからおじいちゃんにおねだりにきているわけだ。


 しかしだね。


「なぁマリー。この家って何人子供がいるんだっけ」

「んっとね。三歳から十七歳まで三人ずつ、四十五人かな。猫族だけでそれぐらい。他の家の子まで入れたら十二倍になっちゃうよおとーさん」

「うん……年齢かける千円のお小遣いを配るといくらになるんだ」

「百五十かける千の三倍で、四十五万円かなぁ」

「やっぱそれぐらいになっちゃうよな、うん」


 年齢かける千円のお小遣いって、祖父にねだるにしては控えめな方だと思うんだ。それなのにこの金額に膨れあがるという。

 子沢山というのは本当に恐ろしいなぁ。


 猫の奥さん三人を呼んで、この家の全員分のお小遣いとして百万円渡しておいた。中学生や高校生には多めに渡さないといけないだろうし。それに母親である奥さん達の分も必要だろう。そのあたりを考慮して、百万円。


「ミンナニハナイショダヨ?」

「はい。義父様おとうさま、ありがとうございます」

「どういたしまして」


 お小遣い支給確定で、マリーの横に座っていた孫の猫娘達も大喜び。


「おじいちゃん、ありがとー!」

「ありがとー!」

「わぁい」

「ミンナニハナイショダヨ?」

「うんー、任せて-!」


 本当に任せて大丈夫なのかなぁ。さすがに十二戸全部回って百万円ずつ配るのは勘弁して欲しいぞ。


 マリーは少し呆れた様子だった。


「おとーさんって、本当に猫族の女の子が大好きなんだね。その割にはルナママの妹二人は買わなかったんだよねぇ」

「うん、その件は今でもちょっと心残りだったりする」

「そうなの?」

「うん、そうなの。ルナには内緒だぞ?マリー」

「うんー、大丈夫-」


 何が大丈夫なのかわからないが、大丈夫らしい。


 マリーは今でもお小遣いをルナから別枠で支給されているみたいだ。現在は本来ならば三十四歳になっているので、毎月三十四万円支給されているとのこと。そのお金で色々活動したり、手の回る範囲の子供達に服を買ってあげたりしているんだってさ。


 その後も猫族達の住んでいる家でしばらく寛いで、三時のおやつの時間を過ぎた後に屋敷に帰った。


 屋敷に帰る馬車の中で、左右に座るリース2Aちゃんとティターニアがそれぞれ甘えてきた。なんだなんだ。


「おとーさまー。私もお小遣い欲しいですー」

「お兄様。私にもお願いします」

「……リースだけな。ティターニアは元々お小遣いが出ているだろうに」

「気付かれてしまいましたか」


 リース2Aはコピー体の娘だからお小遣いはあまり貰っていなかった。ティターニアはオリジナルの妻本人なので、今は子供達に配るお小遣い込みで毎月百万円貰っていた。


 リース2Aにはお小遣いを十万円渡した他、後日パパリの街でデートをして新しい服を買ってあげた。とても喜んでいた。


 それが後に他のリースにもばれて、皆にお小遣いを渡して服を買う羽目になった。

 犯人はティターニアだった。オリジナルリースとリース二号が勘付いてティターニアを問い詰めて、ティターニアがバラしてしまったらしい。

 ティターニアはいつも俺と一緒にいるから大体の事情を知っているし、知っていることを他の皆には秘匿するのだが、姉貴分のリースから問い詰められると全部話してしまうんだよな。


 バレた後俺が問い詰められた際のセリフがコレ。


「ちょっとヒロ!孫娘を贔屓するとかどういうことよ!もうちょっとオリジナルの私を重んじなさいよ!」

「お父様。娘よりも母の私のことをもう少し愛して欲しいのですが」

「お母さんもお姉ちゃんも、嫉妬しすぎー」


 リース2Aちゃんは、母にあたるリース二号をお母さんと呼び、祖母にあたるオリジナルリースをお祖母ちゃんではなくお姉ちゃんと呼んでいる。そのあたりは何か恐ろしい圧力が働いているらしい。つっこんだら負けだと思っている。

 ルナの方は確か、普通におばあちゃんと孫娘に呼ばせていたはずなのだが。


 それはともかく、贔屓しちゃいけないってことですね。全員リースなのにね。こんなの絶対おかしいよ。


 そんな感じで、めまぐるしく日々は過ぎていく。


 ちなみに愛玩用ミニリースの席には、リース2AAちゃんが新規に就任した。

さらっととんでもない年数が経過しています。そしてやることはしっかりやってるという。


家族計画ってレベルじゃないぞコレ。

むしろ家族無計画ではないのかと言われそうだ。

子供作りすぎ。

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