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異世界で、一兆円とクエストと。家族計画、神の道  作者: レガ先
第五章 家族計画。無計画。
54/79

第五十三話「引っ越し」

モラルハザードは保険業界で使われるビジネス用語らしいです。

倫理や道徳の崩壊を示す場合に良い表現ってなんでしょうね。とりあえずブレイクとしておきますが。

ちなみに倫理の崩壊の意味としてモラルハザードと表現するのは日本のみの誤用であり、英語では使われないそうです。

 917/8/28 19:42


 ルナから皆に話があるそうで。その日の夕食には妻達が皆集合させられていた。他にはマリーやブロントやフェンリル公もいたが、話の関係上やや隅に寄せられていた。


 妻達は皆それぞれ別の家に別居しているので、このように一堂に会するのは年中行事の席以外では初めてかもしれない。つまり相当大事な発表なんだなということぐらいはわかった。夕食を食べ終わった後に話すということで、まずは皆でルナの作った夕食をおいしく頂いた。その日の夕食はユーロ国風、つまりは洋風の料理だった。


 夕食後、食器が片付けられた後ルナから発表がある。ルナの黒い猫耳がピンと立ってるからまぁ何か良い話なんだろうけども。しっぽもご機嫌に揺れている模様。


「明日の朝、この屋敷の中央の建物に皆でお引っ越ししますよ。お嫁さんだけです、子供達は置いていきます。無理強いはしませんが、皆さん、そろそろ子育てにも疲れた頃ではないですか?」


 中央の建物に関することだとはあらかじめ予想していたのだが。


 しかしさすがにちょっと驚いたかもしれない。子供達を置いていくって、俺が間断なく妻達を孕ませ続けている関係でどの家にも零歳児や一歳児、二歳児が普通に存在しているのだが。メイドさんが各家二名ついてるとはいえ、突然完全に育児放棄するというのはさすがに想定外だった。


 俺がそこらへんの疑問を浮かべていたら、俺の左に座っていたリースが即座にそこのところを指摘した。リースは最近は一生懸命自宅で育児していた関係で、ルナの家での食事には最近全く参加していなかった。なので普段は俺の左にはティターニアが座っていたのだが、今日はティターニアには左を譲らずにリースが座っている。

 まぁなんというか俺にとっては相変わらず彼女が一番なんだけども、育児が忙しすぎて全然一緒に過ごせないんだよな。だからたまたまこういう場面がある時にはしっかりと左をキープしてきているという状態。


 まぁリースが俺の左にいる理由はさておき、台詞の内容はこうだ。さすがのリースも少し焦っている様子。


「ちょ、ちょっとルナ。貴方、私達に育児放棄しろってことなの?例えば私はこの間二十人目の赤ちゃん生んだばかりだし、メイドさん二名じゃ既に手が足りていないわよ?」


 この家を購入した際に雇い入れた従業員さんは二十五名、そのうちメイドさんは二十名だった。各家に二名ずつついているのだが、最近は人手が足りていない気がする。


 例えばリースの子供は今二十人だが、その分布は高校生が二人中学生が三人、小学生が七人小学生未満が八人である。中学生以上の男の子は学生寮に住ませていて、中学生以上の女の子は実家で多少は家の手伝いもするのだが、学校に通っている時間が長いのであまり戦力にはならない。

 妻一人とメイドさん二人に小学校以下の子供達八人の世話の負担がかかる状態で、かなり大変だということがよくわかる。小学生だって世話が不要なわけではないし。


 ただしこの小さな子供の数で言えば、随分前からこの状態だ。四年前には小学生までしかいなかったわけだしな。そしてこの状態がいつまで続くかというと、この世界で一人の女性が生める子供の最大数が五十人なので残り三十人、軽く二十五年程度は続く計算になってしまう。


 俺がリースを購入して強引に結婚した時、彼女は十八歳であった。彼女は夏の終わりに俺の子を、ブロントを妊娠したわけだが、それから十七年間ずっとお母さんをしている。まだ今年は誕生日が来ていないものの、十八歳から三十四歳までずっとお母さんを続けているようなものだ。

 肉体と魂が二十歳に保たれているとはいえ、人生の半分近くを既に育児に追われているような状態になってしまっている。このまま続くならば、本来の年齢で六十歳になるまで生み続けることになる見込み。そしてその後も育児に追われることになる。


 その関係で俺と過ごせる時間も短くなってしまっているし、昨日は寝ているところまで押しかけて来ていたわけだが。だから、どこかのタイミングで切り上げなければキツイというのは事実ではある。さすがにこれは拷問だろう。


 なのでリースの言葉に対するルナの返事はこんなものだった。


「育児の手が足りていないという主張はわかります。ですから従業員の大増員の手配は既に済んでいます。私達はまだまだこれからも子供を生み続けなければなりませんし、まだ折り返しですらないでしょう?これまでに生きてきた以上の時間を、ずっと育児を続けていたいというのならば私は止めません。けれどそれでは、夫と過ごす時間も満足に取れないでしょうに」


 正に俺が考えていたことそのままの内容をルナは語った。本当にその通りの状態で、妻達と過ごす時間が夜の営みの時間ぐらいになってしまっている。

 俺の身体が絶倫な関係でどの妻も行為の最中は大喜びしてくれるのだが、二、三週間も抱けば大体皆妊娠してしまうのでまぁなんというか、子育ての苦労と報酬が釣り合っていない感じはする。報酬と言えるのかどうかは謎だが。


 ルナの言葉を受けて、妻達は皆悩み出した。ただしフリマさんとアンジェラちゃんはどこ吹く風といった様子である。フリマさんは最初から子供の世話を部下に任せて本人はバリバリ働いているし、アンジェラちゃんも実は子供の世話は人に任せて本人は魔法の研究に励んでいた。


 他の妻達はどうかというと、リースと愛姫はとても子供の世話に熱心で、リースは甘やかしママだったし愛姫はわりと厳しいお母さんをしていた。ティターニアは俺と過ごすことを最優先するので育児放棄が多い。キャラットちゃんは育児はするもののどちらかというと子供にちょっかいをかけるというか息子の男の娘達に性的スキンシップを楽しみがちだった。


 ジゼルは比較的一生懸命子育てをしているものの、最近はミニジゼル達と突剣勝負を楽しんでいる比重が大きい。ルナも結構一生懸命育児をしているし何より毎日毎食御飯を作ってくれるものの、家の管理を一手に引き受けている関係でどうしても手が回ってないという部分はあった。


 そんなわけで、既に我が家の育児は一部破綻気味だった。一番マジメに取り組んでいるリースと愛姫にしても、最近は少しストレスが貯まっていそうな気配はある。そろそろ俺に抱かれる順番が回ってくるのでややそわそわしてる感もある。見た目美人で中身豆腐メンタルなエロっ子の愛姫がもじもじしてるのは結構萌える。


 ルナはそんな皆の様子をしばらく見渡してから宣言する。耳は相変わらず元気に立っているし、しっぽもご機嫌そうだ。


「ともかくそんなわけですから皆さん、明日の朝引っ越しですよ。特に引っ越しの荷物等運ぶ必要も無いですし、何かあるにしても共有インベントリにしまえば大丈夫でしょう。必ずしも明日の朝すぐに来る必要は無いですし、引っ越しのタイミングは各自の自由です。新しい従業員さん達との顔合わせもありますから、引っ越ししないにせよ出来れば朝集合してくださいね。八時半から集合で九時に出発ですからね」


 うん、どうにもこれは既定事項っぽいね。ところで俺は知らなかったんだけど、既定事項という単語はわりと最近生み出された物だったらしいな。既に決定済で変更不可能って意味なんだが、某小説が広めた新語だったっぽいよ。



 ---



 妻達は随分悩んでいたものの、なんだかんだで受け入れたっぽい。最初からあまり悩んでいなかったフリマさんやアンジェラちゃんから先に各自の家へと帰っていき、俺が帰るよりも先にマリーとブロントが一緒にフェンリル公の家へ帰っていった。

 マリーは帰り際にちらりとこちらを見て、帰りながら心の声で語りかけてきた。


『おとーさん、おとーさん』


 マリーが俺に最初話し掛ける時はいつもこんな風に切り出してくる。目の前にいないのだからまず声かけから入るわけだ。なので俺はいつもこう返事をする。


『うん、なんだい?マリー』

『おとーさん、中央の建物に引っ越しちゃうの?うーん、寂しいなぁ。ルナママがね、これからはフェンリルおじいちゃんの家で毎日の食事を食べなさいって言ってたの。だからおとーさんと一緒に食事を食べられなくなっちゃうの。でも仕方ないのかなぁ。いつもおとーさんの右に座って食べていたから、おとーさんの方ばかり見ていることを怒られていたし。それにね。これは私への嫌がらせじゃなくて、これからは妻全員集合で毎日食事になるらしいよ、おとーさん』


 この発言にはちょっと驚いた。そうか、そういうことになってしまうのか。

 マリーは椅子に座って食事を出来る年齢になってからはずっと、俺の右に座っていつも食事を食べていた。ちなみに俺の左はいつもティターニアが座ってた。中学生に上がってからはマリーの右にブロントも座って食べることになったのだが、マリーはかなりの勢いでブロントのことをほぼ無視で毎日俺の方を向いて話し掛けてきてた。

 うん、わりと酷い仕打ちかもしれないな。

 そんな生活も唐突に終わりを迎えてしまったわけか。何の説明も受けていなかったが。


 とりあえず教えてくれたマリーに返事をしておく。ついでに少し慰めておくべきなのか。


『なるほどな。マリー、教えてくれてありがとう。一緒に毎日食事が出来なくなることは寂しいが、絶対ダメというわけでも無いのだろうし、たまには抜け出して食べにきたら良いんじゃないか?それと、たまに父さんと街までデートに行こうか。二人きりでデートとは行かないだろうがお前ももう高校生だし、少しぐらい着飾っても良いんじゃないかな』

『ええっ?本当に?ありがと、おとーさん。私楽しみにしてるね!』

『うん、父さんも楽しみにしてる』


 うん、こんなところでどうだろうか。ちなみにマリーはいつもは女子高生の夏服を着ている。身長百七十センチ弱でEカップの黒髪ストレートロングの黒耳黒しっぽに金の瞳で十分完成形ではあるのだが、実は制服以外をあまり所持していなかったりする。

 本人がその格好を気に入っているし俺もかなり気に入っているのだが、だからといっていつも同じ服装というわけにもいかないだろう。

 後は、休日でも体操服にブルマー履いていることもある。黒猫ブルマー美少女になる。それはそれで素晴らしいのだが、もうちょっと普通っぽさがあっても良いと思う。


 ちなみにデートが二人きりにならない理由は、ティターニアが常時俺から離れないからだ。外出時には一生くっついて離れないらしいからもう諦めている。嫌いなわけじゃないしむしろ十分過ぎるほど愛しているから問題ない。


 マリーとの通信が切れたので俺も帰ることにした。リースとアイコンタクトを取ると、立ち上がった俺の左にリースがくっついてきた。俺の左を取られたのでティターニアは右にくっついてきた。そんな状態でルナの家を出たら、何故か愛姫まで俺の後ろにくっついてきた。背中に胸を当てられている。


 モテモテなのは嬉しいが、とても動きづらい。そんな状態でティターニアの家に帰った。


 家についたらティターニアは俺から離れて育児に戻っていった。それと同時に愛姫が右側にくっついてきた。なんだろう、昨日勉強を見た関係なのか、愛姫から俺へのアプローチが激しくなった気がする。夫婦仲が良いことは大変結構なことだし拒否する理由も無いから大人しくくっつかれておく。


 そのままいつもの長ソファーに座りながら、左右にくっついている二人をなでなでして過ごす。そんな最中、リースから俺に少しずつ話し掛けてくる。


「うーん、これからはメイドさんを増やして育児放棄するってことなのよね。わからなくもないわ。こうしてくっつく時間を最近は全然取れていなかったもの。私だってストレスが貯まるわよ」

「そっか。やっぱり育児は大変なのか」

「そうね。やり甲斐はあるわよ?けれどさすがに十六年も続けていたら飽きちゃうわよ」


 そういってリースは俺にすり寄ってくる。老化しない為に今でも二十歳の若さを保つその身体はとても瑞々しい。体型もそうだけどお肌が劣化しないことがとても素晴らしい。エルフの特徴でもある長耳を軽く撫でてやったら、彼女の身体がびくんと震えた。


 リースと愛姫に左右に同時にくっつかれた記憶というのは、ほぼ無いような気がする。行為の最中は最近二人同時に相手していたんだけどね。その関係もあるのか、この二人は随分と仲が良い気がする。二号達のクラスも同じだしな。もしかしたら同時に娘達の身体に憑依して高校生活を楽しんでいることもあるのかもしれない。


 愛姫の方に視線を向けると、既にこちらのことを見ていた愛姫と視線が合った。せっかくなのでそのまま軽くキスしておく。すると真っ赤になって俯いてた。でも俺の右から離れることはない。


 うん、うちの妻達は皆可愛くて素晴らしい。遠くから育児中のティターニアがじーっと見つめてきてるけど気にしないことにしておく。


 今はリースと愛姫の産後の回復待ち中だったので、抱ける相手がいない。

 いるにはいるのだが、コピー体のジゼル二号十六歳と愛姫三号十四歳、ルナ二号十四歳とアンジェラ二号十六歳、キャラット二号十六歳ティターニア二号十四歳などといった具合になっている。リース三号は十二歳なのでまだ戦闘状態になれない。

 コピー体の娘達は皆まだ幼い子が多いので手を出すことを控えている。リース二号と愛姫二号の二人は躊躇せず十四歳で食べてしまったが。しかも二人とも二人目を妊娠中という愛の偏りが発生中。


 その日の夜は寝る前にリースがお風呂で処理してくれた。何故か愛姫も参戦してきたが、盛大に零した。零すとどうしようもないので仕方なく洗い流しておいた。一度に出し過ぎだって愛姫に抗議されてしまった。愛姫に飲んでもらうのは初めてだったが、味はおいしかったらしい。俺には到底理解出来ない世界だ。


 その後はリースと愛姫に挟まれた状態で寝た。ティターニアはリースの後ろにくっついて何やら抗議の意志を示していた。

 寝る前の会話で二人に聞いたところ、今までずっと一生懸命頑張った結果として、育児は飽きてしまったが食事と睡眠と性交は飽きることが無いらしい。さすがは三大欲求ということか。


 リースと愛姫両者とも、次に抱かれる期間が楽しみで待ちきれない様子だった。こんなにモテモテなことを心の底から喜びつつ、皆で眠った。夏だから暑いけど気にならなかった。



 ---



 917/8/29 8:52


 次の日の朝食後、俺達四人も広場に集まっていた。内訳は俺、リース、愛姫、ティターニアの四名。ルナの家の朝食にも四人で一緒に行ったところルナがちょっと怒った。けれどそれでも全員分の朝食を用意してくれた。まぁそれは横に置いておいて。


 広場には従業員さんがほぼ全員集合するということだったのだが、その人数を見て驚いた。なんかすげー多い。各家勤務のメイドさん二十名は仕事があるので集合していないが、それ以外の人数がなんだろう、数えたところ八十人ぐらいいる気がする。八十人中メイドさんが六十人ぐらい。他二十人は執事さんだったり御者さんだったりする。


 最初の残念な筆頭執事のジェームズ氏はとっくの昔に引退したのだが、外見が良く似た息子のジェームズジュニアが今は代わりに筆頭執事をしている。俺の事業関連の指示の連絡係や資料整理をしているので、そこそこ顔を合わせることも多い。

 今集合している中央正面に執事っぽい人が並んでいて、その中央にジェームズジュニア氏が立っている。なんか隣に良く似た感じの息子っぽいのも立っているが。なんだろう、俺の知らないところで勝手に世襲制になっているのだろうか、わからん。ジュニアジュニアとか呼びにくいんだけど。二世と三世とかにした方が良いのだろうか。

 そもそも脇役に名前が必要なのかどうかを議論したいところだ。


 既に妻達も全員集合していたので、正面に立っている五名の執事っぽいのと、御者さん八名とそれ以外の世話役七名が簡単に自己紹介していた。新規のメイドさん六十名は特に自己紹介無しだった。メイドさんは空気だから覚えなくて良いということなのか。全員自己紹介なんてされたら時間がかかり過ぎるのは事実だが。


 その後皆で連れ立って、今まで使ってなかった中央の大きめの屋敷へと向かった。とはいってもメイドさんの過半数は今まで住んでいた各妻の家の方へと向かっていった。スシネさんとフェンリル公の家には世話する相手がほぼいないので二名ずつ、他の家には五名ずつ向かっていった。四十四名だろうか。様子を見ているとどうやら交代するらしく入れ替わりで二名ずつのメイドさんが従業員宿舎へと帰っていく姿も見えた。


 大きめの屋敷は、広場を囲むように建っている十軒の家のうち、ルナの家とリースの家の間から伸びている道の先のそう遠くない場所に建っている。歩いてすぐいける場所に建っているのに今まで利用していなかったわけだ。

 元々維持費がどうこうということで利用していなかったわけだが、そうだな。従業員さんが二十五人か百人かということで考えれば確かに人件費は相当違ってくることは確かだが。


 ルナが先導で屋敷の中を案内してくれる。他の従業員さん達は別行動らしく、何やら説明用紙っぽいのを皆手に持っていてそれを見ながら屋敷の各所を見て回っている様子だった。どうやら俺達は直接案内するからそういう説明用紙は無しらしい。


 ルナに連れられて回る人数は、ルナを含めて九名。妻にした順に並べると、俺、ルナ、愛姫、ジゼル、リース、ティターニア、アンジェラちゃん、キャラットちゃんといった感じ。フリマさんはこっちの屋敷には来る気が無いらしく、前から使っている家で今もバリバリ仕事中。その代わりにというのかは分からないが、スシネさんの娘さんが来ていた。誰だっけ、アカリちゃんだっけ?たぶん今は九歳か十歳。


 最初に案内されたのは、広すぎないが十分余裕のあるサイズの個室だった。一通りの家具が揃っていてバストイレ付き。ワンルームな感じ。壁紙が無いというか仮っぽい感じだった。張り替え前提なのかもしれない。ベッドは一つで一人用ぽかった。ただし天蓋付きで大きめだし二人で寝ようと思えば余裕だろう。


 この部屋についてルナが説明してくれる。


「この部屋はオリジナルの妻達一人一人に与えられている個室で、この屋敷には十部屋存在しています。好きな部屋を選んだら、壁紙や家具などは自由に替えてくださいね。見ればわかるかと思いますが、この部屋はそういった目的には用いません。どちらかといえば安眠用です。防音効果も高いですしいつでもぐっすり寝られますよ」


 よくわからないがそういうことらしい。


 いや、少しはわかる。わざわざオリジナルと説明したのはコピー体の娘達と区別する為だろう。今はまだコピー体の娘達は十六歳程度だが、これ以上成長するとオリジナルの母親と見分けがつかなくなってしまう。俺のことを「お父さん」的な呼称でしか呼べないのがコピー体の娘達の特徴なのだが、キャラットちゃんからの俺の呼び名がパパだったので、キャラットちゃん本体とキャラット二号十六歳の区別が非常にわかりにくくなっている。

 背が既に完全に同じだしな。クローンだからほぼ完全一致なんだ。たくさん生ませた関係でオリジナルのキャラットちゃんは胸とおしりが多少なりとも発育したのだが、胸とおしりのサイズまで追いついた場合見分けがつかなくなる。


 なのでここはオリジナルの妻用の個室らしい。そして安眠用といったのは、オリジナルの妻達が睡眠によりその意識を落とせば、コピー体の娘の身体へと意識を飛ばしてその操作を完全に乗っ取り可能なので、そのことを指しているのだろう。

 今はまだ必要性が薄いだろうが、今後は重要なことになるかと思われる。オリジナルの身体を保護したまま娘のコピー体に戦わせるという意味で。娘達の身体を犠牲にすることになるが、それによりオリジナルの妻達の身体の損傷を防ぎ、安全な場所から戦えるわけだ。

 戦闘の現場を指揮するリーダーが倒れても即座に他の身体をリーダーにして戦闘続行可能と考えれば、割と効率的なのではなかろうか。


 個室に関してはそういう感想だった。次はその個室の隣の部屋を案内される。何やら随分とたくさんベッドが並んでいる大きい部屋だった。後は衣装用のクローゼットもたくさんある。タンスなんかもある。

 ベッドの数は…なんだ、数えるのが面倒なぐらい。全て小さめの一人用ベッドで、そこそこ上等ではありそうだがやや簡素な印象がある。


 この部屋についてルナがまた説明してくれる。


「この部屋はコピー体の娘達が住む予定の部屋です。今は皆学校に行ってしまっていますが、今夜からは十四歳以上の娘達はここで暮らすことになります。アナタ、意味は理解出来ますね?」

「うん、わかるわかる」

「そうですか。それはそれで複雑なのですが、それがアナタの仕事なのですから仕方ありません。次へ参りましょう」


 そういって屋敷の他の場所を回ることになった。


 ルナの台詞はつまり、コピー体の娘達相手にも繁殖行為を行う、その種馬としての役割が俺の仕事だってことだ。それによりどんどん妻が1UPする。1UPすればするほど、死を恐れずに魔物達と戦える。ゲーム的にはただの1UPだが、実際にやることは外道極まりない。既にリース二号と愛姫二号を孕ませて二人に女の子を生ませているのだ。娘なのに孫娘という極めて異質な存在が生まれてしまっている。

 こんなことを更に続けていたら、娘なのに孫娘でひ孫だとかそれ以上に深刻な状態になっていくかと思われる。モラル的には相当異常な世界だ。だからただのコピー体だから関係性とか家系図は無視した方が良いかと思われる。考えたら負けというか、心が死ぬ。


 種馬という言葉は、文字にすると簡単に見えるが実際は非道いモラルブレイクだという話だ。



 ---



 その後案内された部屋のほとんどは、色々細々した物ばかりだった。従業員の控え室だとか洗濯場とかその他諸々。たぶん俺は気にしなくて良い部分が多いかと思われる。一族用の大浴場みたいな場所も案内されたが、主な利用者はコピー体の娘達になるらしい。今は人数が少ないので、オリジナルの妻達も利用予定らしいが。


 昼が回る頃にようやくというか、食卓へ案内された。オリジナルの妻達と俺用の部屋らしい。他の皆は大食堂的な大きなところで食べるらしい。今は人数が少ないが将来は増えるから余裕を持たせているということのようだ。


 案内された食卓は横長で、片側五席ずつ並んでいた。ルナがまた説明してくれる。


「これからはここで、皆で毎日食事をすることになります。ぴったりとは埋まりませんが、まぁいいでしょう。座る場所で喧嘩にならないように、愛情値を考慮して順番に座ってくださいね」


 ルナがそう解説しながら、対面の中央の席に座った。なので俺もルナの対面の中央の席に座っておく。この判断は間違っていないはずだ。


 俺はこの妻達が皆集合している状態で、UIのパーティーリストをチェックしてみた。そこにはこうなっている。並び順は妻達の愛情値順のはずだ。


 ヒロ=アーゼス

 リース=アーゼス ×1+16

 ルナ=アーゼス ×1+11

 ティターニア=アーゼス ×1+12

 愛=アーゼス ×1+16

 ジゼル=アーゼス ×1+14

 アンジェラ=アーゼス ×1+19

 キャラット=アーゼス ×1+9


 皆が揃っている状態で見たことはなかったのだが、どうにもそういうことらしい。いつの間にか愛姫がジゼルを抜かしている。あとキャラットちゃんが最下位だったのは知らなかった。本当の最下位はたぶんフリマさんなのだがこの場にはいない。


 周囲に他のコピー体がいない場合、今この場にいる人数ということで残機表示が1+他の場所になるようだ。人数は既に随分とばらついている。リースと愛姫は男の子を五人、女の子を十五人生んだのだが、リース二号と愛姫二号が生んだ孫娘の分の+1も合算して十六人と見なされているようだ。

 ルナとキャラットちゃんは男の子を多めに生んでいるので人数が少ない。ジゼルは七人続けて女の子を生んだ後三人続けて男の子を生んでいたのでこんな感じ。アンジェラちゃんはまだ男の子が零人。そろそろ生むつもりではあるとのこと。


 愛情値順に座るということで、リースが俺の左の席に座ってきた。そしてティターニアが俺の右に座る。

 もうその時点で愛姫が凄くショックを受けていて、ぷるぷる震えながらリースの左に座った。ジゼルがリースの対面、ルナの右、俺から見てルナの左に座る。アンジェラちゃんは反対側、ルナの左で俺から見て右に座る。


 キャラットちゃんはその様子を見てから、ジゼルの隣、愛姫の対面に座った。そうして最後に、スシネさんの娘のアカリちゃんがアンジェラちゃんの隣に座った。


 こうして十席中の九席が埋まった。ティターニアの右の席だけが空いている状態になった。せっかくだから少しダメ元で言ってみようか。とその前にルナが話していたが。


「これからはこの形で毎日の食事を取ることに致しましょう。順位の変動時にはそれぞれで話し合って調整してくださいね。では私はこれから最初の昼食を作って来ます」

「えっと、ちょっといいかな?ルナ」

「なにかしら?アナタ」


 席を立ちかけたルナが、座り直してこちらをじっと正面から見つめてくる。たぶんまたちゅーちゅー魂を吸われたのだと思うが、その魂の味から何か察したのかすぐにルナの表情が緩くなるのがわかった。なので俺も言葉を続ける。


「せっかく一席余っているみたいだし、たまにマリーが食べに来てもいいかな?毎日ではないと思うんだけども」

「ええ、いいですよ。それにしてもアナタは本当に…いえ、いいです。私達にとっての英雄さんなんですから、それぐらいの特別扱いは構わないでしょう。それでは早速作ってきますね」


 そういってルナは昼食を作りに部屋から出ていった。出ていくといってもどうにもすぐそこに調理場があるらしく、すぐに料理を始める音が聞こえてきた。こういった屋敷だと調理場と食卓が離れていることがザラな気もするのだが、そうすると実際には不便だからそういうことにはなっていないらしい。どうやら事前にある程度仕込みが終わっていたらしくかなりのペースで作業が進んでいる模様。


 待っている間、席について妻達が色々話していた。アンジェラちゃんの隣にスシネさんの娘のアカリちゃんが座った件だが、家が隣同士だし普段からわりと仲良くしているらしい。なのでそこに座ったとそういうこと。

 アカリちゃんがここに来ている理由は、神の使徒の家庭事情がどうなっているのかを調査するという意味と、これからも長い付き合いになるので家族として溶け込むという目的があるらしかった。全部お母さんのスシネさんの指示らしく、ルナも承認済だということ。


 端っこの方でキャラットちゃんと愛姫が愚痴ってた。


「ボクね、まさか最下位だとは思ってなかったよー。パパ酷いよー。そんなに巨乳好きなの?ボクこれでも最近Eカップあると思うんだけどなー。厳しすぎるよー」

「うぅー、妾、左右どちらかが良かったのにすぐに埋められて、ひどいのじゃー」


 愛姫は、ルナの隣に座れば俺からすぐ目の届く場所だったのに、どうにも左右どちらかが良かったらしい。左右が取れなかったので比較的親しいリースの隣に行ったと、そういうことみたいだ。


 俺の隣のティターニアは特に何も言わない。俺の左前方にいるジゼルも特に何も言わないのだが、チラチラと俺の方とティターニアの方を見ている。そうしていたらティターニアが俺の右にくっついてきて、それでジゼルがちょっとムッとした表情になった。


 やっぱりあれか、四六時中くっついているのはズルイとかそういう話か。随分前にもそういう話をしてたしなぁ。もしもジゼルが俺にくっついて生活していた場合、今頃俺の右にはジゼルがいたんじゃなかろうか。あと、もしかしたらルナの愛情値も突破していたかもしれない。一時期かなり接戦だったからな。


 リースが一位なのはおそらく不動として、たぶん二位以下がルナ含めてジゼルまでの四人が団子なんだ。おそらく差がかなり少ない。皆可愛いからな。アンジェラちゃんも見た目ダークエルフで美人さんなんだけどどちらかというと俺のことよりも魔法の研究の方に興味が傾いている印象が強くてあまり愛せていない。

 キャラットちゃんはなんというかそのね。自ら生んだ男の娘相手に一生懸命コーディネートしたりセクハラしてるからな。そんな淫乱毛玉お母さんを愛するのはかなり抵抗があるのは事実だ。ごめんねキャラットちゃん。



 ---



 その後妻達とオマケのアカリちゃんと一緒に皆で昼食を食べてから再び家の案内に戻った。ちなみにトルッコ料理だった。ケバブとかそこらへん。


 そうやって最後に案内された部屋なのだが。


「最後の部屋はアナタの部屋ですよ、ヒロ。これまでは自室が無かったでしょう?とはいっても、部屋というよりはある意味仕事場なのですが」


 そう言われて案内された部屋の中央には。


 なんとも巨大なベッドがあって、それを囲むように左右五つずつ小さめのベッドが並んでいた。つまりココでとにかくやりまくれということなのか。


 またこの部屋には付随する複数の部屋もあってそれも案内して貰ったのだが。


 なんだろう、ここはラブホなのだろうか。色んなお風呂とかもあったし、ミラールームとかもあったり、このあたりはご想像にお任せします。


 部屋を案内されて回っているうちに、妻達が皆赤面していた。案内しているルナも多少頬を赤らめてこちらをチラチラ見ていた。なんだろう、何かすごく期待されている気がする。ルナ自身は今は妊娠八ヶ月でとてもおなかが大きい状態なのだが。


「アナタの仕事は、つまりそういうことです。これからはコピー体の娘達相手にも頑張ってくださいね。早速今夜から頑張ってくださっても結構ですよ。リースさんと愛姫さんもまだ身体が回復していないでしょうから」

「うん、そうか。わかった」

「最初から複数相手は難しいでしょうから、一人ずつでも良いのですよ。早速試してみてくださいね」

「うん」

「私の娘ももう十四歳ですからね」

「うん」


 何やらルナに猛烈にアピールされてしまった。


 ルナ二号はルナが三人目に生んだ子供で、今年の十二月に十五歳になる中学三年生だ。背はルナ並の百五十センチ弱なのだがどうにも胸やおしりはルナのように大きく育つ見込みはないようで、貧しくはないが人並だった。やはりルナのチートなワガママボディは吸魂の瞳限定らしい。娘のコピー体達は吸魔の瞳でMPを吸うので、吸魂の瞳ほどの効果は無いようだ。


 その日はその後妻達は皆自室のカスタマイズに向かってしまった。ただしリースと愛姫の二人は結構長時間俺の部屋を観察していた。ティターニアはこの家全体を家として見なしているのか、案外俺にくっついてこなかった。家の外では常時くっつくが家の中では常時はくっつかない。


 夕食の頃にはコピー体の娘達もこちらに帰ってきており、大食堂の方で皆で食事を取っているらしかった。夕食後、今夜は誰を抱くのか決めて欲しいとルナに問い詰められた。


 本当はリースを指定したかったのだが。リース本人はまだ身体が回復していないし、リース二号は既に妊娠しているし、リース三号はまだ十二歳だから子供を生めないし俺のブルトガングも反応しないっていうね。

 そんなわけでルナ二号一人だけを指定した。ルナは必死に喜色を抑えようとしていたが耳は完全に興奮状態になっていたししっぽもすごい勢いで揺れてた。これは何かあるということがバレバレである。


 ルナがそそくさと部屋に下がっていった後に、体つき以外がルナそっくりのルナ二号がやってきた。そうして俺に挨拶してくる。


「おとーさん、今夜はよろしくおねがいします」

「うん。よろしくね、ルナ」


 一応確認はしたのだが、コピー体の娘達を呼ぶ際も妻と同じ名前で呼べば良いらしい。


 これまでもルナ二号には何度も会ったことがあるのだが、ルナ二号はMPをちゅうちゅうすると迷惑だということでオートパイロット中はわりとこちらから目線を少しずらして話す子だった。MPちゅうちゅうした方が、魂ほどじゃないけれどおいしいから見つめた方が本人は嬉しいらしいんだけどね。けれど二号ちゃんのオートパイロットはそこらへんを配慮する子だった。


 けれど今夜のルナ二号は、口調こそ可愛く装っているが視線はこちらをガン見していた。これ絶対オートパイロットじゃなくてルナ本人が操作してるよな、とバレバレだった。MPを吸うことを自重していない。


 その日の晩はそんなルナ二号を、処女の状態から四時間色んな部屋を利用しながら責め続けてやった。初めてだったらそんなにもたないはずなのにルナ二号は大喜びしていた。最後には失神させてやった。


 そしてそんな様子をティターニアがじーっとずっと見守ってきていた。ルナ二号は行為の最中見られて興奮している様子だった。


 これからはずっとこんな生活が続くのか。気持ちは良いのだが果たしてこれで良いのか。普段はなるべく他のことに目を向けるように決意しつつ、ルナ二号の身体を抱きしめながら俺は眠りについた。

タイトル悩みました。


「引っ越した先がプレイルーム」

「引っ越し先がラブホ」

とかでも良いのですが、タイトルバレが酷いのでやめました。


引越にするか引っ越しにするかも悩みましたが、変換で引っ越しと出てくるのでこうしました。

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