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異世界で、一兆円とクエストと。家族計画、神の道  作者: レガ先
第四章 増える家族と深まる絆
42/79

第四十一話「はなれません。」

 901/7/27 7:13


 ティターニアがずっと俺にくっつくことになったわけだが、俺はそのことについて少し考えていた。

 今は朝起きてベッドでティターニアと二人抱きしめあっている状態である。そんな状態で何かを考えるというのもどうかと思うのだが。


 始まりはティターニアがなにげなく放った一言『はい。これからずっとお兄様と一緒にいてもいいですか?』だった。それに対して気軽に『うん、いいよ』と返したところ、既に丸一日以上、トイレなどのタイミング以外常時くっついている状態である。


 可愛い女の子にくっつかれるのは割と嬉しい。今も抱きしめているがティターニアは以前はまだしも、現在はすくすくと成長中でかなり良い感じに育ってきている。うん、ハイエルフの姫ちゃん素晴らしいです。


 しかしその、ちょっとした一言から大火事になるようなこの世界のマジレススタイルをそのまま受け継いでいるものの、確かティターニアはこの世界の人間としては珍しく冗談が通じる相手だったはずだ。だから、そのあたりも確認しておきたい。

 ティターニアが冗談を言ったことはあるので、ティターニアに対して冗談が有効かどうかを確認しなければいけない。冗談が通じなかった結果彼女を傷つけるようなことは絶対にしてはいけないからだ。


 そんなわけで早速確認作業に移る。


「ねぇ、ティターニア、ちょっといいかな?」

「はい、お兄様」

「えっと、ティターニアはさ、冗談を言うことが出来るよね?冗談を言われることは大丈夫なのかな?」


 うん、こういうことはなるべくストレートに言うに限るな。大事なことだからな。


「そうですね。有り得ない冗談なら冗談として受け止められると思いますよ、お兄様」

「なるほど、有り得ない冗談か…」

「はい、お兄様」


 今の状況で有り得ない冗談を考えてみた。今はティターニアと抱きしめ合っている状態だ。ならばこれを冗談にしてみるぐらいしかすぐには思いつかないな。


「そうだな、それじゃあ例えば」

「はい」

「えーっと…俺は、ティターニアを、抱きしめたくなんてないんだからな」


 といいながら思いっきりぎゅーっと彼女を抱きしめておく。これならより嘘だということがわかりやすくなるはずだろう。


 ティターニアはにっこり笑顔になってから俺にキスしてきた。そして話し始める。


「お兄様ったら。わざとそこまでわかりやすくするだなんて、そんなに私を傷つけたくなかったのですか?」

「うん…万が一にも傷つけたくないさ」

「それならお兄様は冗談なんて言わなければ良いのです。代わりに私がたまには冗談を言って差し上げますから」

「うん、よろしくね、ティターニア」

「任せてください、お兄様」


 なるほどねえ、自分で言って不安になるぐらいなら冗談なんて言わなければ良い、まったくもってその通りである。冗談の無い世界というのはなんとも窮屈だが、俺から言うよりも俺以外から言って貰えばそれで十分と言えば確かにそうかもしれない。


 その後はティターニアと二人で仲良くお風呂に入ってから、ルナの家でいつもの面子で一緒に食事を食べた。



 ---



 その日からもティターニアが常時くっついている以外は大体同じタイムスケジュールで日々が過ぎていくのだが、そんな中変化が起きたのはティターニアがリースから情報収集を始めたことだ。


 一体何の情報収集かというと、リースが俺に対してお風呂でどうやって気持ち良くさせていたかということを調査しはじめたのである。俺の体は異常精力、異常性欲であり、リースに気持ち良くして貰わない限りは、賢者になれる薬を飲まなければ暴走するという酷い代物である。

 しかも自分で処理することが出来ない謎のストッパー付き。他の子に頼んで抜いて貰うしかないのである。


 ティターニアはリースにそのやり方を全て聞き出していたわけだが…リースは彼女の豊満な胸を使用して俺に奉仕してくれていた。ティターニアも将来はリース並の巨乳に育ちそうだが、今はまだ発展途上なので不可能とまではいかないが十分にというのは無理である。

 よってティターニアは胸でするという選択肢は放棄するしかなかったわけで。


 それで諦めるかと思いきや、なんとティターニアは俺に対して直接方法を聞いてきた。なんということでしょう。


「お兄様。私でも出来る方法を教えてください」

「えっとその…本気で言っているんだよね?」

「はい、もちろんです。愛するお兄様の為ですから」

「うん…そっかー」


 この世界は皆が避妊をせず愛し合ううえに、俺の体のような異常精力の持ち主はほとんど存在しないらしい。よって、そういった直接の性行為に当たらない様々なものは名称すら存在していない状態になっていた。

 名称すら存在しない、そういった行為を基本しない世界だったのである。だから俺が前世の知識からティターニアに教えるしか無かったわけで。


 そんなわけで俺が教えたその日から、ティターニアはバナナ相手に練習を始めた。この世界にも普通にバナナが存在することに驚いた。南大陸の猫族の国で生産されているらしいです。


 ティターニアは毎日健気に俺の指導を受けながら練習を続けていたが、バナナのサイズに不満がある模様。練習の後はバナナは二人でおいしく頂きます。


「んっんっんっ…こんな感じでどうですか、お兄様?」

「うん、大分上達したんじゃないかな?たぶん」

「はい、ありがとうございます。…でも、こんなバナナなんかよりもお兄様の物の方がよっぽど大きいから、本当に練習になっているのかどうか…」


 うん…神様から与えられたこの体は色々とヤバイんです。ティターニアはお風呂でいつも俺のブルトガングを見てそのサイズまで厳密に計っているみたいで、最近は俺のブルトガングを見る時の瞳の輝きの強さが増している気がする。

 なんだろうね。ティターニアはまだ十五歳にもなっていないというのにド淫乱な美少女へと急速に成長している気がする。背も伸びるし胸も大きくなるしおしりも育ってきている。性的に興奮するとそこまで成長にプラスになるというのか。


 ティターニアがそういうことをしてくれるのはとても嬉しかったのだが、一方困ったこともあった。リースに胸でして貰っていた件まで含め、今練習している内容まで、全てスシネさんに報告され記録されてしまったのである。


「ほうほう、この世界では滅多にそんな行為はしないんですけどねー。ヒロさんはそういう知識が豊富だったんですねぇ。過去に散見されたそういった行為は、これまでの神の使徒が持ち込んだものだったのですかねー」


 なんだろう。何故か学術的に記録としてまとめられてしまいそうなんだが?かなり困ってしまうわけだが。ティターニアがあまりにも詳細に解説してしまうので、スシネさんも調子に乗って全部詳しくまとめあげてしまう。なんということだ。俺がド変態として後世に語り継がれてしまうではないか。


 これはもうあれだな。気にしたら負けってことだな。なので俺は考えることを放棄するぞー!


 ティターニアには今はまだ練習して貰うのみで実際にして貰ったことは一度も無い。だから夜は賢者になれる薬を飲み続けていた。そろそろキャラットちゃんが出産の日を迎えるはずだからな。俺の世界にいたウサギは出産直後からまた妊娠可能だったはずだから、キャラットちゃんもわりとすぐにいけるんじゃないかな?たぶん。



 ---



 901/8/8 8:08

 なんというかまたフラグの神様がゾロ目で調整したらしい。その日の朝にキャラットちゃんが出産した。既に判明していた通りしっかりと女の子だった。当然俺は立ち会ったしいつものようにすごい力で手を握られた…のだが、ケモノな手はやっぱりふかふかしていた。


 生まれた女の子はキャラットちゃんのコピー体だ。キャラットちゃんがキャラットちゃんを生んだことになる。

 こういう場合はどう表記したら良いものかな?チビキャラットとかミニキャラットとかか?

 プチ…はアウトになるんじゃないか?やべぇ。


 今回も、事前にこうなることを知っていたからか、キャラットちゃんが精神的ショックを受けることは無かった。出産直後から上手に操作出来ているらしい。


「うわー、この女の子ホントにボクだよー。あんまりお母さんになったって気分がしないねー。パパー、次こそはオトコノコをお願いね」

「えーっとその、今夜からでもいいのかな?」

「今夜?うん、もちろんOKだよー。ギザン大神官様の薬もあるし、ボクの体の方は大丈夫-」


 ギザン大神官の薬というのは、この場合は出産後のダメージ回復を促進する薬を指す。なんともチートな薬だと思うが、既に量産化され安く流通しているらしい。俺が普段飲んでいる賢者になれる薬は、この世界ではほぼ俺専用だから高いままなんだけどね。一本一万円もするしな…いくら金があるからってムダ使いは良くないと思います。


 更に加えて、俺の知っているウサギと同様に、この世界のウサギ族も産後の回復が非常に早いらしい。薬の力も借りればその日の晩からOKと、そういうことになっているようだ。

 ここ数日ティターニアの家で連日飲み続けて我慢していたから、早速お願いしてしまおうかな。


 その日も夜までは大体いつもと同様に過ごした。

 朝御飯をルナの家で食べ、リースの家で朝のティータイムと状況報告、ジゼルお母さんを手伝った後、ジゼルお母さんとティターニアのホットミルクタイムを横から眺める。その後フリマさんのSPさんから事業の進捗状況を軽く聞いてからルナの家に戻る。

 その後ルナの採乳を手伝ってから昼食。昼食後アンジェラちゃんを訪ねてそっちの採乳も手伝っておく。それからリースの家でティターニアと本番寸前プレイでイチャイチャしてから、三時にティータイムを楽しみまったりとした時間を過ごす。


 自由時間をどうしようか迷ったが、ティターニアの提案でキャラットちゃんの家でお話をすることになった。俺は何を話せば良いのだろうかと思ったけれど、俺を挟んで俺越しに二人は会話をすることになった。

 長ソファーで、ティターニアが俺の左でキャラットちゃんが俺の右だ。キャラットちゃんに俺の左を譲る気は無いらしい。


「キャラットお姉様。お姉様は宝石のことには詳しいんですか?」

「うんー、そうだよー。獣族の大陸にはドワーフの国からたくさん宝石が届いていたからねー。ボクのお小遣いじゃそんな宝石を買う余裕は無かったんだけど、お姉ちゃんはいっぱい宝石を旦那さんに買って貰っていたかなー」

「えっと、キャラットお姉様のお小遣いって一体どれぐらいだったんですか?」

「ボクのお小遣いは、その…三十三番目だったし、十六歳だったし…一月に三千円だったよ」

「う、そうでしたか。聞いてしまってごめんなさい」

「うぅ、いいよぅ。お姫様のお小遣いの額じゃないよね、ボクもわかってるよぅ」


 なんだか少し悲しい会話をしているようだ。確かに一月三千円じゃ、この世界の宝石が凄く安いといっても、良いものを手に入れることは無理だろう。他のもっと日常的なものに使ってしまうだろうことは間違い無い。

 ティターニアはかなり甘やかされていたはずだしな。お小遣いなんて無しで欲しい物はなんでも買って貰っていたんじゃないかな、たぶんきっとそう。


「わたしのつけているこの指輪の宝石の価値ってどのぐらいなのでしょうか?」

「あー、それ?そのピンクダイヤモンドはちょっと、いくら宝石が安いからってさすがに良過ぎだよー。そこまで凄いのボクも見たのは初めてだったよー。パパ、一体どれだけ使っちゃったの?コレ。いくらなんでもあんまりだよー」

「う、それはちょっと、回答を拒否する」


 うむ…なんつうかアレだ。この世界の宝石は安いからな。前世の世界ならそれこそ数千万するんじゃね?っていう宝石が百万前後で普通にあったんだよ。だからその…ティターニアに贈った綺麗な大粒のピンクダイヤモンドは、実はこの世界ですら数百万したのだ。元の世界なら絶対に買おうだなどと思わない代物だ。


 何故そんな物を買ったかって、俺自身がそういう綺麗なピンクダイヤモンドに強い憧れを持っていたからだ。俺の誕生石もダイヤモンドだし、綺麗な物や可愛い物が割と大好きだったのだ。だからといって自分で身につける気は一切無いのだ。だからティターニアに贈って身につけて貰うことにしたのだ。俺の好きな物を俺の身近な子に身につけて貰って観賞する為に、だ。

 ルナやリースは既に指輪をつけているし、付けて貰う相手として小さな女の子がベストだと思ったんだ。ティターニア相手ならば妬み妬まれが起きにくいだろうと判断した結果だ。


 なんというか、一番いいの!をティターニアに贈ったんだよ、俺は。

 一番いいのでも数百万なだけ、この世界の宝石事情は相当良いと思います。

 いや本当に、スゲー綺麗なピンク色だったんだもの。サイズもデカイしさ。


 ティターニアは今まで、十四歳の誕生日に贈られたこの指輪をずっと眺めてきて、何かこれは尋常じゃないなということに気づいてしまったのかもしれないな。他の妻に贈った指輪と比較してしまったのか?

 確かに圧倒的だもんな。値段も全然違うよ。いくら宝石が安いこの世界だからってやり過ぎたことは認めざるを得ない。


 宝石にやや詳しいキャラットから事実確認をして、ティターニアは遂に確信を得てしまったわけだ。

 ティターニアは俺の方を見ながらこう聞いてきた。


「ねぇ、お兄様」

「う、うん、何かな?」

「この宝石を、どうして私に贈ったんですか?」

「いや、それはその」


 いつでも身につけて貰って俺が観賞する為、という本音は出しても良いものだろうか?なかなか悩み所だ。後はなんというか、ティターニアが成長するきっかけになると思ったとか、そういう部分もあるにはあるが。俺自身そのあたりの理由を深く考えないように努めていたのだ。


 ティターニアは俺と視線を合わせてじーっとしばらく俺の瞳を見続けた。彼女の青くて綺麗な瞳に心を見透かされている気がする。俺自身何故贈ったのか、その根っこのところまではよくわかっていないのである。綺麗だからそれをティターニアに身につけて貰いたかったのは事実なのだが、本当にそれだけだったのか?俺自身良くわかっていない。


 ティターニアは俺の瞳をじっと見続けて…じきに表情を和らげた。


「お兄様自身、よくわかっていないのですね」

「え?…うん、ごめん、実はそうなんだ」

「建前上の理由はなんだったんですか?」

「えっと、俺自身が凄く綺麗な宝石だし是非手に入れたかったから、まず手に入れて、それでティターニアに贈ったんだ」

「…お兄様、私は建前と言ったのにすんなりその答えが出てくるということは、きっとお兄様の本音は別のところにあるはずです」

「え?うん、そうなの、かな?」


 んん?そういうことになるのか?確かに俺自身よくわかっていないのは事実なんだけども。


 俺が混乱していたら、ティターニアが俺に対して思いっきり抱きついてきた。そのままぎゅうっと抱きしめられる。


「お兄様、大好きです。愛しています。私の心は貴方の物です。これからもずっと傍にいさせてください」

「えっと…その、ティターニア?」

「返事はいりません。返品なんかさせません。私を貰ってくださいね、お兄様」

「え?うん」


 よくはわからないけど、とりあえず抱きしめ返しておいた。ティターニアの体はやわらかくていい匂いがする。思う存分クンカクンカしておいた。


 後ろからキャラットちゃんに凄い勢いでウサギさんパンチされていたけどさほど気にならなかった。ごめんね、キャラットちゃん。夜は思いっきり可愛がるから許しておくれ。



 ---



 901/8/8 18:16


 夕食の時間になったので、ルナの家に一旦戻った。ティターニアも当然ついてくる。何故かキャラットちゃんまでついてくる。今日生まれた赤ちゃんはミニキャラットちゃんなので、確かに相手をする必要がないといえばそうかもしれない。今はキャラットちゃん担当のメイドさんが面倒を見てくれている。


 ルナは家に戻ってきた俺達三人の姿を見て、やや呆れた表情をしていたがちゃんと夕ご飯を人数分用意してくれた。一応普段から多めに作っているから大丈夫だ。ちなみに余った分はフェンリル公がいつも食べている。いっぱい食べても太らないらしいですよ。羨ましい限りである。とはいっても俺が神から貰ったこの体も、太りも痩せもしないんだけどな。


「アナタ、今夜から早速キャラットさんの家に通うのですか?ティターニアさんは今夜からどうするのですか?」


 ルナは呆れ顔で聞いてくる。でもそこまで怒っている様子はない。ルナも既に妊娠しているし、食事時には俺からちゅーちゅー魂を吸っているので特に怒ることはない。あと、たぶん魂を吸ってる際に俺の感情を量ることが出来るらしいから、それで既に答えが予想済ってことなんじゃなかろうか。


「うん、俺は今夜からはキャラットちゃんの家かな。ティターニアは…ちょっと俺にはまだわからないんだけど」

「わたしは、家まではついていきますが玄関で別れるつもりです」


 俺に続けてティターニアが自ら説明してた。ふむ、キャラットちゃんとの行為の最中まではずっと一緒にいる気では無いらしい。


 ルナはそれ以上質問することはなく、その後は他愛のない会話をしながら皆で夕食を楽しんだ。

 夕食後はルナの家の隣にあるキャラットちゃんの家へと三人で戻る。約束通り玄関での別れ際で、ティターニアがこう告げる。


「それではお兄様。また明日の朝来ますね」

「ん?うん。またね、ティターニア」

「おやすみなさい、お兄様。それでは良い夜を」


 そういってティターニアは、極めていつも通りの歩調で歩いて帰っていった。特に不自然な点は見当たらないが、逆にその方が不自然かもしれないな。


 その後はキャラットちゃんと一緒にのんびりとした時間を過ごした後、一緒にお風呂に入ってしっかりと身を清めてから、二人でベッドに入った。


「パパー、今度こそ男の子目指して頑張ろう-!」

「おー!」

「ところでパパってウサギ族のオトコノコ見たことあるー?ボクはお父ちゃん見たことあるから知ってるけどー」


 ふむ。ウサギ族の男性か。見たことないな。何か変わった点でもあるのだろうか?


「いやー、見たことはないなー。なんか変わってるのかな?」

「えへへー、ボクが生めば自然とわかることだよ。ほらー、早く早く-」

「はいはい」


 そんな軽い感じでキャラットちゃんと致すことにした。彼女はやっぱりその夜も淫乱ピンクだった。



 ---



 901/8/9 7:39


 次の日の朝キャラットちゃんと一緒にお風呂を上がって服を着て出てきたら、既に居間にティターニアが待機していた。


「おはよう、ティターニア」

「おはようございます、お兄様。キャラットお姉様もおはようございます」

「うんー、ティターニアちゃんおはよー。でもねー?さすがにボクは朝ボクの家の居間で待機されてるのは想定外だったよー?」

「うふふ、そうですか?」


 ティターニアはまったく厭味の欠片すらない笑顔で受け答えている。つまりこれは嫌がらせではなくただ素でやってるだけだってことだ。なんの邪気も含まれていないわけだ。これ以上追求しても無意味だろう。


「それじゃあお兄様、行きましょう?」

「うん、そうだね、行こうか」

「えー!ちょっと待って-、ボクも行くよー」


 玄関で靴を履いて皆で家を出る。ティターニアはそれが当然であるかのごとく俺の左側にくっついている。キャラットちゃんは俺の右側にくっついてきた。俺は手をそれぞれ彼女達の腰に回しておく。


「むー、ボクも左が良いのにー」

「……」

「う、普通に流されてる。ねえティターニアちゃん。左譲ってよー」

「えーっと、その、嫌です。ごめんなさい、キャラットお姉様」

「えー!」


 さすがにこの事態は俺も予想外だ。最初無言でスルーした挙句、追求されたらキッパリ断るとは想定外。ティターニアがここまで強い意志を見せることはこれまでにあっただろうか?


 あまりにもキッパリ拒否されたのでキャラットちゃんはそのまま俺の右にくっついていた。そのまま隣のルナの家に戻る。


 朝食の席にまた三人で来たのを見て、ルナがさすがに怒った。


「アナタ。さすがにこれはあんまりです。ティターニアさんだけならまだしもキャラットさんまでまた連れてくるだなんて。マナーの欠片もありません。明日からもう少し自重してください」

「ええー!?ボクだけダメなの?ルナさんひどいよー」

「キャラットさんの朝食はキャラットさんのメイドが作っているはずでしょう?ティターニアさんへの対抗心でそのまま付いてきたのでしょうが、さすがに自重してください」

「うぅー、ひどいよー」


 俺は正直、この怒り方には少し驚いた。ルナはまったくティターニアを責めていないのである。一体どういうことなんだ?もうルナの中でティターニアはノーカウントになってしまっているらしい。何故ノーカンになってしまっているのだろうか。


 それでもルナはその日の朝食はキャラットちゃんの分まで用意してくれた。その日の朝食もおいしかった。


 朝食後、俺達は普段の日常に戻った。ただしティターニアはずっと一日中ほぼくっついたままだ。ティターニアにくっつかれた状態が日常になってしまった。

 ティターニアは引き続きバナナ相手に練習を重ねている。段々と上達しているが、実際にされたらどんなことになるのだろうか。されてみたい気はするがなかなか怖い。


 日常の中で変わったこととしては、リースがティターニアに対して左を譲るように要求したことだろうか。


「ティターニア、ちょっとヒロの左を譲りなさいよ」

「はい、リースお姉様」


 リースに言われてティターニアはすんなりと俺の左を譲った。キャラットちゃん相手には断固拒否したのに、だ。

 何気なくパーティメンバーリストを見ると、上から順にヒロ=アーゼス、リース=アーゼス、ティターニア=アーゼスと並んでいた。もしやこの並び順を参考にしているのか?


 …そういえば、キャラットちゃんは子供が生まれた後も並び順がティターニアより下かもしれない。愛情値上限が+100されたからといって、ティターニアの1000カンストを超えることが出来なかったということだ。

 ルナが1000カンストを有り得ないと言っていたから、実はかなり難しいことなんじゃないのか?俺は実はそこまでティターニアを愛してしまっているということなのか?全然自覚が無かったのだが。


 何にせよ日々はゆっくりと過ぎていった。俺は毎晩キャラットちゃん相手に男の子を目指して頑張った。そういえば微妙にニュアンスが違うような気がしたのは気のせいだったのだろうか。



 ---



 901/8/23 7:03


 その日朝起きてUIを確認すると、キャラットちゃんのステータス欄には妊娠中を示すピンクのハートマークと、確定させた性別を示す♂マークが点灯していた。

 前回は失敗してしまったが、今回はしっかりと男の子に確定出来たらしい。ウサギ族の男女比は10:90らしいから、かなり難しいところを引き当てたのではなかろうか。

 キャラットちゃんもそのことをUIで確認して、ただただ感心していた。


「すごいすごーい!すごいよパパー!オトコノコは本当にレアなんだよー。オトコノコのお母さんにこんなに早くなれるだなんて、ボク感動だよー。ありがとー、パパ」

「いやいや、そこまで喜ばれると照れるな。そんなに男の子が良かったのか、キャラットちゃん」

「うんー、そりゃそうだよー。今から楽しみだねー、オトコノコー」

「ん?うん、そうだねー」


 何かずっとこう違和感を感じるのだが一体なんなんだろうな?何か納得いかないけれど、早くお風呂に入ってしまわないとまたティターニアがやってきてしまうので、俺はキャラットちゃんと二人でお風呂に向かうのだった。

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