第三十七話「アンジェラちゃんの研究」
先日はリースに随分長時間叱られてしまったが、次の日からの俺の一日の行動はこのようなものになった。
夜はルナと二人で娘のマリーの弟を作る為に子作り。朝はルナの家で目を覚ます。
朝食を食べた後はリースの家に行って朝の二人のティータイムを楽しみつつ、長期目標や短期目標についての確認と何か目新しい情報が無いかを確認する。
その後はジゼルお母さんの家に行って採乳の手伝いをして、その後適当に何かしらで時間を潰してから一度ルナの家に帰る。
昼食前にはルナの採乳も手伝う。昼食を食べてマリーの顔もしっかり見てから、再度外出。
適当に一、二軒回ってから、再びリースの家でティータイムを楽しみ、その後また他の家を回ってからルナの家に夕食時には帰る。
これは果たしてどんなものだろうか。
結局やっていることは妻達の家をぶらぶら回ってるぐらいなものである。
ちなみにジゼルちゃんの家のあと時間を潰すというのは、実はここでフリマさんの部下の人から事業の進捗状況を報告して貰っている。
結局具体的な仕事は全部あちらに任せてしまっているので、俺はそれが順調にいっているということを書類で見せて貰っているだけだ。
どれだけの太さの道をどこに引くかだとか区分けをどうするかだとか、そういう将来予定図が既に大体出来上がってきているらしい。大雑把な収容人数目安なども達成可能な見込みのようである。歳出歳入バランスも大体バッチリになるみたい。
なんだろうねー、そこらへん、やれる人はやれちゃうってことなんだろうねぇ。いやはや、俺には絶対無理だよ事業管理とか、始まってない状態で予測立てるとか無理無理。
この世界の教育は、教会のみが有料で行っているらしい。
で、その費用がわりと高額なうえに、話を聞く限りではやや残念な内容みたいだ。
つまり、神の使徒がそこに介入する余地をわざわざ神様が残してくれていたというわけ。
俺が現代日本を参考に教育システムを構築してやれば、向こうから生徒さんが一杯集まってきてくれるような、そういうバランスで設定してくれていたんだ。
なるほどなー、一兆円もそれを見越した金額設定だったのかもしれないな。
俺がしたことは、現代日本の教育システムをフリマさんに説明しちょっと特殊な巨大教育機関を設定して欲しいとお願いしただけである。どこらへんが特殊なのかはまたそのうち説明する。
教育の重要性は既に神様が教会の教育システムで人々に教えてくれている。
そこに、教会よりも低額で、全寮制で遠くからでも通える特殊な教育機関を作ることで、全世界から勝手に若い人達が集まってくれるわけだ。
大分広い土地を用意出来たので、卒業後の人々が居住し生活出来るような街も用意される予定である。いきなりでは金が足りないので、徐々に徐々に、だな。
つまり、ここに学校を建てよう、ここに街を作ろう、というようなゲーム知識を生かしただけの話だ。
知識を用いただけで俺自身は何の苦労もしていない。金は最初からあったしな。
道幅の重要性だけは強く訴えさせて頂いたがね。まぁそこらへんは既に各国の道路もそうなっているみたいだけど。
神が作った道、国道は実はすごく幅が広いんですよ。幅百メートルの銀色の舗装道路みたいなものだったんですよ。神の作った国道がどこもかしこも幅百メートルなものだから、皆が馬車で走りたい放題なわけです。
しかもなんかね、左側通行です!って矢印とかでなんかしつこいぐらいに指定されてるから皆左側通行なんです。だから事故も滅多に起こらないし、皆が道の太さの重要性を知っているというなんとも謎な異世界になっていた。
ともかくそちらの計画は順調だ。
だから俺は妻達との交流を重視していれば良いという話になる。
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901/3/9 12:50
その日一軒目のお宅訪問は、ティニーの家だった。彼女は最近随分と女性として成長中である。
そんな彼女の家を訪ねてみた。
ピンポーン、とドアのチャイムを鳴らすとインターホンから声が聞こえてくる。
『お兄様、いらっしゃい。どうぞあがってくださいな』
「うん、ありがとう、あがるね」
うん、これは確かにティニーの声だね。最近は頑張って口調を変えているみたいだからな。
こう、大人の女になろう!っていう決意がよくわかるし、俺も結構嬉しい。
だってね、台詞が幼女な子を抱くのって結構しんどいものだよ?特殊な素質を持っている人ならご褒美なのかもしれないけどさ。
居間にあがった俺に対して、ティニーは紅茶を淹れてくれる。紅茶の味は大分おいしいのじゃなかろうか。ミルクティーだった。
「ありがとう、ティニー。ミルクティーが好きなのかい?俺も好きだけど」
「はい、ティニーも…じゃなくて、私もミルクティーは大好きです。リースお姉様と昔から一緒に飲んでいましたから」
そうかそうか、昔から二人で一緒に飲んでいたのか。
つわりが終わってからはリースの家でもミルクティーばかりだからな。以前はレモンティーばかりだったが。
ティニーの顔をよーく見てみる。
相変わらずウェーブのかかった長い金髪であり、青い瞳も優しい印象が強い。
最近は体つきも大分女らしく成長してきているし、以前は百三十五センチだった背も百四十五センチ程度には伸びてきているんじゃなかろうか。
うん、この子は優しい感じの美人さんに育つだろうなー。成長が楽しみだ。
彼女の左手の薬指には、俺が十四歳の誕生日に贈った大粒のピンクダイヤモンドのリングが今も填められている。いいよなぁ、それ。俺も金さえあればそういうの手元にあったら嬉しかったと思うよ、男だけど。
ティニーは俺と視線を合わせている間、結構顔を赤らめたりしていてなかなか可愛い。
俺を男として意識しているんだろうな。
まぁでも、そこまで色々急激に変化して大丈夫なのかな?とは不安になるけれどもね。
だから俺からはこう声をかけてやることにする。
「最近のティニーは随分と大人びてきたね。以前の君も十分に子供としては愛らしかったけれど、今の君は普通に女性として可愛くなってきている。そのことを咎めるつもりはないし、俺の為だってことはわかっているから素直に嬉しい。けれど、無理はしちゃいけないよ?ティニー」
「はい、お兄様」
うん、素直で真剣な瞳をしている。
可愛い可愛い。ならば俺からは更に何をしてやるべきだろうか。
「そうだな、俺からも何か出来ることは無いかな?例えばティニーから俺への呼び方だけじゃなくて、俺からティニーへの呼び方を変えることだって出来る。君は今はまだ大人じゃないけれど、もうすぐ十分立派な大人になれるはずだ。だから、いつまでもティニーと呼ばれるのが嫌ならば、呼び方を変えても良い」
「…!お兄様、本当に?」
む?おや?どうした。なにかストライクだったか?
なんだかすごく嬉しそうな顔をしているな、というか嬉し涙まで流しはじめたんだけども。
今は、テーブルを挟んで対面でお茶を飲んでいた状態だ。
既にミルクティーは二人とも飲み終わっているが。
ティニーが涙を白いハンカチで拭いてから俺に言ってくる。
良いね、そういう白くて大きなハンカチ。お上品で実用性も高そうで良いと思うよ、俺は。
「お兄様、隣にいってもいいですか?」
「ん、いいよー。でも椅子よりはソファーの方が良いんじゃないかな?」
「…そうですね。それじゃあソファーの方に行きましょう」
俺とティニーは二人で移動して、別の場所にあるゆったりとした長めのソファーの方に移動する。俺が右の方に座ってやると、ティニーは左に座って俺の方に少しよりかかってきた。だから俺は彼女の肩に左手を回してやる。
そうだな、また俺から声をかけてやるか。
「呼び方を、変えて欲しいのかい?」
「…はい、お兄様」
「なんて呼び方が良い?俺が考えた方が良いかな?」
「…はい」
うん、任されてしまったようだな。
まぁ答えはわかりきっているんだから悩む必要もないけどね。
「ティターニア」
「…」
「ティターニア、ってこれからは呼ぶようにする。それでいいかい?ティターニア」
「はい、お兄様。本当にありがとうございます」
ティターニアっていうのはティニーの本来の名前である。ようは短縮しないというだけである。
短縮するという行為が、子供扱いされているように感じることだってあるだろう。特にそれが昔からずっと呼ばれていたのならば尚更のことだ。
俺はティターニアのウェーブがかかった長くて綺麗な金髪を優しく撫でてやった。
彼女はとても気持ち良さそうにしていた。相変わらずやわらかくて手触りが良かった、ふわふわだ。
エルフ族特有の可愛い長耳も気になったので、ちょっと優しく撫でてみる。撫でてやるとビクッと震えていた。さすがに性感帯なのかもしれないな。そういうことをする時以外は撫でない方が良いだろうな。
そのまま随分と長時間のんびりとしていたら、リースが隣の家からやってきた。
理由を聞いたら、UI右上の周辺地図にギリギリ表示されてしまうそうです。
リースとの三時のティータイムをすっぽかしてティターニアと二人でイチャラブしてたから向こうからやってきたってわけ。そっかー、なるほどねー、しっかりしてるなぁ。
その後リースと俺とティターニアの三人で再びティータイムを楽しんだ。
その最中に、これからはティニーとは呼ばずにティターニアと呼ぶことをリースにも合意させた。
リースもそのあたり多少気にしていたってことなのかね。
ティターニアはティニーと呼ばれなくなったことを、少し寂しそうではあったけど喜んでくれていた。
ついでに明日からこっちでティータイムでも良い?って聞いたらさすがに怒られた。リースはもうおなかおっきいからね。出向いてくるのしんどいよね。じゃあリースの家でイチャイチャしても良いの?って聞いたら複雑な表情をされた後、いいよって言われた。
うん、ごめんなー。エルフの姫ちゃん二人とも可愛くてヤバイわー。最高だわー。
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901/3/9 16:52
さて、エルフの姫ちゃんといえば最近影の薄いアンジェラちゃんもいるわけですよ。
アンジェラちゃんはこの屋敷に来てからほぼずっと引き篭もって研究をしています。
アンジェラちゃんは見た目は完全にダークエルフ系です。口調は随分あっけらかんとしています。
身長は百七十センチ、年齢は二十一歳、そして体はナイスバディ。
でもなんだろうねぇ、やっぱりダークエルフの姫ちゃんだから、割とマジメなのかもしれないね。
腐っても姫ちゃんってことだよ。優秀じゃない王族なんて、早々いないものですよ。
優秀じゃない王族だなんて物語の都合で設定されてない限りはさほど多くないはずである。
ティターニアの家で十分な時間イチャイチャ過ごした後は、さすがにアンジェラちゃんの様子も見に行きたいということを素直に伝えて、それで家を抜け出してきた。
リースとティターニアは何か色々と話があるそうでまだ残るらしかった。
とりあえず、ちょっと怖いけどアンジェラちゃん宅のチャイムを押す。
ピンポーン、といつもの音が鳴る。変な鳴らし方をしたいけれどもリースに怒られたからもう封印だ、ちくしょう。
そのまま待つが、反応がないのでもう一度チャイムを鳴らす。やはり反応が無いので、試してみたら普通にドアが開いた。この近辺には俺達家族や従業員しかいないし、この世界は犯罪がほぼゼロだからあまりカギをかける必要は無い。だから普通にカギが開いてくれているわけだ。
俺は家に上がってアンジェラちゃんを探すことにした。大体どこの家も同じ構造なのでわかりやすい。
アンジェラちゃんは俺が先ほどティターニアとイチャイチャしてた位置の長ソファーの上でゴローンとしてた。
俺が会ったときにも見た紫色のレオタードを着ている。見た目だけなら随分とエロイ。
中の人の口調がやや残念だが。
とりあえず俺は声をかけることにする。
「アンジェラちゃん、お久しぶり-。夫のヒロです。放置していてごめんよ。最近アンジェラちゃんが何をやっているのか教えてくれないか?立てるかい?お疲れの様子だけども」
「う~…無理ぃ…冷蔵庫の中に例のやつがあるから持ってきてー、ご主人様~」
ご主人様に使いっ走りさせちゃうのかい?聞いていた話と違うじゃないか。
まぁいい、とりあえず行ってくるか。
この世界は色々とおかしいので普通に冷蔵庫がある。今まで動力は謎だったが、魔力らしい。
神の道国道には魔力がびっしりと流されていて、そこから魔力線だかなんだかを道の下に敷設してきたら電線の代わりになって魔力で動く色んな家電製品的なものが作動するんだってさ。
便利なことはいいことだからわざわざつっこまないけどね。
ちなみに魔力代金は神様のサービスらしいです。すげぇ太っ腹な話だな。だから電気代も気にせず家電製品使い放題なんだとさ。
アンジェラちゃん担当のメイドさんがお茶を入れましょうか?と聞いてきたが辞退しておいた。
ちなみにアンジェラちゃんが一人でソファーでゴローンとしていたのはメイドさんにそう言い聞かせているからなんだそうだ。
一人でゆっくり疲れを癒したいとかそういうことらしい。そのタイミングで俺がやってきたわけだな。
それにしてもこの話に出てくるメイドさんは完全にモブだよな。などというのはメタすぎる話か。メイドとして決して目立たず日々の職務をこなしてくれています。まさに空気です。空気として純粋にその役割をこなすメイドさんは最高だと思います。皆顔はさほど可愛くないけど。
まぁあれだよ、年収三百万ぐらいしっかり頂いているらしいからね。しかも仕事が出来るまでずっと有給休暇状態でさぼってたしな。
メイドさんからのお茶の申し出を辞退して冷蔵庫の中身をチェックする。いかにも栄養ドリンクといった外見の小瓶がいくつも並んでいた。取り出してラベルを見ると、どこかの王様っぽい人物がイイ笑顔をしているマークが印刷されている。アルベロン国王ではないな。しかし見覚えがある気がしなくもない。おそらくはダークエルフの国王様のマークなんじゃないかな?
冷蔵庫から取り出したその小瓶には細いストローがついていた。キャップを開けて小瓶にストローを挿しておき、アンジェラちゃんの元に戻って彼女に手渡した。
受け取った彼女は細いストローでちゅーちゅーと吸い始める。その様子を見て、これは本当に異世界だったのだろうかと少し不安になってしまった。
栄養ドリンクを飲んでしばらくしてアンジェラちゃんは元気を取り戻した。
ビンを受け取ってゴミ箱に捨て、そうしてようやくアンジェラちゃんからの話を聞くことが出来た。
「本当にひさしぶりーご主人様。アタシなりにご主人様の為に何をやれるか考えてみたのよ。その結果としてー、ジャジャーン!薬を開発することにしちゃいましたー」
といってアンジェラちゃんが収納具から取り出して見せたのは、紫色の小瓶だった。
ふむ、紫ねー。割と魔力っぽい感じがするよね。
「さて、これはなんでしょー」
「魔力っぽい薬かな?」
「せいかーい!ご主人様さすがに冴えてるわねー。でもまだまだ研究中で未完成なのよー。完成したらご主人様にとってとても有効な力になるはずよ」
ふむ、なるほど。この薬の為に何やら凄く頑張っていたみたいだ。つまり相当スゴイ効果があるってことだ。一体どういう効果だろうか?
「ふーむ。それで、この魔力っぽい薬はどんなものかな。どうやって使うのだろうか」
「えっとねー。まずそれをご主人様が飲みます。今は飲まないでね」
「うん、するとどうなる?」
「すると、ご主人様の股間のブルトガングがすっごいことになりまーす」
ブルトガングて、おい。
リースが俺の性的な意味での剣につけたあの名前のことだよな。
「…リースから聞いたのか?それでどうなる?」
「薬を飲んだその状態でー、エルフの姫ちゃんとえっちすることで、二人の魔力スキルがアップする予定、かな~」
「ふーむ…なるほど、そりゃ確かに凄いな」
俺がこれまでに魔力スキルがアップしたのは、リースに避妊魔法の禁呪を使われていた期間だけだ。つまり魔力スキルを上げる方法は相当レアだってことだ。何やら滅多に上がらないらしいです。それこそ禁欲生活を一ヶ月続けたら0.1上がるとかそんな感じらしい。
だから魔力スキルが上げられるというのは非常に重要なんだ。例え上げる手段がアレだったとしても、だ。
「それで、未完成ってことはこの薬は今はどの程度の性能まであるのかな?」
「んっとね、ブルトガングがギンギンになってすんごくなるぐらい?その先の効果を付与するのがちょっと難航しているのよ」
「ふむ…安全性は大丈夫なのかな?」
「安全性のチェックの為には、ご主人様にその未完成の薬を実際に飲んで試して貰うしかないかしら~。最近ルナちゃんとしてるって話を聞いたわよ?だから是非ルナちゃん相手に試してみてね~」
ふーむ…なるほど、ルナ相手にね…
その後は、アンジェラちゃんに更に詳しい説明を聞いた後、アンジェラちゃんの家から出た。
一本丸ごと飲まないとダメなんだけど、一本丸ごとだと効果がとんでもないらしい。
ルナの家に帰って、夕食を食べて、その日の夜に薬のテストをすることをルナに伝えてから一本まるごと飲んでみた。
かなりすごいことになった。
最終的には非常にタフなはずのルナが失神しました。
これすごいなぁ…今後これを飲んでエルフの姫ちゃん三人とやるのか?今後大丈夫なのかと不安になってしまった。
そんな感じで日々が過ぎていく。




