第三十一話「廃止されたクリスマスと廃止されないお正月」
屋敷に帰ってきてからは、穏やかな日々が毎日続いている。
最後にやってきたアンジェラちゃんやフェンリル公やスシネさんももう大分馴染んだ。
定期的に皆に顔ぐらいは見せに行っているので、放置の子はいない。
ルナはいつもお父さんと仲良くしている。
キャラットちゃんもフェンリル公と仲良くしている。
加えて愛姫もフェンリル公の肉球にご執心だ。
ジゼルちゃんは編み物に今もはまっており続けているようだ。
フリマさんは俺の分の仕事まで含めてバリバリ働いている。彼女の代行が出来るぐらいの優秀な側近を育成中らしい。自分の本来の仕事を部下に出来るようにして、俺の方の仕事をいずれはメインにしてくれるらしい。
リースはいつも俺と一緒だ。
ティニーはリースの家に遊びに来たりフェンリル公の所に遊びに行ったりしている。
アンジェラちゃんはなんと魔法関連の研究をしているとのこと。
スシネさんは毎日情報を集めては俺の記録をびっしりと付けているらしい。
フェンリル公はまったく働かずに皆と一緒に遊んでいる。まぁ一緒に遊ぶことが仕事だとも言えなくもないです。
ジェームズ氏は最近は割と俺の計画の為に忙しく働いているが、歳の疲れもあるのか退職を検討中らしい。まぁ見た目だけはベテラン執事だしな、体も若くないだろう。
ちゃんと引き継ぎして貰えるなら特に問題無いので了承しといたが、なんでもジェームズ氏より真面目な息子のジェームズジュニアが来るらしいよ。名前も同じジェームズなんだってさ。まぁいいんですけど。
ところで、ティニーの誕生日が十二月十二日なんですよ。
この世界では本当に宝石が激安らしく、良い物が安く手に入るらしい。
そんなわけで、十四歳で女性として十分に認められる年齢になるということで、結構大粒のピンクダイヤモンドのリングを台座プラチナで贈ることにしたのだが。
900/12/11 23:40
その夜、リースの発案によりティニーとお風呂に入ることになった。
俺は水着を着ており、ティニーは前はビキニを着ていたが今はスクール水着を着ている。何故?と聞いたところ、興奮しにくいからだそうです。まぁ、普通はそうだよね。俺もそう思うよ。
ティニーの体はすくすくと成長中。背も伸びてきてるし、胸とおしりも成長してきている。
以前のジゼルちゃん並になってきてないかい?ジゼルちゃんは完成された貧乳過ぎないバランスの取れた貧乳キャラだったけど、あれでも一応十七歳だったんだよ?彼女。
十四に今日なる時点で完全ペッタンからここまで成長しているとは、将来どうなるんだろう、ティニーは。
さて、そういう風にかなり成長しているティニーの体だが。
ティニーからどれだけ刺激されても、俺の股間のブルトガングは戦闘状態にならない。ちなみにリースが命名してくれたんです。エクスカリバーとかじゃない名前をつけてくれました。
お風呂の横では、水着のリースが待機中。彼女はマイクロじゃない大分面積の広いビキニを着ています。胸おっきいからね。それぐらいのサイズじゃないとしっかり支えられないよね。
「どうかしら?ヒロ。今はやっぱり反応しないのよね?」
「うん、サッパリだね」
俺のこの神から与えられた体は極めて異常性欲である。
それなのに、幼女だと自らが認識する相手に対しては一切反応しないというストッパーがかかっているのだ。これは人族の特性であって神の使徒だからということでは無いらしいが。この件は以前確認した。
「ねぇティニー。既に初潮は済んでいるのよね?」
「うんー、あの日はすぐにお薬飲んだからだいじょうぶだったー」
「そっかそっか。それじゃあその条件はクリアされているわけね」
薬、というのは大神官ギザン氏が開発した生理痛をほぼ無くす薬のことだろう。とんでもない性能の薬だと思う。男の俺には理解出来ないが女性ならば必須なんじゃないかな?たぶん。
「ヒロ、貴方これが何しているかわかっているわよね?」
「うんー、何歳から反応可能かってことを調べているんだよね?」
「その通りよ。よくわかってるじゃないの。…さぁ、もうすぐ日付が変わるわよ」
さて、UIの日付がもうすぐ変わろうとしている。
ティニーの体はこれだけ成長しているんだから出来ないってことはないだろうが、やはり不安だ。そもそも俺はもっと成長していた方が好きなんだから、もう一年ぐらいは待ちたいと考えている。
UIの時計が 900/12/12 00:00 に変わる。これでティニーは十四歳になった、とその瞬間。
ジャキーン!ベシーン!俺の股間のブルトガングは一気に戦闘状態へ。
「うおぉ…すげぇ、いきなりか…」
「うわぁ…すっごいねぇ、おにいちゃん」
先ほどまでは一切反応していなかったのに突然の変化だった。そういう制限がどうにもかかっていたらしい。
なんだろう、俺とくっついているティニーがすごく恥ずかしそうにしている。
「おにいちゃん、ティニーで興奮しちゃったの?そんなにティニーとしたいの?」
「えっと…」
「いいよ?ティニー、おにいちゃんとなら出来るよ?いますぐしたい?」
「リース!へるぷ、へるーぷ!」
「はいはい」
リースがティニーの体を抱え上げて回収した。ふぅ、危ないところだった。
あのままだったらたぶんこの体が暴走してたんじゃないのか?
回収されたティニーはなんとも残念そうな表情をしている。
「うーん、リースお姉ちゃん、まだダメなの?」
「そうよー。もう少し待ちなさい?ヒロの体は出来ちゃうかもしれないけど、たぶんそのまましたらヒロの心が傷ついちゃうのよ。それにヒロはもっとおっぱいおっきい方が好みだからねー」
「どれぐらい待てばいいのー?」
「もう一年よ。もう一年もしたらティニーももっとおっきくなってるわよ。だからそれまで待ちなさい?」
「はーい、わかったー。じゃあ指輪だけで我慢するねー」
そう言ってティニーはお風呂から出ていった。後にはリースだけが残った。俺もお風呂から出て、それでリースと対面で会話することにする。
「うーむ、なるほどなー。一応十四歳でギリギリ出来るってことなんだなー、気は進まないけども」
「ねぇ、ヒロ?ヒロの世界にはその十四歳って何か関係しているのかしら?」
うん、当然そういう質問にもなるよな。あるんだよ、それが。
「あるよー、あるある。十三歳以下に反応するのは病気で、十四歳以上に反応するのは病気じゃないんだよ。しっかりとそこらへん明確に区別されているんだ」
「なるほどねぇ…でも、出来れば十四歳よりも十五歳の方が良いでしょ?」
「うん、そのぐらいは育ってた方が嬉しいかな、俺は」
若い女はとても好きだけれど、そういう感じなんだ、俺は。
正直に答える俺に対してリースはくすくすと笑っている。
「本当にヒロって正直者よね。でもそういう所も好きよ。今日はお疲れ様。スッキリさせてあげるから、それから寝ましょう?」
「うん、ありがとうリース」
そんな感じで日付が既に変わっているがその日が過ぎていった。いつかのように三人で川の字になって眠った。
ティニーの左手の薬指には俺から贈った大粒のピンクダイヤモンドのリングが既に填められていた。別にお揃いではないがよく似合っている。リングのサイズは彼女の成長に合わせて調節していく予定である。
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さて、それからも日々を穏やかに過ごしていたわけだが。
俺からリースに聞いてみたんですよ、アレのことを。
「ねぇ、リース。十二月の二十四日と二十五日って何かないの?」
「ん~?教会関係者の仕事納めみたいなのはあるかもしれないけど、普通の人には何も無いわよ?」
「ふむ、リースはクリスマスって単語を聞いたことはある?」
「クリ…?聞いたことないわね。何も無いわよ?」
うん。
そうか。
この世界、新嘗祭はあるのにクリスマスは無いんだってさ!
この世界のクリスマスは神様に廃止されました。お正月は普通にあるそうですよ。
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901/1/1 11:23
お正月である。完全に現代日本風なお正月だった。
なんかね、コタツとか普通にあるんですよ。あとミカンとかもあるんですよ。
ルナとフェンリル公はコタツに入ってミカンを一緒に食べてる日が多い。
フェンリル公のでかい肉球つきの手ではミカンが剥けないのでルナが皮を剥く。
愛姫はよく一緒のコタツにお邪魔してはフェンリル公の肉球を触っている。ティニーもよくお邪魔してはもう片方の手の肉球を触っている。
ジゼルちゃんは手編みのマフラーを作っては皆に配っている。最近はあまり長いやつじゃなくて一人用で作ってるらしい。
俺にくれたやつは、わざわざ長くしておいてくれたらしいです。元々二人で巻く用だったわけか。気が利いてるじゃないか。
ちなみに今は皆で餅つき中だ。
フェンリル公とルナが親娘でペッタンペッタンしてる。
たまには他の子も代わってペッタンペッタンしてる。
そうやって皆がくつろぐ一方で、フリマさんはいつもバリバリ働いている。
休まなくて大丈夫?と聞いたところ、この世界には疲労回復系の良いものがいっぱいあるので楽勝らしいです。なるほどねえ。本人が良いと言うのだからほっとこう。
アンジェラちゃんは随分研究熱心らしく篭もりきりな日が多い。しかし今日は表に出てきておりお餅を食べていた。
ちなみにこの世界、自滅禁止効果のせいで喉につまらせるサイズのお餅は口に入れようとするとガードされるそうです。へぇ、なんかすごいね。
キャラットちゃんは妊娠中なのに大丈夫なのか不安なのだが、よく雪だるまとか作ってる。
なんか、ある程度以上冷える場合、それ以上体が冷たくならずにHPの不思議バリア耐久力が減っていくらしいですよ。なので必要以上に冷たくなることはないんだってさ。
そしてリースはいつも俺と一緒だ。最近はいちいちそのことを突っ込まれなくなった。
皆今の生活に満足しているし、俺のすることにケチを付けようとはしないみたいだ。
今日もいつもの木のベンチにリースと二人で座って広場の中心の方を見ている。今日もジゼルちゃん特製マフラーに二人で巻かれている。餅つきは順調なようだ。
餅の世話をしているルナのおなかはとても大きくなっている。なんかよくわかんないけど、この世界の妊婦さんは性行為をしない限りは流産とかほぼしないそうです。なんだろね、不思議バリア的なものがあるのかね。なので安心して見ていられるわけだ。
ルナの出産予定日は一月十日だ。なんとなくだが、ゾロ目になるから十一日になるんじゃなかろうか。
俺の隣に座るリースも既に妊娠四ヶ月だ。これからは家族がどんどん増えるのだろうか…俺は前世では記憶がある限りの範囲では子供はいなかった。そのことを割と悔やんでいたが、異世界に来るのなら子供はいない方が良かっただろうな。
「ねぇ、ヒロ」
「なんだい?リース」
「ヒロは初めて父親になるのよね?…怖くはないの?」
「怖いさ。でもこちらの世界はそのあたりすごく安定していて安心みたいだから、その心配が無いだけまだマシかな」
「そうね。そのあたりは安心よ。でも始めに生まれる子供が救世主だなんてねぇ…名前はもう決めてあるのかしら?」
リースは随分と優しい目で俺に語りかけてくれる。
うん、そうだな。名前ね、名前は既に決めてあるんだ。許されるかどうかかなり不安だけど…
「俺のつけたい名前をね、フェンリルさんと相談してみたんだよね」
「ふんふん、それで?」
「そしたら、フェンリルさんのつけたがっていた名前と大分似ていたからさ。だから、同じ名前なんだからフェンリルさんの方から付けてもらうことにしたんだよ」
「うん…そっか。ヒロはそのあたり、何か思うところがやっぱりあるの?」
思うところ、か…うん、そういうのもやはり、全てが前世での無念なんだろうな。
前世の無念に突き動かされているとするか、前世の無念を晴らしているとするかは微妙なところだが。
「子供にとってさ、孫の顔を親に見せてあげるのは、やっぱり最大の親孝行なんじゃないかって、俺は考えているんだよ」
「そう。そうね、私もその意見には賛成よ」
「そうだなぁ…ルナの子供は、おじいちゃん子に育つのかねぇ」
「まぁ、フェンリル公に任せるならそうなるんじゃない?…でもヒロ、わかってるわよね?」
何をわかっているか?そう、俺には既にわかっている。
けれど、今はまだそれを言わなくてもいいだろう?
「わかってる、わかってる。俺にはわかっているから、皆まで言わなくてもいいよ」
「うん…わかってるだろうとは思ってた。だからこれ以上言わないわよ」
俺が何をわかっているのか?
それは、時が過ぎればじきにわかることだ。
ルナの子供が生まれる日はすぐそこまで迫ってきている。
異世界にクリスマスがあったら普通はおかしいでしょうが!




