第二十七話「皆の様子、愛姫&ジゼル」
アンジェラちゃんはダークエルフのお姫様である。
リースとアンジェラで作品繋がりで見た目もそうかと思いきや、それは全然違っておりアンジェラちゃんの見た目は完全にダークエルフのイメージの見た目であった。
褐色肌に綺麗な白いロングヘアーをしていた。
彼女は「孕まされるまでは負けじゃない、孕まされたら負け」などという俺には到底理解不可能なダークエルフ特有の価値観を持っており、俺は彼女がリース相手に懐いている間に内海貿易船の上で彼女を孕ませるということになってしまった。
彼女を孕ませた数日後、俺達はウサギの国ロップイヤーで船を降り、彼女はそのまま船に残りゆっくり優雅な船の旅に戻っていった。その後彼女はどうなってしまったのか?
実は彼女は今も海の上にいるらしい。
ちなみにルナは、今でもずっとアンジェラちゃんの分のご飯を作って送っているのだそうだ。いや本当に、その話を聞いた時はビックリしてしまった。
ルナは本当に色々パーフェクトなお嫁さんである。俺が意識していない見落としてるところも全てしっかり動いてくれていたのだ。
俺達とロップイヤーで別れた後のアンジェラちゃんの動きはこのようになっている。
まず別れたのが九月の二十八日だ。十二時にロップイヤーを出航後、十日間かけて猫の国に到着する。十月八日の十八時に猫の国から出航し、五日後トルッコに到着する。その後十四日の零時に出航し、ユーロの国の内海貿易港ポルポルに二十四日の零時に到着後、迎えの馬車に乗ってこちらに来る予定になっているらしい。
つまりアンジェラちゃんが俺の家に到着するのは、900/10/24 8:00 前後ぐらいということになるわけだ。
アンジェラちゃんの迎えは既にルナが手配済みらしい。しかしそのことを俺に話してくれた時のルナの瞳が、魂を吸うというだけではなく何か光っていたような気がした。
…何かとてもイヤな予感がする。
俺の家の現在の状況を確認してみる。
中央正面、とはいってもやや遠めな位置に皆で住めるような大きな建物があるが、そこは今は使われていない。
中央正面の大きな建物から離れた場所には円形の大きな広場があり、その広場を囲むように妻達の家が並んでいる。
右一軒目、これは正妻であるルナの家だ。
黒髪黒耳黒い吸魂の瞳の猫族の月の姫君、この世界を攻略するメインプレイヤーである金の瞳の乙女を生む予定の俺の正妻、ルナ。
背の高さは百五十センチ程度だが、その体は母の魂を吸ったことによりワガママボディに育っている。
見た目の年齢は十五歳にも見えるが現在は二十歳、誕生日は中秋の名月で毎年変動。
色々とパーフェクトな嫁だとは思うものの割と容赦ないと思う。
開き直りもスゴイ。現在家族の実権を既に掌握済みかと思われる。
右二軒目、これはキャラットちゃんの家だ。
人類が生める最大数である五十人目の子供を妊娠中だったウサギ族の女王の三十三人目の子供、それがキャラットちゃんである。
ピンクの髪に白くて太目の長い耳。瞳は青、背の高さは百五十二センチぐらい、スタイルも悪くない、十六歳。
手と足がケモノでふかふかしている。
一回だけエッチしてそのままヤり捨てた状態になってしまっているので早期に関係を改善する必要がある。
右三軒目、これは愛姫の家だ。
藍色の綺麗な長い髪をしておりスタイルもとても良く、背の高さは百六十五センチぐらい、二十歳だった、今はちと不明。
ニッポンポン国の姫であると同時に、東大陸最強の武人でもある。
元はニッポンポンのスッポンポン姫などという酷いあだ名がついていた。その原因は、愛姫が何度も何度も魔物の巣に突撃しては魔物にその体の大部分を喰われ、手足のみを持ち帰り繰り返し裸で復活していたことに起因していた。俺に抱かれる前より彼女の戦闘力は東大陸最強クラスであり、俺に抱かれたことにより必要十分な耐久力=不思議バリアのHPを得た彼女は、見事彼女の軍を指揮して魔物の巣を攻略してみせた。
結果を出したことにより最近では昔のあだ名はすっかりとなりを潜め、東大陸最強の巫女(=薙刀使いという意味である、この世界では)、愛姫として最近では有名らしい。
彼女にもまだ顔を見せていないので、見せに行かなければ。
右四軒目、これはジゼルちゃんの家だ。
ユーロ国の姫であり、ある程度鍛えた華麗な突剣使いでもある。
銀色の髪をしておりその髪型は左右がドリル娘だった。あるいは縦巻きロールとでもいうのか?
瞳の色も銀色。体は以前は典型的な貧乳キャラだったはずだが、ルナいわく最近は違うらしい。
一体どうなってしまっているんだろうか。背の高さは前は百五十五センチぐらいだった、年齢は大分前に十七から十八になったらしい。
なるべく早めに見に行っておきたいものだが。
右五軒目、これはフリマさんの家。
トルッコ国の姫であり、中東風の美女といった感じ。
背の高さは百六十三センチぐらいで、愛姫よりも劣るが十分過ぎるスタイルだった記憶、二十四歳だったが最近老化しないらしい。
トルッコ流とかいうお風呂でのおもてなし術を知っていて、とても上手だった。
トルッコに男の跡継ぎが足りないということで俺に男の子を授けて貰う為にやって来てくれたのだけれども、百年以内に勝たなければ全員全滅するらしいので、トルッコ王家は俺が失敗すると断絶してしまうのかもしれん。
責任重大だなこのあたり、負ける気など元より無いが必ず勝たなければいけない。
フリマさんはなんというか、言っちゃ悪いが影は薄いかもしれない。
そういう人が出るのも仕方ないのではなかろうか。むしろ影が薄いという特徴があると思った方が良いのではなかろうか。
様子?…んー、見に行かなくても良いかもしれんね、ごめん。
続けて左側の説明にうつる。
左一軒目、これはもう一人の正妻であるリースの家だ。
エルフのお姫様で年齢は十八歳、誕生日は十一月十一日。
俺の知っている同名キャラにその見た目は酷似している。俺もあのキャラクターの見た目は非常に好きだったが、キャラの中身の方はサッパリ覚えていない、むしろ嫌いだった気がする。
彼女の性格は俺が知っているその同名キャラとは完全に違っているかと思われる。
まぁ、彼女についてはもう語る必要も無いんじゃないかな?背の高さは百六十センチぐらい。体は細いが胸はおっきい。胸の成長は既に止まっているらしいがおしりは最近成長中。
左二軒目、これはティターニア=ティニーの家だ。
ハイエルフのお姫様で、リースとは長い付き合いでリースの妹分。
背の高さは前は百三十五センチ程度だった、年齢は十三歳。
誕生日は十二月十二日らしいです。現在は割と成長期なんだとか。
やわらかいウェーブのかかった金髪の持ち主で、瞳は青。
成長したらきっと美人に育つんじゃなかろうか。楽しみである。
俺のことを「おにいちゃん」などと呼んでいたが、それはいつまで続くのだろうか。これからずっとか?
左三軒目、左四軒目、左五軒目は空家になっている。
左三軒目にはアンジェラちゃんが入居予定なのだが…二軒空きがある、そのことに不安を感じている。
本来はドワーフの姫ちゃんを二名入れるべきスペースだったのではなかろうか?
俺はドワーフの姫を抱く素質がどうにも無いようだから空いてしまったわけだが、どうにもルナがこの空きを埋めてくるんじゃないかということで俺は不安になっているわけだが…
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900/10/20 9:12
昨日一日はのんびりと過ごした。キャラットちゃんの家にはまだ行っていない。
昨日のうちに、アンジェラちゃんがどうなってるのかとかそういう話を聞いておいたんだ。
あとはそうだな…これは昨日の会話なのだが。
『ねぇルナ。他の皆が訪ねてこないのは、やっぱりそういう…?』
『えぇ、そうです。ヒロが自ら訪ねに行くまでは自宅待機するようにって軽く言い含めておきました』
『そっかー』
うん…まぁ、いいんじゃないかな。
正直ね、俺には同時に何人も相手にするような余裕ってないんですよ。
何話せば良いかなーとかそういうことを、一人ずつしかじっくりとは考えられないからね。
旅立つ前も、複数同時のお付き合いじゃなく各自の家で一人ずつ会っていたから、そこらへんもよく考えられているのかもしれない。いつまでもそういうわけにはいかないというのはわかっているが。
と、今は何してるかというとリースが紅茶を淹れてくれている。
朝一緒に家を出てルナの家で朝食を食べた後、戻ってきてしばらくリースとイチャイチャしてから今の時間である。
朝食からさほど時間も無いので、オヤツは無し。でも三時のティータイムにはルナがまたレモンケーキを用意しておいてくれるらしい。
ライバルに塩を贈るような行為でも、俺の為ならばしてくれるというのはお嫁さんとしては本当に良く出来ていると思う。
たまに怒って殴ってくるぐらいそのことを考えればどうということはないだろう。痛くないし。
ルナはああやって色々ぶつけてくるが、一切嫌がらせの類はしてこないのだ。
…いやまぁ、俺が訪ねるまで他の嫁達に出てくるなというのは酷い話であるが、俺にとってもその方が都合が良かったりするからな、うん。
我ながら酷い話ではあるが。
リースが俺の左に座って紅茶を飲みながら告げてくる。
「ヒロー、これからの貴方の行動なんだけどね」
「うん」
「朝昼晩のご飯を私とヒロとルナの三人でルナの家で食べて、九時と三時には私の家でティータイム。それ以外の時間はフリーという感じでどうかしら?いつまでも私だけ相手にしていたら時間が勿体無いわ」
「うん。でもティータイムには来いと」
「当然よ。ヒロなりの誠意を見せて頂戴。他の子を連れてきても良いわよ」
「おー。そうかそうか、りょーかい」
のんびりリースと二人で紅茶を楽しむ。オヤツも無いのですぐに飲み終わってしまったが。ちなみにいつもレモンティーである。
「それじゃあ、行ってらっしゃい。今夜はキャラットの家にでも行ったら良いわ。今夜行くとして、昼の間に他の子の家を回ったら良いんじゃないかしら」
「うん、わかった。それじゃあ行ってくるー」
というわけで出かけることにした。
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一軒目。右三軒目の愛姫の家。
愛姫が妊娠したのは五月の十五日のことである。ちなみにルナは四月二十日だった。
俺にはよくわからないがまださほどお腹は大きくはなっていない、はず?
妊娠五ヶ月余りだろうか。
俺がピンポーン、とドアのチャイムを鳴らしてしばらくすると、ドアの向こうから声がしてきた。
「そなたは、もしや旦那様じゃろうか…?」
うん、確かにこれは愛姫の声だね。和風美人っぽい印象がしなくもないね。元気無さそうな声だけども。
「うんー、ヒロです。訪ねるのが遅れてごめんね。愛姫、中に入れては貰えないかな?」
「少し待って欲しい。今すぐ鍵を開けますゆえ」
鍵かかってるのか。別に周辺に他人の家が無いので、そこまでかける必要は無いはず…とも言い切れないか。
鍵を開ける音がしてから、愛姫がそーっと扉を開けてくる。
「うぅ~、旦那様~」
「愛姫ちゃん、大丈夫?」
そーっと扉を開けてきた愛姫は、割と泣き顔だった。
うん、愛姫ちゃんと再度呼びたくなるぐらいに、大人で美人な顔なのになんか可愛かったじゃないか。
俺は愛姫の家に通されて、話を聞くことになった。先ほどリースと一緒に紅茶を飲んだばかりだが、緑茶とお茶菓子を出して貰った。
話を聞いた結果わかったことは、家がこのように完全掌握される、特にルナが豹変したのは中秋の名月を境にだったらしい。
「中秋の名月の夜は、皆でそれは仲良く祝っておったのじゃ。あぁ、それは幸せな夜じゃった。しかし、その次の次の日に、皆が呼び出されてルナ殿が…それまではクロ殿であったのに、突然宣言したのじゃ」
中秋の名月というのはアレだ。俺がルナがクロという偽名を名乗っていたのに、ルナという名前を再度贈った時のことだな。
「ルナ殿は言ったのじゃ。ヒロ殿にルナという名前を与えられたことで自らの名を取り戻したのだと。妾はルナ殿の年齢が見た目はあのように幼いのでよくわかっておらんかった。ルナ殿は、自らの名がルナであることを語り、近い将来金の瞳の乙女という一族のリーダーを生む予定であると、そのように語ったのじゃ。そしてルナ殿は元々王族であることや二十歳であることなども語ったのじゃ」
うん、なんかすごいね。
俺から名前を贈った時点ですぐにこれから全部バレるってことを予想して、即座に手を打ったのか。
なんという行動の早さ。
さてそれでどうなったんだ。
「それでルナ殿は、自らの生む子供が将来一族のリーダーになるのだから、皆も大人しく今から私に従うようにとおっしゃられたのだ。妾は、金の瞳の乙女を生む呪われた吸魂の瞳のことを噂ぐらいは耳に挟んだことがあった。つまりルナ殿は旦那様には内緒でこれまでにも魂を吸い取っていたのだということに気づいてしまった。ルナ殿自身は瞳のことについて触れることを避けていたので、気づいたのは妾だけじゃった」
なるほどー。まぁそれはそうかもしれないな。魂吸ってるとかイメージ良くないからなー。俺が吸われても問題無い体だから良いってだけの話で。
「だから妾は、それはもう恐ろしゅうて恐ろしゅうて、体の具合が悪いからという理由をつけて自主的に引き篭もることにしたのじゃ。妾だけが吸魂の瞳のことに気づいてることがバレてしまったらと考えたら、それはもう震えが止まらず…」
うん、まぁ愛姫の気持ちもわからなくはない。何食わぬ顔で魂すすってるとかそれはもう化け猫みたいに思えて仕方ないかもしれん。
「旦那様は、ルナ殿のことが恐ろしくはないのか?」
うん、当然そういう話になるよね。
「あー、うん。俺は大丈夫。俺はどれだけ吸われても問題無い体らしいからね。猫族の女王様から聞いた時は本当にビックリしたけど、もう大丈夫」
「旦那様は、ルナ殿を受け入れたのか?」
「うん。だって俺の旅の最中、俺の魂を吸ってるわけじゃないのにずっとたくさんおいしいご飯を送ってくれていたからね。あれだけ頑張ってくれていたんだから、別に俺自身が死なないなら許容範囲かな、ってね」
うん、色々と問題はあるのだろうが、およそお嫁さんとしてやるべきことをやるって点ではすごく良く出来てると思う。リースのことも深く愛しているが、彼女にルナほどの料理を長期間欠かさず作るのはほぼムリだと思われる。
リースの作るホットミルクや紅茶はおいしいけどね。
愛姫は俺の話を聞いてようやく落ち着いたのか、体の震えが止まっていた。ようやく安心したというような顔をしている。
「そうか…旦那様は本当に凄いお人じゃな。旦那様がルナ殿の全てを知った上で受け入れたのなら妾はもうこのように引き篭もらずとも良いのじゃろうか」
「うん、大丈夫だと思うよ。俺もルナに、愛姫を責めないように一声かけておこうか?」
「うぅー、是非お願いしますのじゃ~」
なるほどねぇ。愛姫は自主的に引き篭もっていたわけか。まぁ確かにそれで正解だったのかもしれないけども。
俺は愛姫を慰める為にちょっと抱きしめてみることにした。
うん、見た目美人だしすげー強い立派な巫女さんだけども、心は割と豆腐メンタルっぽいし可愛いなー、などと抱きしめながら考えていたのだが。
しかし愛姫が抗議してきた。
「あの…旦那様…その」
「ん?どしたの?」
「その…妊娠中はなんというか、体が言うことを効かぬものでな。抱きしめられるのはイヤじゃ、かなりイヤなのじゃ。許してたもれ。すまぬ、すまぬ」
えー!
ちょっとそこらへんもうちょっと融通効きませんかね!?
まぁ仕方ないので愛姫のお宅でその後少し緑茶を頂いてから、去ることにしました。
愛姫は、引き篭もっていてもメイドさん二人がちゃんと世話してくれるし慰めてくれるのでそのあたりは割と平気だったそうです。
うん、ルナは酷いっちゃ酷いとは思うんだけど、他のお嫁さん達はちょっと生活能力の面では結構足りてない子の方が多いんじゃないかな?
まぁ姫ちゃんだからね、仕方ないよね。
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二軒目。右四軒目のジゼルちゃんの家。
俺がピンポーン、とドアのチャイムを慣らすと、インターホンの方からすぐに声が帰ってきた。っていうかインターホンとかあるのか。この世界電話は教会にしか無いくせに。
『はーいどうぞー。開いてますわよー』
愛姫とはうってかわって、随分と明るい声が返ってきた。
ふむ、落ち込んでる様子などは全く無いな。
俺は入り口のドアを開けて、早速お邪魔することにした。ちなみに今更な話だが、どの家庭も日本式に玄関で靴脱いで中に入るタイプです。いやー、こういうのが日本風なのって良いよね。
俺が中に入って居間っぽいところに入ると、そこでは椅子に座ってジゼルちゃんが作業してた。
はて?
あれはジゼルちゃんだよね?
「あら、ヒロじゃありませんこと?そういえば帰ってきていたのですわね。何やらルナ様から出てくるなー、とか言われたのでそのまま作業していたのですけども」
「うん、久しぶりだね、ジゼル。ただいまー」
ジゼルちゃんと思われる人物の正面に回り込んでそのまま観察することにした。彼女が何をしているかと思いきや、一生懸命編み物をしているのである。毛糸玉から伸びた毛糸が上手にどんどん形になっていく。
コレはあれだ。ハイエルフの国を去る前に、リースと一緒にお土産屋で買い溜めした毛糸を使っているのだ。皆の暇潰しになるだろうということでリースと一緒に大量に買ったのだ。ハイエルフの国は羊毛生産に力を入れていたから安く買えたのだ。
鼻歌を歌いながらご機嫌で毛糸を手編みするジゼルちゃんの姿は、すごくお母さんっぽかった。とても女の子らしい感じがする。それに…その…
「ジゼル、大分胸が大きくなったね」
「そうですわね。今も成長中ですわよ」
以前は完成された貧乳キャラだったジゼルちゃんは、現在絶賛成長中のようである。
編み物をするその様子は、まだ出産前だというのにジゼルお母さんという感じがする。
まだ大きくなるのか、すごいなーと思いながら、標準レベルまで既に育った胸を触ってもみもみしたらはたかれてしまった。
「もう。妊娠中はお断りですわよ。妊娠中でさえなければ、せっかく育ってきているのだからいくらでも触らせてあげますわよ」
「うん、そうか、ありがとう」
「んっと…はい、ヒロ。貴方の為に手編みのマフラーを作っておきましたわ。喜んで受け取ってくださってもいいですわよ」
ジゼルちゃんが共有インベントリの中からマフラーを取りだして俺に渡してくれた。
おおおお!こういうのってなにげにすごく嬉しいかも!
随分と良く出来ていて素晴らしいマフラーだった。
「ありがとう!本当にありがとう!」
「あら、そこまで喜んで貰えるだなんて作った甲斐がありましたわね。…それにしても編み物ってなかなか楽しいものですわ。初めのうちはルナ様に教わりましたが、今では私が一番上手いですわよ」
そういって胸を張って自慢するジゼルちゃんの胸は本当に良く育っている。
これが更に今も成長中なのか。妊娠したのを契機に一気に何かスイッチが入ったのか。
そのうちルナ並のロリ巨乳キャラになってしまうのだろうか?
以前は胸やおしりが小さいことを気にしていたのにね。
そういえばおしりも大分おっきく成長しているように見えるな。
となると俺はどのように声をかけるべきかな。ジゼルちゃんはまた編み物にかかっていた。
「ねぇ、ジゼル」
「…あら、どうしましたの?」
「俺は、成長する前も、今みたいに成長した後も、どっちのジゼルでも好きだよ」
「…もっと大きくしてみせますわよ。ここで止めたりしませんことよ」
その後、ジゼルちゃんとそのまましばらく話をすることにした。
いつ頃から胸が大きくなりだしたのかを聞いてみたら、なんと、エルフの国の首都ロンロンの名を冠した、例のアルベロン国王のマークが入ったあの牛乳をルナと一緒にホットミルクで飲み出した頃から、どんどん胸が成長しはじめたらしい。
そうやって二人で一緒に定期的にホットミルクを飲んでいるうちに割とルナとは仲良くなったということだった。
あまりにも効果があるので、特別に飲む許可を頂いているらしい。
ちなみに背はまったく伸びずに胸とおしりだけが成長している。それなのにウェストは太くならず、むしろ前よりやや細くなってる可能性もあるのだとか、スゴイ。
「私も育ってしまえば、妬む必要もありませんわ」
「なるほどねー」
うん、ジゼルちゃんは胸とおしりがルナに負けてることをすごく気にしていたからな。
でもなー、そっかー。
でもそこが成長しちゃうとキャラ的に弱くなったりしないのかなー。
貧乳キャラの座はティニーに譲るってことになるのかい?まぁいいんですけども。
編み物をするジゼルちゃんの姿はとても様になっていた。
子供が生まれたら、呼び方をジゼルちゃんからジゼルお母さんに変更しようかな、などと考える俺だった。
ティニーはどうしようね。ティニーにも牛乳飲ませたらおっきく育っちゃうのかな?
飲ませるべきなのか飲ませないべきなのかそのあたりどうなのよ。
俺はおっきい方が好みなんですけどね。
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900/10/20 12:12
ジゼルちゃんの家を去った時点で既にお昼だったので、一旦リースの家に戻ってから彼女と一緒にルナの家に戻った。
…うん、戻る、が重なってしまったな。どうしようか。
どちらの家も俺にとっては正妻の家だからな、どちらを主体にするというわけにはいかないわけでだな。
とりあえず、早めにコレを解決しておこうということでルナに一声かけておく。
「ねぇ、ルナ。今日は愛姫とジゼルちゃんにとりあえず会ってきたんだけどね」
「そうでしたか。私は特にそこまできつく言い含めたわけではありませんよ?ヒロはもしかしたら私のことを疑っていたかもしれませんが」
「いや、そこはなんというか、いや別にそんなわけでは」
いや、実は結構疑ってたけどね。
実態を調べたところ、愛姫は割とあちらから勝手に必要以上にルナを恐れてしまったことが原因だったし、ジゼルちゃんは編み物にハマっていたというだけだった。ちなみにマフラーをなんとなく装着してみている。あったかい、良く出来ている。
「ヒロ、何か貰ってきて嬉しいのはわかるけど家の中でぐらいマフラー外しなさいよ。別に誰もとりゃしないわよ」
「いやー、うん、そうなんだけどさー、なんか嬉しくってさー」
「むぅ、そんなに?じゃあ私も…いや、でもこれは…かなり出来が良く見えるわね。残念だけどちょっと敵う気がしないわ」
リースがジゼルちゃん特製マフラーを見てそうコメントしてくる。うん、すごいよね。大したものだと思うよ。
まぁ仕方ないので一旦外して共有インベントリにしまった。特に盗られるわけでもないだろう、うん。というかこのインベントリ、個人スペースも欲しいんだけどな。ダメか、そっかー。
しかし今はその話じゃなくてですね。
「とりあえずルナ。愛姫はルナの吸魂の瞳の存在を知っていたらしくて、それが恐ろしくて自主的に引き篭もってしまっていたらしいんだけど、引き篭もっていたことや存在を知っていることとか全部まとめて許してあげてくれないかな?」
まぁ自主的に引き篭もられただけなんだからそんなこと言われても、って面もあるだろうけどな。しかしルナは気安く了承してくれた。
「ええ、いいですよ。元々そんな何かを怒っていたわけでもありませんし、勝手に怖がるよりも相談してくだされば良かったものを。とはいえ放っておいた私も私なんですけどね。それじゃあ今夜は愛姫さんの為にもおいしいニッポンポン料理を作っておきますから、愛姫さんを夜連れてきてくださいね、アナタ」
「うん、わかったー」
俺とリースとルナの三人で昼食を食べた後は、俺はまた出かけることにした。
次は誰の家を訪ねようかな?




