第二十六話「男の子を十人、女の子を四十人」
Smes Log
1:このゲームのメインプレイヤーはルナが生む予定である金の瞳の乙女である。
2:神の使徒である俺はVIPプレイヤーであり種馬としての役割を持っている。
3:ゲームの期限は百年。星歴1000年の3月31日までにこの世界をクリア出来なければ俺達の一族は全滅する。
4:男女どちらの子供を妻に生ませるかというのは非常に重要であり大きな違いを持つ。愛の奇跡はその目的を達成する為の手段である。
5:ルナの最初の子供だけではなく、リースが最初に生む男の子も重要な役割を担っている。
900/10/18 16:42
俺は今もリースの家で、彼女とこれからのことを相談中だ。彼女は俺よりも聡い。
俺は昔何かの本で、頭の良い人は自分よりももっと頭の良い人に考えて貰うべきだとかそういう話を見たことがある。
俺は、ある程度色々なことに気づける方だとは思っているのだが、俺よりもリースの方が更に上だ。だから出来るだけ情報を漏らさず彼女に伝え、彼女に俺の代わりに考えて貰った方が良い。
時計の針が1000/3/31 23:59 を超えてしまったその瞬間、俺達の一族は即座に全滅するかと思われる。
今はまだまだ時間の余裕はあるが、別に時間ギリギリにクリアしろとも言われていないし、ある程度力を蓄えたなら様子を見ながら攻略を開始していくべきだ。
この世界の構造はまだ完全には明らかにされていないのだ。
周囲のバームクーヘンより中央のアンパンというか、重ねたホットケーキというか、中央大陸=魔大陸は封印されたままでありその実態は判明していない。
さてまずどうするべきだろうか。リースが俺に聞いてくる。
「ねぇ、ヒロ?貴方はそのシステムメッセージの黄文字のスメスさんからの協力が得られるのよね?それは本当にすごいことだわ。私のUIの方のシステムメッセージの黄文字が喋ったことなんて本当に一度も無いわよ」
「…うん、薄々そうなんじゃないかと思ってた」
俺のこのこれまでの物語で、スメスさんは色々と台詞を喋っていた。しかしそれはやはり特異なことだったらしい。
彼は俺だけに特別に、これまでも話しかけてきてくれていたのだ。
彼の正体は一体どのような存在なのだろうか?しかし今はそれを聞く必要は無いだろう。
リースは話を続ける。
「まだ色々と情報が足りないわね。もう少しそのスメスさんから情報を引き出せれば良いのだけど…でも、ヒロに前回大事なことを伝えた時はかなりヤバかったみたいなんでしょう?大事なことを連続では聞き出せないかもしれないわね」
「うーむ?」
うん、まさにその通りである。本来神からただ仕事の代行を委任されているだけの彼らシステム管理者なのだろうと想像される。ゲームのネタバレをやりすぎると粛清されるのではなかろうか。
どうしたものかな。
「そうね、それじゃあヒロ。貴方、最近クエストって発生してるの?」
「クエスト?そういえば最近は全然発生してないんだよね」
「じゃあ、そのあたりを軽くスメスさんに聞いてみるのはどうかしら?」
ふむ、なるほどね。どうしようかな、試してみるか。
朝起きた時にしか今まで話しかけてこなかった気がするが今試してみるか、よし。
>>Smes:スメスさん、いるかい?
Smes:…ただいま留守にしております。ピーッ、という発信音の後にメッセージを残してください。
>>Smes:ほう。
Smes:…ピピッ。
>>Smes:ふむ。
Smes:ピコッ。
>>Smes:なるほど。
なんか俺はどこかの四コママンガでこれと同じようなネタを見た記憶があるんだが?あれ面白かったよな。
うん、やはり何かしら叱られてしまったであろうことは事実らしい。
ちなみにシステムメッセージの黄文字が流れる際は音など発生しない。黄文字のみである。どれだけシュールな状況なのか分かって頂けるであろうか。音は鳴っていないのだ、文字だけだ。
スメスさんはいないわけでなく居留守を使っているだけだ。そうでもしないとこうスメスさんにも立場があるってことだろう。まぁいいか、クエストのことを聞いてみることにする。
>>Smes:スメスさん、最近俺クエスト全然発生してないんだけど、一体どういうこと?サボってるだけ?
Smes:いわゆるクエスト未実装というやつであります。この領域まで到達出来る神の使徒様がほぼいなかったので、ゲーム中盤や終盤のグランドクエスト的なものしか残っていないような状態なのです。
>>Smes:なるほど、ありがとう。じゃあこれぐらいでいいや。
やはり居留守だった。居留守してたのに質問には答えてくれた。さすがスメスさんだとは感心するがどこもおかしくはない。まぁ相当ヤバイのだろうから、これだけ聞けただけで十分だろう。
俺はリースに結果を伝えることにする。
「うん、やっぱり今はかなり危ない状態らしい。安易に重要な情報は引き出せないみたいだ」
「そう、結構無理してたってことなのね。それで、クエストについては?」
「ここまで到達する神の使徒がほとんどいなかったから、未実装らしい」
「なるほどね…まぁそりゃそうよ。ヒロがこれまでやってきたことを思い返してみなさい」
「ふむ?」
うん、そうか。そうだな、せっかくだから少し振り返ってみることにするか。
「えっとね、魔物の巣攻略クエストは、意味も大きいんだけど素質の無い神の使徒を選別する意味もあったらしいんだ」
「ええ、そうね。普通はヒロみたいに二ヶ月でクリアしないものよ。二国に頼んで軍隊動かすとかそういう他人任せな神の使徒の話は聞いたことが無かったわよ」
「…そうなの?」
「ええ、そうよ。貴方自覚無かったの?いきなり五百億円を二回も使うとか、普通の人はしないわよ」
「そっかー」
この世界の金銭バランスは現代日本とかなり似ているらしい。現代日本で二ヶ月でいきなり家、嫁、嫁で千五百億円使うバカがどれだけいるだろうか?
普通はやらないのではなかろうか。それに、姫ちゃんとは恋愛して結ばれたくはないか?
そうだな、例えば…
「各国の姫を娶る為に、魔物の巣を攻略してきます!とか宣言したヤツとかもいるの?」
うん、割とありそうじゃないか?
あるだろー?成果報酬として姫ちゃんくださいとかさ。姫を金銭購入するよりはそっち選ぶんじゃないか?
「いるわよ。そんな風に格好良く宣言して、有名な魔物ハンターを何人も雇い入れて六人とかのパーティー組んで、それで魔物の巣に入っていってそのまま帰らぬ人になった例なんていくらでもあるわよ」
「…うん、だよな、やるよなそういうこと」
「まぁ帰らないならまだマシな方かもね。その大部分は、他の人が精一杯守ってくれたことでなんとか逃げ出してきたみたいよ。でも仲間をバリバリと目の前で食われたこととかがトラウマになって、その後の話はほとんどわからないわね」
「うん、なんとなく予想はついたよ」
「肉のついた死体の一部を持ち帰ることも忘れて逃げ帰った人ばかりみたいで、仲間の蘇生も無理だったらしいわよ」
「そっかー」
確かそこらへんの話、スメスさんもしていた気がするな。つまり最初から罠だらけだったってわけだ。
と、リースが俺に更に続けてくる。
「ねぇヒロ。貴方私のことはどう思ってるの?」
「うん?リースのことはとても深く愛しているけども」
うん、それはそうなのであるが、今はそういう意味ではないだろうことはわかる。つまり…
「貴方は私を強奪したのよ。だから本来は私に一生恨まれて生きることになったはずよ。それが一時的なものならまだしも、百年よ?百年。百年も恨まれ続けて生きなければいけない。双方が合意していても離婚も出来ないのよ?この世界は」
「あー、あー、あー…なるほどなー。で、百年経過で両方の一族が全滅するんだよな」
「そうよ。口で言うのは簡単かもしれないけれど本当にそうなったら地獄よ。心が壊れても何もおかしくはないわ」
うん、よくわかった。
つまり、俺がリースを強奪後すぐに彼女と仲良くなれたのは、そうしないと俺の心が壊れていた可能性が高いわけで、かなり危ない橋を渡っていたということになるんだな。
彼女には本当に感謝しなければ。
「あとは、ティニーよ」
「ティニー?」
「そうよ。貴方、あの紳士とかいうクエストも相当酷い罠よ?だって貴方が神から与えられたその体は、異常な性欲と精力なうえに自分で処理出来ないでしょう?…もしその体が突然不能になんてなりでもしたら、貴方は自分自身の体を信じられる?心が壊れずに済むと思う?」
「あー…」
うん…確かにそうなのである。ティニーの体に興奮出来ないことに、俺が自分で考える以上に心が落ち込んだのである。そうやって落ち込むのも、この体に原因があるのかもしれない。
リースがいてくれなかったら本当にやばかったってことだな。彼女が即座に俺を立ち直らせてくれたおかげだ。彼女には本当に感謝してもしきれないな。
「なるほどなー。よくわかったよ。次のダークエルフの姫っていうのも、リースがいなければ無理だったわけか」
「おそらくはそうね。相当きついし、嫌がって逃げる相手を何度も襲って拘束して孕ませるとか普通は無理よ。強姦になってしまうわよ。ヒロの世界にいた普通の男性だったらかなり無理が出るんじゃないかしら」
「うん…あれは確かに無理、うん」
想像以上に罠だらけじゃないか。色々酷いなこの世界。よく俺無事だったな。リースのおかげなんだろうけどさ。
「クエストに関してはそんなところね。それじゃあ、もう少しこれからのことを考えていきましょうか」
「おう」
というわけで、俺とリースは再び作戦会議に戻った。
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スメスさんの話では、俺やリースやルナや他の妻達は、百年先までずっと若くあり続けるらしい。ある程度の年齢で成長が止まるという話であるから、今はまだ幼いティニーなどが今後成長しないというわけではないだろう。
たぶん俺の肉体年齢と同じ二十歳まででストップがかかるのではなかろうか。
さて、では百年若くあり続けるからといって、どこまでも無制限に子供を生み続けることが出来るのか?実はそうではない。俺達はこれまでの旅で、その実例を既に見てきたではないか。
「ウサギ族の国の女王に出会ったのも、つまりはこの為だったんだわ。私達が女王に会った時、女王は五十人目の子供を妊娠中だった。そしてそれがこの世界の人間が生める最大の数なのよ。例えその命が永遠であっても、子供は五十人までなんだわ」
そう、そうなのである。俺は最初会った時ウサギ族の女王が化け物だと思ったが、とんでもない、俺達神の使徒の一族の方が規格外の化け物だったのだ。
女王はただ高齢まで若くあり続けるというウサギ族の女性の体を用いて、その最大数の子供を生んでみせただけに過ぎない。
生める子供の最大数五十。これをどう利用するべきか。
「そうね…ヒロ、貴方この世界の種族についてどの程度理解してる?」
「ん?そうだなー、ウサギ族や猫族の男性が凄く少ないってことはわかってるんだけど」
少ないどころか、ウサギ族の国ロップイヤーと猫族の国アメショーでは一人も見かけなかったが、あれはやはりどこかのハーレムに囲われていたのか?
と、リースが説明してくれる。
「ウサギ族や猫族の男性はね、他の人類とは比較にならないぐらい性欲が物凄いのよ。だからハーレムに囲われているわね。まぁその、ヒロも相当凄くて逞しいけど…そうじゃなくてね、ともかくそういった役割はそちらに任せた方が良いってことよ」
「なるほど…」
「ちなみに既に予想出来ているかもしれないけれど、ウサギ族や猫族の男性は希少だから、例え愛の奇跡を用いても男が生まれる可能性は低いはずよ。おそらく用いても良くて五分五分じゃないかしら?」
「ふんふん」
なるほどなー。今までリースとついでにフリマさんにしか使ったことがないから、試行回数が足りていない。パラメータの愛の数値が高いほど成功率が上がるんだっけね。愛がアップ!を初めて見た時は吹いてしまったが。
方針が大分固まってきたのではなかろうか。
「そういうわけだから、キャラットちゃんにはこれからは愛の奇跡を使ってなるべく男の子を生んでもらうようにしなさい。あとはルナにも次からは出来るだけ男の子をお願いした方が良いわね。他の子達は男の数は減らして、女の子を多くした方が良いわね」
「うん」
うん、かなり方針は決まってきた。と、そのタイミングで少しリースが恥ずかしそうにする。顔が赤い、どうしたのだろうか。
彼女はもじもじとしながら俺に告げてきた。
「あのね、ヒロ?私はその…男の子を十人と、女の子を四十人、お願いしてもいいかしら…」
「いいともー!」
真っ赤になって恥ずかしがる彼女を、抱きしめて全身をなでなでしておいた。
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900/10/18 18:13
リースと二人で相談したりイチャイチャラブラブな時間を過ごしていたら、そろそろ晩御飯の時間である。
俺は事前にある程度時間がオーバーすることを予想して、あらかじめ六日間以上とルナには伝えてあるが。これからはどうしたものかな。
「そうね。食事の時間はルナの家で過ごすようにしましょう。私もこれからも一緒にご飯をいただいてもいいかしら?ルナのご飯本当においしいのよね。つわりのことまで計算に入れてくれるし」
うん、実はそのあたりとてもすごいらしい。俺がさらりとそこらへん調節して欲しいと要望してみたら、完璧にやってくれているらしいのだ。本当にそのあたり凄いな。そこらへんも俺の魂を吸ったことによる成果なのだろうか。
「まぁでもそうね。さすがの私も六日間も連続でずっとヒロに、あーん、って食べさせてあげていたらさすがに飽きちゃったから、これからは普通に食べて欲しいわね、普通に」
「飽きちゃったのか」
うん、まぁ、そりゃなあ、理由はわからなくもないぞ。
「飽きるわよ。私だって飽きることぐらいあるわよ。そもそもずっとルナの方だけ見て、こっちを見てくれないのだから全然嬉しくないわよ。こっち見て食べてくれるならいくらでもやってあげるわよ」
「なるほど」
「何なら今からやってあげても…ってレモンケーキもう残ってないわね。今日は良いわ」
「うん、明日からね」
今日のこの相談は、三時のティータイムにリースが淹れてくれた紅茶とルナが作ってくれたレモンケーキで開始したわけだが、既に時刻が時刻なのでとっくに食べきってしまっている。
そんなわけで、明日からやってくれるらしい。
というか、明日もルナはレモンケーキを作ってくれるのか?勝手に期待してしまって良いのだろうか。
とりあえず俺とリースは二人でルナの家に戻った。戻ると表現するか向かうと表現するかはなかなか難しいところだが、一応ここが俺の本来の居場所だということにしておこう。
なので、戻った、ということにする。
さて、ルナは、
ルナはちょっと不機嫌そうである、うん、七日目だからね。六日以上とは言ったけど。
「アナタ?これからはどう過ごすおつもりですか?」
ルナが俺にストレートに聞いてくる。長方形の食卓にも使っているテーブルで、俺の対面がルナ、やはり今日も左にはリースがいる。
「これからは」
「これからは?」
うん…怖いけれど、言うしかあるまいて。
「えっと、ご飯は三食ルナの家でこれからも食べたい。リースの分も用意して欲しい」
「その他には?」
「あとは、ずっと目を見ながら食べさせて貰うのは大変だから、これからは普通に食べたい」
「つまり私から視線を逸らすこともあるということですね?」
「…うん。だって、食べ辛いし大変だし」
実際には俺の左からリースが一生懸命食べさせてくれるのだから彼女の方が大変だとは思うんだけどね、うん。
俺が素直に答えると、ルナはちょっとため息をついた。
「はぁ、もう別にいいです。許してあげます。目の前でずっと横からリースさんに食べさせて貰っている姿を六日間も見ていたら、それはそれでムカムカするのも確かなことでしたから」
うん、そうだよな。いくらなんでも色々おかしいよな。ルナが了承したこととはいえ、明らかにおかしかったからな。
と、ルナは更に話題を変えてこう続けてくる。
「それで、アナタ?今夜はどうするのですか?」
うん…そう、その質問は予想していた。あとついでにこの後の展開もなんとなく予想がつくのだが当たっているだろうか。
「正直な気持ちで答えていいんだよね?」
「どうぞ」
「これからも、誰か他の女の子の家で過ごす時以外はリースの家の方で寝たい。理由は、その方が気持ち良いからだ」
うん。
賢者になれる薬飲まなくってもいいからね。気持ちも良いし、最高だ。
ルナは無言で椅子から立ち上がり、スタスタと歩いて机を回ってきて、全力で彼女の右手で俺の左頬をパンチしてきてからこう言った。
「殴っても良いですか?」
「うん、いいよー」
少しこの世界のことを振り返っておこう。この世界は、俺がこの世界に来た時からPK不可能である。自滅行為ですら刃物使用では自滅不可能であり、包丁を自分に当てたところで絶対に切れることはない。
コミュニケーション程度のちょっとした身体接触なら即反映されるが、それ以上の肉体にダメージが残るような攻撃であると、まず体を覆う不思議バリアの耐久力を示すHPが減るようになっている。
キャラットちゃんのウサギさんパンチ程度ならギリギリ届くが、全力で殴ると実質シールドであるHPに吸収されてしまい無効化されてしまうのだ。
よってルナが俺を全力で痛くなるぐらいに殴ると、それは全てHPを削るだけで体は痛くもなんともないのである。
ちなみに殴った方も痛くないらしい。バリアがそっと優しく受け止めてくれるという仕組み。
だからルナはしばらく俺を全力で殴り続けてきた。キックだってしてきた。
それら全てが、十分な威力であるからこそ全て俺のHPバリアに吸収されていった。
全て衝撃が吸収されて、俺の肌に触れる直前にバリアに食い止められるのである。
そうやって全力で殴り続けてようやくルナの攻撃が止まった。息が少しあがっている。
お腹の膨らんだ妊婦の身では結構無理があったのではないだろうか。
「ルナ、大丈夫?」
「大丈夫です…はぁ、全力で殴ってくる相手の心配をするだなんてヒロは本当にそのあたりのことを良くわかっているんですね。私の負けです。確かに今の私ではヒロの相手をすることが出来ません。トルッコ流だなんて今の体じゃ絶対に出来ませんから」
うん、それだけお腹膨らんでたらそうだよね。何もおかしくはないと思う。
そういうとルナはちょっと位置をずらしてから、俺の隣にいたリースの方を指差して宣言する。
「リースさん、貴方のことは絶対に許しませんから!」
「私だって、ヒロを譲る気はないわよ」
いやー、愛されてるって本当に素晴らしいですよね。
というわけで。
そのままケンカ別れになるかと思いきや、ルナは既に皆の分までご飯を作ってくれていたので、そのまま晩御飯の流れになりました。
ルナは最初は怒っていたけれど、俺の瞳を見て魂をちゅーちゅーと吸ったことですぐに機嫌を直してくれました。うん、そのあたりその吸魂の瞳って便利だと思うわ。
俺の魂はちゅーちゅー吸われてるらしいけど、いっぱいあって死ぬ危険は無いらしいから問題無い。
皆のおなかがいっぱいになったところで、そのままルナは寝室へと下がっていった。食器の後片付けをしていないが、それぐらいはメイドさんの仕事である。
この家のメイドさんは仕事が少ないだけまだマシなんじゃなかろうか。俺が雇った時の説明として、メイドさんは年収三百万程度規定報酬として俺が払っていることになっているらしいからね。それだけ貰っていて仕事の内容にケチをつけるだとかは有り得ないだろう。
ちなみに他の家のメイドさんは、愛姫やジゼルちゃんやフリマさんやティニーやキャラットちゃんの家では普通に彼女達の食べる食事の世話だとか掃除だとか洗濯だとか全部やっているらしいです。一軒につき二名担当なので余裕なんじゃないでしょうか。
ルナの家ではルナがご飯を作る分メイドさんの負担が少ないと、そういうことになっているのである。リースも最初はメイドさんに作って貰っていたが、最近はルナの家に食べてきていると、そんな感じ。掃除や洗濯はメイドさんがやっているらしいけどね。
そんなわけでお許しも出たのでその日の夜はリースの家で過ごした。昨日以上にラブラブな感じに過ごしてしまった。その日も賢者になれる薬は使わずに済むことになった。
一本一万円するからねこの薬、うん。ムダ使いは良くないと思います。
ところでアンジェラちゃんってどこに行ったんだっけ?
そのうちルナに聞いてみることにして、リースと対面で抱き合ったまま俺は眠りについた。




