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異世界で、一兆円とクエストと。家族計画、神の道  作者: レガ先
第二章 夫婦で回ろう世界一周編
11/79

第十話「この世のMPは愛と共に」

 目を覚まして俺は、UIで時間を確認した。

 900/7/16 10:22


 随分と遅い時間だ。隣に目をやると、リースが随分と優しい顔でこちらを見ていた。

 昨夜の記憶がどうにもはっきりしない。何かが起こったということだけはわかるのだが、何が起こったのかはまったくわからなかった。


「おはよう、リース」

「おはよう、ヒロ」


 まず何を声かけるか迷ったのでとりあえずそういったのだが、普通に返されてしまった。どうしたものかなと考えていると向こうから切り出してくる。


「何が起こったのか知りたい?」

「知りたい」

「でもダメよ。何か忘れてるでしょ?ほら」


 えっ?一体なんのことだ。ちょっと思い浮かばないのだが。

 迷っているとリースがちょっと怒った。


「キスよ、キス。なんで私には朝の挨拶のキスがないの?」

「え?あ、うん」


 謎だ。そういえば確かにキスしていなかったがそこを怒られるとは思っていなかった。ちなみに朝の挨拶のキスの件なども、昨日リースに色々聞かれた時に喋ってしまっていた。

 とりあえずちゅっちゅしておいた。


「ん、よろしい。それじゃあ教えてあげるわ」

「うん、ありがとう。一体何が起こったんだ?昨日は」


 何かこう全てをひきずりこまれたような記憶があるのだが。


 リースがちょっともったいをつけて、しかしとても嬉しそうな表情で続けた。


「あれは避妊魔法の一種よ。…それも、とっておきのね」



 ---



 この世界のルール。

 この世界は何故か男女が愛し合うことでもスキルアップしてしまう世界である。

 性交により何故か体力スキルがアップして、上がった体力スキルによって不思議バリア的なHPが増えて身の安全が上がる。

 各国の王や王子はハーレムを作り体力スキルを上げることにより防御面において一流の戦士としての素養を得る。

 これはもうそういう世界なのだと納得するしかない。


 そして、避妊を行った場合男女の性交によるスキルアップはしないというのが基本ルールである。

 普通に避妊を行う魔法自体は比較的簡単な習得難易度で存在するらしい。

 しかしその魔法を用いれば性交によるスキルアップは一切無くなってしまう。


 もしもこれらのルールを破り、更には別の副次的効果まである避妊魔法が存在するとしたら?

 それはもはやこの世界のルールに対しての反則行為であり、完全な禁呪指定を受けることは間違いない。

 リースが用いたのはそんな禁呪だったのだ。



 ---



「私が用いたのは禁呪よ。それも最高級のね。神に逆らう行為だからあまり濫用すると天罰が下ると言われているわ。それに使用条件がとても厳しく設定されているの。使用条件がとても難しいからこそ、神がギリギリ許している魔法だとも言えるわ」


 俺が起きた後、まずは風呂に入ることになった。何故かリースと一緒に入ることになっていた。

 かなり驚いたのだが彼女はまるでそれが当然であるかのように一緒にお風呂に入ってくれた。

 その後一緒に昼食を取り、昨日と同じく庭園の芝生で彼女を後ろから抱きかかえる状態になった。

 そうしてようやく出た次の説明が、先ほどのセリフである。


「まず、避妊魔法の存在を知らなかったよ俺は」


 うん、そんなものあるとは思ってもいなかった。だってTIPSに避妊の概念はほぼ無いと書いてあったし、近藤さんとかお店で見かけたことなかったからね。


「知らなくても仕方ないわ、だって誰も使わないのだもの。この世界の男女のほとんどは避妊を一切せずに何も考えず自然なままで愛し合っているもの。快楽の為だけに行為をしようだなんて考える人がほぼいないのよ。愛し合う二人は皆自然と子供を欲しがっていてそのことを疑問にも思っていない、ある意味不気味だわ」


 ふーむ、そういうことになっているのか。現実世界では子供を養えないから諦める家庭なども多かったと思うのだが。そのあたりをリースに質問してみる。


「えっと、ちょっと避妊魔法の話とは逸れてしまうけどいいかしら?」

「うん」

「そう、それじゃあ説明するわね」


 そういってリースは説明してくれる。


「そうね。それは当然の疑問よね貴方からしたら。この世界では子供の発育を、全て教会が最低限の保障をしてくれるのよ。どんなに貧乏人だとしても、子供を養えない場合教会が面倒を全て見てくれるの。だから経済面を考慮する必要がないから、何も考えずに皆が子作りするのよ」


 なんだかとんでもない話だ。世界の歪みを受け止める機構として教会が存在しているのか。

 しかしそのような社会では、人口爆発で職が足りなくなったりするのではないだろうか。


「職は、あなたも一度は首都教会のハローワークの様子を見たことがあるのでしょう?当然社会には無職が溢れているわよ。貴方の屋敷に雇い入れられたのも資格だけ取って仕事につけていなかった人達でしょう?つまりはそういうことなのよ。そして、全ての人に無制限で開かれている職場があるわ。それについても貴方は既に見ているでしょう?」


 なんだって?


「考えてみて?…既に貴方は見ているはずよ?」


 ちょっと考えてみる。


 人が増えすぎたらどうする?どうなる?


 まず食料の問題だ。食えなければ飢えて死んでしまう。


 しかしこの世界では食糧は全て最低限は教会が用意してくれる。では食料以外で何が必要になる?


 食料以外の資材だろう。生きる為に必須ではないが必要なものだ。ではその資材はどこで取れるのか?


 鉱山、畑、牧場、俺がいた元の世界にあるものもその候補だろうが、元の世界に無くてこちらの世界だけにあるものはなんだ?


 魔物だ。


 この世界では魔物を倒せば資材が手に入る。それは命をかけた分だけ高額で取引される。


 では魔物というのは、職場としてはどんなものだろうか。

 魔物の巣より外のモンスター、魔物の巣の中のモンスター。

 それぞれ数は違うにせよ必要十分な数が用意されているではないか。


 つまり、魔物の存在とはこの人口爆発してしまう世界に対しての開かれている職場である。そして同時に人減らしの役割まで担っているということだ。


「魔物なのか」

「そうよ。その答えに辿り着ける人は少ないわ。異世界から来た貴方だからこそすぐに気づけることね。この世界は教会に飼い殺しにされた人々が意図的に人口爆発を引き起こされて必要に駆られて魔物に挑まざるを得ない、そういう世界なのよ」

「鉱山とか、牧場とか、そういった職業はどうなんだ?」

「そういったものは全て教会が国営しているような状態で行っているわ。教会は十分な人数を雇っているけれども、無許可で新規に事業を開始することは出来ないのよ」


 うーむ、なんともすごい話だ。この世界は神様がデザインしたんだろう?つまりこれらの構造も意図的なモノだと思われる。

 本当にとんでもない、とんでもないキチガイ世界に思えた。

 しかし俺はどうにも、そのあたりの感覚を受け入れてしまっている自分に気づいてしまっている。


 神が考えたこの世界の構造は、あまりにも酷い歪みがある。しかし男女が避妊を一切考えず愛し合えるというその環境においては、俺は深く同意してしまっている部分があった。人が自然な姿で愛し合えることほど素晴らしいことはないのではないか?

 しかしその、自然に愛し合うというそのことが最大の不自然なのかもしれない。なんだかんだで考えて、制御してしまうからこそ人間だとも言える。


 俺がそんなことを考えていたら、リースがこう聞いてきた。


「ねぇ、ヒロは私の赤ちゃんは欲しい?」


 む?何故そんな流れになるのだろうか。


「どうしてそんなことを聞くの?」

「いいから答えて。ただし考えてからね。ヒロは私の赤ちゃんは欲しい?私を孕ませたい?どうしてそう考えるの?」


 少し考えてみる。


 リースを孕ませたいか?それはもちろん孕ませたいのだが、俺は何故そう考えてしまうのだろうか。

 俺が元いた世界では、そんな無計画なことは絶対にダメだとなっていたではないか。


 この世界にきて、俺が心の内面的な意味で出会った最初の相手はクロちゃんだったと思う。

 俺に好意を寄せてくれる彼女を愛して、その想いを彼女の中にありったけ注ぎ込んでしまった。

 その結果クロちゃんはあっという間に妊娠してしまったが、彼女はそれを愛情いっぱいの笑顔で喜んでくれた。彼女は俺の愛を受け入れ、それを彼女の体の中で育んでくれるという。


 何故そのことが嬉しいのか。

 それは俺がクロちゃんのことを深く愛していて、そして彼女が俺を同様に愛していて、それで。


 互いが互いを受け入れて、愛が混ざり合う、それが嬉しいってことなのか?


「なんとなくわかった気がする」

「そう?それで答えは?」

「俺はリースのことが好きだから、だからリースを愛したいし、愛されたい。そうしたことによって生まれてくる二人の子供は、それは本当の意味で二人の愛の結晶だと考えるから、だからその証が欲しい」


 うん、つまりはそういうことなんじゃなかろうか。


 その答えを伝えると、後ろから抱いていたリースの体が微妙に揺れた。何か変化があったようだ。


「そう、合格よ、満点よ。とはいっても答えは既にわかっていたのだけどね」

「どういうこと?」


 本当にどういうことだろう?


「私の使った避妊魔法、禁呪はね。心の底から深く愛し合い、心の底から二人の子供が欲しいという深く愛し合っているカップルにだけ効く、そんな条件の避妊魔法なのよ」



 ---



 本当にとんでもない話だった。


 つまり昨日の魔法が発動したのは、俺がリースを深く愛しているだけではなく、リースからも俺のことを深く愛し、更に子供まで欲しいと心の底から願ったからこそ発動したってことだ。


 つまりリースは既に俺の子供を欲しがっているということである。なんだかすごく恥ずかしいではないか。


 後ろから抱きかかえる形でずっとお互いに話し合っていたわけだが。


 そのことを聞いて愛しさが増してしまった。ぎゅーっと彼女を後ろから抱きしめてみる。


 リースは抵抗しなかった。俺の抱擁をそのまま受け止めている。


「そうか」

「そうよ」


 後ろからでは表情が読み取れないが、きっと真っ赤になっているに違いない。

 俺の顔もきっと真っ赤なんだろうな。


「まさか1日でそこまでお互いに仲良くなったのか?」

「そうよ。そういうことよ。私も自分で驚いているわよ。ずっと好き合っていた幼馴染みとの結婚の約束を強引にキャンセルされて、心の底から憎むべき相手なのに、まさかたった1日話を聞いただけで心を鷲掴みにされるだなんて、思ってもみなかったわ」


 昨日の話し合いは大大大成功だったらしい。

 うーむ、嬉しい、すごく嬉しいのだが、嬉しすぎて逆に不安になりそうだ。


 しかし、俺の子供を心の底から欲しいと考えてくれているのに、何故避妊をするのだろう。


「でも、そこまで愛し合っているのならどうして避妊を?」


 そのまま俺の愛を受け入れてくれても良いではないか。


「理由は三つあるわ」

「三つも?」


 三つもあるとは驚きだ。口から出任せではないのか?


「一つめは罰よ。例え深く愛し合っているにしてもヒロが私の心を昨日思いっきり踏みにじってくれたという事実は変わらないわ。だから罰が必要なのよ、これからも」

「これからも!?」


 1回切りの罰では無かったのか!


「そう、これからもよ。とにかく一つめの理由は罰よ。あなたもきつかったでしょう?あんなに朝遅くまで起きなかったんだから」


 うん、あれは何故ああなったんだろうね。その理由も知りたいのだが。


「二つめの理由は、気持ちの確認よ。もしも魔法が発動しなければ私か貴方のどちらかの愛が足りていないってことになるわ。貴方が口ばかりでうわべしか私を愛していないのなら魔法が発動するはずがないもの。私だけが貴方を好きになるだとかそんなのは絶対にイヤよ。あなたにも同じだけ私を好きになってもらわないと」

「なるほど」


 なるほど。リースはクロちゃんのような愛情値チェッカーみたいな特殊能力は持っていないのだから、俺の気持ちを測る手段が無かったわけだ。


「三つめの理由は、実益よ」

「実益?」


 一体なんのことだろうか。記憶がふっとんでいてわからない。


「この禁呪は、あなたの方の通常スキルは一切上がらないわ。体力スキルが上がっていなかったでしょう?でも私の方は妊娠するリスク無しでスキルアップのチャンスがあるのよ。それに加えて、うまくフィニッシュ出来れば特殊な効果が発動するわ」

「特殊な効果って?」

「本来は肉体的なものであるアレを、魔力に変換することが出来るのよ。ただしちょっとだけ変換とかは出来なくて、全部を変換して全て一度に放出してしまうわ。そうね。だからその、ヒロのある意味全てとも言えるものが魔力として一気に私に注入されるのよ」


 なんだかすごい話になってきた気がするぞ。全てを一気に持って行かれた気がしたが、比喩ではなく本当にそうだったのか。


「えーっと、それが起こるとどうなるの?」

「ヒロの体力分、本来は性行為では上がらないはずの魔法スキルを上げられるのよ。体力を全てスキルアップチャンス、あるいはスキルそのものに全変換するってことなの。私とヒロの両方の魔法スキルが一般生活よりも遙かに高い効率で一気に引き上げられるのよ」

「ごめん、話が凄すぎてちょっとよくわからない」


 うん。本当によくわからない。結局昨日の結果どうなったのだ?


「ヒロはすぐに気絶しちゃったけれど、気絶した後も全部放出されて私が受け止めてあげたわ。最終的に私もヒロも、魔法スキルが合計で9もアップしたのよ」


 な、なんだってー!?


「ヒロ、貴方用の魔法を教えてあげるから、ちょっと手を貸しなさい」


 後ろから抱きかかえていた手のうち右手を取られる。どうするのかと思いきや、何故かリースの胸の上に抑えつけられた。


「む?なんで?」


 うん、何故胸に当てる必要があるのか。リースの胸は大きくて柔らかくて気持ち良い。


「いいからそのままじっとしていて」

「うん」


 よくわからないがそのままにしておくと、右手がじんわりと温かくなった。


 俺の手がじんわりと温かくなって、リースの体に何かを伝えているらしい。微妙にMP的なものが減っている気がする。


 しばらくすると熱が止まったようだ。


「ん、いいわよ。やれば出来るじゃないの」

「今のは一体?」

「愛の治癒、よ。恋人相手にしか効かないけどかなり優秀な回復魔法よ」

「ふーむ」

「ちょっとUIを確認してみなさい」


 む、何故だ。

 UIを確認してみる、MPが少し減っていた。二割弱ぐらい?

 ちなみにMPはどんどん自動回復中だった。かなりの早さで回復している。


 俺の右手は何故かリースの胸の上に置かれたままだ。俺の右手の上にはリースの手があり何故か固定されたままである。

 何故だろう、別に胸を触って欲しいからというわけではないと思うのだが。


「何故右手はリースの胸の上のままなの?」

「そこに気づけるのは優秀ね。褒めてあげるわ。それじゃあ、UIでMPを確認しながら私の胸から手を離してみなさい。ほら、早く」


 そう言われて俺の右手を押さえていたリースの手が離される。おや、ほんの少しだけMP回復速度が下がった気がするね。

 更にリースの胸の上から手をどけると、MP回復速度が更に下がった。

 それでも結構な速度でMPは回復しているが。と、既にマンタンになっていた。


「魔法を使えばMPが減るわ。ココまではいいでしょう?」

「うん、そりゃ当然だと思うけど」

「問題はここからよ。減ったMPは自然回復していくのだけれども、相思相愛の恋人と触れ合っていればより早く回復するの。つまり」

「つまり?」


 つまりどういうことだ?


「ラブラブカップルで常に密着していれば、魔法が撃ち放題ってことよ」



 ---



 そんなわけでその日から早速リースと俺の魔法修行が始まった。


 始まったのだが。


「あの、リース?攻撃魔法って無いの?」

「攻撃魔法って何?ヒロの世界のゲームにはあるの?」


 逆に聞き返されてしまった。


 リースとラブラブに密着した状態で魔法の練習をする。しかしなんとこの世界、攻撃魔法が一切存在しなかった。


「いや、だってさ、色々とおかしくない?」

「何がおかしいのか私には全くわからないわ。魔法っていうのはそういうものだもの。でもヒロの世界のゲームには攻撃魔法っていう便利なものがあるのはよくわかったわ。でもこの世界ではそんな考えは捨てた方が良いわよ」


 この世界の魔法には、どうやら本当に攻撃魔法が無い模様である。


 回復魔法、強化魔法、妨害魔法などなど、色々揃ってはいるらしいのだが、攻撃魔法がまったく無い模様。


「パライズ!」


 俺に密着したままリースが魔法を放つ。実験台は可哀想なお馬さんである。馬小屋に繋がれたまま魔法を食らっている。

 お馬さんがビリビリと痺れてしまった。

 五秒ほどで効果が切れて元に戻る。ヒヒヒーンとお馬さんが鳴いた。抗議されている気がする。


「今のがかなりの上級魔法のパライズよ」

「上級魔法なの!?」

「そうよ?だってすごいでしょう?もしも戦場で5秒も動きが止まってしまったら即死よ。MP消費も大きいわ」

「どれどれ?」


 UIでリースのMPを確認してみると、MP満タンで売ったのにどうやら八割近くMPが減ってしまったらしい。俺と密着しているおかげなのかすごい勢いでMPは回復しているが。


 これはなんというか、すごいっちゃすごいのかもしれないんだけどあまり役に立たないのでは?


「えっとその、リース、非常に言いにくいんだけど」

「なによ?」

「魔法ってあまり役に立たないんじゃ?」


 うん、俺の考えている魔法のイメージと違いすぎた。なんというか全体的にしょぼい。


「そうね。戦場においてはMP回復速度が薄い人ならすぐにガス欠ね。そこまですごい効果も無いわ。でも止血魔法ぐらいは見たことがあるでしょう?」

「あるある」

「ああいった補助程度の役割だけでも非常に重要なのよ。私たちなら止血魔法以上のことが出来るし、覚えておいて損は無いわ」

「そっかー」


 そっかー(´・ω・`)


「ほら、文句言わずに練習しなさいよ。私とこれだけ密着しているのだから嬉しいでしょう?」

「リースは嬉しいの?」

「嬉しいわよ。あなたも嬉しいでしょう?」

「うん、嬉しい」


 からかうつもりで言ってみたが普通に肯定されてしまった。うん、こういうのはバカップルって言うのだろうか。



 ---



 夜になった。


 その晩はリースと濃厚にまぐわった。互いに深く気持ちが結ばれていることがよく伝わった、嬉しかった。

 最後にフィニッシュすると一気に全てが解放され魔力となって出ていくのがわかった。俺の全てが魔力として彼女の中に吸い込まれていった。


「今日は楽しかったわ。おやすみなさい、ヒロ」


 そんなリースの声を最後に聞いて、俺はそのまま気を失った。

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