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雑文集

作者: illumina

「星図にも載っていない辺鄙な宙域のはるか奥地、銀河の西の渦上腕の端っこに、なんのへんてつもない小さな太陽があり、このまわりをまったくぱっとしない小さな青緑色の惑星がまわっている。」昔、君はそう言った。


「そこに住む人間たちはこれまで、自分自身に関して常に間違った表象を抱いてきた。ひとは鼠の首が何をなしうるのかさえも知らない。なぜ人は鼠を殺すか、なぜ人は着飾ってそれを見るか。とにかく、きみたちはそれを一つ(あるい42個)持っている。それを作り出すことなしには、欲望することなど不可能なのだ。きみ自身の鼠の首をみつけたまえ。――そうすれば、目の前の現実はおのずから崩壊するだろう。


「ところで、明日の昼屠殺される玻璃鼠の首は、いま、どこにあるのか。

「いや、死については、その日を知ることはできぬ。

「それでもし、彼女を正式に離縁してしまった上は、女が一度他の男と結婚するまでは復縁させることは許されぬ、許されぬのだぞ。


「それにしても肉体は悲しい。私は全ての鼠を殺めてしまった。


「子供のころ、よく幽霊を見た。あるいは見たと信じた、と言うべきだろうか。それはひどく疲れ果てた扉の形をしていて、常に開かれていた。何故なのか、私はいつも申し訳ない気持ちになってその扉を何度も何度もくぐるのだった。扉はくぐる度に形を変えてゆき、そして、くぐれなくなった時、私は死ぬんだ、そう信じていた。そうやって私は何度も何度も死んだ。

     そして、 

そうやって鼠は勝利した。」


 そう君たちは続けざまに言うが、私は鼠を見たことすら無いのだ。

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