最近キケンなんです
天使の如き美少女に、ホンモノ?天使が憑依してから5日目。
ホンモノ?と並んでても見劣りしないあいつって・・・。いや、あいつのほうが・・・。
セリアたちには顛末を伝えてある。全然驚きもしないってどうよ?
らっきーでしたねー、てなカンジで終わりである。まぁ今更だしなー、俺らだし。
で、今は町に居る。砂漠の真ん中のオアシス都市ローラン。
シルクロードの中間点と言える位置にあり、そりゃもう賑わっている。
んでさ、西から来たっぽいキャラバンとか旅人なんだけど・・・アラブも中華もすっ飛ばして、”和”なんだよな。
お約束である。ふぁんたじぃにおいて、アラブや中華はほとんど省みられない。
アラブについては創造者の知識不足、中華については和との差別化の困難さ、が原因であろう。
過去の世界においても、それらしき人種なり文化なりは、ほぼ皆無だったしね。
恐らく、何がしかのバランスが働いていると思われる。需要と供給とか、なんかそんなのが。
ザンドでは、ついぞ見かけなかったんで、和な人種がいるとは思ってなかった。
訊くところによると、和な国マルンク(やっぱマランカじゃなかった)の連中も、ザンド方面から来る連中も、ここローラン止まりなんだと。
ココで交易しちゃうほうが、砂漠まるごと横断するよりメリットがあるって事なんだな。
要するに、ココまで来れば欲しい交易品は入手出来るし、更に向こうまで行っても割に合うほどの利鞘は見込めないんだな。
多少は高く売れたとしても、日数分の経費とかが嵩んではモトが取れない、と。
マルンク人たちは、俺と同じ黒髪黒目。まんま日本人である。
服装はなんか、戦国時代である。チョンマゲじゃ無いのが残念ではある。
傾寄者な感じのサムライとかも居ないなー。地味~な着物である。
歯槽膿漏とか海綿体とか漢字でプリントされた、勘違いなTシャツ着てたりはしない。
背は低めではあるが、そんなにチビってわけでも無いな。個人差はあるけどね。
女性はあんまり居ないな。まぁ普通来ないよ、こんなトコまでさ。
でも居るには居る。夜のお店に、であるが。
ぶっちゃけ俺には縁が無いトコロである。
行きたいけどさー、スッゴく行きたいけどさー。行ったら最後・・・仲間って大切だよね、うん。
昔の異界人の正体が割れちまったんで、マルンク行く必要は無くなったんだが、
個人的に行きたくなったので、このまま行く事にする。
だって日本ぽいんだもん。里心付いたって良いだろー。
反対もされなかったんで、決定。
和服の三人娘・・・良いかも知れない。振袖とかあるんかいな?
でもなぁ、着物だと、あいつらのおっぱい収まるとは思えんしなぁ。
着物ってワンピースだからなぁ、窮屈だと可哀想だよなぁ、おっぱいが。
でもあれだよな、着物って襟からスグおっぱいに手が届くんだよな。
悪代官プレイもしてみたいしな。”生娘独楽廻し”ってやつ。あーでも、大黒屋役が居ないなー。
悪代官だけじゃなー。悪徳商人が居ないと締まらんな。いや俺だけでも良いか・・・。
ん~?なんじゃ?震えておるのか?うい奴じゃ、今からワシがた~っぷり可愛がってやろうぞ。
ほれほれ、嫌がっておっても身体は正直じゃのぅ、げへへへへへへh
「へぶぉあぁぁぁぁぁっ!!!」
「何か変な事考えてたでしょっ!」
「顔がスッゴく変態さんですっ!」
「おにいちゃんのえろえろだいまじんっ!」
「ねえねえ、アレなに?」
「あー、箸だよ。」
「ハシ?」
「チョー便利な食器。切るも刺すも摘むも自在。出来ないのはスプーンの真似事ぐらいだな。」
「むぅ、わらわたちにも使えるかの?」
「そりゃ使えるさ。あーでも、ミューは無理かもなぁ?ブキッチョだし。」
「むっ!失礼な!わらわも使いこなしてみせるわっ!」
「なら、みんなでタークさんに教わりましょう。」
「そうね。便利なモノなら使えたほうが良いわね。」
「えー、だりー。」
「文句言うでない!キリキリ教えるのじゃ!」
「へいへい・・・んじゃ、あの店行くべ。」
「何の店?」
「食べ物屋さんなのは判りますけど・・・。」
「うどん屋。まー、ヌードルの一種だよ。箸の練習にはピッタシだな。」
「あぅっ!」
「ほーら見ろ、やっぱミューには無理・・・。」
「まだ始めたばかりなのじゃ!・・・こう・・・あぅっ!」
「でもこれ・・・慣れないと、よっと!」
「なんか変な向きに・・・ふんっ!」
「お前らも・・・いちいち掛け声とか・・・。」
「はむ、ふふ、れひらろら!」
「はいはい、食いながら喋るな、ちみっこ。」
「でもなんか・・・周りからスッゴく見られてるような・・・ほっ!」
「です。注目されてます・・・はっ!」
「もふ、まなまもはひまふふぁ・・・。」
「・・・他人だ。俺は他人、他人・・・。」
「はふぅ、あくせんくとう したのじゃ。」
「でも、なんとかみんな使えるようになったわね。」
「まだまだですけどね。」
「まぁ、箸使う文化の国じゃ、子供の時から習うからな。」
「タークは、そんなのも憶えてるの?」
「ですね、私たちの大陸には無かったんですから。」
「過去の遺産、かのぅ。」
「良くわかんねーんだけど、妙な事憶えてたりするんだよ。
たださ、きっと忘れてる事も、たくさんありそうな気がするんだよな。」
「どんな事?」
「アホ。忘れてるのに解るわけ無いだろが。」
「///っ!ア、アホで悪かったわねっ!ふん、っだ!」
「まぁまぁ。あら?ミューちゃんは?」
「ターク!これはなんじゃ?」
「あんなトコで何やってんだ?・・・ん?」
「食べ物ですか?」
「みたいね。」
「まさか、まさかこの世界で・・・チョコバナナにお目にかかるとわ・・・。」
「お菓子、ですか?」
「そんな感じ。まぁ甘いから女の子向き。」
「食べてみたいのじゃ!」
「私も~。」
「私もです。」
「へいへい・・・オッチャン、3つ。」
「まいだり!ニイちゃん、別嬪さん三人も侍らせて、イイ身分だねー?」
「「「///」」」
「いや、別嬪じゃないよ。チョー別嬪さ。」
「「「///はぅ!///」」」
「はっはっはっ!参ったね、こりゃ。はいよ3つ。」
「美味しい♪」
「甘いのに、ちょっとだけ苦味があって・・・。」
「美味いのじゃ!」
「セリア、チョコってどの辺の産物か判るか?」
「あむ。は、へっふぉふぇふれ。」
「っ!咥えたままは止せっ!キケン過ぎるっ!」
「なんでじゃ?ちゅぱちゅぱ。」
「っ!先端舐めるのも禁止だっ!」
「んむんむ・・・ちゅぽ。」
「っ!口で扱くんじゃ無いっ!ああもぅこいつらっ!ワザとかっ!ワザとなのかっ?!」
「お前ら、とりあえず、だ。」
「なに?」「なんです?」「なんじゃ?」
「口の周りを拭け。」
「「「///あぅぅ///」」」
「チョコレートというのは、マルンク南部が特産らしいです。」
「こんなトコにまであるんだ。結構普及してるっぽいな。」
「その割りに、ザンドじゃ見なかったわよね?」
「じゃな。何か理由でもあるのかの?」
「チョコは熱に弱いからな・・・でもココまで運べるのになぁ。」
「ですよね?」
「まぁ考えても仕方無いでしょ。」
「そうじゃな。」
「おし、マルンク行って、チョコ食いまくるぞ!・・・ビターあるかなぁ?」
「好物なんだ。」
「みたいですね。でも確かに美味しいです。」
「ふむ。わらわも好物になったぞ。」
「♪ちょっこれぃと、ちょっこれぃと、ちょこれぃと、は、○、い、じ♪」
「なんか歌ってるし・・・。」
「よっぽど好きなんですね。・・・でもこの歌・・・。」
「・・・うむ、キケンな香りがするぞ、この歌は。」