マジメ?にやろう
「で、どんな感じ?」
「真っ黒ですね。黒くない貴族は皆無と言っても過言じゃありません。」
「証拠は集まってるの?」
「裏帳簿とかの隠し場所は、全て把握しました。ガサ入れすれば確実に発見出来ます。」
「一斉にやるのかの?」
「そこが難しいんだよね。少しずつやってたら、他の連中が証拠隠滅しちゃうだろうし。
かと言って、ボクたちには一斉にやれるだけの手駒が無いんだよね。」
「それなんだがな、騎士団を引き込めないかと思ってるんだがね。」
「あの団長だろ?ミスクだっけ?無理じゃね・・・って、いやそうでも無いな。」
「この国の騎士は世襲じゃ無い。試験に合格さえすれば、誰でもなれる。
まぁ最近は、裏口が結構あるみたいだが、それでもほとんどの騎士はマトモなハズだ。」
「それなら、団長追い出しちゃえば何とかなるかも、って事?」
「ただな、あいつの実家は子爵だが、ベロン公爵家と繋がりがあってな・・・。」
「王命でもホイホイ解任出来ないんですね。」
「そうなんだよ。あいつが団長になったんだって、公爵家のゴリ押しだしね。」
「じゃろうの。とても器では無いしの。」
「でもあいつバカだしな。俺らを嫌ってもいる。付け入る隙はあり過ぎるぐらいだな。」
「どうするんだい?」
「あいつを煽ってさ、俺に決闘申し込ませる。」
「なるほどです。」
「勝てるのか?いや愚問だな。・・・殺すのか?」
「殺す。あいつ生かしておいても誰も喜ばない。親とかは知らんがな。まぁ親とかも粛清対象なんだろ?どーせ。」
「です。公爵家も子爵家も。」
「なら無問題じゃな。」
「タークが、人を殺すトコは見たくないけど・・・。」
「ごめんなエル。でもな、世の中には居るんだよ。殺したほうが良い人間ってのが、さ。」
「あいつは、部下の騎士たちの給金を横領している上、夜な夜な色街に入り浸っているそうだ。
半年ほど前には、贔屓の娼婦が自分に靡かなかったと言って、惨殺したらしい。」
「・・・確認しました。証拠は揉み消されてしまっていますが、殺したのは事実でしょう。」
「セリア、その殺された娼婦の名は?」
「・・・源氏名ですが、アンナ、だそうです。」
「よし、会った事無いけど、アンナの仇討ちしちゃる。」
「それは良いが、あやつを誅した後、団長は誰にするのじゃ?」
「シルヴィにしようと思っている。」
「「「「えぇぇっ?」」」」
「///シル、姫様は、剣術なら男にも引けは取らないし、そ、聡明であられるし、お美しいし・・・。///」
「ニートが言ってもなぁ・・・。」
「目一杯の贔屓目ぽいし。」
「あばたも何とやらかも。」
「美しさは関係なかろ。」
「いや、実際他に適任が居ないんだ。腕だけならシルヴィより上の者は居るが。」
「イマイチ信頼出来ない?」
「そうだ。主だった騎士には、多かれ少なかれ貴族の息が掛かっている。おいそれと信用出来んのだ。」
「ヒラ騎士なら信用出来るのね?」
「そうだね。貴族だって、そこまでヒマじゃ無いからね。」
「じゃあさ、セリアは貴族派騎士を洗い出してくれ。内通者はごめんだ。
エルとミューはさ、騎士たちと仲良くなってくれよ。全くの他人じゃ幾らなんでもアレだしな。
俺もヒマな時は行くからさ。
あーでも、その、な、なんつーか・・・」
「うふふ、安心して。仲良くなり過ぎる事は無いから♪」
「そうじゃ。安心せい。”おともだちれべる” までじゃ。」
「うー、なんか損してる気がしますー。」
「な、なんかごめんなセリア・・・でも、この仕事はセリアにしか・・・。」
「///はぅぅぅぅ・・・ナデナデいい・・・が、頑張りますー。」
「むー」「むむー」
「お、お前らはまた今度、な・・・。」
「貴様っ!こんなところで何をしているっ?」
「あー?答える必要は無いぜ、オッサン。」
「なんだとっ!ここは騎士団の馬場だ、部外者が許可無く立ち入って良い場所では・・・」
「王の許可貰ってるんだけど?何処でも好きなトコ見て回って良いってさ?」
「ふざけるなっ!騎士団長であるワシの許可無く立ち入る事は許さんっ!」
「そうなんですか?」
「いえ、王の許可があるのに、団長如きが拒否など出来ないであります。エル様。」
「その通りです。我らは王の騎士です。王命は絶対であります。」
「騎士さんたちは違う意見みたいだぞ?」
「貴様らっ!ワシの意見に逆らうのかっ!クズの平民どもがっ!」
「我らは王の騎士。仕えているのは団長ではありません。」
「おぉ、小気味良いぞ。あっぱれじゃ!」
「///ミュー様、お戯れを・・・。」
「おいおい、お前ら髄分人気者だな。」
「ぐ、ぐぬぬぬ、皆でこのワシを虚仮にしおって・・・許さん!」
「許す?テメェ如きに許して貰う筋合いは無えよ。ブタオヤジ。アンナに振られて当然だな。」
「な、何っ!」
「おーおー、動揺しちゃって。・・・夜の名花はな、ブタには勿体無いって言ったのよ。」
「き、貴様・・・お、おのれ小僧!膾にしてやるわっ!剣を抜けっ!」
「ねえ皆さん。コレって決闘になるの?」
「はい。団長は既に剣を抜いておられますので。ターク殿がお相手するならば。」
「正式なけっとうになるのじゃな?」
「はい。どちらかが敗死したとて、問題にはなりません。」
「皆さんが立会人になるわけですね?」
「無論。我らがしかと見届けます故。ご安心を。」
「だ、そうじゃ。」
「おーけー。ちゃちゃっと・・・ってわけにゃ行かないよな。
アンナの苦しみの、ホンの一部でも味わわせてから殺してやる。」
「ほざけっ!」
「うぎゃぁぁぁぁっ!」
「なんだよ、左手無くなったくらいで、大げさだな、ブタ。」
「ぐ、う、ぅぅぅ、お、おのれ・・・」
「あー、言っとくけどな、降伏は認めない。死にたく無けりゃかかって来な。」
「あ、く、う、うぉぉぉぉっ!」
「ほいっとな。」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「おおっと、今度は右足がお亡くなりに。」
「あ、ぐ、ぐぁ、こ、ころ、殺さないで、く、れ・・・。」
「あぁ?今更良く言うよ。」
「な、なんで、も、する、から、カ、カネなら・・・」
「何でもする?じゃあ死ね。」
「ぐ、ぼっ!」
「騎士さんたちが証言してくれたから、問題無いって。」
「・・・そか。」
「まーこれであとは、貴族派騎士を追い出すだけだな。」
「洗い出しは終わってますが。」
「今日の決闘見ちゃったら、喧嘩買ってくれねーよなー。」
「どっちが悪役やら・・・じゃ。」
「何か良い手は・・・。」
「おぉ!ぐっどあいであが!」
「ミュー、なんか思いついたの?」
「ふふふ・・・はにぃとらっぷ じゃ。」
「「///えぇっ!」」
「・・・いや、ダメダメだな。」
「ダメダメじゃと!何故じゃ?」
「どういう意味?それって・・・。」
「私たちには魅力が無い、と?」
「いやお前ら、睨むなって・・・なんつーかほら、誘惑とか出来ねーべ?」
「「「・・・」」」
「シナ作ってあはーんうふーんとか、流し目で誘ったりとか、似合わねーし。」
「「「・・・」」」
「大体さー、オトナの色気とか皆無じゃん?ぜーんぜんダメダメだよな。」
「「「・・・」」」
「ピチピチだけどさ、まだまだ女の子、なんだよな、オンナじゃねーんだよ、うん。」
「言いたい事はそれだけ?」
「もう十分ですけど。」
「ここまでとはの。」
「ほえ?な、なんで怒ってらっしゃるのですkぐぶぅぉあぁぁぁぁぁっ!」
「全く乙女心ってもんが。」
「解って無さ過ぎです。」
「だめだめすぎなのはそっち!」