色々ヤヴァいかも・・・
どうもおかしい。
アイツの存在が感じられない。全く情報が無いのだ。
50年先行してるんだ。何かしらの動きがあって然るべきなのに、だ。
何処ぞで何かスゴいのが暴れてるとか、どっかの国王が豹変して周り中に喧嘩売り始めたとか、その手の”フツーじゃ無い”事態が起きていない。噂にもなっていない。
基本アイツは基地外である。バカでもある。とにかく破壊と殺戮だけが趣味。
なので最初のうちは力任せに暴れるしか能が無かった。
手段=目的でもあるしな。壊し続けていれば、いずれ壊し尽くせるのだから。
だが、俺と同じくアイツもそれなりには成長するらしい。
前回、アイツはとある大国の王を殺して成りすまし、手下として軍隊を使う事を覚えた。
それまでは、勝手に集まってきた信者っぽいのを使い捨てにする事はあっても、自ら手下を集めたりはしなかった。
とにかく基本的に自分で壊してたんだ。
だが前回、アイツは手段を変えた。いい加減理解したんだろう。
自分が暴れると、俺が来る、と。
国家とか軍隊は組織である。そして、組織と云うモノは強固である。
トップが交代出来るからだ。
王が死んでも国は滅びない。社長が死んだからって会社は潰れない。
滅びたり潰れたりするのは、別の要因である。
トップのせいで瓦解したとしても、それは組織として未完成だっただけだ。
前回、俺がアイツより50年も生きたのにはワケがある。
死ねなかったのだ。
アイツをぶっ飛ばした後、アイツが支配してた大国は、そのまんま拡張路線を突っ走ったのだ。
当然だ。
国の中枢は、アイツによって好戦的なのばっか集まってたし、跡継ぎの王子も然り。
トップたるアイツが居なくなっても、アイツの遺産はそのままだったのだ。
好戦的で精強な軍事国家として。
そして仮にだ、アイツが居なくなって穏健路線に転換したとしても、だ。
アイツのせいでエラい目に遭わされた周辺国が黙っていると思うか?
”前王は偽者でした。騙されてたんです。だからボクたちも被害者なんです。許してね、テヘ♪”
これが通用するほど世間は甘くない。通用したらケーサツは要らない。
おまけに、略奪虐殺暴行強姦と、やりたい放題やってたんだ。今更許して貰えるなんて思わんだろ?
復仇に燃える隣国や、再起を期す亡国の遺民を抑えるには、そのまま突っ走るしか無かったんだ。
そして、勝算も少なからず有ったしね。
アイツの遺産を潰すのに、50年掛かったと思ってくれ。
大陸の過半を制した大国を、力任せに消し飛ばすわけにもいかず、地道に戦争してたからな。
おかげで大陸の覇者になったんだけど、平穏な老後は10年も無かった。
ハーレム出来なかったから、一片の悔いも無し!な人生じゃ無かったけど、まぁ楽しかった。
アイツが行動起こしていないってのは考えにくい。何かはやってるハズ。
だが、この大陸は平穏そのもので、戦争起きる気配も無い。
各国の国力は拮抗してる上、国境が山脈だの大河だのなんで、仕掛けても返り討ちが関の山ってのもあって、概ね平和である。
アイツ居ないのか?
いやそんなハズは・・・
何かバグっぽいのが有って、俺は間違った世界に飛ばされたのか?可能性はあるな。
でも今まで6連続である。今更なぁ・・・
いや、アイツは居ないのだ。多分だが、俺の推測通りなら。
『この大陸』には居ないのだ。
考えてみてくれ。
ふぁんたじぃである。中世である。世界は丸くない時代である。
海の終わりが滝になってると信じられてるんである。
大航海時代なんてずっと先なんである。コロンブスはまだ居ないのだ。
かつてのアメリカ大陸の如く、この大陸の住民が知らない大陸が在るとしたら。
向こうではアイツが既に猛威を振るっているとしたら。
50年である。もうアイツは向こうを統一しててもおかしくは無い。
そして、別の大陸の存在を知ったとしたら。
侵攻して来るだろうな、間違いなく。あるいはもうしてるかも。ここ以外の大陸とか。
アイツはバカで基地外だが、モトは俺と同じ平成日本の高校生である。
いくらバカでも世界が丸い事は知っている。
そして一大陸統べても俺が現れなかったら、別の大陸の存在ぐらいは思い付くだろう。
やっべぇ。
やっぱ50年は痛過ぎだ。アイツぶっ飛ばしても大陸間戦争だぜ?
向こうがこっちより進んでたりしたら、アステカやマヤの二の舞だぞ。
奴隷にされて死ぬまで重労働だぞ。
そんな事はさせん。絶対にさせん。
俺の家族をそんな目に遭わせてなるか。
エルのおっぱいは俺のだ。
セリアのおっぱいも俺のだ。
ミューのおっぱいもいずれは俺のにするのだ。
いや、美女のおっぱいは全部俺のモノだ!誰にも渡しはしn
「ぐぼばぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「歩きながら何おっぱいおっぱいつぶやいてるのよっ!てか誰のおっぱいが俺のよっ!///」
「うーむ、エルのワザとはスゴいのだのぅ・・・」
「ソニック・ブラストですね。以前より更にキレがあります。」
「セリアはワザとか無いのかの?」
「ありますよ。まだ無名ですが。良いワザ名が思いつかなくて。」
「ワザは出来ておると云う事なのじゃな?」
「ワザ名が無ければワザとは言えないのですよ。ですからまだ未完成と云う事です。」
「名が無ければいかんのか・・・。」
「です。それがルールであり真理なんです。」
「わらわも欲しいのぅ、ワザが。」
「頑張れば出来るわよ。妹属性を生かせば効果倍増するわ、きっと。」
「ど、どういう風にじゃ?」
「お兄ちゃんなんて大っ嫌い!とか言えば、絶大な精神的ダメージが入るわね。」
「なるほど。私たちには難しい精神攻撃ですね。」
「私たちはあいつとほぼ対等な立場だから、中々効かないのよね。」
「わらわじゃと効くのか?」
「ええ、無意識に庇護対象としている相手から拒絶されるのは、効きますよ。」
「貴女だって、マルトちゃんから嫌われたら辛いでしょ?」
「な、なるほど・・・それは泣きたくなるぞ。」
「ワザそのものは軽くて良いわ。台詞が肝心ね。」
「ですね。”お兄ちゃんなんて○○”を基本にしておけば間違い無いでしょう。」
「むぅ・・・
”おにいちゃんの変態!おっぱい色魔!こっち来ないで!”・・・こんな感じかの?」
「おー、ナイスです。威力は保証出来ます。更に幼い感じで言えばカンペキです。」
「あいつなら変なほうに目覚める心配とか無いから、ガンガン言ってやって。」
「じゃが、コレをワザ名にするのは・・・」
「必ずワザ名を叫ぶ必要は無いんです。ワザ毎に固有の台詞があれば良いんですよ。」
「それに貴女の場合、台詞自体が攻撃力になるから、その場のアレンジが重要よ。」
「なるほど・・・ならば基本は”おにいちゃんきらい”で良いかの?」
「それで十分ですね。」
「あ、復活しそう。」
「では早速試してみましょう。さ、ミューちゃんごー!」
「おにいちゃんのへんたい!えろまじん!おっぱいふぇち!きもちわるいからあっちいってっ!!」
「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
「効きますねー。」
「予想以上ね。最後に顔背けるあたり、巧いわ。」
「うむ、なんだか気分が良いな。またやろう。」
「やたら使ってもダメよ。免疫出来ちゃうから。」
「ここぞと云う時に使ってこその必殺ワザですからね。」
「うむ、心得た。たいみんぐが重要なんじゃな。」
「そうよ。理解が早いわね。」
「楽しみな逸材ですねー。」
「二人とも、よろしく指導してたも。」
「任せて。」「当然です。」
「・・・復活しないわね。」
「まだ慣れて無いからでしょう。」
「むう、慣れさせてはマズいのでは?」
「ある程度なら大丈夫ですよ。慣れても痛いものは痛いですから。」
「そうじゃの・・・もっとばりえーしょん増やすかの。」
「もー引き摺って行きましょ。セリアそっちお願い。」
「はーい。ミューちゃんは突付いててくださいね。起きるかも知れないですから。」
「心得た。」