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覚醒?

 戦闘シーンって、あったほうが良いですかね?

 自分としては不要だと思ってるんですが。


 めんどいってのが本音だったりしますが(汗

 「作戦は?」

 「エル、風向きはこのままか?」

 「あと3時間は変わらないわ。」

 「良し。んじゃ俺が風上で囮になる。お前らは風下から接近しろ。」

 「「了解。」」

 「んで、タイミング見て俺が陽動すっから、エルが殺れ。セリアはエルのカバーね。」

 「えっ、わ、私なの?!」

 「そうだ。俺らの中で”殺す”ってのを経験してないのはお前だけだからな。

  俺は何度か魔獣とか狩ってるし、セリアもココに住んでたんだ、やり合った事あんだろ?」

 「はい。何度か。」

 「で、でも・・・」

 「自信持て。お前は強い。俺が保証する。」

 「私もですよ。エルは自分で思ってるよりずっと強いです。」

 「・・・うん、分かった。ありがとう。やってみる。」

 「赤点!」

 「えぇっ!なんでよっ!」

 「大声出すな。」

 「ご、ごめん。」

 「あのな、お互いに賭けるのは命なんだ。負けたら最後、次は無いし、代わりも無い。

  お前が実力を出せれば、熊さんなんざ敵じゃ無いハズだ。

  けどな、向こうはお前を殺しに来るんだ。躊躇も無く、自分も命懸けでな。  

  だから、そんなハンパな気持ちじゃ勝てないぞ。

  覚悟するんだ。”殺す”って。」

 「・・・分かった。殺してくるわ、絶対に。」

 「女の子に似合う台詞じゃ無えんだけど、お前が言うとなんかキマるな。」

 「褒めて無いでしょそれっ!」

 「褒めてるんだよ。カッコイイってさ。」

 「うー、なんか納得いかないけど、ありがと。」

 「で、セリアは魔法で行く?」

 「いえ、私攻撃魔法は得意じゃ無いんで、弓で。

  ヴルムベアなら、そんなに硬く無いですから、これでいけると思います。」

 「そっか。任せるよ。エルをよろしくね。」

 「任せてください。必ず守りますから。」

 「セリア、ありがと。頼りにしてる。」

 「俺は手出ししないからな。危なくなっても。」

 「っ!それ酷くない?!」

 「現実とはキビシイのだよ、明智君。」

 「誰よそれ?」

 「さて、俺は行くぞ。合図しなくても判るよな?」

 「・・・なんか誤魔化された気がするけど・・・大丈夫よ。」



 チートで気配を消しつつ、熊さんの風上に回る。

 周りは見晴らしの良い草原だ。森の中にポッカリ、って感じで鎮座している。

 肝心の熊さんは、やっぱりあの熊さんだった。


 風下から二つの金色が熊さんに近づいて行くのが見える。

 俺の眼からは目立ちまくりな金髪だけど、魔獣の多くは色を判別出来ないから、あんまし問題無い。

 二人が位置に着いた。

 エルならあそこから速攻で間合いに入れる。速いんだよあいつ。マジ規格外。

 普段一緒の俺がアレなんで、本人気付いて無いっぽいけど、あのスピードに対応出来る人間なんて、国一番の戦士とか云われる連中だけだろーな。

 学校時代はそれなりしか動けなかったんだけど、それは自分の能力を把握して無かったから。

 実力を出しきれていれば、俺の次に強かったハズだ。

 だってさ、あいつふつーに俺にダメージ入れて来るけどさ、マジで避けきれない時とかあるんだよ?

 まー微妙に急所は外して来るあたり、俺を本気で潰す気は無いんだろな・・・。

 チートの俺が避けきれないスピードだよ?しかもミリ単位としか思えない正確さだよ?規格外確定っしょ。


 あの実力を発揮させるには、荒療治だけど実戦しか無いよな。

 命の遣り取りするんだ。気後れとか躊躇とかしてるヒマは無い。あいつなら解るさ。




 タークの気配が感じられた。ヴルムベアがそっちを見る。

 始まる、いえ私が始めるんだ。


 心臓はバクバクしっぱなしだし。なんか手は震えてるし。

 でも。

 やるしか無い。

 私には出来るハズだ。いえ絶対に出来る。

 彼が保証してくれたから。

 彼が信じてくれてるから。

 私は勝ってみせる。


 彼の隣に居たいから。

 可愛いって言って貰いたいから。

 頭をなでて貰いたいから。

 そして、いつか、きっと、絶対に・・・


 抱きしめて貰いたいから。

 

 私は闘う。


 「ハアァァァァッ!!」

 



 やっぱ大したもんだ。

 ちょびっとだけど、ホントちょびっとだけど心配したのがアホみたいだ。

 熊さんは、人間相手なら互角以上に素早いし、パワーは比較にならない。

 ソロで狩るなら最低でもB、確実を期するならA以上の冒険者じゃないとまず返り討ちだ。

 そんなの相手にしてるってのに、全く余裕に見えるんだからなー。

 まー本人は余裕なんて無いんだろうけど、セリアのカバーも不要なぐらい圧倒してる。

 あーあいつに比べたら、熊さんがナマケモノに見えてくるわ・・・

 およ?熊さん倒れそう。


 「喰らえっ!バーニング・スターダストォォォォッ!!」

 

 ・・・おい。

 熊さんミンチになっちゃったじゃ無えか。売り物にならんだろーが・・・。



 「おつかれ~。」

 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・うん・・・はぁ、はぁ、、、ふぅ。」

 「良くやったな、エル。怪我とか無いか?」

 「・・・うん、ありがと。かすり傷くらいだったし、もうセリアが治してくれた。」

 「そっか。しっかしここまで徹底的とは・・・

  もちっとセーブ覚えないとな、ミンチはやり過ぎだろお前。」

 「う・・・ごめん。加減が分からなくって・・・」

 「う~、臭いが凄い~。」

 「まーこれで力加減覚えたろ。次からは大丈夫だよな。」

 「・・・うん、多分、だけど。」

 「おいおい。」

 「えーと、証明部位って、爪でしたよね?」

 「あーうんそれ。頼んで良い?」

 「私、なんだかぜ~んぜんやる事無かったですから、これぐらいやりますよ。」

 「あんがと。頼むわ。

  他は・・・持ってく意味無ぇな。」

 「無いですねー。」

 「あう・・・ごめんね、二人とも。」

 「なに言ってるんだよ、これで1万だぞ。他なんかオマケだオマケ。」

 「そうですよ、例えほとんど無傷で倒したって、売るとしたら1000ぐらいにしかなりませんから。」 「うー、でも1000ガル損したって事だし・・・」

 「あーもーしつこいっ!

  お前が大した怪我もしねーで済んだのが一番なのっ!なっ、セリア。」

 「その通りですよ、エル。仲間ですよね?私たち。」

 「うん、うん、うん・・・グスッ」

 「な、なに泣いてるんだよっ!・・・」

 「だって・・・なんか・・・グスッ・・・嬉しくって・・・ふえぇぇぇぇん!」

 「ちょ、おま、いきなりっ・・・」



  

 彼はおっかなびっくりだったけど、胸に飛び込んだ私を抱きしめてくれた。

 もっとギュッてして欲しいけど、次のお楽しみに取っておこうかな。

 頭もなでてくれてるしね。


 怖かったんだから。

 頑張ったんだから。

 少しくらいご褒美貰ったって良いよね?


 ”ズルい~”って眼でこっちを見てるセリアに、心の中でちょっとだけ言い訳・・・ 

  



 あーなんつーか、女の子に泣かれるのは心臓に悪すぎる。

 あんな目に遭わせたのは俺だし、泣かれても文句なんざ言える立場じゃ無いのは分かってるんだけど・・・。

 悲しいとかで泣いてるわけじゃ無さそうだし、しばらくこのままで良いか。

 あーそいやこいつ、頭なでてやると泣き止むの早かったっけ。

 せっかく役得な体勢なのに、お互い防具着けてるせいで、おっぱいの感触が感じられんのが無念すぎる・・・。



 「もう大丈夫か?」

 「うん・・・ごめんね、泣いたりして。」

 「良いさ。お前だし。」

 「っ!どういう意味よ?」

 「お前なら、泣き止むまで傍に居てやるくらいで済むからって事。」

 「//////・・・バカ・・・」

 「なんでバカっ?!俺なんか悪い事したっ?!」

 「お二人さん、爪も集めましたし、そろそろ戻りましょう。そろそろ血の臭いに惹かれて、他のが来る頃ですし。」

 「ごめんねセリア、後始末押し付けちゃって・・・」

 「一つ貸しにしておきますね、エル♪」

 「うっ!なんて爽やか過ぎる笑顔・・・やっぱり強敵過ぎる・・・」

 「さーて帰ろーぜー。明るいうちに森出たいしなー。」

 「うん。」

 「はい。」



 帰り道、左にぶら下がったのはエルだった。ニコニコしっ放し。

 セリアは右。なんか不満そう。

 左右でなんか違うんだろーか?

 こちとら重いのは一緒なんで、どっちでも良いんだけどさ。

 とか思っても、口に出したら明日の太陽は拝めない予感いや悪寒がするので、絶対言わない。

 防具のせいで、ぷにぷにの感触が無いのもあって、余計重く感じるんだよな。


 町まで1時間てトコか。耐えるのも男の仕事だよな、オヤジ・・・。

 主人公以外のモノローグにチャレンジ・・・

 背中がムズ痒いぃぃぃ><

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