仕事しないとね
ゾンビから蘇生?したものの、なんかエルは朝から膨れっ面のままである。
今日は一日買い物に費やすことにした。
セリアの装備を揃えるためだ。
仲間になってくれたんだし、装備くらいプレゼントしよーかと思ってたんだが、なにげにセリアは金持ちだった。
今までのガイドの報酬とか、ほとんど手付かずで持ってたし、森の中には結構価値のある鉱石とかも落ちてるらしい。
俺とエルも、実家からかなりの餞別つーか路銀貰って来てるんで、結構持ってるほうなんだが、セリアには一桁負けてしまった。
まー俺のあのポケットには、自分の遺品つーか遺産つーか、そーゆーのが山ほどあるんで、その気になれば国すら買えるんだけどね。
ちなみに金銀宝石だけで、平成日本国政府の借金全部払えるくらい。
他にも、この世界に存在しない金属やらアイテムやらあるんだから、カネに困るなんざ有り得ない。
必要になるまで死蔵だけどね・・・。
左にはセリア、右にエルをぶら下げてる俺は、すれ違う男性諸氏の暗黒視線攻撃に晒され続け、いささか疲れている。
目的地は防具屋。
武器は、セリアの剣がスンゲー良いモノだったんで、俺がチョチョイと弄って更に強化するだけで十分だった。
なんか彼女の一族に伝わる名剣らしいんだが、惚れ惚れするよーな見事さ。
切れ味も強度も十分過ぎる上、今はダメになっちゃったが、昔は魔法剣だったそうな。
それ聞いたんで、かつての魔力を復活させ、セリアの髪で個人専用にしちゃったのさ。
鞘から抜いた途端、キラキラと輝き出した剣を見たセリアは、
「ありがとうございますっ!タークさん大好きですっ!」
と抱きついてきて、俺の頬にキスしてくれたのだ。役得であるな・・・おっぱいの感触はもうなんつーか凄かったし・・・。
いかん、思い出してたら、俺のリビドーがまた・・・
そいや、あの時からだな、エルが膨れてんのは。
あいつの剣は最初からスゴい名剣だったんで、弄ってやってなかったからな、そのせいか・・・。
なんせバルクホルン伯爵家って、武で鳴らした名門だからな。武具もすんげーの一杯あるんだよね。
しっかし、あれくらいでムクれるなんて、愛いやつめ。
「タークさん、コレどうですか?」
「ん、良いんじゃね?」
「むー、さっきからずっとおんなじ台詞ですっ!」
「いやだってさ、お前美人過ぎるからさ、似合わないの探すほうが大変だよ。」
「///び、美人なんて、そんな、私なんかよりエルのほうが・・・」
「エルの時もおんなじなんだよな。お前ら揃って美人過ぎなんだよ。貶しようも無いわ、全く。」
「「///」」
「どした?」
「な、なんでもないわよっ!」
「なんでもありませんっ!」
「あーとにかくさっさと決めてくれ。日が暮れちまう。」
「う~、頑張ります。」
「買い物って頑張るもんなのか?」
「そうなんですっ!」
「へいへい・・・」
なんとか防具も決まった。軽めの胸当てである。あとは宿屋で俺が弄ればOK。
胸がちょっとキツイとか言ってたので、直せるよって言ったら、満面の笑顔で抱きつかれた。
エルがちょっとムッとしながら、自分の胸を見下ろしてた。イヤお前も十分デカいから。FだぞF。形も良いしな。言わないけど。
セリアはあのサイズでキツイのか・・・Gだな。とてもエルフとは思えんな。チートか?
しっかしさぁ、女性用防具ってさぁ、なんか露出多いよね。いや嬉しいんだけどさ。
アレで守れるの?とか思うんだけど、守れてるんだから良いか?
でも脚なんか生脚なんだよなー二人とも。ニーソが防具って反則じゃね?
あー白磁に輝く絶対領域が眩し過ぎる・・・リビドーが、リビドーが・・・・
武器屋にも寄る事になった。セリアは弓も遣えるんだってさ。まーそうだよな。エルフだし。
「コレかな?」
「短いですね。」
「ん。長いと射程とか伸びるのは知ってるだろうけどさ。取り回しがね。
長射程は魔法でいけるしさ、お前の弓には連射速度期待しようかと。」
「そうね。離れてれば範囲魔法使えるけど、ある程度近づかれたら味方が危ないしね。」
「なるほど~。
私、今まで一人だったから、そういうの疎いんです。色々教えてくださいね。」
「勿論だ。教えなきゃコッチが危ないしね。それにセリアは賢いからな、教え甲斐ありそうだし。」
「///はぅぅ、また頭なでるぅ~///」
「ん~、丁度なで易い高さなんだよ。」
「むー」
「よしよし」
「///なっなんで私までなでるのよっ!///」
「なでて欲しそうな顔してたから。」
「///うぅぅ~///」
二人とも綺麗な髪だよなー全く。サラサラの金髪。
エルは腰まで、セリアはそれよりちょっと長いストレート。セリアのほうがちょっと色薄いかな?
二人がう~う~唸りながらもそのまんまなんで、しばらくなでてようかな。
あ~なんか癒されるぜ。
あ、武器屋のおっちゃんが睨んでる・・・まだ弓の代金払って無かったんだった・・・。
宿で晩飯食って部屋に戻り、セリアの装備と、ついでにエルの剣も弄る。
エルの剣は、文字通りの魔法剣で、わざわざ弄らなくてスゲーんだけど、弄ってやろうかって言ったら、チョー嬉しそうに抱きつかれたたんで、仕方無いなー。
つかあいつら、抱きつくのがデフォになりつつあるのか?お父さんはちょっと心配だぞ。
まーチョチョイと弄って二人に引き渡して、また抱きつかれて頬にキスされて、って、エルもかよおい。
うーむ。どうしたんだあいつ?昼間も”やっぱりフラグだったのね”とか”強敵過ぎるでしょ”とか
意味解らん事つぶやいてたしなー。
「今日は依頼探しに行きましょ。」
「んだな。」
「えっ?まだこの町に居るんですか?」
「うん。俺らまだペーペーだしな。Cに上がるまでココで粘ろうかな、と。」
「ランクCになるまでですか?」
「あぁ、Cになれば護衛とか請け易くなるからね。ただ歩くよりもそのほうが楽だしカネになる。
王都だとBまで行かなきゃキツイんだけど、ココならCでも請けられる。
それに商人とかから情報得られるし、知り合いも増える。
まー報酬は安めだけど、メシの心配も無いし。」
「なるほど~。勉強になります。」
「まぁとにかくCになるのが先決よね。」
「んだな。朝飯食ったらギルド行くべ。」
「うん。」
「はい。」
「ありゃま。」
「ヴルムベア退治?」
「こないだの熊さんかなー?だったらちょっとやりにくいかも。」
「おぉ、お早うございますセリア様。今日は依頼を請けに?」
「お早うございますマスターさん。ええそうなんですが、何か良いのはありますか?」
「そうですな、セリア様たちDですと・・・やはりこのブルムベアかと。」
「うーむ、やっぱそうなるかー。」
「この個体は、以前から?」
「いえ、それが現れるようになったのは一月ほど前からでして。おかげで少々森歩きに支障が・・・」
「タークさん、私・・・」
「分かってるって。マスター、これ請けます。」
「おぉ、よろしく頼みますよ。」
「期限は無いんですよね?」
「期限はありませんが、なるべく早くお願いしたいと・・・」
「了解です。報酬は?」
「1万です。それとこいつは手強いですから、倒して頂ければ文句無しでランクアップさせて頂きます。」
「あの・・・全員ですか?」
「そうさ。パーティとはそういうもんだよセリア。功績はみんなのモノ、責任もみんなで負う。」
「分かりました。私もパーティの一員として、お二人に恥をかかせるような事はしません。」
「ありがとうセリア。貴女と組めた事を誇りに思うわ。」
「俺もだよ。ありがとうセリア、仲間になってくれて。」
「///あぅ・・・照れちゃいますよー///」
「・・・けどさ、セリアって俺らよりずっと年上なんだよな?」
「っ!私がオバサンだと言いたいんですかっ?!人間換算だと16歳なんですよっ!」
「ほんっとデリカシ無いんだからっ!セリア、私が許可するわっ!・・・って同い年なんだ。」
「いえす、まむ!喰らえっ!百裂飛燕撃っっ!!! ・・・あ、そうなんですか。もっと仲良くなれそうですね。」
「って、えっちょっ、その名前はなnごはぁぁぁぁぁぁっ!」
「・・・凄いわ、私より強力なんじゃ・・・もう十分仲良しだと思うんだけど?」
「ワザ名の差ですね。・・・嬉しいです。友達って居なかったから・・・」
「くぅっ!早く新しいワザ名を考えないと・・・MkⅡじゃ勝てない・・・もう貴女は仲間で友達よ。あの飛んでったのもそう思ってるわ。」
「しばらくは私のターンですね♪・・・ありがとうございます。」
「うぐっ、セリア、恐ろしい娘っ!・・・手強いのが問題なんだけどね、色々と。」
「・・・あの、手続きをお願いしたいのですが・・・お嬢様方。」
「「おほほほほ・・・今行きますわ♪」」
俺が沈んでる間に、手続きは完了していた。