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友達が リストカットを していたよ(仮)

作者: 小兎イチ
掲載日:2026/05/01

完璧なまでの駄作なのでいずれ消します。

今日も友人の里香に会う。最近元気がなさそうだったから、元気になればいいな。そんな気持ちを鞄と共に引っ提げて家を出る。

 四月下旬、特に最近ともなれば気温は暖かいを超えて暑いになる。ほのかに陽炎も見える気がした。既に着いたとの連絡が来ており、待たせると悪いので少し早足になって向かうと既に里香は立っていた。素材やらなんやらは涼しさを兼ねていそうで且つ、流石イマドキでお洒落でもあった。ただ、

 「おまたせ、……暑くない?長袖。しかも黒て。」

 里香は元気がないのが嘘かのような(と言ってもたっぷりではない)笑顔を静かに私に見せた。その後は適当に遊んだり食べたりそれで終わった。一度も、里香は声を出して笑わなかった気がする。元々そんなに豪快に笑う子というわけでもないが。

 ────私が里香の手首に傷を見つけたのはその夜でした。


 臭っぽい表現をすれば、偽りの顔とずっと話している感じがした。私は無理を言って里香の家に泊めてもらうことにした。最初は部屋が汚いからと拒まれたが、そこを何とかと手を合わせてお願いすると渋々受け入れてくれた。

 いざ入ってみると、本当に汚かった。「汚いから」と言ってどうせ汚くないパターンだろだとか思っていたが、本当に汚かった。ラベルのないペットボトルや単純にゴミ袋や煙草が見え、里香もそれに気がついたようですぐに身をダイブさせて隠した。私は一応気づかないふりをした。

 「掃除、手伝おうか?」

 「見られちゃいけないの、いっぱいだからいい。」

 やけに恥ずかしそうに言ってたので私もいじりたくなったが、やめておいた。(しかし、そのせいもあり今後来る度に汚くなっていた)

 できるだけ接する面積を減らそうとつま先立ちで案内された椅子に座ったが、考えてみれば掃除をしないとなるとやることがない。そんなことを考えていると、里香の方から振ってきた。

 「あのさ、お風呂入ってきたら?あ、いや臭うとかそういうわけじゃなく、汗かいたでしょ?今日暑かったから。」

 私は少し考えた後、悪いよーと言いながら風呂場に向かった。

 すごく綺麗で、入浴剤でフローラル漂う憩いの場というイメージだったが、ところどころ茶カビ?があったりチョウバエが数匹いたりと、綺麗という印象ではなかった。なんだか嫌な感じがしたので浴槽には入らずにシャワーだけ浴びることにした。

 ────使っているシャンプーは確か、っえ?そこまではいいですか?じゃあお風呂から出た時、里香はこんなことを言ったんです


 「浴槽見た?」

 「え、なんで。」

 「いや、随分早かったから。」

 この家には時計がなく分からなかったが、そんなにも時間が経っていたのだろうか。スマホを見ると大体八時過ぎ。入る前にも見ておけばよかったと後悔する。

 すると、突然里香が唯一綺麗なベッドにふらふらと歩きながら横向きに倒れ込むと、私の方を向いて手招きをした。私は別にそういう趣味はなく「ヤだよ。まだ早いし。」と冗談っぽく言うと、より勢いよく手招きをしてきた。なかなか可愛かったので仕方なく入ると毛布の中から手を握られる。里香は寂しいと呟いた。私は彼氏にでもフラれたからと勝手に察し抱き締めてやろうとするとすごく酒臭かった。近くでよく見ると、ほんのり赤く、加えて親から嗅いだことのある酒の匂いがした。

 「酔ってる?」

 「うん。」

 言質が取れた。個人的に酒臭い奴はタイプじゃない。離れようとすると毛布との摩擦で服も残されたのか、手のひらから肘にかけてが露わになった。私は見る。里香はすぐに引っ込める。私は見た。そこには茶色っぽくなった横向きの線がいくつもあり、それから数分間気まずい沈黙が流れる。あんまりにも何で声がかければいいか分からずトイレにでも篭ろうかと思った時、里香が声を出した。

 「嫌いな人っている?」

 あんな状況からこんな言葉が出ると流石に怖気付いた。私は変に刺激をしないように無難に答える。

 「じゃあ、何人いる?」

 「……片手で数えられるくらい。」

 「そうなんだ。私はね、あなたの手足を借りても足らないくらい。含まれてると思う?含まれてると思う?私、誰でも殺していいよってなったら誰からかなって考えたの。おかしい話じゃない?誰から殺すか迷うってさ。でも全員私が殺すってなると大変じゃん?だから死んでくれないかなって、疲れちゃうじゃん。ああそうだ神様はいると思う?私はいないと思うないやいるのかもね、結局は神様も自分好みの人間しか助けないんだ愛される条件って何だと思う?あっこれは神様に限らなくてもいいよ全人類のたった一人でもいいよ神様は気まぐれって言うでしょそんなのに頼って死ねないから私はそうだよ何のために生きているんだろうね長い間さ長い間さ長い長いながあい間私は生きてきてさあっちょっとうるさい違うって長い間生きてきたんだ何年だろ私は私として十数年も生きてきてさ誰よりも私のことを分かっていると思ってたよ思ってたって文だともうこの後なんて言うか分かるよねつまりそういうことなんだだから何ってほんとそうだよね私は結局は意味のないことを言っているんだよこんなのつまんないし意味ないって分かってるんだけどやめられないんだもうさ簡単に言うけど死んだ方がいいよね病気なんだよ病気病気だから許してよ不治の病だよきっと死ななきゃ治らないでも死ぬの怖い死ぬ勇気がほしいな勇気が恐怖に立ち向かうためってんなら完璧じゃないそう完璧じゃないんだ肉塊に勇気を突っ込んだって知性がなければただの犬死にって考えれば分かるよねでもねでもね勇気も知性もない人間がいましたいやそれは人間だと言うのかな私分かんないけど私分かるんだそれが誰だって私って言うオチだと思った違うんだよ喜んでくれるのはお母さんだけだよお母さんはもういないって言わなかったっけすごいよね言葉がどんどん出てくるよ意味がないのに意味がないっていうことは意味がないんだから今すぐやめた方がいいのに死ねばいいのにそんなことを何年思い続けてきたと思う私にだって楽しかった頃はあったよでもね時間が経つにつれてそれがどんどん腐ってきて汚物みたいな未来が見えてきたんだ毎日思うんだあの頃は幸せだったってそれってどんなに大変で残酷なことか分かるそんな未来に誰がいきたいって言うんだろうね私は言えなかったな見たくなかったな見たくないから見ないでいいなんて都合のいい話があったら世界はないよねみんな耐えて耐えてこの世界を形成しているんだよねそれなのに私だけ逃げようとしているって恥じた方がいいよね恥じるのは誰にでもできるから価値がないのは分かるけど数少ない私にもできることなんだでもさできるからやった方がいいとは限らないよね私ねそれに気がついたのがすごく最近なんだ遅すぎるよね取り敢えず死んでみた方がいいかな面白いよね例えばそこに落ちている自分から喋ることも動くこともできず飲まれることしかできないペットボトルのゴミは私の役に立っているのに喋ることができるし動くこともできる私は私としか生きていないってあなたはどうあなたは誰の役に立っているのいやちょっと待って何で誰かの役に立とうとしているの誰かの役に立たなきゃ生きていちゃいけないのこれって何でこう思うんだろうね日本人だからかなああまた出ちゃった他責思考が罵声嗜好のマゾヒストでもないんだから子供の頃は良かったあのピースモードは楽だったなそっから青かったのが赤くなったらこんな風になっちゃってほんと誰かにあっかんべーとかしてた頃が懐かしいよ一発はヒーローに殴られた方がいいよね毎日がチートデイみたいに扱ってるけどそれから言われたことないな良い子ねって背中を見とけとも言われてないから何を見て育ったんだっけなとかまた勝手な考えをしちゃってさ何も分かってないよねいつも気分は下がってハイになってまた下がってハイになって下へってどういう仕掛けなんだろうねきっかけも分からないやだからマイナーなんだいや別に有名になりたいわけじゃないよでもあれは最高って思ったものになりたいみたいなのはあるじゃんでも色々と雑なんだよねだからこそ良くなるなんて都合のいいものでもないしそんなのは夢の話だよねこいつは連れの仇だなんてかっこいいセリフ言えないしそもそも連れなんていないし完全に内心での妄想に過ぎない生きてきた自分の歩道が地図にない時の気分は分かる分からないよね今のは自分でも無理があるって思ったハリーポッターとか言っちゃってねえ聞いてる?ああごめんねごめんねこんなに長く喋っちゃってごめんね聞かなくてもいいよ聞いてなくてもいいよ私ってほんと鹿馬、べべべ別の動物が同時に三頭もこれってすごいことじゃない!?ようやく私にも日の目を見るチャンスがって違う違う私ってこういうところ悩んでいるんだよね側から見たらさ今をじゃないよ普段の私を側から見たら私って普通に話してるように見えてるじゃん元気にやってるように見えるじゃんで自称コミュ障じゃんとかって思われるけど私も一種のコミュ障だと思うんだまあこれ見て分かるよねこれ何の話だろうねもう自分でも何の話してるか分からなくなったから誤魔化すね結局これは聞かなくていい飾りみたいな話だったってことだねじゃあいくよ?ん゛っん゛。私って存在は何のためにあると思う?神様が作ったのかまたは誰かの実験でサナトリウムの中で夢を見せられているだとか後者だったらいいなだって少しでもデータを得られて誰かの役に立っているんだものやっぱ日本人だからか誰かの役に立ってると幸福だと思えるんだよね逆に言うと今は幸福じゃないそれとも宇宙のどこかでは私も誰かの役に立っているのかな百億光年先の誰かの役に立っているのかなそうだブラックホールに飲まれたことはある?私はあるんだブラックホールって実は小さい宇宙なんだ大きくなりすぎた宇宙が最終的に自分の重力に耐えられなくなって縮小していってブラックホールになるブラックホールは宇宙の最小単位なんだでもブラックホールに入っても何もなかったよだって宇宙が縮小するくらいの重力に一般の星々が耐えられるわけないからねいずれ星を吸収して大きくなってブラックホールの中で欠片になった星同士がぶつかって星になって新しい宇宙が形成されるんだねじゃあ宇宙が自分の重力に耐えられなくなった時にあったブラックホールはどうなるのかって一緒に潰れるに決まってるでしょ言ったじゃん宇宙はブラックホールでブラックホールが宇宙なんだって宇宙のどっかで撮られたブラックホールの画像とか見たことあるでしょあの中に宇宙があってブラックホールの外である宇宙に私達はいるだから私達の宇宙も宇宙のどっかで撮られたブラックホールであってでもその宇宙にいる生命体が上位存在っていうわけじゃないよだって私達がいる宇宙のブラックホールにいるのが下位存在ってわけでもないしね私がこうやって啓蒙をすると聞いた人はこぞって頭がおかしい奴を見る目をしてくるんだでも仕方ないよねその人達は人のことを信じるくせに信じられないことは信じないし疑うことを忘れてるいや疑ってはいるよでもそれは何かイレギュラーがあった時だけなんだ常識には一切疑わないそれなのにSFだとかそういう『ろまん』があるものばかり考えて現実には自分が思っている世界には何も異常がないとか思っちゃってねえ少しの期待を込めて聞くけど一足す一はニだと思う?」

 明確な私の質問になった。

 ────え?よく長い話を覚えてられたなって?私、ああいう頭がおかしい人好きなんですよ。レアモンスターみたいでエンカウントするとすごく嬉しくてしっかり記憶に残そうとするんです。例えば、真冬に畳屋の前でパンツ一枚で水を撒いてた人とか……あ、いいですか。


 私は頭が良くないが頑張って答えてみた。

 「人間が定義したんだから、一足す一が二でもなにもおかしくないと、思います……。『あ』を『あ』って定義して発音するのも何もおかしくない、と、思います……。」

 怖かった。あんなことをずっと毛布の中から話してきて、質問に対する回答も無言で顔も見えないままだ。良い回答だったのかも伺えない。里香が毛布から顔を出した。

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