第3章:力には責任が伴う
第3章:力には責任が伴う
朝早く、警察学校の食堂に朝日が差し込む中、初任科生ジョンは静かに座って月曜の集会が始まるのを待っていた。空気には緊張感と期待が満ちていた。彼は昨夜ほとんど眠れなかった。ジェシカの容態や、2組に起こった奇妙な出来事について思考が止まらなかったからだ。しかし、今日は違う日になるはずだった。今日は、自分の行動が評価される日になるのだ。
生徒たちが次々と集会場へと入っていく中、会場には興奮と不安が入り混じった空気が漂っていた。ジョンは仲間たちの間に座ったが、いつもの無表情な顔からは内面の思いは読み取れなかった。壇上には、鋭い目を持つ威厳ある校長が立っており、集会の開始を告げようとしていた。
「おはよう、初任科生諸君」校長の声が堂内に響いた。「今日は授業に入る前に、特別な発表がある。危機に直面しながらも、見事な勇気と知性を示した一人の初任科生を表彰する。」
ジョンの心臓が一瞬止まりかけた。そんなことになるとは思っていなかった。校長の視線がホールを見渡し、やがてジョンに向けられた。
「初任科生ジョン・リウ、前へ。」
ざわめきが広がる中、ジョンは静かに立ち上がり前へ歩き出した。歩みは落ち着いていたが、頭の中は先週の出来事で渦巻いていた。仲間たちの注目を一身に集めるその重みを感じつつ、彼は毅然とした姿勢で壇上に立った。
校長はうなずき、説明を続けた。
「君たちに、警察制度における功績表彰について簡単に説明しよう。最も高い『一等功』は殉職者に贈られるもので、生きて受ける者はほとんどいない。次に『二等功』がある。これは、命の危険が伴う中でも、卓越した勇気と判断力を発揮した者に与えられる。最後に『三等功』は、日常業務において優秀な成績を上げた者が対象となる。多くの者が将来的にこれを得るだろう。」
一瞬、場が静まり返る。
「本日、ジョン・リウ初任科生に『二等功』を授与する。彼は危機的状況の中で冷静な判断と勇気を示し、仲間と周囲の安全を守ることに大きく貢献した。」
校長が勲章を彼の首にかけると、それが光を反射してきらめいた。拍手が巻き起こった。一部は熱烈だったが、ジョンは表情を変えなかった。この名誉は重い意味を持っていた。ただの栄誉ではなく、新たな責任を意味していた。
誇りと重圧が入り混じった感情の中、ジョンは心の奥で確信していた。後戻りはできない。この功績にふさわしい存在であり続けなければならないのだ。
表彰式の後
表彰式が終わると、ジョンは仲間たちに囲まれた。ライアンが興奮気味に肩を叩いた。
「すげぇじゃないか、ジョン!二等功だって!入学して一ヶ月も経ってないのに!」
ジェーンも微笑みながら言った。「でも、これって相当なプレッシャーよね。周りの期待も一気に高くなるし。」
確かにその通りだった。ジョンは周囲の視線を感じていた。羨望、尊敬、そして一部には嫉妬の目も混じっている。特に上級生たちの中には、複雑な表情を浮かべる者もいた。初任科生が二等功を受けるということは、彼らにとって驚きであり、同時に自分たちの立場への不安でもあったのだろう。
「表彰は嬉しいけど、これで終わりじゃない」ジョンは静かに言った。「まだ解決していない問題がある。ジェシカの件、そして2組で起きた異常事態の真相。」
その時、一人の上級生がジョンに近づいてきた。3年生のトムだった。彼は真剣な表情でジョンを見つめた。
「リウ、ちょっと話がある。」
ジョンは仲間たちに目配せして、トムについていった。人気のない廊下の角で、トムは声を潜めて話し始めた。
「君が受けた二等功について、いくつか知っておくべきことがある。」
「何ですか?」
「功績表彰は名誉だが、同時に重い責任も伴う。特に二等功を受けた者は、警察学校内外から注目される。そして、そこには危険も潜んでいる。」
ジョンは眉をひそめた。「危険?」
トムは周囲を確認してから続けた。「過去に二等功を受けた初任科生が何人かいた。彼らの多くは、その後困難な任務に志願するか、あるいは危険な状況に巻き込まれることが多い。まるで『試される』かのように。」
「つまり、この表彰は始まりに過ぎないということですか?」
「そうだ。君の能力は認められた。だが、それは同時に、より大きな期待と責任を背負うことを意味する。気をつけろ、リウ。これからは、君の一挙一動が注目される。」
トムは去っていき、ジョンは一人廊下に残された。勲章の重みが、物理的なものを超えて彼の心に重くのしかかった。
授業の変化
その日の午後、授業が再開されたが、ジョンの思考は授賞式の余韻に引きずられていた。彼が手にした『二等功』は重要な意味を持つ。しかし、今後さらに大きな試練に直面したとき、自分はどう立ち向かうべきか――その問いが頭を離れなかった。
戦術論の授業では、サイモン教官がいつもより厳しい目でジョンを見ていた。
「リウ、前に出ろ。今日の課題は人質救出作戦の立案だ。君に実演してもらう。」
ジョンは立ち上がった。教室内がざわめいた。通常、このような実演は上級生が行うものだった。しかし、二等功受章者への期待なのか、それとも試練なのか、ジョンには判断がつかなかった。
「設定はこうだ」サイモン教官は黒板に簡単な図を描いた。「銀行に武装強盗が立てこもり、人質を取っている。犯人は3名、人質は8名。君がチームリーダーとして、どう対処する?」
ジョンは図を見つめ、《解決の眼》を軽く発動した。青白い光が瞳に宿る。情報が整理され、複数のシナリオが頭の中で展開された。
「まず、現場の詳細な情報収集から始めます。建物の構造、犯人の武装状況、人質の状態。同時に、周辺の避難を完了させ、狙撃手を配置します。」
「続けろ」
「犯人との交渉を開始し、時間を稼ぎます。その間に、建物の弱点を特定し、突入ルートを複数確保します。最も重要なのは、人質の安全を最優先にすることです。」
サイモン教官は満足そうにうなずいた。「良い。では、もし交渉が決裂した場合は?」
「同時多方面からの突入を行います。主力チームが正面から注意を引き、別働隊が裏口から侵入。狙撃手が犯人を無力化し、人質を安全地帯に誘導します。」
教室が静まり返った。ジョンの答えは、上級生レベルの内容だった。
「優秀だ、リウ。だが、現実はそう単純ではない。計画通りにいかない場合の対処法も考えておけ。」
授業が終わると、クラスメートたちがジョンの周りに集まってきた。
「すげぇよ、ジョン!まるで本物の指揮官みたいだった!」
「二等功を受けただけのことはあるね」
しかし、ジョンは複雑な気持ちだった。注目されることに慣れていない彼にとって、この状況は重荷でもあった。
モク教官からの呼び出し
授業が終わる頃、ジョンの心はまだ式典とその意味に囚われていた。しかし、感傷に浸る暇はなかった。教室を出ようとしたとき、館内放送が流れた。
「初任科生リウ、モク教官が至急、執務室での面会を求めている。」
驚きはなかった。警察学校側が2組やジェシカの件について報告を求めるのは当然だった。
モクの執務室に入ると、教官は資料をめくっていた。顔を上げると、厳しい口調で言った。
「初任科生リウ、座れ。」
ジョンは席に着き、モクの話に耳を傾けた。
「2組で起こった異常行動とその対応について、上層部が詳細な報告を求めている。何が起きたのか、どう対処したのか、そしてお前がどのように関与したのか。簡潔かつ正確な報告が求められる。」
ジョンは静かにうなずいた。
「ただし、この報告は成績には影響しない。だがな、上層部はお前の判断力と分析力、そしてプレッシャー下での対応力を見ている。手を抜くな。」
モク教官は机の上のファイルを指差した。
「これは、過去20年間に起きた類似事件の記録だ。すべて機密扱いだが、お前の調査のために特別に開示する。パターンを見つけられるか?」
ジョンはファイルを開いた。そこには、様々な場所で起きた集団異常行動の記録があった。学校、病院、軍事施設...共通点を探そうと目を走らせた。
「どの事件も、始まりは小さな異常から始まっている」ジョンは気づいた点を口にした。「そして、必ず『触媒』となる人物がいる。」
「その通りだ。今回の場合、その触媒がジャックだった可能性が高い。だが、彼一人でこれほどの規模の事件を起こせるとは思えん。」
モク教官は立ち上がり、窓の外を見つめた。
「リウ、お前は今回の件で注目を集めた。それは良いことでもあり、危険なことでもある。もしこの事件の背後に組織があるなら、お前は既にマークされているかもしれん。」
「どういう意味ですか?」
「警戒を怠るな、ということだ。そして、報告書作成にあたっては、信頼できる仲間を選べ。一人では限界がある。」
ジョンは再びうなずいた。さらにモクは続けた。
「報告のために、警察学校を一時離れることも許可する。車両も用意するが、これが"外出"ではないことを忘れるな。お前はまだ初任科生だ。」
「理解しました。しかし、教官...」
「何だ?」
「もしこの事件が、警察学校内部の人間と関係していたらどうしますか?」
モク教官の表情が硬くなった。「その可能性も排除できん。だからこそ、慎重に進める必要がある。お前の報告次第では、内部調査が開始される可能性もある。」
ジョンは立ち上がり、言った。
「ご協力が必要です、教官。仲間の力がなければ、今回の件は対処できません。」
モクはうなずいた。「構わん。誰を選ぶかはお前に任せる。だが責任はお前にある。報告は二日以内に提出しろ。」
その夜、共用スペースに集まったジョン、ジェーン、ライアンたちに、彼は状況を説明した。
仲間との作戦会議
その夜、共用スペースに集まったジョン、ジェーン、ライアンたちに、彼は状況を説明した。
「モク教官から指示があった。2組の事件に関して報告書を作成する必要がある。外出用の特別車両も支給された。」
ライアンは真剣な表情で言った。「それって、ジャックに会いに行くってこと? それとも、この事件の黒幕を探すのか?」
ジェーンも口を開いた。「ジャックはもう関係ないかもしれない。背後には、もっと大きな何かがある。」
ジョンは机の上に、モク教官から借りた過去の事件ファイルを広げた。
「これを見てくれ。過去20年間の類似事件だ。パターンがある。」
三人は資料に目を通した。ジェーンが最初に気づいた。
「これ...全部の事件で、必ず『外部からの薬物』が関与してる。そして、事件後に必ず主要な関係者が消えてる。」
ライアンが指摘した。「それに、どの事件も最初は偶発的に見えるけど、後から見ると計画的だったことが分かる。」
ジョンはうなずいた。「そして、もう一つ気づいたことがある。これらの事件が起きた場所は、すべて重要な施設や教育機関だ。影響力のある人材が集まる場所ばかりだ。」
「つまり、単なる犯罪じゃなくて、何らかの目的を持った組織的な活動の可能性があるってこと?」ジェーンが確認した。
「その通りだ。だからこそ、みんなの力が必要だ。これはただの報告書じゃない。真実を暴くための調査だ。」
ジェーンが静かに言った。「やりましょう、ジョン。ここまで来たんだから。」
ライアンも笑って言った。「任せて! やってやろうぜ!」
しかし、ジョンはもう一つの懸念を口にした。
「ただし、危険が伴う可能性がある。モク教官も警告していた。僕らが既にマークされているかもしれない。」
「だったら、なおさら真実を突き止めないと」ジェーンが決意を示した。「このまま何もしなければ、また同じことが起きる。」
「それに、俺たちにはジョンがいる」ライアンが付け加えた。「二等功を受けた男だぞ。きっと何とかなる。」
ジョンは仲間たちの信頼を感じた。同時に、その期待に応えなければならないという責任の重さも感じていた。
選択の時
その後、ジョンは選択を迫られた。ジャックのいる拘置所に向かって直接尋問するか、それとも中央病院で治療中のジェシカと、医師たちが見つけた薬物の情報を追うか。
仲間と話し合った末、結論は明らかだった。
「尋問の訓練は受けてないし、ジャックは何も話さない」ジェーンが言った。
「そうそう。あいつはジェシカを襲った張本人だ。俺たちが行っても嘲笑うだけさ」ライアンが続ける。
しかし、ジョンは別の観点から考えていた。
「実は、ジャックに会うことにも意味があるかもしれない。彼の現在の精神状態を見れば、薬物の効果がどの程度残っているか分かる。それは薬の分析にも役立つ。」
「なるほど」ジェーンが感心した。「でも、どちらを優先するべき?」
ジョンは《解決の眼》を発動し、両方の選択肢を検討した。青白い光が瞳に宿り、情報が整理されていく。仲間と話し合った末、結論は明らかだった。
「尋問の訓練は受けてないし、ジャックは何も話さない」ジェーンが言った。
「そうそう。あいつはジェシカを襲った張本人だ。俺たちが行っても嘲笑うだけさ」ライアンが続ける。
ジョンは深くうなずいた。「病院に行こう。あの薬の正体が、すべての鍵だ。」
病院に到着すると、ジョンはすぐに研究室の譚博士を訪ねた。彼女はすでに彼を待っていた。
「やはり来ましたね」と彼女は言い、分厚いファイルを差し出した。「これが“緑の薬品”の全データです。」
ジョンはページを開いた。脳波の異常パターン、ホルモングラフ、化学式…。圧倒的な情報量だったが、彼は目を閉じて集中し、**《解決の眼》**を発動した。
青白い光が瞳に宿り、ページの構造が分解・再構築されていく。そして、彼は“欠けている成分”に気づいた。
「これだ…『ニューロバレニンX7』。元々は安定化剤として含まれていたはずだ。ジャックが意図的に抜いた。」
譚博士は衝撃を受けた表情で言った。「それが本当なら…彼は最初から心理兵器として使うつもりだったのね。」
「この成分を戻せば、効果を一時的なものにできる。調整さえできれば、洗脳状態から回復可能だ」とジョンは続けた。
「あなたは、私たち研究者でも見抜けなかった真実にたどり着いた。感謝します。すぐに解毒剤の試作に入ります。来週には中間報告を出せるはずです。」
ジョンはうなずいた。「このファイル、教官モクに回してください。注釈付きで。」
譚博士は微笑んだ。「了解です。あなたは今日、大きな一歩を踏み出しました。」
ジョンは研究室を出た。背後で緑色の液体が淡く輝いていた。
力には責任が伴う。
そしてジョンは、その両方を背負う覚悟ができていた。
木曜日 – 実践訓練の日 第一部:現場到着と聞き取り調査
初期現場観察
ジェーンは割れた窓の前で膝をつき、細部を注意深く観察していた。破片は外側に散乱しており、偽装工作の可能性を示唆している。証拠用のルーペで破片の散乱パターンを詳細に調査した。
「これは重要な手がかりだわ」と冷静にメモを取りながら周囲を見渡した。
窓枠の木材部分には工具による痕跡があったが、表面的で実際に窓を破るためのものではなく、外部からの侵入を演出するための作為的な傷のようだった。
地面には複数の足跡があり、その中に明らかに新しい深く鮮明な足跡が一つあった。
書斎の金庫は開いているが、錠前や扉周辺にこじ開けられた形跡はない。暗証番号で開けられ、内部は整然としており、選択的に物品が取られていた。金庫周辺には手袋着用の形跡があったが、親指の一部分にうっすらと指紋の跡が残されていた。
書斎の詳細調査
デスクの引き出しにあるメモ用紙に、消しゴムで部分的に消された数字の羅列があった。紫外線ライトで「8-4-2-?-1-9」という暗証番号の一部と思われる数字が浮かび上がった。
本棚で逆さまに挿入された『投資の基礎知識』の間から「HG - 午後8時 - 倉庫」と書かれた紙片を発見。財務書類の中にはリーとの工事契約書があり、「支払い遅延による違約金」に赤線が引かれ、「リー 要注意 金銭トラブル継続中」というメモがあった。
追加証拠の発見
キッチンの冷蔵庫に「鍵作成 佐藤建設」というメモを発見。食器棚から鍵の一部と思われる金属片も発見された。
防犯カメラは電源が意図的に切られており、計画的犯行であることを示していた。
チームとの情報共有
ライアンが現れ、住人が最近三人の人物(工事業者のリー、元ビジネスパートナーのハンス、隣人の佐藤)とトラブルを抱えていたと報告した。
「窓の破損は偽装ね。証拠からも内部者の関与が濃厚だわ」とジェーンは発見した証拠品を説明した。
科学的分析
ウィン先生が持参した分析キットで、住人のものではない新しい指紋を検出。右手人差し指の特徴的な渦状紋だった。
現場の繊維サンプルから、作業着特有の綿繊維と高級スーツの羊毛繊維が混在していることが判明。足跡分析では、アディダス「ウルトラブースト22」27センチサイズと特定された。
デジタル証拠
パソコンは犯行当夜午後8時30分に最後のアクセスがあり、ハンスとの投資トラブルに関するメールや、削除された銀行口座取引記録を発見。スマートフォンでは犯行前日のリーからの執拗な着信記録があった。
重要な新証拠
洗面所で「佐藤建設」の領収書片を発見。佐藤は単なる隣人ではなく、住宅修繕に関わった建設業者だった。隠されたUSBメモリには三人すべてとの金銭関係を示す詳細記録があった。
現場の動線分析
犯人は玄関→書斎→キッチン→リビング→書斎→玄関という経路で移動。建物構造を熟知していたが、予想以上に時間がかかり最後は慌てていた。
リビングの絨毯に付着した土は、セメント微粒子を含む建設現場特有の赤土だった。
結論と報告
チーム分析結果
午後、模擬司令所でジョンが分析結果を発表した。「金庫は暗証コードで開けられ、窓の破損は内側からの偽装工作。犯人は室内動線を熟知している」
ライアンが補足:「動機とアリバイを照合すると、ハンスはアリバイが確実。リーは暗証コードを知る可能性があるが、総合判断で佐藤が最も条件に合致する」
ジェーンが法医学的観点から:「現場の靴跡は女性用24センチで、佐藤のサイズと一致。摩耗パターンも酷似」
マイクが科学的証拠を報告:「DNA分析で現場の毛髪が佐藤と一致。金庫側面から部分的指紋も検出」
最終結論
「最も可能性が高いのは佐藤凛だ。隣人として暗証コード取得が可能で、騒音トラブルが動機。事件直後の急な引っ越しも計画的犯行の証拠」とジョンが結論を述べた。
他チームも証拠を提示:佐藤の事件前の大きな現金引き出し、近隣住民の証言による関係悪化と当日の異常行動、防犯カメラでの徘徊確認、GPSデータでの現場付近長時間滞在記録。
訓練総括
模擬住宅の「住人」役の元刑事が「見事な推理でした。物的証拠と状況証拠を組み合わせた分析は実際の捜査でも通用するレベルです」と評価した。
ウィン先生:「これが本当の捜査の世界だ。知識だけでなく、観察力、推理力、チームワークが不可欠。しかし、我々が扱うのは人間の人生だ」
モク教官:「今日の訓練で刑事捜査の基本的流れを体験し、特にチームワークの向上が顕著だった」
訓練後の反省
訓練生たちは反省会で成功要因は役割分担だったが、初期段階での情報共有と現場保全に改善余地があったと議論。科学的分析の精度は高かったが、客観的データと感情的推測を区別する訓練の必要性を確認した。
夕闇が迫る中、訓練生たちは確固たる目標に向かって歩む力強さに満ちた足取りで訓練施設を後にした。