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クラスS冒険者なんて辞めてやる! ~やりなおしの元世界最高位冒険者の異色冒険譚~  作者: GIYANA
冒険者として生きることは夢ではなく現実であること
92/99

第92話:シン・第二次温泉補完計画:‖


――寝室


 日も落ち、そろそろ静かになった温泉宿、温泉の匂いと流れる音が風情な情景、木製の宿の中で。



「「「「「…………」」」」」



 シダの4人とホヴァン、合計5人は土下座していた。


 その先には。


「? それはなんです?」


 椅子に足を組んで座っているルアがいた。


「ギリアンさんの祖国に伝わる究極の謝罪方法で「土下座」というそうだ!」


「へー、私はあんまり分かんないんですけど~、あ、テドンさん」


「な、なにかな」



「奥様に妾になれって迫られて困ってるって言っていいですか?」



「ヒイイィィ!!!」


 とそこでシプラ―さんが庇う。


「ルアちゃん! こいつ普段妾とか強がってるけど、恐妻家なんだよ!!」


「? ならシプラーさんの娘さんに風呂覗かれたと言っていいですか?」


「ギャアア!! 娘が遅くできて! 溺愛してて! 関係は良好なんだよぉ!! 嫌われちゃうよおおおぉぉ!!!」


「ホヴァンさん」


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!」


「がっかりしました、頼りになるかなと思っていたんですが」


「ア゛ア゛ア゛アァァァ!!!」


 と全員がプルプルと子犬が集まったかのように震えている。


「許して欲しいですか?」


「「「「「お願いします!!!」」」」」


「どうしようかな……」


「「「「「お願いします!!!」」」」」


「傷ついたな……」


「「「「「お願いします!!!」」」」」


「それよりもがっかりしたな……」


「「「「「お願いします!!!」」」」」


「…………」


 とルアは考える。


「「「「「プルプル」」」」」


 それはまるで死刑執行を待つかのような間。


「わかりました、貴方達に対しての罰を決めました」


「「「「「はい!!((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル」」」」」



「今後シダのメインの指針となる「冒険と道楽の両立」について活動スケジュールを私に合わせて参加させること。そしてそのクエストは全てギルドジョーギリアンを介して活動する事。メンバーにはホヴァンさんも参加する事、以上です」



 ((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル ←全員


 (´・ω・`)エ? ←全員



 今、何て……。


「ル、ルアちゃん、ごめんね、良く聞こえなかったんだ、もう一度いいかな?」


「はい、つまり商会長さん達のクラン活動計画は私のスケジュール最優先で組み込むこと、ホヴァンさんもメンバーに加える事、ギルドは全てジョーギリアンを介する事です」



「「「「「…………」」」」」



 ポカーンとしている面々だったが、テドンさんが合点といったばかりに話しかける。


「わ、わ、分かった、えっと、ルアちゃんの報酬は、その、どう計算しても7割が限度! どうしても経費が発生するから、なんとかそれで許してくれ!」


「? 何言っているんですか? 冒険はビジネス、不公平な報酬分配はお互いの為にならない、それどころか害しかないです」


「へ!? あ、ああ、そ、そりゃそうなんだけど」


 と今度はホヴァンがおずおずと手を上げる。


「あの、俺は何回かぐらいタダ働きをすれば、許してくれるの?」


「アマテラスの報酬分配って、カグツチ・ミナトが潔癖と言えるほどに拘った項目だそうですよ」


「え?」


 突然別の話を始めたルアに全員が顔を見合わせる。


「アマテラスの専用口座を作り法律家に預け管理を一任、全員の了承がない限り触れることもできないようにして、そこに報酬を振り込ませる」


「そこから会計税理士が共通経費を差し引き、そして各々が個別経費の申請して可否を判断、個別経費を差し引いた額の4等分を個人の口座に振り込む」


「そしてお互いの財布には徹底してノータッチを貫いたそうです、そんな話をクォイラ嬢から聞いて、クラスSでも徹底してるんだ、凄いなって思ったんです」


「「「「「…………」」」」」


 徐々にルアの言いたいことが理解してくる面々。


「タダ働きや不当な報酬分配絶対にしません、それを契約書に盛り込むことも絶対してはいけません。今回は実験クエストですけど、一度全員で納得いくまで徹底して話し合いの場を設けたいです」


 ルアはにっこりと笑う。


「商会長さん達の事、これでも尊敬してるんです。ホヴァンさんは、頼りになる私の相棒だと思っていますよ」


 ここで言葉を切る。


 つ、つまりそれって。


「「「「「ルアちゃん!!(´;ω;`)ウゥゥ」」」」」


「皆さん、私が干されている時に一生懸命に面倒を見てくれた恩は忘れません、せめてもの恩返しです」


「「「「「ありがとーーぉぉ!! 天使!! ルアちゃんは天使だよおおぉぉ!!」」」」」



――その後の女湯



「以上が男共に下した処罰ですね~」


 と風呂場でルアはクォイラ達に報告すると、ティンパファルラが話しかける。


「実際ホヴァンは使えるのかい?」


「はい、言葉にウソはないです。あんなしてますけど、戦闘能力はかなり高いです。正直10回戦ったら3、4回は負けます。ムラっけはありますが、クラスDの最強種相手を難なく倒していましたのは事実。スタミナに限って言えば私より上、しかも洞察力もあるんですよ」


 その言葉でジウノアがニヤリと笑う。


「なるほど、言葉巧みに有能なパシリゲットか、やるねぇ~」


「やだなぁ、仲間ですよ~」


 その横にいたクォイラも頷く。


「商会長さん達のヤリ手具合は私もホリアさん(八百屋を経営する大家さんの事)から聞きますね、ゼカナ都市の表通りに店を構えているのは伊達ではなく、あんなしていますが実は敵にまわすとゼカナ都市で商売できなくなるとか」


「はい、今回のクエストもそこだけは真面目に色々と検討していましたし隣にいて勉強になりました」


 ここでファルが感心したように頷く。


「それにしても君もヤリ手だ、同じ女性冒険者として頼もしいね~。最初は覗かれるのにどうしてだと思ったんだが、取引に持ち込むとは。ボクは好きだよ、そういうやり方」


「まあスケベ爺様達ですけど、ホヴァンさんも含めて干されている私を助けてくれて、一生懸命私のことを考えてくれましたし、なんだかんだで愛せる人たちで人柄もいいし付き合いやすい人たちです。ま、乙女の柔肌は、そう簡単には見せませんよ~」


 とルアの言葉に全員が感心するなか。


「それにしても……」


 と全員が移した視線の先には。



「」←カグツチだったもの(ゴミ袋へ梱包済み)



「結局私達美女4人と一緒に風呂入るとか、罰どころかご褒美になってますね~、というか本当に不死身なんですね、本当にあの状態から復活するんですか?」


「はい、問題はないのですが、いいのですか? この程度で」


「カグツチさんには、最初からずっと気にかけてもらって面倒も見てくれていますので、燃えるごみとして出すだけで勘弁してあげます。あそうだ、クエストに出る時にカグツチさんをギリアンさんとして一緒に連れて行くこともあると思うんですが、大丈夫ですか?」


「無論です、思う存分使ってください。まあアマテラスの活動時は、それとなく察してもらえれば」


「はい!」


「まったく、貴方は甘いと言いたいですが、まあ、それは私達も一緒ですか」


 とお互いに笑いあったのであった。



「」←カグツチだったもの(ゴミ袋に梱包済み)




――3日後・ギルド・ジョーギリアン




(;゜Д゜) ←カグツチ


「というわけでさ~、ルアちゃん許してくれるどころか、俺のことをさ、仲間にしてくれてさ、相棒だってさ、えへへぇ」


 と鼻の下を伸ばしながら嬉しそうに語っているホヴァン、いや、それって体のいいパシリじゃあ、、、。


 あ、ちなみにあの後燃えるゴミの日に出されてゴミ運搬車の中で復活しました。気が付いたらゴミに埋もれて臭いし凄いびっくりした、しかも業者さんに「いい年して悪戯するな!」と滅茶苦茶怒られた。


 でも、なんかもっと恐ろしい目に遭ったような気もするけど、何故か記憶が一部抜けて落ちているんだよな。


 って、そんなことはどうでもいい。


「お、おい、ホヴァンそれ」


「なんだ、ルアちゃん、いないのか」


 と俺の言葉を遮るようにテドンさんがやってきた。


「あ、どうも、ルアは都市役所の方に行ってから来ると連絡がありました、間もなく帰ってくると思いますが」


「なら待たせてもらうか。しかしホヴァンさん良かったな、お互いに利益となった。私はルアちゃんだけじゃない、ホヴァンさんのことも買っているよ」


「あざーす! これからもよろしくお願いします、頑張りますよ!」


(? お互いに?)


「あのー、テドンさん、お互いって?」


「ああ、そういえばあの時ギリアンさんはいなかったな、って何処に行っていたんだ?」


「……気が付いたら、ゴミ捨て場にいまして」


「?? なんだ、隠れて飲んでいたのかい? まあいいか。実はね、ルアちゃんは風呂覗きを許すどころか、全員の利益を考えた提案をしてくれたんだ、ギリアンさんも感謝しないとだよ」


「え!? 俺も!?」


「そうだよ、簡単に言うと我々シダの「冒険と道楽の両立」を全てギルド・ジョーギリアンを介して実績にして欲しいと言っていたんだよ。自分が干されている時に面倒を見てくれた恩は忘れない、せめてものお礼だと、なんと義理堅い子だ」


(;゜Д゜) ←カグツチ


 え、え、でも、あれ、それ。


「まさにあの子は天使、この世に舞い降りた天使、なあホヴァンさん」


「はい、あんな女の子いたんですね、へへっ」


(天使じゃなくね!? 割と悪魔よりじゃね!?)


「ギリアンさん、こんにちは」←ルア


「ギャアア!! びっくりした!!」


 と振り向くとルアが立っていた。


「どうしたんですか? 来ることは伝えてあった筈なのに」


「どどどど、どうしたって、その、あの、えーっと、あ! あの~、風呂の件、ごめんね~?」


「もういいですよ~、後、公共クエスト終わりましたので報告と報酬清算をお願いします」


「あ、はい」


「そうだ、ギリアンさん」


「な、なんでしょう?」


「聞いているかもですが、今後はシダのクエスト受注も入ってきます。私と商会長さん達はまだクラスFなので、ホヴァンさんはもちろん」


 ここで言葉を切ってにっこりと微笑む。


「ギリアンさんにも、万難を排して欲しいなぁって」


「…………」


 ば、万難を排せって。


 ま、ま、まさか、ク、ク、クラスSの権限を使えってか。


「どどど、どうだろう、ちょっと難しいというか、その」


「難しい? ギリアンさん腕が立つから頼りにしるって意味ですよ?」


「…………」


 いかようにも解釈出来るのこの言葉。


「もちろんだよルアちゃん! なあギリアン!」


 と肩を組んでサムズアップするホヴァン。


「…………」


 なんか、ルア、どんどんクォイラ達に似てきたような。


 そしてさっきの万難を排して欲しいって話、語り口調から全部アイツらにもしっかりと話を通してあるっぽい。


 というかアイツら気に入っているよな、というか気が合うよな、お互いに色々と遊んでいるらしいし。


 というかさ。



 なんか、俺のギルド、乗っ取られてね? 大丈夫だよね? 俺のギルド(ノД`)シクシク。



 風呂覗きのつけは想像以上に高くついたのではないかと思うカグツチであった。



吉備津の釜は、話の展開とコンセプトが凄くて、インパクトが強い話だと思う。

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― 新着の感想 ―
女性陣の心情ら辺が抜けすぎてカグツチとの関係値が分かりませんね。ムチばかりでアメが無さすぎてホントに女性陣はカグツチのことが好きなのか疑わしいですよ。
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