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クラスS冒険者なんて辞めてやる! ~やりなおしの元世界最高位冒険者の異色冒険譚~  作者: GIYANA
冒険者として生きることは夢ではなく現実であること
90/99

第90話:おまけ:第二次温泉補完計画・破


――決行日



 という訳で始まった第二次温泉補完計画。


 とはいっても繰り返すがクエスト自体は大真面目だ。


「はっ!」


 見通しの悪い場所では、主に前衛のホヴァンとルアが襲ってきたコボルトの首を跳ねて、 後衛が活躍できる場所は、サラットさん以外が弓兵として攻撃。


 その後衛の為にサラットさんが適宜バフ・デバフ魔法をかけている。


 俺は帰りの為の体力温存という事で、ひたすら休憩に徹していた。


 そして目的地へ到着。


 到着後、採取は目利きが出来なければならないので、サラット(冒険用具屋)さんが歩きながら吟味をする。そして良いのが見つかれば後ろから付いてきている俺のリュックに入れる、その間は他のメンバーは外周を警戒している。


「ギリアンさん、本当に満杯まで入れて大丈夫なのか?」


「大丈夫ですよ、おかげさまで体力は温存できていますから」


 そんなことを話しながら無事に採取完了、食事をとることになった。


「しかし、本当に不味いなぁ」


 とテドンさんが食べながら顔をしかめる。


「これでも安さ、保存、栄養が優れているから一番の売れ筋商品だ。なあギリアンさん」


「はい、こういう一泊か二泊の冒険には必須ですし、私みたいな冒険者には滅茶苦茶助かってます」


「ふふん、包装も自然素材を使っていて、このままポイ捨てができる優れモノだぞ」


 と食事を終えると、ひょいとリュックを背負い、俺はルアに話しかける。


「ルア」


「はい」


「帰りはホヴァンじゃなくて前衛指揮官はお前に任せたい、やってみるか?」


「頑張ります!」


「グッド! ホヴァン、いいか?」


「ルアちゃんに一方的に命令される(*´Д`)ハァハァ」


「(無視)よし! 頼むぞ!」


 と後半戦がスタートした。



――そんなこんなで



 後半戦も戦闘を挟みながらもルアの指揮の下で前衛はしっかりと活躍、やっぱりそっちの才能もあったなと、危なげなくクエストは進み、夕方無事帰る事が出来た。


 そのまま俺達は、戦果を俺達は温泉宿にチェックイン、荷物整理をした後、すぐに食事となり、料理が出揃ったところで乾杯の音頭をテドンさんが取ることになった。


「えー、皆さんのおかげで怪我無く今回のクエストは無事成功しました。今回は利益度外視とは言ったものの、想像以上に回収できそうです。我々の夢である「冒険は道楽、道楽は冒険」を目指して、それではみなさん」



「「「「「「かんぱーい!!」」」」」」



 と打ち上げがスタートした。


 まあこんな打ち上げに付きものな酒。


 ホヴァンは、相変わらず酒大好き、んでシプラー(料理屋)さんとキキイド(不動産屋)さんとルアは飲める組、


 俺とサラット(冒険雑貨屋)さん、後意外だったのはテドン(商会長)さんも下戸で少しだけ口をつけて、後は料理に舌鼓を打つ。


 食事も凄く美味かった、シプラー(料理屋)さんだけは「まあまあだな」と言っていたのが微笑ましかった。


 はあ、楽しい、いい意味で気を使わないこの関係は本当に楽しいなぁ。


 と食事を終えて、各々で好きに行動しながら微睡んでいると。


「じゃあ、そろそろお風呂いただいてきます、言っておきますけど覗きは駄目ですからね~」


「もも、もちろんだとも!」←ギリアン

「天使!」←テドンさん

「嫁!」←サラットさん


 とルアが立ちあがり、お風呂用具を持って部屋を後にした。





「「「…………」」」



「よし!」

「さあ行こうか!」

「捲土重来!」


「まってください!」


 いきり立つ3人に俺は制する。


「まだあわてるような時間じゃない」


 そう、まだ全員揃っていないのだ。


 それに気が付いたテドンさんが額を手で拭う。


「た、たしかにな、思わず気が気が逸ってしまった、すまない、つい」


「ふっ、全員が揃ったら、それこそ作戦名「ガンガンいこうぜ」ですよ」


 と決まったぜと思った時だった。


「いやぁ、思わぬところで目の保養になったなぁ~」


 鼻の下を伸ばして、ホヴァンが部屋に帰ってきた。


「ん? どうしたホヴァン?」


 という俺の問いに、ホヴァンは衝撃的な言葉を放った。




「いやいやそれがさ! まさかのクォイラ嬢が温泉に来ててさ、いやぁ相変わらず凄い美人だったよなぁ」




「ほよーー!!??\(^o^)/人生オワタ」



「な、なんだよ、それ」


 え、ええなななななな。


「ててててどんささささんんんん(ベシベシ!)」


「アイダダ! な、なんだね、ギリアンさん、そんなに慌てて」


「クククク、クォイラが、温泉にににに」


「あ、ああ、そうだよ、7日前に急遽予約が入ってね、特等客室でもてなし中だ」


「ななにちまえ!? そそそそそそんなはなななししし、きききいてなななな」


「お、落ち着きなさい。クォイラ嬢は正真正銘の貴族、動向一つにしてもこちらも気を払わなければならないし、何より顧客情報だからな、悪いがそこは言えんぞ」


「…………」


 そ、そりゃそうだよな、商会長さんが正しい。


 そもそもアマテラスはクラスSの中ではプライベートはかなりフリーだ、俺だって冒険中じゃない限りは自由にしている。


 それにクォイラも俺と一緒で風呂は好きだったりするからな。


 だから偶然行き先が被ることもあるだろうし、実際そういう事は何度もあったし。


 よーし少しづつ落ち着いてきたぞ。


「すーはーすーはー、失礼しましたテドンさん」


「あ、ああ」


 やれやれだぜ、って早くみんな揃わないかな思っていたところ。


「いやぁ相変わらず美人さんだったなぁ」


 再び鼻の下を伸ばして、サラットさんが帰ってきた。


 美人、クォイラの事か、ふっ、もう動揺なんてしないのだぜ?


 俺はニヤリと笑うとサラットさんに答える。


「ええ、確かにクォイラ嬢は目を引く綺麗な人ですね(キラッ!)」



「え? クォイラ嬢じゃなくてティンパファルラ教授、いや、元教授のことだが」



「ほよーー!!??\(^o^)/人生オワタ2」



「だ、だから、なんなんだよ、それ」←ホヴァン


「ささささささ、さささささ(ベシベシ!!)」


「イダダ! な、なんだい、ギリアンさん!」←サラットさん


「ティティティ!」


「え? あ、ああ、息子がルザアット大学に通っていてな。それで一時期世話になってたんだよ。ものすごい優秀で美人だけど、かなりエキセントリックで有名らしく聴講生はいなかったそうだ。いやぁでもあんな感じの胸が大きくてエキセントリック系の美人はいいのう」


「どどどどどどどどど」←「どうしてここにいるの」と聞いている


「え? うーん、おそらく例のグパハーの件が一段落したんじゃないか? 息子によると、一度没頭したら不眠不休状態でひたすら研究を進めるタイプだそうだ。ルザアット国立研究所は大学の隣にあるからな。退職した後も時々姿を見せるそうだよ」


「てててててててどどどんんん」


「だから落ち着きなさい、まあ、そうだよ、クォイラ嬢と一緒の部屋だよ」


「…………」


 そ、そそ、そうか、そうだよな。


 別に変じゃない、アイツら仲いいし……。


 一緒に遊ぶことも多いし、もちろん俺はそんなことまでいちいち把握しない。


 ルアと一緒に遊んでいることも後で知ったぐらいだ。


 よーし段々と落ち着いてきたぞ。


 もうこれでジウノアとか来たら、そりゃあね、覚悟しないとね、死をね☆。


 うん、だからね、そうね。


「あのーテドンさん、念のため聞きますが、ジウノアは来てないですよね~?」


 と自分の命を守るために話しかけた時に、それを遮るようにシプラ―(料理屋)さんが来た。


「いやぁ、ジウノア大主教、いつみても、こう、妖艶な美女というか、一度回復魔法を施してもらいたいなぁ、でも高いんだよなぁ」


「…………」←シプラーさんを見ているカグツチ


「? ああそうか、私はフェノー教の信者でな、お布施をすれば回復魔法を施してくれるからよく利用しているんだ。温泉もいいが気軽に安く受けられるのが教会の魅力だな、料理は体力勝負だから助かっているよ」


「…………」←テドンさんを見ているカグツチ


「ああ、まあ、うーーーーん」


 と腕を組んで考える。


「みんな、ちょっといいか?」


 と皆を集めるとテドンさんが発言する。


「もうここまで知られてしまったから言ってしまうが、後もう1人、極秘にカグツチが来る」


「へぇ!?」←カグツチ 


「うむ、冒険者からすれば驚くのも無理はないだろうな、実はコヴィスト王国から極秘に帰国しているみたいなんだよ」


 いや、驚くも何も確かに極秘に帰国して極秘に今ここにいるんだけども!


「実は予約は4人で来ているんだ、そしてもう1人の名義は、「コブラ」で予約してあるんだよ」


(コブラ!! 露骨!! 圧倒的露骨!! ヒューー!!)


 ここでキキイドさんが発言する。


「となると、あの風呂好きという噂は本当だったのか」


「ああ、豪邸を建てた時も風呂に拘って多額の金を使ったらしいぞ。更にクォイラ嬢は何度かここを利用してくれている、名誉なことだ」


「貴族令嬢に加えてクラスS御用達ということにもなるのか」


「そうだ、カグツチ・ミナトもまた男爵であり貴族、だから政治的案件にもなっていて従業員に固く口止めもしているし罰則も設けている。口が堅いのも有名人にとってはサービスになるからだ」


「なるほどな、確かにそれは言えないな、裏があるかもしれないし」


「まあ聞く限り湯治に来ているだけでそれ以上の意味は無い感じだったがな、それでもこちらとしては名を上げるチャンスでもある。高級宿としてはセレブの客は絶対に失いたくない。だから騒ぎ立てないで欲しいんだ」


 というテドンさんの言葉に全員が「当然だ」と頷く。


「って、どうしたギリアンさん、凄い汗だが?」


「へ!?」


「体調でも悪いのかい?」


「いい、いや、ちょっと暑いなぁ、なんて」


「? そうか? ってギリアンさんも頼むよ、冒険者としてクラスSは無視できない存在なのは分かるが、カグツチ・ミナトを見ても絶対に話しかけないで欲しい」


「……ほ、ほよ」


 まあ、その絶対に失いたくないというセレブが、まさに貴方の目の前にいるほよ。


 とここでテドンさんは( ̄ー ̄)ニヤリと笑う。


「ど、どうしました?」


「まあ、カグツチ・ミナトの来訪目的は湯治ももちろんだが、なあ? わかるだろ? ギリアンさんよ」


「え? え?」


 な、なに、マジでわかんない。


「またまた~、あんな超絶美人と一緒に湯治だよ~?」


 ここで全員が小さく集まる。


「あんな美人3人と男1人、なにも起こらないわけなく」

「かー! やっぱりな!」

「てことは、てことだよ!」

「うひひ、3人いっぺんに相手してとか!」 


 (;゜Д゜) ←カグツチ


「つまり美女3人を侍らせてとっかえひっかえだってことだよ、セレブと言えど人間だからな、スキャンダラスな事もやるさ。だから口の堅さが大事なんだ、だからくれぐれも特等客室には近づかないようによろしくな」



「それ皆言うけど事実無根だほよおおおぉぉぉーー!!」



「ど、どうしたんだね、さっきから」←テドンさん


「ど、どうしたもなにも、あ、あいつら、おんなあそびしたとき、そっこうばれて、よってたかって、ふじみだからって、おれを、お、お、お、おごぉ、おごぉ」



「オクレ兄サアアァァン!!」



「おいどうしたギリアンさん! しっかりしろ!!」



――そんなこんなで



「ここは関係者以外立ち入り禁止でな、もちろん事前に人払いしてある」


 と男性陣一行は、関係者入り口から屋外に出て壁沿いをゆっくりと歩を進める。


「いいな? ここからは絶対に何があっても大声を出すなよ」


 というテドンさんの言葉に頷く、そしてトントンとホヴァンに肩を叩かれる俺。


「? どうした?」


「アメンボウが合体したアメフラシ」


「…………」


「ヤホトーランラン、ルルルラルラウルウルルアル♬ ホーイホーイ、るんたった♬」


「おい! どうしたんだよ! ホヴァン!」


「アラララーイ♬ アラララーイ♬」


 とスキップしながら山の中へ消えて行った。


「「「「…………」」」」


 全員が呆然としている。


((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル ←俺


「ど、どうしたギリアンさん」


「し、知っていますか皆さん、魔法というのは初級、中級、上級と分かれていて、それは単純に強さの差でもあるんですが、魔法で出来る範囲が広くなるということも指すんです」


「そ、それが?」


「回復魔法は、リラクゼーションとしても使えます。これをですね、それこそ上級の才能を持つ、凄腕の回復魔法使いの手にかかると」



「洗脳状態にすることもできるんですよ」



 つまり、、、。



「ど、どういうことなんだい?」


「でで、ですから、何時かは分からないんですけど、ホヴァンに洗脳を施したんですよ! そしてそれができるのが上級回復魔法使い、ジウノアしか考えられません!」


「そ、そういえば部屋に戻ってきて、途中からやけに大人しいなとは思っていたが、でも、それは無いんじゃないか?」


「え?」


「だ、だって、それは「我々がここにいることをアマテラスが知っていて、風呂覗きをしていることを知っていて阻止しようとしている」ということだろう? 言い方はあれだが、ホヴァンさん腕は立つがクラスDだ。アマテラスに名を知られるなんてちょっと現実的じゃないと思うんだが」


 まさに「我々が」のくだり以降は全部当たっているんだけど言えないほよ。


「ま、まぁ、ホヴァンさんの事だ、酒に酔ったんだろうな」


 や、やばい、なんか納得しようとしている、な、な、なんとかできないか。


 とその時だった。


「わぁ、いい景色」


 とルアの声が衝立越しに聞こえてきた。


「「「「!!!」」」」


 聞き耳を立てる爺様達、そして。


 ルアに続く複数の足音が聞こえる。


「ほほう、景色もいいねぇ」


 とアマテラスの3人が来ていた。


「「「「おお! まさに美女が美女を連れてきて4人も!! 圧倒的豪華!!」」」」


 とキャピキャピする爺様達。


「しかしルアちゃん、クォイラ嬢達アマテラスと友人と聞いてたが本当だったのか、やはりあの子はヤリ手だのう」


 とテドンさんの言葉を聞いた時。


「はっ!! 圧倒的閃き!! そう!! カグツチ・ミナトです!!」


「? きゅ、急にどうした? というか声がでかい!」


「っと失礼、いいですか? 見てのとおりルアはアマテラスの仲間3人と仲がいい、つまりルアもまたカグツチは自分の近しいものだとは思っている可能性があるということです! ほら、もし仲間が覗かれたなんてバレたら! 怖いんじゃないなかなぁ~」


 と祈るように問いかけ、テドンさんは頷く。


「ふむ、そうだな、確かにいい気分はしないかもしれん」


「ですよね!」


「だがなギリアンさん」


「な、なんでしょう?」


「私はクォイラ嬢主催の社交に招いてもらっているんだが、その時に何度かカグツチが顔を出していてな」


 クォイラはクラスCに昇格した時、別邸をゼカナ都市に構えた。


 最初は冒険者としての活動拠点としての意味が強かったが、住み始めるとこの都市自体を気に入り、ゼカナ都市の有力者達を招いてしばしば社交を開くようになった。


 ルザアット公国の社交の最高位はクロルソン公爵主催のもので、貴族ですらも参加者が限定されるが、1人の貴族が、地域振興等色々な目的で開くことは、ままある。


 以前にホヴァンの故郷を助けた時、報酬という名目でクォイラが開いたのがまさに「社交」なのだ。


 だからクォイラの社交に招待されることは、ゼカナ都市ではちょっとしたステータスとなっている。


 ゼカナ商会の商会長たるテドンさんは、クォイラ主催の社交の常連だし、実際に何度も会話を交わしている、宿を選んだのもそういう縁があってのことだ。


「その、カグツチ・ミナトが、顔を出して、それが?」


「うむ、カグツチ・ミナトとクォイラ嬢が一緒にいるのを見て、私はこう思った」



「カグツチ・ミナトは我々と絶対同類だ。んでバカやってクォイラ嬢達にお仕置きされているに間違いない。だからこの風呂覗きがバレても、怒るどころか「男の浪漫なんだよ」

って俺達の味方になってくれそうな気さえする。今でもほら、ひょっとしたらカグツチも女子風呂を覗こうとしているかもしれんぞ」



(テドンさんエスパーなのかほよ)



「はっはっは、そこまでは冗談だ、まあ愛人たちの裸だ、いつでも見られるだろうからな」


(何で皆そこだけ頑なに間違えるのかほよ、今のこの状態がまさにギロチンの穴に首を突っ込んでいる状態なんだほよ)


 と狼狽えていると、衝立の向こうから、


「ルアは胸が良くて羨ましいね~」


 とファルの声が聞こえてきたと思ったら、、。



「えいっ♬」

「きゃあ! ファルちゃん! びっくりするでしょ!」

「ほほう、少し大きくなったね、彼氏に揉んでもらったおかげかな?」

「そんな人いません、えいっ、お返し♬」

「ははっ、くすぐったい」

「私よりも全然おっきいじゃないですか♬」



「「「「ふぉーー!!!」」」」←爺様達


 とわき目も降らず向かおうとしたので、爺様達に俺は立ちはだかる。


「待ってください!」


「何をするギリアンさん、臆したか!!」


「お、おちついて下さい、明らかに不自然です!」


「? 何がだ? よくある光景じゃないか?」


 そう、創作物語では当たり前のように繰り広げられる光景。


「だがこの物語はフィクションなんです! 実在の人物・団体とは一切関係ありません! って我が祖国ではちゃんと書いてあるんですよ!!」


「そんなことはどうでもいいだろう! 早くしないと風呂から出てしまう!!」


「だからバレてるんですよぉ、皆さん、本当にいいんですかぁ、例えるなら衝立の向こうにはドラゴンが3体もいるってことなんですよぉ?」


「はっはっは、クエストの難易度は文句なしのSと言ったのはギリアンさんじゃないか」


「そりゃ、そう言いましたけども!」


「作戦名「ガンガンいこうぜ」だったか」


「いのちをだいじに変更しましょうよぉ」


 とまごまごしている再び声が聞こえてくる。



「ジウノアさんは、形が綺麗~」

「ふふん、この谷間で悩殺するのよ、私はクォイラの細さが羨ましいけどね」

「凄いですよね~、モデルみたい、どうやってその体形を保っているんです?」

「特に何もしていませんよ」

「それでその細さか、腹いせにルアちゃん、今度はオジサンが揉んであげよう♬ おやおや? ルアちゃん、よく見たら」


「毛がボーボー」



「「「「毛がボーボー!? も、もう辛抱たまらん!!」」」」


「まってぇ~!!」


 と止める間もなく、あらかじめ用意した衝立の穴から並んで一斉に覗くが、、、。


「あ、あれ。誰もいないぞ?」


 と全員が角度を変えながら怪訝な顔をしている。


「ほら、ギリアンさんも見てくれ」


 と促される。


 誰もいない……誰もいない? 声が聞こえるのに?


 どういう事と思いながら穴から覗くが。


「本当だ、誰もいない」


 な、なんで、確かに声が聞こえていた、それは間違いないのに、、、。


 その声も覗いた瞬間に聞こえなくなった。


 眼前に広がる女子風呂の風景、静かな水面はルア達がまるで初めから存在しなかったのようだ。


「へ、変ですね、これ」


 と穴から目を放して振り返った先。




 テドンさん達の姿が消えていた。



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