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クラスS冒険者なんて辞めてやる! ~やりなおしの元世界最高位冒険者の異色冒険譚~  作者: GIYANA
冒険者として生きることは夢ではなく現実であること
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第81話:中傷をするやつらは…


 都市役所が指定した集合場所に俺とルアを含めた4人が集合しており、俺達を前にした冒険課の職員(課長じゃなくて主任)さんが挨拶する。


「受付及び照合終了しました。冒険者のみなさん受注ありがとうございます。都市役所冒険課の者です。それぞれの担当区域を割り振りましたので討伐をよろしくおねがいします、討伐方法についてはお任せしますが施設を傷つける事は無いようにお願いしますね。終了しましたら私はここで待機しておりますのでお声をかけを、報酬は討伐調査後にお支払いしますのでよろしくお願いします」


 という事で、クエストスタート、俺達の目の前に広がるは直径3メートルの半円の丸い穴。


 ここは出入口である。


 さあ、冒険者物の定番中の定番! ダンジョンクエストの攻略だ!


「さて、ルア、今日は久しぶりの割のいいクエストだ(コーホー)」


「はい(コーホー)」


 その為に俺とルアは今、ダースベーダーのような恰好をしている。


 さて割のいい公共クエストとはなんなのか。


 繰り返す、税金を使う業務に建前は崩せない。


 だがこれには一つ例外があって「建前を崩しても世論が納得できれば良い」という理屈が存在する。


 そう、俺が受注したのは。



――下水道で自然発生する体長1メートルのゴキブリ型モンスターの退治



 というものだ。


 以前にクォイラにちょっと言った、下水道に出るモンスター駆除クエストなのだ!


 まず出現する魔物の強さは繰り返すとおり昆虫型のゴキブリに似た魔物、強さはゴブリンと一緒。


 生態もゴキブリと一緒で、別に毒があるわけでもなく、人への攻撃性はほぼ0、んでこの世界でもタイマンで死ぬ可能性もほぼ0。


 ならどうして駆除が必要かというと、単純に死骸が下水を詰まらせてしまうし、マンホールから出てきて大騒ぎになるからだ。


 下水を侮るなかれ、下水対策をちゃんとしておかないと不潔が疫病を呼び大変なことになるのは歴史が証明している。


 こんな感じで絶対無理な人は絶対無理なクエスト。


 公共クエストは都市役所の冒険家の冊子で報酬も公開されており誰でも閲覧できる、だから当然このクエストでクラスDの報酬を支払われることは簡単に知ることができる。


 そしてこのクエストに不当に高いという意見が出たことはないのである。


 でも平気な人は平気だから競争倍率は意外とある、だから普段から冒険課の課長さんと良好な関係を築き上げているのだ!


 そう、つまり下水道という名のダンジョン攻略。


 ちなみに俺とルアが着ているスーツはこのクエストの為のの支給品、汚れは防いでくれるけど、匂いはつく、ただ汚水に頭から突っ込むと、、、、、(以下略)。


「相変わらず凄い匂いだなぁ(コーホー)」


「あはは~、もう鼻が馬鹿になっちゃって、わかりませんね~(コーホー)」


「まあ戦って転んでも汚れがつかなないのはありがたいな(コーホー)」


「それでギリアンさん、今日はどうすれば?(コーホー)」


「はい、さて問題、武器を持つ人間の弱点は何でしょう?(コーホー)」


「はい! 武器を取られたらおしまいのところです!(コーホー)」


「グッド! 武器使いはそのまま弱点を晒しているようなもの、という訳で今回は俺とルアの担当する地区に生息する魔物を全員素手で倒そう!(コーホー!)」


「おー!(コーホー!)」


 とクエストスタートした。


 まあ、結果については、動きは制限されても、特に問題なし。


 立ち技を駆使して最後は蹴りで倒す、あの脚線美……はスーツで見えず残念な限りではあるが、審査した時に素手での戦いも心得ていたから、動きを見る限り特に問題ないな。


 そんなこんなで。


「はや! もう終わったんですか!」


 とびっくりする職員。


「はい、これがコアです、討伐漏れはないと思いますが」


「確認しますのでお待ちください。はー、課長からギリアンさんは腕が立つから大丈夫だと言われていましたが」


「いえいえ、有望な新人が入りましたので」


「……ふむ、この子が例の、あいや分かりました。これ以上は聞きません、当課はギリアンさんにはお世話になっておりますので!」


「ご理解感謝します」


「それでは、担当区域を調査してまいります。討伐完了が確認出来たら報酬をお支払いしますので、少々お待ちくださいね~」


 とその場を後にした。


 それにしても。


「平気なんだな、こういうの」


 俺はルアに話しかける。


 虫とか不潔って女は嫌うイメージがあるし正直俺も昆虫は苦手な方だが、ルアはケロッとしている。


「? 女の方が強いですよ、こういうの」


「そっか、そういうものなんかね」


 たくましい、冒険者向きな性格しているなぁ。


 さてこのクエストはどちらかというと攻略した後の方が問題だ。


 調査完了して機材を返納したものの、身体の匂いは相当なものだ、現在俺達2人は相当に臭い、といっても俺も鼻が馬鹿になっていて分からないけど。


「さて、この匂いを取るために公衆浴場なんていったら大ひんしゅくを買う、それでな、都市外の近くのいい場所に湖があって体を洗う必要があるんだが……」


「はい」


「お互いに交代で見張りをしながらになる、男の俺が傍にいることになるぞ」


「わかってますよ、さっそく行きましょう」


 とケロッとしている、うーん。


「ルア、俺の信用しての事だろうが」



「女冒険者限定の授業があるんですよ」



 と突然こんなことを言い始めた。


「え? なにそれ?」


「講師だったのは現役のクラスCの女冒険者の人で美人さんで攻撃魔法使いの人でした。クエストの中では当然何日も風呂に入れなかったり不潔な場所にいったりとするんですけど、今みたいな感じで、無防備な場所で水浴びをすることもあるんですよ」


「う、うん、それで?」


「当然男は覗こうとするんですよ、もっと言えばそれ以上のこともしてくる人も」


「あ、ああ、だから今俺は」


「潰して掻っ切れ」


「……へ?」



「その時の対処はただ一つ、覗いてきた男の目を投擲武器で潰し、襲ってきた男冒険者の首を短刀で掻っ切れって」



「そんな授業してるの!?Σ( ̄□ ̄|||)」


「はい、その女性教官は3人に重傷を負わせたそうです、当然当該クエストの報酬は賠償金でぶん取って、不満があるなら裁定所に訴えると脅しを付け加えた上で」


「」←カグツチ


 恐ろしい、いや、まあ当然、当然? でも、その、あの。


 (´・ω・`)えーーーーーー ←カグツチ


「っていやいや! それはひとまず置いておくとしてだよ? ただルアね、それも大事なんだけどさ、俺が言いたいのはね? そのさ、覗きをしない襲う事も無い紳士的な男が死地に際して豹変するのだよ。これは歴史が証明していてそれは俺だって例外じゃ」


「というわけでギリアンさん行きましょう、覗けば潰して切りますからね♬」


「…………」


 危ないなぁと思うんだけど……。


 まあいいか、別に覗かないからと思った時だった。



「うわくさっ!! ってあれってさ、ひょっとしてルア・リームじゃね!?」



 との声、1人の男がルアを指さす。


 視線をやるとクエスト帰りの冒険者の4人組クランのようだった。



「あ、本当だ! 冒険者新聞で見た!」

「セシルに盾突いたって話だろ?」

「臭いと思ったら、あれって、多分下水道のクエストだぜ? どぶさらいだろ?」

「報酬は悪くないけど、底辺ギルドの底辺冒険者って感じだな」

「ってことは、どっかのギルドに所属してるのか? それってスクープじゃね?」

「冒険者新聞に売れば高く買ってくれるんじゃないか?」



「「…………」」



 やはり来る時が来たかと思った時だった。



「顔と身体は良いからな、それでセシルに枕営業でもかけようとしたけど失敗したからカグツチに乗り替えようとして失敗、今度はあれ? 隣にいる男? アイツに枕営業でもかけたんだろ?」



 その言葉が合図だった、ルアは懐に忍びんでいた投擲武器をそのまま冒険者にめがけて投げて。


「うわっ!!」


 と地べたに座り込んでかろうじて避けた。


「ぷっ」


 と笑いながら、槍を取り出し対峙する。


「だっさいなぁ、陰口叩くにしても内容がペラペラ、まあアンタたちにお似合いだけどさ」


 と明らかに挑発すると地べたに座り込んでいた冒険者が顔を真っ赤にして立ちあがる。


「ケ、ケンカ売ってんのか?」


「売ってきたのはそっち、買ったのは私、許して欲しかったから「ごめんなさい」しなさい、そうしたら許してあげる♪」


「て、てめぇ!!」


 と距離を詰めた時、上げた足の軸足を払うと再び尻もちをついて座り込んだ。


 そして槍の柄を頭をポンポン叩く。


「はい実戦ならこれで死んだね、早く立ちなよ、稽古つけてあげるから」


「お、おい!!」


 という別の男冒険者は俺に怒鳴ってくる。


「ん? なに? 俺?」


「そうだよ!! お前も喧嘩売ってんのか!! ああ!?」


 そんな素っ頓狂な言葉にお互いにルアと顔を見合わせると。


「「はっはっは!!」」


 と笑い出した。


「ギ、ギリアンさん、こいつら」


「ひっひひ! ごほん! まあいいや、丁度良かった、ルア!」


「はい!」


「対人戦闘も見せてくれ、実力的にはクラスFってところだ、ただ人間相手だ、殺すなよ、殺さずに無力化しろ」


「はい!」


 と戦闘が始まった。





「ぷはは、なんか冒険者同士が決闘しているという通報があって来てみれば」


 と笑うのは友人であり憲兵のルードだ。


「お仕事増やしてごめんね」


「まあいいさ、しかし」


 ルードは、冒険者達を一瞥する。


 3人が地面に倒れ込みグッタリしている。


 残された1人が失神していないが、屈辱にまみれた顔をしていてずっと黙っている。そりゃそうだ女に男が複数人がかりで戦いを挑んで完敗となれば無理からぬことだ。


「ほほう、彼女がルア・リームか、冒険者新聞で顔は知っていたが、4人相手に一方的か、凄いものだな公国最高峰冒険者学校の首席ってのは」


「その中でもあの子は別格だよ、んでさ、ルードさ、一つ聞きたいことがあってさ」


「ああ、あれだよなぁ」


 と俺とルードの視線の先には。


「お怪我はありませんか、ルアさん(キラッ!)」


 と早速ルアに対してカッコつけているのはホヴァンがいた。


「なあ、アイツは何でここにいるんだ?」


「何でもなにも、何処からかルアに似た冒険者がお前のギルドに出入りしているとか聞いていたみたいで、んで女冒険者が決闘しているとか聞いてピンときたらしい」


「こういう時のアイツの勘ってすげーよな」


「あ、早速荷物持ち申し出てる、しかもしっかり持たせてる、あの子もちゃっかりしてんなぁ」


「しっかりしていて気が強く、将来有望な冒険者だよ、それでルード、今回の喧嘩はギルドマスターの俺が指示したんだ。それで」


「あー、ちょっと待ちな、おい」


 とルードは1人で座っている冒険者に話しかける。


「俺は憲兵少尉のルードだ、さてさて男性冒険者君、被害届はどうするね? とはいってもお互いに手を出している訳だから、被害届を出すとなってもお互いに犯罪者として立件しなければならなくなるが?」


 とニヤニヤと話しかけるルードにギリギリと歯ぎしりをする冒険者。


「税金泥棒が!!」


「ぷはは!! ならコレ以上の泥棒行為を防ぐために俺達は帰りましょう」


 とその場を後にする時に。


「はい、もみ消し完了、後で遊びに行っていいか? とりあえずホヴァンも連れて行く」


 と小声で話しかけてきたので俺は、頷いておいた。



――ギルド・ジョーギリアン



「ふーむ、なるほど、彼女も苦労している訳か」


 とはルードだ。


 あの後、湖で体をごしごし洗って帰宅。いや、言っておきますけど、覗いてませんからね。


 その間にルードとホヴァンの来訪と事情を話す事はルアの許可をもらった、この親友2人は味方になってくれると言葉を添えて。


 その言のとおり。


「ルアちゃんは何てかわいそうなんだ! 大丈夫だよ俺が守ってあげるからね(キリッ!!)」


「ありがとうございます、頼りにしています」


 と愛嬌良く接するルアに鼻の下がこれでもかと伸びているホヴァンを横目で見ながらルードが話しかけてくる。


「なあ、守ってあげるとか言っているけど、お前の見立てだとどっちが強い?」


「正直……7・3でルアかな」


「マジか、それほどの才能があるならウチからも依頼したいが、いいのあったかな」


「…………」


「どうした?」


「いや、ひょっとしてルアにとって干されたことも含めて良い経験になっていると思ってな」


( ̄ー ̄)ニヤリ ←ルード


「な、なんだよ?」


「いやぁ、いいんだよ、可愛くて胸も大きいからなぁ(ニヤニヤ)」


「そういうんじゃないの! というかお前はどうなんだよ?」


「可愛いとは思うけど、気が強い子はパス」


「そんなものかね、しかし俺にコネがあればなぁ、もっとレベルの高いクエストに挑戦させたいんだけど」


「? コネって、あの人たちは駄目なのか?」


「あの人たちって?」


「だから……」


 とルードが話してくれた、あの人たちを聞いて。


「ああーー!!」


 と俺は思わず叫んでしまう。


 そうだ、あった、俺の使えるかもしれない、コネ。




――後日




「「「「おおおーーー!!」」」」


 ルアを見て歓声と共に出迎えてくれた。



「こ、これは可愛い! 新聞よりもかわいい!! 孫の顔が見たいのう!!」

「ルアさんといったかな? 息子は確かにイケメンではない、若い子からすれば容姿がよくないのは魅力がないかもしれないが、モテないというのは女に対して誠実という意味なんだよ」

「ルアさんや、実はな、俺の財産は息子が受け継ぐ、俺もバーさんも老い先短い、後は分かるね?」

「ちょっとまて、お前ら、さっきから聞いてれば男らしさが足らないんだよ、ごほん!」


「ルアさん、俺の妾にならないか?(キリッ!)」



 とキャピキャピしている4人。



 そう彼らはゼカナ都市の顔役たる爺様達、先日利益を出したことによりクラスFに昇格したばかりの我がギルドに所属する将来ある(?)クランなのだ。




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