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第77話:面接は面接なんだけど、なんでそんなことするの?



―翌日・クォイラ邸・クォイラ私室




「「「…………」」」←冒険者新聞の一面を読んでいるアマテラスの3人


 チラッ。


「…………」←壁に向かって体育座りをしているカグツチ


 3人は大きく息を吸い込んだ。



「「「ペラッペラ!」だね!」ですね!」



「だーはは!! パクリやん!! これパクリでしょ!? 何処からパクったの!?」

「カ、カ、カグツチ! ふぶぅ! こ、これは!」

「ひっひひぃぃ!! この台詞を言った時の動画、あー出てきた!! 出てきた!!」



「ギョ!? ギャアアアア!! やめろよーーー!!!」←止めようとした時に後ろからジウノアに羽交い絞めにされている


「もちろん辞めません! ポチっとな!!」



――俺からは一つだけ、憧れるのを辞めましょう ←よく見ると小刻みに震えている


――俺だけじゃない、隣には同じクラスSのセシルだったり他のクラスAだったり冒険をしていれば誰しもが聞いたことがある冒険者たちがいると思う ←よく見ると泡を吹いている


――憧れてしまっては越えられないので、君は今日俺を超える為に、トップになるためにきたので、俺への憧れを捨てて勝つことをだけを考えていきましょう ←よく見ると白目をむいている



「「「あーーははは!!! お腹痛い!! これは面白い!!」」」


「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛アァァァァ!! もーーー殺せよおおおぉぉーーー!!!!」


 凄かった、いや、何が凄いってペラペラ感が凄かったんだよ。


 大谷が言うと感動するぐらいカッコよかったのに。


 これはまいったと思うぐらいに!!


「笑いのネタにすんなよ!! これは本当にカッコイイ台詞だったんだよぉ!! これはね!! 俺の祖国の野球という球技で世界の頂点とった男の言葉なの!!」


「ああー、えーっと、なんかカグツチの故郷で球技なのに刀2本で無双するとか言うファンキーな男の話だっけ?」


「おお、おまえ!! 怒られるからな!!」


「いや、アンタの方が怒られるんじゃないの?」


「ガハァ!」


 すみません、いや、本当にこういう名言って誰が言ったかって大事だって骨身にしみて分かりました。


 まさか異世界でパクられるとは思っていなかっただろうなぁ、いや、別に知り合いでも何でもないんだけどさ!


 そんでしっかりと冒険者新聞で公開処刑されたの巻(ノД`)シクシク


 ここで笑い終えたクォイラがすっと真面目な顔をになると。


「さて、ひとしきり笑ったところで、カグツチ、正座」


 と床を指すクォイラ。


「え? なんで?」


「正座!!!」


「ビクッ!」


 おずおずと、正座する。


 それを見届けて3人はわざわざ椅子を持ってきて、正面三方に囲まれる形になる。


 な、なんなんだろう。


 そう、俺がここにいる理由は、大家さんに家賃を払った後、急にクォイラ邸に呼ばれてここにきたのだ。


「な、なに?」


「重要な問題について話し合いましょう」


「へへへへ? じゅじゅじゅ重要な問題って?」


 やばい、まさか、バレた? セクハラバレた?


「実際どう考えているんです?」


「へえぇ? 実際どうってぇ?」


「だから、大騒ぎになっているでしょう、ルアをどうするか」


「あ、なーんだ、そっちか」


「そっち?」


「いいいいやべつににになんでもって、そのどうするって、どういうこと?」


「だからアマテラスに入れるのかどうか」


「??? 何言ってんの? ああ迷っているように見えたのか? まあ、どう断ろうか迷ってるけど」


「……断るんですか?」


「あ、ああ、そのつもりだけど、それに多分本人も本気じゃないんじゃないかな?」


「何故そう思うんです?」


「セシルは滅茶苦茶競争率高いからな。だからあえてあの場でああいう事を言ってアピールする為とか」


「それにしては悪手過ぎる、貴方もそう思ったはず」


「う、うーん」


「カグツチ、ルアは本気だと思いますよ」


「な、なんで?」


「ルアの試験時のあの格好を見て何とも思わないのですか? アレは貴方に気に入られるためにあの格好をしたのですよ」


「へ? あ、ああー、なるほど、黒髪ロング巨乳ね、別に言っているだけだし、ってお前らはそれ知ってるだろ、まぁ可愛いなぁとは思ったけど、それだけだよ」


「冒険者としての能力は高いとは思いますが」


「能力はある才能もある、けど能力関係なし、仮にクラスAの能力を持っていたとしても申し訳ないけど、不採用」


「……私たちの時は滅茶苦茶熱心に勧誘しましたよね?」


「そりゃあそうだよ「もうコイツしかいない!」って思って勧誘したし」


「……不採用の理由は?」


「お前達3人で十分だからだよ、俺達4人でアマテラスは完成しているさ、それが能力ではないという理由」


 ここで少しクォイラは息を吐くと。



「だそうですよ」



「…………へ?」


 と部屋のどこかに隠れていたであろう。


 ルアが立っていた。


 おおう、そういうことをするのね、まいったネ。


 ルアはじっと俺を見ると。


「不採用は分かりました。アドバイスを下さい」


 とまっすぐ言ってきた。


 俺は少し考えて。


「君は、いずれ自分のクランを立ち上げな」


「え!? でも私は」


「まず君は不器用で世渡り下手だ、あの場で俺に対して憧れているなんて発言する時点でね、他人から言われたことはないかい?」


「…………」


「あるみたいだな、無論組織に所属することも大事さ、それで大成する冒険者の方が圧倒的多数。だけど俺は新人時代に自分で立ちあげて、そして「これぞ」という仲間をスカウトした今ここにいる3人は「手放したら二度と巡り合えない」と思うぐらいにね」


「それが、クラスSになるために必要な事だと」


「んーーーー」


 俺は頭をかく。


「なあルア、クラスってのはなんなんだろうな」


「え?」


 俺は見つめる、ルアは少し考えて。


「その、強さや凄さの指標というか」


「うん、そうだな、この冒険者社会でクラスは高い程凄いと称される。扱いも全然違う、世界四大国なんて言われているルザアット公国でもクラスSの立場ってのは支配者階級たる貴族の一員に名を連ねることができる程に」


「そして俺自身、冒険者として活動を続けていく上で富や名声に憧れが無かったと言えば嘘になる。実際に凄いぜクラスSの富と名声ってのは、本当に「忌々しい程」にね」


「そんな忌ま忌ましい富と名声を地位を求めた得た先に何があったか、そこは利権にまみれた外出一つままならない、自分の姿だったのさ」


「人によっては、それこそ求めた姿かもしれない、セシルなんかは流石財閥の御曹司なだけあって上手に使っている」


「だが俺にとってクラスSってのは、依頼は利権にまみれた世界ギルドから斡旋されるものばかりで、私生活は訳の分からん勢力から暗殺、破壊工作、拉致、それが日常になった。無論全て徹底的に潰したが、何も残らない、いや、富と名声は潰すたびに上がったけどね」


「それで気づいたんだよ、結局意味なんてないのさ、クラスなんて」


 ここでルアが反応する。


「い、意味がないって、そこまで?」


「ああ、そうだよ、それこそたった今、世界ギルドが俺が失踪した事でクラスSを剥奪されたとするよな? するとどうなるか? 別に何の問題も無いのさ、言ったろ? アマテラスの3人さえいれば、俺は俺のなりたかった冒険者になれるんだ」


「そう、俺がクラスSになれたのは、今ここにいるアマテラスの3人が俺のできないことを全部やってくれて、超一流の結果を出してくれたからだよ。いいかい? いざという時に助けてくれる仲間なんだよ、だから俺は仲間の為に命を懸けるのさ、クラスSを守るの為じゃない」


 俺の言葉をかみしめるように聞いたルアは。


「それが失踪した理由で、コヴィスト王国での依頼に関わるんですか?」


「感じるままに」


 俺の返しにルアは微笑むと。


「はい、分かりました」


「あてはあるかい?」


「ないです、でも頑張ります」


「なら最後に、一つだけ、冒険者として一番してはいけないことは命を落とさないことだと教わっていると思うが、それだけだと足らない」


「え?」



「どんなにみじめでも、どんなに恥をかいても、どんなに周りからバッシングされようが、冒険で命を落とさない事だ」



「…………」


「いいかい? 命を落とさない事にも「覚悟」がいるんだよ」


「わかりました、ありがとうございます、なら私からも一ついいですか?」


「伺いましょう」



「サングラスはおすすめしません、試験中、胸と足ばっかり見てたのは気づいていましたよ?」



 と笑顔で言い放った。


 ふっ、やるじゃないか。


 今それを言うなんてな。


 ほら、振り向けないじゃないか。


 後ろが怖くてさ。


 あのさ、クォイラ達といいルアといい何でそんなことするかなぁ、女怖いなぁ。


 ガシッと後ろから襟首を掴まれる。


「そうか! この新聞一面の胸元にどうしてサングラスがあるのかと気になっていたのですが!」


「ごごごごご、ごかいだだ」


「あー出て来たね、カグツチの審査時の動画」


「ぎょ!!」


「あーーー、ほれ、2人とも、確かにサングラスしながら戦ってるね~」


「うわぁ、これはバレバレ、よく問題にならなかったね?」



「このクズが!!」



 バチバチと今までにないような威力で魔力が集まってきている。



「ねぇクォイラ、アマテラス脱退ってどうすればいいんだっけ?」

「カグツチ、退職金は君が凍結している資産を三分の一貰うからね」


「まあまあ、2人ともまずはこのクズを処断してからにしましょう」



「ちち、ちがうんだ、俺は、お前たちのことを本当に、大事に思っていて」



 ブツッとここでカグツチの意識は途切れた。







「」←カグツチだったもの



「さてルア、失礼しました、このクズは燃えるゴミの日に出しておきますので」


「…………」


 じーっとルアは3人を見ている。


「? どうしました? ああ、直接手を下したいのですか、確か貴方は槍使いでしたね、どうぞ私の部屋ですが槍を抜いても構いません、このままトドメを」


「いえ、やっぱりカグツチさんは凄いなぁと思いまして」


「?」


「だって、皆さん惚れてるんですから、こんな凄い女性たちに惚れられるなんて、流石だなぁって妬けちゃいます」


「……はぁ? こんなことをするクズのどこに?」


「可愛いと思いますけど」


 とケロッとしているルアにクォイラは首をかしげる。


「怒っていないのですか? 実際にあの審査会での貴方の言動は本気だったはず」


「んー、まあ実際はびっくりしましたね~」


 と語るルア。


 自分が登場した時、カグツチはゲンドウポーズでシリアス顔をしていたが、、。


(なんて分かりやすい、私の胸と尻と脚とかしか見てない)


 これは、下心に付け込んでいけるのではないかと直談判したところ、案の定下心丸出しのまま試験官を引き受けたカグツチ、更にサングラスを取り出してかけると、そのまま審査会場へ舞い降りて。


――「サングラスが気になるかい? 大した理由は無いさ、視線を悟られたくはない、そんなつまらない理由、、、」


(ええええ!!?? 嘘でしょ!!?? 誤魔化しているつもりなの!?)


「あっはっは、本当に馬鹿ですよね~。下心丸出しすぎて最初は本当に何か意図があるのかと思ったんですけど、全然そんなつもりなさそうで、ああ、だったら油断していれば仕留められるかもって思って不意打ちを仕掛けてうまくいかず、胸と脚ばっかり見ていたので、その隙を突いたのですが、強さは歯が立たなかったですね~」


 というルアの言葉。


 図太い。


 そんなルアの言葉に感心するアマテラス。


「なるほど、貴方は確かに冒険者向きかもしれませんね」


「その心意気は嫌いじゃないね、何かあればフェノー教へどうぞ」


「ボクは何の権力も持っていないけど、知識だけはあるよ、よければ君に提供しよう」


「」←カグツチだったもの



「はい、その時はよろしくお願いします!」



 とルアとアマテラス一味(3人+α)は笑顔で別れたのであった




――ルアがいなくなった後のクォイラ私室




「クォイラ」


 ファルがクォイラに話しかける。


「わかってます、私も探りを入れてみましょう、貴方は引き続き情報収集を、ジウノア」


「フェノー教での動きも探ってみるよ、というか多分アイツに絡むことになるだろうね」


 2人の話を聞き、クォイラは。




「我々動かないに越したことはありませんが、おそらくはそうはいかないでしょう」





 と言い放ち、それぞれが動き出す。





「」←カグツチだったもの




 一人を除いて。



おしまい(?)




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