第76話:冒険者学校、トライアウトへのぞむもの・後篇
――7日前・ギルド・ジョーギリアン
それはいつもの麗らかな昼下がり。
俺はいつものとおり大家さんに縋りついていた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! 本当にごめんなさい! 家賃忘れるなんて本当にごめんなさい(´;ω;`)ウゥゥ」
さて、いつもの事だと思うかもだが、今回は割と洒落にならない状態にある。
そう、忘れるの言葉のとおり、コヴィスト王国の一件で俺は致命的なミスを犯してしまった。
それは大家さんに対しての家賃の確保を忘れてしまったのである!
それに気が付いたのが家賃回収をしにきた大家さんに対して素で歓迎して「家賃よこせや」と言われ思い出し顔面蒼白、縋りついているのだ。
そんな俺に大家さんは冷たい目で俺を見る。
「出ていく?」
「うわーん! 大家さん! お願いしますお願いしますお願いします! どうかお慈悲を!!」
「そういうふうに言えば私が許すとか甘く見てる?」
「めっそうもありません! こちとら腐っても一人前と称されるクラスDでござんす! もちろんアテがあることでござんす!! 7日後には必ず用意できるでありんす!!」
「へー、デカいレースが7日後にあるんだ」
「もーう! 意地悪いうんだからぁ~、馬じゃこざんせんよ!」
「クォイラ嬢には絶対に金を渡さないようにお願いしてあるよ?」
「あの、本当にヒモではないんですけど(ノД`)シクシク でも本当にアテがあるんです!」
「…………」
じーーっと俺を値踏みする大家さん。
「わかった、それまで待とう」
「あざーーす!!(*- -)(*_ _)ペコリ」
●
そんなこんなで現在に至る。
そう、この審査会こそ7日後の「アテ」なのだ!
え? 審査会に審査員として出るのにどうして報酬が出るのかって?
その為には補足説明をしなければいけなくて、この審査会を「世界的冒険者から直接審査を受ける権利を金で買う」と説明したが、カラクリがあって。
実はルザアット公国全体の冒険者の7割がセシル・ノバルティスの息がかかっており、息がかかった7割の冒険者はセシルを頂点とした「派閥」を形成し所属している。
そして俺とセシルの前に座っている審査委員であるクラスAの3人は全員セシルのクランメンバーで、採用されたとしても「ジーズの傘下クラン」に採用されるのが現実なのだ。
派閥と傘下クラン。
派閥というとおそらく言葉のイメージは良くないと思うが、人の繋がりは力となるのは異世界でも一緒でありとても大事だ、それを必要としないアマテラスが特殊だと解釈してくれていい。
そしてその勢力を伸ばすために、セシルに限らず有力冒険者たちは自分が立ち上げたクランを頂点に「傘下クラン」を抱えている。
傘下クランも一口に言っても色々あるけど、一番オーソドックスなやり方は、クランメンバーがクランを立ち上げる事。
これはアマテラスでも採用していて、クォイラが冒険者活動として立ち上げたカミムスビはアマテラスの傘下クランに位置する。まあアレは、ダミーとしての役割が強いけどもと、こんな感じで運用方法も様々。
んでジーズの運用なんだが、前にも触れたけど結構凄い運用をしていて、愛人枠と戦力枠で構成されている。
愛人枠の女たちは、その女達でクランを結成し所謂「ハーレム」を構成している。
次に戦力枠、今審査会に参加しているクラスAの冒険者たちはジーズの最高幹部であり全員が自分のクランを持っており、そのクランメンバーが更に別のクランを立ち上げてを繰り返し二次クラン、三次クランを作り上げている。
そして傘下クラン全てにセシルにより格付けがされており、所属する冒険者達は上位クラン所属を目指してしのぎを削っているのだ。
要は今回のトライアウトは「身内式」であり、だから俺は完全な部外者、だから「協力謝礼費」が出るのだ。
ちなみに俺が得る報酬はそれだけではない( ̄ー ̄)ニヤリ
繰り返すとおり、女冒険者から絶大な人気を誇るイケメンヤリチンことセシル・ノバルティス。
所謂彼の「お手付き希望」の女の子も多く、だからなのだろう冒険者学校の女子冒険者志望者達って、色々なタイプの美人がいてよき限り。
(つまり俺がここに参加するのは報酬が貰える上に審査と評しておっぱいやら尻やら脚やらが見ほーだい! 食べほーだいなのだ! って食べ放題はセシルだけどね!)
え? ルッキズムの権化? いやいやいや日本だってアイドルビジネスがあるじゃないか? 韓流アイドルなんて世界規模のマーケットですよ? この世界にだって吟遊詩人がいてホヴァンが夢中になってるじゃないか、容姿が良いのは才能です。
え? 冒険者はアイドルとは違うだろって? いやさ、例えばさ、プロ野球のビールの売り子なんてさ、アイドルじゃないけどさ、絶対顔採用だろって思うわけですよ、みんな言わないだけで。
これを読んでいる方でプロ野球観戦する方ってあまりいないと思うのでピンと来ないかもしれないが、あれは地下アイドルとファンの関係にそっくりだと思う訳ですよ。
世の中で建前と本音があって綺麗事ではやってられんのですよ。
それにね女性冒険者達だって、そこら辺はちゃんと強かだよ。
アピールの為に、胸やら脚やら尻やらを強調した姿も多いのだから。
これはたまらんですな。
え? 最低? クズ野郎? コンプライアンス違反?
いやいやいやいや、それはね、セシル君のことですよ? 皆様ご存じないだろうけど、セシル君は、女に対してこんなことを言っているんです
――女の賞味期限は1週間
はいどうですか? どっちがクズですか? それに比べて「見てるだけ」の俺は何と健全な事か!
そんな訳で色々と語ったものの。
「今回もやってきたな」
「どんな卒業生が出るのか楽しみだ」
とはトライアウトに呼ばれている冒険者新聞の記者たちの言葉、建前と絡繰りがあれどクラスS主催には間違いないから当然に注目度は高くなる。
このトライアウトは毎回冒険者新聞で2面、状況に応じて1面で扱われるレベルの審査会だ、ノバルティス冒険者学校がルザアット公国最高峰の学校であることに間違いないのだから。
んでね、本来、部外者でありクラスSの俺が参加することにより政治的案件が絡むめんどくさーい展開になるかと思いきや。
「カグツチ・ミナトは、今回も参加か、失踪のゴタゴタは解決したで間違いないのか」
「どんな考えがあって、この卒業式に顔を出すのか、今までアマテラスに採用した事は無いのだろう」
「うーむ、アマテラスは傘下クランはカミムスビがあるが、アレは別目的の為だろうからな」
「それに新しいメンバーと言ってもあのアマテラスの3人は全員が化け物だからな、正直審査会に参加する意味はないだろう」
「となるとやはり「友好関係のポーズ」が妥当だろうな」
「ああ、クラスSが2人ってのは要はナンバー1が2人ってこと、あの2人がぶつかればルザアット公国と言えど壊滅的な被害を負うからな」
( ̄ー ̄)ニヤリ ←カグツチ
そう、こんな感じで都合よく解釈してくれる。
(いやぁ、それにしてもおっぱいとおしりと脚を見ながら、お金も貰えて滞納した家賃も返して余裕もできる、いやはや、こんな楽で役得で感謝感謝、大感謝、こういう時はクラスSで本当に良かったと思う)
【それでは、審査会を始めます。受験番号1番、前へ】
っと意識を戻さないと、そんな訳で審査がスタートする。
トライアウトの流れはこう。
卒業生があらかじめ申請した方法で実施する。
審査員たちは配られた卒業生たちの各資料と実技を見て、採用するかどうか決めて、採用意向があれば通知をして条件等の詳細を詰める。
オファーが何もない卒業生は卒業と同時に冒険学校運営のギルドからも除籍されるためフリーエージェント状態となり、各自で進路を決め、契約先を探す。
さて実際のトライアウト歴代の結果なのだが……。
ルザアット公国最高峰の冒険者学校であれど、オファーを受けるのは1割弱なのだから狭き門だ。
「平凡、以上」←クラスA冒険者
「特にコメントは無いな」←別のクラスA冒険者
「ま、卒業後、別のギルドで頑張ってほしい」←更に別のクラスA冒険者
こんな感じで先ほどからずっと不採用が続いている、現在採用人数たったの2名、しかも最下位クランでの採用だ。
これが現実、なのだが。
環境に応じて傑出した才能が出るものだ。
【続きまして、特別枠の生徒達です】
進行役のアナウンスと、呼ばれた11人の生徒達が並んだ時、審査会の空気が変わる。
いよいよ次は、この審査会のメインイベント、ノバルティス冒険者学校の目玉である「特別枠」に指定された生徒達の審査が始まる。
特別枠はそのまま「特待生」と解釈して問題ない。
特別枠は、入学前から指定されたり入学後に指定されたりして授業料が全て免除になるが、成績が振るわなければ指定を外されたりする厳しいもの。
今回の特別枠は、指定されたのちに一度も外されることなくこの日を迎えた精鋭達。
一列に並んだ全員が表情も自信に溢れている。
【それでは11席、前へ】
11席、つまり特別枠の11位からスタートする。
【それでは始めてください】
そこから始まった特別枠の生徒達のトライアウト。
「ほう、回復魔法の初級を全てマスターしているか」←クラスA冒険者
「魔力コントロールも良い」←別のクラスA冒険者
「こちらでスカウトする、回復魔法使いは何人いてもいい」←更に別のクラスA冒険者
「…………」←セシル
(ふほー! ムチムチの太もも! 太もも! 太ももに挟まれて死にたい人生だった!)←カグツチ
「身体強化のバフ使いか」←クラスA冒険者
「手を上げていいか? 丁度欲しかったところだ」←別のクラスA冒険者
「ああ、こちらは構わないぞ」←更に別のクラスA冒険者
「…………」←セシル
(この脚線美からの引き締まった小尻の良さよ、後ろから襲いたい)←カグツチ
「ほう、音楽家とは意外だった、それよりも魔力に音を乗せて通信手段として使うか」←クラスA冒険者
「通信魔法より早い、機密性も高いがリスクもあるな」←別のクラスA冒険者
「割ととがった才能だな、面白い、これはうちで取りたい」←更に別のクラスA冒険者
「…………」←セシル
( ゜∀゜)o彡゜おっぱい!おっぱい! ←カグツチ
「なるほど、あのまずいレーションを簡単にここまで美味い食事にするとは、これはウチが欲しい」←クラスA冒険者
「素晴らしいな、コイツは俺がいってていいか?」←別のクラスA冒険者
「美味い飯は士気を向上させる、いやこちらも欲しい」←更に別のクラスA冒険者
「…………」←セシル
(男はどうでもいい( ˘ω˘)スヤァ)←カグツチ
流石特待生枠、どんどん決まっていく。
まあ確かに素晴らしい才能と能力であることに異存はない、異存はないけど。
クォイラは桁外れのストレージ魔法で美味い料理を作れてバフデバフまで使える。
ファルの情報収集能力は、知恵の樹の深淵からの情報も得ることができる俺達の生命線。
ジウノアは最高レベルの回復魔法使いで、怪我を気にせず闘える。
思えば本当に凄い奴らが、俺の仲間になってくれている。
仲間のありがたみを噛みしめて。
【次は首席です】
(キタキタキタキタ!!)
と資料を机に置いてゲンドウポーズで登場を待つ。
さて、この審査会のオオトリは首席、この期生の顔と言ってもいい。
今回の首席は、なんと女冒険者で戦闘職、これは快挙だそうだ。
戦闘職。
繰り返し述べたが一番替えがきくし需要に対しての供給過多である消耗品、だがその不利を覆して首席をを勝ち取る努力家。
彼女の名前はルア・リーム、既にクラスDに準じるぐらいの能力を持っているそうで、伸びしろしかない状況だそうな。
「戦闘職で首席、努力家なのだな」←クラスA冒険者
「とはいえ近接職か、うーん」←別のクラスA冒険者
「ウチにはほしいね、丁度募集をかけようかと思っていた」←更に別のクラスA冒険者
「…………」←セシル
(しかし、今日色々なおっぱいを見たが、この子は格別だなぁ)←カグツチ
と審査前から議論している。
そして現れたルアだったが。
(ほほう)
と感心する。
いや、何が感心したって今までの露出過多の女性冒険者とは違い、黒髪ロング巨乳で露出も少なめとは分かっているねぇ~という部分だ。
え? 恰好だけで中身は変わらないって?
んなことは分かってんの、男ってのは、清楚な恰好に騙されるものなの、だからしょうがないの。
男には騙される幸せってもんがあるんよ(*-ω-)ウンウン。
これはワンチャンセシルからのスカウトもあるんじゃないか。
セシルは先ほどから一言も発していないが、過去何人か愛人枠に「お手付き希望」を採用した事があるのだ。
もちろん色香だけでお手付きにはならない、能力まで求めるのだから豪勢なものよのう。
(ん?)
と思いきや、ルアはなにやら司会役と揉めている、どうしたんだろう。
首を振る進行役を振り切り、そのままずんずんと中央に歩くとこういった。
「セシル・ノバルティス! お願いがあります!!」
突然の彼女の言葉に場が凍り付く。
同じ女性冒険者たちは抜け駆けを許さないとばかりに詰め寄ろうとするが、返事を待たずして大声で言い放つ。
「私の審査の相手を、カグツチ・ミナトにして欲しいのです!!」
と言い放ったのだ。
意外な言葉とはいえ睨みつける女冒険者に慌てる進行役、色めき立つのは冒険者新聞記者だったが。
「その話はきいてねえな、どうしてこの場でそれを言った?」
と発言したのはセシル、場は一気に静まりセシルが空気を支配する。
「却下されると思ったからです!!」
その言葉に顔が青くなる冒険者学校の幹部の面々だったがルアはそれを無視して続ける。
「セシル・ノバルティス! 私は首席を取りました! その権利はあると思います!!」
「…………」
少し表情を厳しくするセシル、そこに否定的な空気が漂うが、、。
「ちょっといいかい?」
と手を挙げたのは俺だった。
「俺は部外者だけど、戦闘職で首席を取る事の難しさは同じ戦闘職として理解しているつもりだ。それに彼女は要は「結果を出したから権利を主張させろ」ことだ。その考え方俺は好きなんだよ、別にいいぜ、試験官やっても」
俺の言葉を受けて、少しセシルは考えて。
「……お前がいいってのなら是非は無い」
おおと、セシルは傲岸不遜とはいえ、同じクラスSカグツチの意見には耳を傾けるのかと周りは感心する。
「部外者である俺の意見を聞いてもらい感謝する、ルアといったな」
「はい!」
俺はサングラスを取り出してかけると、そのまま審査会場へ舞い降りる。
「…………」
「サングラスが気になるかい? 大した理由は無いさ、視線を悟られたくはない、そんなつまらない理由、、、」
と言い終わる直前に。
目の前に槍があった。
「っと」
とすっとバックステップで避けると距離を取る。
「へぇ、武器は何を使うのかなと思ったが槍を選択するとは」
ちゃんと三又に分かれており、自分の身体の長さに合わせてある。
近接戦闘でありながら距離を取って戦う事が出来るのが槍。
「センスが良い、槍の万能性って実はあまり知られていないからね」
「はあ!!」
それに答えず、息をつかせぬ勢いで身体を乗せて一呼吸での三連撃。
俺は今度はそれを見てあえて近づき、その三連撃を交わし距離を詰める、さあ、武器の特性を殺したぞと、どう対処するかと思ったが。
挽いた腰を回しての膝蹴り、そこから変化させたハイキックをかましてきた。
俺はそれを地べたに座り込む形で回避するとあえて距離を取らないままでいる。
「(圧倒的!! 圧倒的おっぱいの揺れ!!)上半身の捻りが素晴らしい、膂力を出す方法を考えている」
「(悪魔的!! 悪魔的脚線美!!)槍を軸にしての蹴り、まあ少し大振り過ぎたかな」
と御高説を垂れる。
そう、視線を悟らせたくないというのはこういう理由なのである!!
いやぁ、近くでよきかな。
え? 言っておきますけど嘘はついていませんよ? 俺言いましたよね? 視線を悟らせたくはない、つまらない理由だと(ゲス笑い)。
と次の瞬間俺の前に槍の先端があって。
「っと」
とそろそろかなと、俺はすっと避けて、そのまま拳を突き出し、、。
額に軽くデコピンする。
「…………」
おでこを軽く抑えるルア。
「勝負あり、なんてな」
と笑顔の俺だったが。
【ル、ルア・リーム】
進行役と冒険者学校の幹部が顔面蒼白となっている。
【あ、貴方の最初の不意打ち、ほ、ほほ、本気でカグツチ・ミナトを】
「はい、実戦ですから」
【っ! 貴方はこの場がどういうものか分かっていて! 自分が何をしたのかわかっているんですか! ク、クラスSに喧嘩を売ってどうなるか!!】
「ちょっと待った進行役さん、ルアの今の審査で一番評価できることは、なんといっても最初の「殺意」を持った不意打ちだよ」
【え!?】
「実戦で不意打ちは最強の攻撃手段だ。不意打ちが卑怯なんて言う奴はプロじゃない、それを躊躇なくできる、それに不意打ちだけじゃないぜ、途中でみせた槍の三連撃だけど」
俺はルアに話しかける。
「アレは特に動きが洗練されていた、複数の魔物相手を想定しているね?」
「っ! はい! そうです!」
「あれはもっと伸びるから訓練しな、君は見込みがあるよ」
「…………」
「って簡単には終わらないのがクラスSの面倒なところかな進行役さん、いやセシル、いいかい?」
「なんだ?」
「アンタなら分かっていると思うが、どうやらここにいる皆さんは不安に思っているみたいだから一応公言するよ。俺は今回試験官だ、彼女の今回の俺に対しての全ての攻撃は「クラスSに喧嘩を売るに非ず」だ、アマテラスは今後もジーズと友好関係を続けたい」
「元よりなんの心配もしてねえよ、お前は伊達や酔狂で冒険者をやってるやつだからな」
「たはー、返す言葉も無いね、てなわけで、ルア、これから頑張んな」
とルアの返事を待たず、そのまま踵を返す俺。
ふっ、決まったぜ、シティーハンターのアレでゲットワイルドが流れるころ合いだ。
とそんな訳で実技訓練で揺れるおっぱいと足を見て大満足で審査を終了、、、。
「待ってください、カグツチ・ミナト、まだ終わっていません」
「(ビクゥ!)どうしたんだい?」
振り返ると、先ほどとは違いルアはじっと俺を熱を帯びた目で見ている。
な、なんだろう、だ、大丈夫だよな、まさか、胸と足とか見たの、バレてないよな。
いや、女って気づくっていうよな、そういう視線、ばれたのかな、ドキドキ。
「カグツチ・ミナト、私が登場した時から熱心に見てくれていたこと、気づいていました」
「(アワワワワワワ!!!)そうだね、君は中々に見込みがあると思ったからね」
「ありがとうございます」
「あ、ああ、それで何か言いたい事でも?(滝汗)」
と俺の言葉に彼女は大きく息を吸い込むとこういった。
「私は、貴方に憧れて冒険者になったんです!! だからアマテラスに入れてください!!」
「…………」
「…………」
シーン。
Σ( ̄□ ̄|||)エエエエエエエエ!!!!! ←カグツチ
思わぬ発言にざわつく。
え? え? こ、この子、本気? こんなところでこんな公言をするって、それがどれだけ、、。
「「「「「「…………」」」」」」
ヒ、ヒヒィィィィ!!! セシル含めた全員がめっちゃ見てる!!!
こ、これ、俺の対応次第で、多分色々と、、、。
ど、どうしよう、俺、こういう時に悲しい程機転がきかない、、、
あ、、、
あ、あ、あ、あ、あ、
あああぁぁぁぁ
ああああああああ!!!!
――俺からは一つだけ、憧れるのを辞めましょう
――俺だけじゃない、隣には同じクラスSのセシルだったり他のクラスAだったり冒険をしていれば誰しもが聞いたことがある冒険者たちがいると思う
――憧れてしまっては越えられないので、君は今日俺を超える為に、トップになるためにきたので、俺への憧れを捨てて勝つことをだけを考えていきましょう
::翌日の冒険者新聞の一面
――クラスSカグツチ・ミナトの新人冒険者への謹言!!
―――憧れるのを辞めましょう
有識者1「史上最速でクラスSに上り詰めたカグツチ・ミナトです。彼には憧れの冒険者はいなかったということ」
有識者2「これは次元を超えし者の覚悟の言葉ともとれます、相手の凄さを知る冒険者だからこそ、ひたすら勝ちを重ねていったのでしょう」
有識者3「勝つこと、それが彼の生き様なんですね」
有識者4「この言葉は冒険者史に残る屈指の名言となるでしょうね」
「ヴァアアアアアア!!!」←手首に剃刀を当てながら
突然なんですけど「女の賞味期限は一週間」の言葉のとおり、セシルのモデルって花より男子のF4です。
彼らを男らしくしたイメージですね。




