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第66話:▼■〇◎▼◎■■◇



――玉座




「クォイラ!」


 とゴーグルを付けたままファルが傍にいるクォイラに呼びかける。


「報告を!」


「現在、暗黒街で地下闘技場を中心に死者多数が発生中!! こ、これは、凄い勢いで増えている!!」


「カグツチの動向は取れますか!?」


「な、なんとか、ってカグツチがマフィアだけじゃない!! 関係者を片っ端から殺して回っている!!」


「わかりました! それでは」


 その瞬間「ドーン!!」と凄まじい音が辺りに木霊する。


「どうした!?」


 とアル王子がテラスに出て。


「アル王子!! 勝手にテラスに出ないでください!!」


 と悲鳴に近いクォイラの言葉でテラスに出たアルは何かを感じ空を見上げると。



 それが一瞬何だかは分からなかった。




 何故なら30メートルの建物が空から降ってきていたのだから。




 ズウウウウン!!!


 という地響きがして、バリーンと風圧で窓ガラスが割れて体が吹き飛ばされてテラスから玉座に壁に打ち付けられる。


「…………」


 そのままへたりこむアル王子。


「まったく最後まで! ファル! 貴方は暗黒街の情報権限の乗っ取りを!」


「了解! それと死者はもちろん怪我人も多数出ている!!」


「ジウノア! 私は結界の維持で精一杯です! アル王子を含めたリスト記載の負傷者がいれば回復をお願いします!」


「分かった!!」


 と玉座を後にした。


「さて、城の結界と後は!」


 クォイラは、半壊したテラスにでる。



 クォイラの視線の先、暗黒街では今見ている瞬間にも凄まじい爆発音が木霊している。



「カグツチ、貴方は、、、」 



 そのまま手を暗黒街の方向に向けてかざす。




――暗黒街




「冗談じゃねえ!! 冗談じゃねえ!!」

「おい! さっさと!! そこをどけええ!!!」


 とならず者の冒険者達がマフィア達に詰め寄る。


「て、てめら!! カグツチを仕留めねえで何逃げてやがんだ!!!」

「こちとら高い金払って雇ってんだろうが!!!」


 マフィアが激高しもみ合いの中1人の冒険者が叫ぶ。


「どうしてクラスSに喧嘩を売った!!??」


「は!?」


「メーバルとユモナがクラスSの女と舎弟なんて聞いちゃいねえぞ!!!」

「クラスSに戦争を仕掛けるってのはどういうことなのか!!」

「そんなことも分からねえのか!!」


 と怒号が飛び交っている。


 クラスSに喧嘩を売るって、そう混乱するマフィアであったが。


「あ、ああ、ああぁ、ああぁぁーーー!!」


 突然1人の冒険者たちは空を見上げて悲鳴を上げてへたり込み、それを見た他の冒険者たちは地面にへたり込む。


 マフィアの構成員をつられて頭をもたげて上を見る。


「な、な、なんだありゃあ」



 視線の先には、、、。



 数百メートル上空に数百メートルの大きさの、、。



 鳥。



 羽をとじて止まっている鳥。



 その鳥は、ゆっくりと大きく羽を広げて。



 その3本足が露わになった。



「厄災の鳥、、、、」



 冒険者において自らのエンブレムを掲げることは「手出し無用、全ての責任を負う」という意味を指す覚悟の印だ。



「出れねぇ!!」


「っ!」


 冒険者の絶叫で我に返るマフィア。


 いつの間にか出入口をこじ開けられたが、結界が張られていて冒険者全員が弾き返されている。



「嘘だろ!! この暗黒街全体を張れる結界を張れる魔力だと!!」

「クォイラ・アルスフェルドだ!! アイツしか考えられない!!」

「ありえないだろ、この広さだぞ!!」



「情報にジャミングがかかっている! 何故だ!」

「こっちはレベル5の鍵を持っているのに! 何もわからねえ!!」

「ティンパファルラだ、深淵へのアクセス権者、、、」



「ならフェノー教の教会にかけこめ!! フェノー教ならジウノアがアイツを盾にすれば!!」

「駄目だ! 既にもぬけの殻だ!!」

「誰もいない、既に城に避難している!!」




 そう出られない、、。




 いや出す気がないってこと。



 それは、つまり、、、。



 バシャっと1人の冒険者に何かがかかる。




 それは、先ほどまでいたマフィアの頭が無くなった首から噴水のように吹き出す血液で。



 「それ」は目の前に立っていた。



 片手には手に貫かれて百舌鳥の早贄状態になったマフィアの副頭目たちがいた。



 しかも、、、。



「い、いい、生きてるるううううぅ!!!」



 全員生きている、腹を貫かれて、うめき声をあげて、全員まだ生きている!!



「ちくしょう、ちくしょう、どうしてクラスSに、どうして、、、」



 慟哭に似た言葉が、その冒険者の最期の言葉になったのか、、。



 それは分からない。



 天に羽ばたく厄災の鳥の羽がを広げ、とじたまでの時間はわずか半刻程度であったが。



 その厄災の鳥が羽ばたいている間、結界内の全ての命はカグツチの気まぐれのままに蹂躙された。






――クラスSの報復



 クラスSへの裏切りと攻撃による報復は、その全てが凄惨陰惨無惨に彩られ、その全てに世界ギルドは関知しない。




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